土曜日, 12月 31, 2005

Macintosh伝説〜第二十一章〜

2005年−Apple伝説再び



Mac mini誕生
San Franciscoで行われたMacWorldEXPOの目玉は、Mac miniであった。これは、有る意味で全くAppleらしくない商品なのである。信じられないくらいに小さくて軽く、価格も目茶苦茶に安く(もちろん、Appleの商品としての但し書きは付く)、その上Windowsユーザ以外をターゲットに考えていない画期的な商品なのだ。G4 Cubeは、あまりにも思い入れが強過ぎたために熱烈な信者以外には見事なまでに売れなかったMacだった。それに比べ、Mac miniはMacをメインに使うユーザを対象には考えていない。PCのCPUを置き換えるための商品だ。もちろん、Macとしての能力が低い訳ではない。このマシーンよりも高速なG4マシーンはPowerbook以外にはない。十分に何でも出来るポテンシャルを持っている。但し、Macユーザの視線はもう既にG5以降に注がれている。デザインを含めた商品の魅力は十分にあるが、現在使っているマシーンを置き換える存在ではないのである。間違いなく良い商品であるけれども買わないと言う希有な存在なのだ。ここにきてようやくAppleは、Windowsを喰う体制を整え始めたのである。「Cubeの敵はCubeでとる」流石は、Jobsである。

iPod shuffle発表
iMacやiPod miniとの比較ではどうにもならないくらいにiPod shuffleの食付きは良かった。フラッシュメモリータイプのプレイヤーはダメだと言っていた唇が乾く間も無く発売されたshuffleは、先行してフラッシュタイプばかりを作っていたメーカーがやっとHDDタイプの生産が始まったのに煮え湯を飲ませる結果になった。その結果フラッシュでそこそこ売上を上げていたRioのように完全に撤退せざるおえないメーカーが続々とあらわれたのである。

Tiger発売
いつ出るか解らずに取りあえず名前だけが決まった次期Windowsをあざ笑うかのように1年ごとにOSXのブラッシュアップが続く。完成度の高かったPantherを越えるTigerでは、ベイパー化しているWindowsの先進機能を全て実装すると言う暴挙に出た。PowerPointキラーと呼べるKeynoteにWordキラーと呼べるPagesをバンドルしたiWorkはOfficeの必要性をまた低くしてしまった。それだけでなくH.264の完全サポートによりリッチ・コンテンツのプラットフォームはMacであることを示す結果になった。

iTunes Music Store Japan開始
iTMSも無い状態でトップセールスを続けてきたiPodに最高の援軍が登場した。サービス開始時に100万曲(洋楽が多いことはこの際目を瞑る)を取りそろえたことはAppleならではの結果だろう。楽曲は国内の事情を反映して一律にすることが出来なかったがそれでも、たのサービスが価格を下げざるおえない状況を作り出したことは評価出来るだろう。開始4日で100万曲を販売。これは世界中のおiTMSでも最短の記録になった。未だに参加していないSONY BMGがバカを見るのはもうすぐである。

iPod nano発売
iPodの中でも1番の売れ筋であったiPod miniを製造中止して登場したiPod nanoは、miniが霞んでしまうような売上を上げた。発表の当日日本の某メーカー(SONY)も新製品の発表を当て馬のように行ったが発売されるのは2ヶ月半も先である。何のために慌てて発表したのかは理解の範疇を越えていた。冗談で発売前にもっと凄いiPodが出るぞと噂されていたが本当にそうなってしまったのが悔やまれるばかりだ。発表さえしていなければ売れないことが解っている商品を発売しないで済んだのに。

iPod 5G発売
あれだけやらないと言っていたムービー再生機能付のiPodをいけシャーシャーと発表してしまうJobsにはかなわない。それまでにもビデオ再生機能を持った商品があったにも関わらず、iPodが出たことによってビデオポッドキャストなる新しいムーブメントが起こったことは余りにも悲しい現実である。未だ発売開始されていないWalkmanは発売を前にして価格を改定せざる負えなくなり、実質1万円以上の値下げとなってしまう(これでは売るだけ損になってしまうが、幸いちっとも売れなかった)。クリスマスのプレゼントのトップを奪うのはどのiPodなのかと言う状態で、向かう所に敵は1匹も見当たらない状態だった。iTMSの販売累計はついに6億曲を突破。販売数量でタワーレコードを抜いてしまった。

Cubeの敵はCubeでとる
前者は失敗に終わったG4 Cubeのことであり、後者はMac mini(こちらもキューブ型のG4マシーンである)のことである。

Macintosh伝説〜第二十章〜

2004年−iPod伝説始まる



Windows版iTunes公開
Windows版のiPodが発売されて早1年半。Music Mutchのバンドルと言う中途半端な仕様でお茶を濁していたiPodが正式にWindows版iTunesがバンドルされた。これで、Mac版と同じサービスが約束された。iPodはMacユーザーと、物好きのWindowsユーザーのためのおもちゃとバカにしていた人達もiTMSの急激な拡大に度肝を抜かれた。HP(ヒューレット・パッカード)によるiTunesの標準バンドル化とiPod販売のアナウンスにPC業界は少なからず驚かせられたはずである。結局、年末までにiTMSは2億曲のダウンロード販売を成し遂げダウンロードサイトのデファクト・スタンダードを確立した。

iPod mini発売
初代iPodよりも小さな容量で売れる訳が無いと、口さがない連中は批判した(初代iMacの発売時と全く同じ反応であったように思える)が結果的に爆発的な大ヒットとなった。iPod miniは、玄人受けしようとして開発された商品でなかったことを、批判した人達はわかろうとしなかったのが的外れな批判の原因だったのである。これは、Appleのコンシューマ商品全般に対する批判に言えることなのだが、PCを使い易い道具として使えればいいと言う人にとって基本的な機能以外は邪魔なだけでシンプルなものをよしとするミニマリズムを理解出来ない人が理系に多すぎるのである。Vuitton、Gucci、Hermes、Pradaと名だたるブランドがiPod用のケースをこぞって売り出したことが、iPodが女性に浸透していることの証明になっているのである。

iPod以外の不発
鳴り物入りで発表されたVAIO Pocketは、2週間後に発表されたNetwalkmanの発表で出鼻を挫かれた恰好になってしまった。やはり、SONYは本当にバカである。SONYはそんなことをやってるほど、余裕無いんだけどな。詳しくは、筆者のblogをご参照下さい。続いては、DELL。流石のPCの王者も価格以外でiPodに対抗する術を持たず、未だに売れて売れて困りますと言う声を聞かない。あの、安かろう悪かろうが問題とならないアメリカで売れないと言うことは致命的である。アジア圏で唯一検討している韓国系のメーカーでさえ最早これまでになりそうなのである。DELLのパソコンでOKな価値観の人ぐらいにしかアピールはしなかったのである。

2億曲のダウンロード販売
iTMSスタート依頼5000万曲までに1年2ヶ月を費やしたのに、Windowsにサービスを開始して半年で2億曲を突破した。まさに、Windows様々なのである。Macユーザーはふらふらとあっちへ行ったりしないが、やはり絶対数が少ない。この結果を受けてWindowsユーザーを本当の意味でスイッチさせる戦略をAppleが取ることが決定された。Windowsユーザーが楽に乗り換えられる価格(2年で使い物にならなくなる機種と同程度の値段)のマシーンを出せばかなりの勢いで乗り換えユーザーが出てくるだろう。好きでWindowsを使っているユーザーの実数はシェアの逆数(5%)位なのである。

SONYは本当にバカ
Netwalkmanを出しながら、HiMDの宣伝を盛んにしているのなんてアメリカのメーカーでは絶対に考えられない。これも、全ては事業部制の弊害によるなわばり意識(官僚制)のせいである。実績があるものにおんぶに抱っこでは新しい商品は生まれてこないことを解ろうとしていないのだ。先見性の無い企業体質(Lカセット、betaなどの失敗から学んでいない)は死ななきゃ直らないのである。“MDに比べればまだ市場は小さい”などと主張しているが、そりゃあんたんところの話でしょ。

Macintosh伝説〜第十九章〜

2003年−Panther誕生



Powerbookに12インチ、17インチが登場
発売されてから何年も経つ現在もDell辺りに盛んにコピーされているTitanium(他社さんはなんちゃって金属)からアルミ合金にモデルチェンジされたPowerbook。初期もDellの熱対策は十分でなかったため15インチ以上に熱くなる12インチに閉口しながらも、バリエーションが増えたことによってAppleの主力がノートに移るきっかけとなったシリーズの登場である。結局G5マシーンは登場することなくIntelへの移行が決まってしまったが、デザイン機能どれをとってもプロ用と言えるマシーンであった。最終の17インチモデルは画素数で20インチiMacと同様の表示領域になり、まさにスーパーノートブックであった。

iTunes Music Store開始
これも、iPodと同じで始まった時の反応は失敗するでした。待ち望んでいたのはMacユーザだけ。そりゃそうでしょう、Mac版しかなかったのですから。Windows版どころか、世界中で(日本はいつになる)サービスが始まっている現在では、誰もiTMSを無視することが出来ない状態。2億曲を売ったサイトは他にはありません。それもこれも、iTunesを使ってストアにアクセスする方式をとっているので、ダウンロードされたファイルの保管場所を気にする必要がなかったからです。使い易さは、ソフトの出来にかかっていると言う証拠です。

Panther登場
OSの機能以前に次はどのネコ科の動物になるのかと気になったのは私だけではないだろう(もちろん一般人には関係ないことなのだが)。Pantherの完成度はかなり高く今でもわずかながら使っている人がいるようだが。一部ネットワーク関連で問題を抱えていたことも確かである。iLifeなどのマルチメディアソフトが有料ソフト(わずかな金額だがただで入っているにこしたことは無い)になってしまったことだけが悔やまれる。

Macintosh伝説〜第十八章〜

2002年−Jaguar誕生



iMacフラットパネル登場
この時のMacWORLD EXPOの目玉は、誰が何と言おうとも雪見大福型のiMacの登場である。何で丸いのと思った御仁達は、その首振りを見て角があるとぶつかるわなと素直に納得。ボンダイブルー以外はiMacじゃないと訳の解らんことをほざいていた女は、今はタムロンの人。ディスプレイの割に大福部分が大きいなと思っていた人達は、20インチが同じ筐体でOKと解った時にAppleの設計思想の奥深さにうれし涙を流したのである。それにしても、この年は色んなマシーンが色々と発表され(クロックアップとディスプレイの大型化が中心ですが)PowerbookもDVI端子モデルにかわり名実ともにチタンブックの集大成と言えるものであった。このマシーンが最後のデュアルBootが可能なOS9.2.2を載せているため、今でも世間では一切の値崩れをしないで売られている珍しい機種になっている。金に困った時には是非、換金してもらいたいと思います。

Jaguar登場
まだまだ、ベータ版じゃないのと言われていたOSXもJaguarが登場すると、そろそろOSXかなと決意させるだけの機能を搭載してきた。問題は、プレビュー版の時から、熱心にOSを買ってきたユーザーにとってアップグレードが無いと言うのはちょっと辛かったかも知れない。”毎年だぜ”そんな寂しいことを言わないで下さい。間違いなく毎回OSは正しい進化をしているのですから。Windowsユーザの飲まされた煮え湯に比べたら、まさに甘露ともいえる口当たりの良さだったのですから。

Xserve登場
年も押し迫り、いきなりXserveが発表された。デスクトップにサーバソフトを入れただけのまがい物ではない本当のサーバモデルの登場である。サーバなのにオシャレな筐体、システム部門に受け入れられるだけの実力を持った初めてのマシーンであった。PCサーバよりも安く、信頼の置けるUnixベースのサーバは機関システムの一つとして導入されても不思議ではない実力を秘めていた。しかし、世はまだWindowsの呪縛を振り払う程の理解力を持たぬ人々の天下、海のものとも山のものとも解らぬシステムに金を出す人は多くは無かった。OSXサーバが、世間で認められるようになったのは、バージニア工科大学のシステムが廉価で、世界第3位のスーパーコンピュータになったのと、恐れ多くも畏くもの東京大学の情報センターでMacにリプレイスが行われたことが大きく影響してからであった。恐らく今後大学で使われるコンピュータに占めるMacの割合は、世間でのシェアとは全然関係ない程に高くなって行くだろう。

煮え湯
セカンドエディションが出るまでのWindows98。98SEにメディアプレイヤーを入れただけなのに安定性が進じられないくらいに低くなったME。NTのシステムサイズにMEの不安定さをプラスしたXP。セキュリティの問題を解決するために入れたSP2のはずなのに、バイオスを飛ばされたあなた。そう、あなた達のためにこそOSXがあるのです。是非、心置きなく転んで下さい。

Macintosh伝説〜第十七章〜

2001年−iPod誕生



Powerbook G4登場
研ぎ澄まされたデザインは、まさにプロ用のノートブックと呼ぶに相応しい出来栄えであった。それまでの黒いポリカーボネイト素材を捨て、航空機のボディに使われているチタンをまとっての登場である。15.2インチのワイドスクリーンは当時のノートブックでは初めての採用で、その後のPCに影響を与えた事は間違いないだろう。斬新なデザインだけでは売れないと言うG4 Cubeの汚名を晴らすために開発されたPowerbook G4は、その大役を無事に果たすことが出来たと言えるだろう。

iPod 誕生!他のMP3プレーヤーはどうした?
まだ持っていないのですか?iPod。お客さん、Windowsの世界でもデファクトスタンダードになってますよ。それまで、売れないと定説化していたハードディスク内蔵型MP3プレーヤーに新たなプレーヤーが加わった時に、PC雑誌は鬼の首でも取ったようにAppleの戦略を批判した。それこそ、またNewtonの二の舞いだとバカにしていたのである。でも、その人達は一番肝腎なことを忘れていた。Newtonを作らせたのは、SculleyであってJobsでは無かったと言うことをである。iPodは、Jobsのビジョンから作り出された商品である。そんじょそこらのまがい物とは格が違うのだ。今は、流石に小さいHDDを載せたマシーンを出すようになってきたが、iPodが出るまでに売り出されたものは、安普請の塊のような物だったと言える。要は、需要がなかったのではなく売れるような商品を売っていなかっただけなのだ。そこのところを、ちゃんと理解し始めたのはHPだけかもしれない。ユーザが賢くなったこの時代、真に使い易い物でなければ世の中には認められないのである。

iBook登場
次は、巻き貝になるのではないかと予想されていたiBookは、ごくごく当たり前のノートブックとして再スタートを切った。評判の悪かった画面モードはXGA対応となり、これで取りあえずは大丈夫でしょうの状態になった。CPUは、G3を使い価格の安さをPowerbookユーザに納得させることができる仕様であった。持ち運べるiMacというポジションは、それなりに納得のいくものであった。

Windowsの世界でもデファクトスタンダード
正直な話、iPodをMac版だけにしていたならば、今の隆盛はなかったでしょう。そして、iTunes以外のソフトに対応していたならば、今の隆盛はなかったでしょう。これは、間違いありません。話が可笑しいって思われますか。ここが大事なことなのですが、ハードとしてWindowsに対応しなくてはいけないが、Windowsのソフトに対応してはいけないのです。何故ならば、iPodの良さとは、iTunesとの連携によって初めて活かされるからです。あまたのリッピングソフトの使いにくさを経験されている方はきっとお分かりのことでしょう。使いにくいソフトと連携させるのならば、他のメーカーのものの方がよっぽど安く済みますからね。

Macintosh伝説〜第十六章〜

2000年−Mac OSXの時代



Mac OSX 発売開始
ベータ版ではどうなるかと心配されたMac OSXが正式に発売される。従来のOS9.0をclassicモードで起動できるためOSXネイティブでないアプリケーションもそのまま使うことが出来るため、未だにclassicモードだけで使っている人さえいるようである。何故過去に縛られるのか私には理解できません。
最初のバージョンは、旧来のMacOSの皮を被ったOPEN STEPと言う感じが強かったが、良くフリーズするOS(実は誤解)というMacOSの負の遺産を消し去ることが出来たのは、BSDベースのMachカーネルの賜物だろう。一言で言えばMac OSXとは、実績のあるUnixとMacの使い易さの融合の実験であり、それはおおむね成功したと言えるだろう。懸案であったJavaも、ほぼ完全な形で実装されどこへ出しても恥ずかしくないOSにようやくなったのである。

PowerMac G4発表
夏のMacEXPOでついに、PowerPC G4を搭載したQuick Silverが発表された。標準で、Gigabit Ethernetを装備したそのマシーンは、CPUの処理能力で初めてスーパーコンピュータと分類されるパーソナルコンピュータとなったとAppleはのたまった。国防総省では武器となる可能性を持っているためにPowerMac G4を輸出規制の対象にしたほどだった。だが、その声はPCユーザーには届かなかった。当時はIntelの石を積んでいるマシーンの世界では、クロック数だけが全てである。これは、取りあえずでかいエンジンが一番だと考えるアメリカ人の脳みそに最も訴えかけやすいテーゼである。残念ながら、アメリカ人ほどバカでないはずの日本人さえ、未だにクロック神話に目をくらまされ続けているようである。PCとMacでは、使われているMPUの基本設計が違うのに、単純にクロック数を基準にして遅いと勝手に思い込んでいていいのだろうか。

PowerMac G4 Cube発表
好きな人達にとっては、それは特別な存在であった。かく言う私も発表をブロードキャストで生で見ていたのだが、そのデザインの斬新さにしびれを感じた。世に四角いPCは数あれど、G4 Cubeのように逆さにして取っ手を立てるとCubeの中にアクセス出来るなどと言う設計は見たことも聞いたことも無かった。おまけに、スイッチはタッチセンサーになっていて、専用ディスプレイからもプッシュ式のボタンが消えた。何もかもがSF的なそのデザインのマシーンは、冷却ファンがないために熱暴走をする(特にエアコンの無い部屋では)、タッチセンサーに初期不良があって勝手に起動するという、どうでも良いような小さな欠点のために短命に終わってしまった。地味ではあるが、同時に光学式のマウスも発表された。

良くフリーズするOS
確かにSystem7の時代までは間違いではなかったが、OS8以降はよっぽどのことが無い限り落ちるものではなかった。それなのに、Macはシステムが簡単にクラッシュするといつまでも信じられていた。酷いのになるとWindowsのDOSのようなモードを持っていないためクラッシュしたらば修理に出さなくては行けないといった根も葉もない嘘まであったのである。致命的なシステムファイルの破損と、システムのコンフリクトを同一視するという過ちや、ブラックボックスのように見えるシステムが何をやっているかが解らないという不安がDOS系の人達の理解を超えていただけなのである。実際に、Windowsのようにひどい目に遭った人はそう多くは無いはずなのに何故そのように言われたのかは謎のままである。そもそもMacOSは、Windowsのように手を加えなければ使えないようなものではないのである。恐らくWindowsユーザーの体験から、Macはもっと酷いに違いないと言う妄想が生まれ、こういった噂をまことしやかに広めさせたのであろう。DOS vs Macの時代のシステムの安定性の差が、Windowsでも引き継がれていると考えるなんて、バカも休み休み言ってもらいたいものである。

当時は
実は、当時だけなく今でも誤解している人達が多い。いや、多いのではなくほとんどの人がそう思っているらしい。単純化すると誤解されるかもしれないが、PowerPCのクロック数を1.5倍から1.8倍したものがIntel系のクロックに対応すると考えて頂ければ速度を実感してもらえるだろう。それにしても、Motorolaのもたつきが原因で思うように速いチップがなかなか出てこなかったのは間違いのない事実である。ここに来てIBMの踏ん張りでチップの開発ペースも上がってきている。後3年もすれば文字通りクロック数でもIntelの石を凌駕するチップ(15GHz超)が出てきそうである。ゲーム機のチップも、ほぼPowerPCで決まっている(GameCube、PS3、Xbox2のメインCPUは全てPowerPC)し、Xbox2の開発マシーンが、PowerMac G5などという、とんでも無い話になってきている。今後は、大いに期待できそうである。

デザインの斬新さ
悪いけれども、未だにNeXT CubeとG4 Cubeのデザインを超えたマシーンは世の中に出たことが無いと言い切らせて頂きます。もちろん、これは私の感性での話であって世の中の全ての人が同意できるものではないことは百も承知の上での断言である。違いが解るようになってから批判してねとだけ言っておこう。

金曜日, 12月 30, 2005

組織論

 ついつい比較してしまうが、AppleとSONYは似ているようで似ていない会社かもしれない。強いて言えばJobsが戻ってくる前のAppleは今のSONYみたいで、創業者が健在だった頃のSONYは今のAppleみたいな会社だったと言える。つまり創業者の個性で成り立っていた(成り立っている)会社と言う点がそれぞれの共通点であって現在の両者は全く違う会社と言える。

現在の組織
Apple:フリーメーソンやテンプル騎士団のような秘密結社型組織。気付かない人もいるかもしれないがユーザには歴然とした(暗黙の階層が有り、その垣根を越えることは難しい)階層がある。それはJobsを頂点としたピラミッド型(メーソンの”ピラミッドと目”)の組織で、13階層(嘘だよ)に別れている。一説によればJobsはソロモン王の末裔らしい(そんなことはない)
SONY:やることなすことが硬直している官僚型組織。色々やっているがやっているだけでそれぞれのセクションに共通の目的がない。創業者を失ってしまったため全社に方向づけを出来る人が見当たらない。大会社なのでふかっけてもユーザが付いてくると勘違いしているのが最大の問題点である。誰もSONYに期待していないことがまだ解らないのだ(日経などがおためごかしの提灯を上げるのでその気になってしまうのだ)。

10年前の組織
Apple:各セクションが好き勝手に開発を行う船頭の全くいない組織。
SONY:時価総額がトップになってしまったために優良企業だと思い込んでしまった組織。

創業時の組織
Apple:Jobsがソロモン王のように自分の思い通りにしようとしていた(やはりソロモン王の末裔か)。
SONY:井深、盛田の両巨頭が開発と販売を分担していた機能的な組織であった。

結論:創業者が何でもやればいいとは言わないが、最後に自分で責任をとれる人がいない組織は時代に適合することはない(ストリンガーはSONY全体を動かせる器ではない)。

悪あがき

 端から相手にならないことは明らかであったが、それにしてもWalkmanの死に際(まだSONYは死んでいないつもりかもしれないが、気付きたくないのはSONYだけだ)の意地汚さにはびっくりした。

 Walkmanのモニターを装ったblogをso-net(.Macにでも載せれば良かったのだ)に掲載してわずか一週間位で炎上(SONY自ら閉鎖)したり、2chには返品成功のコツを載せたのスレッドが立ったり、もうどうしようもない状態になっていたようである。確かにMacユーザーだったはず(本人曰く)なのにMAC(アドレスではなくどうも、Macのことらしい)と記述したり、POWERBOOK(Powerbookのことらしいが、Powerbookを使うようなユーザがこんな記述をすることはありえない。キッパリ)と記述したり、Macのはずのキーボードはどう見てもPC以外には考えられないはご愛嬌としても、かわいいものが好きだと言っていながらPowerbookを使っていたと言うのは考えられない落ちであった。

 結局いくら金を積んでも本当のMacユーザにSONYの提灯記事を書かせることは不可能だった(他所のページで真実を暴露されるからな)せいなのだろうが、やはりRioとかケンウッドの商品(嘘のページを立ち上げるならばユーザー数が少なく、ハードなユーザーがいない商品に限るのだ)との比較くらいにしておけば良かったのだ。要するにそこまでSONYはバカ(だからロクな商品を出せない)だったことをネットを利用して自ら浸透させてしまったわけである。

結論:もうSONYはお仕舞です。

月曜日, 12月 26, 2005

そういうことなんだろうか

 天下のSONYが自社のソフト開発力を補うために、AppleでQuickTimeの開発やメンテナンスに関わっていたエンジニアを引き抜いてきた。確かに何度も問題はソフト開発力であると書いてきたので、この決断には賛同させて頂くとして....。

 これが話題になると言うことは、えっ、もしかして今迄何も手を打っていなかったの?今からじゃ間に合わないんじゃないよと素朴な結論(疑問の範疇はとっくに越えている)が出てしまうのである。現にAppleでさえ、今のようなベストな状況になるのに何年を要したか解らない。大学の研究室レベルのように、事業化出来るかどうかを無視した研究を山のようにやっていた企業でさえモノになったものは、QuickTimeくらいだったのである。ユーザーインタフェイスに関してはMacの開発時からガイドラインが決まっていた(いまのインターフェイスはガイドラインを外れているとさえ言われている)。

 SONYの商品は開発者本意(ユーザーをメーカーを限定している)であること間違いないが、これを正すにはエンジニアレベルではなく商品開発そのもののあり方を改めなければいけない。そう考えたら、今回の決断は今更と言うのが正直な所だ。いっそのことWindowsをやめてOSXをライセンスしてもらうか、Macの製造に乗り出したら良いのではないだろうか。Walkmanもしかり...

 これがMicrosoftならば、Appleの買収という所なのだろうが、今のSONYにはAppleを買う力(金銭的余裕)はどこにもない。仕方がないので、2006年にAppleから発売される(発表だけならばSONYにも出来るが)商品の何か一つでも製造出来るようにお百度でも踏んだ方が良いだろう。

結論:2006年。Appleはとんでもない攻勢をかけてくる。問題はその製造能力にかかっている(自社で作っている訳じゃないが)。日本の大メーカーはApple製品の製造で恩を売っておくべきだろう(Jobsには効果がないだろうな)。

水曜日, 12月 14, 2005

iPodの動画機能はおまけである

 iPodの第5世代の発表の席でJobsは、”iPodの動画機能はおまけ”だと発言した。それを裏付けるようにiPodに保存されたVPは、ミュージックとしてアクセスすると通常の曲と同じように再生する。さてあなたはここでどう考えるだろうか、”iPodのビデオ再生をおまけ以上の機能にして欲しい”ともし考えるようならば、Jobsの考えを全く理解していないことになる。

 Jobsの発言で一番大事なのは、”iPodの”の部分である。つまりiPodはもともとビデオを見るために開発したデバイスではないため動画機能はあくまでもおまけだと言っている訳である。つまりビデオを見るためのデバイスは別に用意するといっている訳だ。それがMacに標準搭載される機能なのか、全く新しいデバイスなのかは不明であるがQuickTimeをベースにしたシステムになることは間違いない。QuickTimeを全PCメーカーに標準搭載させる交渉が進んでいる所を見ると新しいデバイスはiTunesやQuickTimeに連動する新たなデバイスになる可能性が高くなる。

 SONYのようにVAIOだけで連動するような製品でないことは確かなのでこう言った商品で成功出来ていない国内のメーカーがこぞってすり寄ってくる可能性が高い。それが1月に発表されるかは解らないが2006年中に出てくることは間違いないだろう。

結論:今のAppleの強さは相手からすり寄ってくるまで自社技術を押しつけない所にある。Appleが自ら成功することによっておのずと自社の技術が標準となるモデルの構築に成功した訳だ。SONYのように(以前のAppleもそうだった)ケツの穴の小さいことをやっていたのでは誰もついてこない。だからSONYはデファクトでいつも松下(販売量がケタ違いだ)に勝てなかったのである。デファクトになるには技術の優位さだけでは足りないのである。

火曜日, 12月 13, 2005

SONYがAppleに勝てない訳

 我ながらくどいと思うのだが、再びSONYネタを...
いきなり本題に入るがSONYがAppleに勝てない理由は、Appleとの戦いをハードの戦いと勘違いしている所に根差している。なんか既に書いたような気もするがiPodが売れた理由はデザインがかっこよく、機能が優れていたからではない(機能だけなら使えるかどうかは別にして他のメーカーの方がふんだんに付いている)。簡単にいってしまえば他社とは比較にならないくらいにバカチョンだったからなのだ。それなのにSONYは今でもハードの勝負だと考えている。そうじゃないというならConnect Playerのような出来損ないのソフトを何故平気でバンドルするんだ。あれはユーザーが迷惑をするだけのソフトだ。

 ハードで比較した場合、WalkmanとiPodでは甲乙つけ難い。音質などを比べればWalkmanの方が良いだろう。しかし、iTMSとmora、iTunesとConnect Playerを比べた場合両者の差は画然としている。考える必要が無いほど当たり前に使えるツールの前には、屁理屈(どうでも良い所にこっていると言う意味)なんて何の意味も持ちはしない。Appleの現在のソフトの開発力はOSの設計から始まる長年の経験で培われてきた実績の差を示している。SONYは器械は上手に作れる(保証が切れると途端に壊れるが)が道具を作った経験がないことが敗因なのだ。

結論:Appleに対抗してハードウェアを開発する前に、Appleに対抗出来るサービスとソフトウェアを開発することがSONYにとって死活問題だ。SONYの独りよがりに付きあうほど今のユーザーは気が長くないのである。それにFMチューナを付けたってそれほど聞く訳はないしどうやって好きな曲だけエアーチェックをすると言うのだろう。要するに対象であるユーザ層が見えていないのだ。

PC業界の2005年

 Appleにとって2005年は大きなターニングポイントであった。商品が出荷された訳ではないが、心臓部であるCPUをPowerPCからIntelに変更すると言う大きな決断を行った。この決断が吉と出るか凶と出るかは実際に製品が発売される来年以降になるが、IntelのCPUにWindowsをバンドルして販売しているメーカーにとっては、少なからず驚異になるだろう。同じCPU、グラフィックチップ、ドライブを使用していながら、PCメーカーは価格競争をしなければいけないのに一人Appleだけは蚊帳の外にいられるのである。今までのAppleの戦略から考えられることは価格を統一してディスカウントと言う手段は講じてこない。

 しかし、他のメーカーが価格差でAppleを牽制した場合に、Appleは他メーカーよりも安い価格でMacを売ることが可能だ。これはOSを自社開発していないPCメーカーには絶対出来ない芸当なのだ。それを可能にするためにはWindowsが無料にならなければいけないが、あそこまで大きくなってしまったソフト会社を支えるにはそれ相応の実入りが必要なのでタダになることは考えづらいだろう。対するAppleはiPodというヒット商品を抱え、新たな収入源を既に確保している。Appleの価格競争力に対抗出来る企業はDell位かもしれない(但しDellでさえ長期間持ちこたえることは出来ないだろう)。

結論:PCメーカーはAppleを対象した戦略を作ってはいけない。PCメーカーはレッドオーシャンの中でしか勝負が出来ないのだ。世の中のPCメーカーの中で唯一Microsoftの顔色を気にする必要のないメーカーがAppleだ。既にWindowsよりも高性能なOSを持っている。Intelのチップに乗り換えたと言うことはOfficeを必要としない体制を整え終わったと言うことなのである。

水曜日, 12月 07, 2005

10年一昔

 95年と言えばMacユーザにとっては悪夢の始まりであった。まだまだMacの域には達していないと自分にいくら言い聞かせても、物事の良し悪しを判断出来ない人達(要するに馬鹿)が雪崩をうってWindowsに流れてゆくのを阻止出来なかった嫌な年だった。唯一の慰めはAppleを追い出されたとは言え創始者であったJobsのPIXARが映画をヒットさせたことだけだった。当時偶然レドモンド(Microsoftのおひざ元)に出張中だった私は95日本語版の最後の追い込みにやって来ている日本人の姿(一般にはNECの社員と言う)を多く見かけた。

 10年経った現在、当時のAppleとは縁もゆかりもなかったJobsがAppleの経営者として君臨し、全く違う会社へと生まれ変わっているのに対し、Microsoftは大いなる迷走を繰り返している(利益を上げたとしてももう先は見えている)。MicrosoftのOSやアプリケーションには既にヒット商品が見られない(バンドルされているだけで人気がある訳ではない)。出てくる話題はセキュリティーの問題と、OSの発売時期が遅れると言うことばかりである。そして、問題はユーザーが新OSが遅れることに対して何も感じはしないことだ(もう新しいWindowsを必要としていないことの現われだ)。もう一つの会社PIXARは、10年経っても色あせないどころか今ではアニメ界をリードする企業になっている。

結論:Appleにとってのこの10年はまさにRenaissanceであったが、Microsoftにとっての10年は何だったのだろう。次の10年をリードするのがMicrosoftでないことだけは確かなようだ。

金曜日, 12月 02, 2005

やっぱり出そうな新Mac mini

 噂サイトといってもデマでない情報を得られるThink Secretでは、1月に新しいMac miniが登場するだろうと書かれている、。基調講演もJobsが勤めることだし、新製品の発表があることは間違いない。Leopardの完成度はかなり高くなっているようだが、まだ発表するには早過ぎる(Tigerから1年も経っていないからな)。そうなると目玉はやはりハードと言うことになる。もちろんiWorkなどのアプリケーションも発表されるが今回はハードの大量発表だろう。iPodでAppleに対する認知度は格段に上がっているが、iPodの売れ行きが一番良いのがnanoであることから、Macであればコンシューマーモデルを購入する層がメインのターゲットになるがG5を積んでいるiMacはモデルチェンジをしたばかりなのと、Intelを入れてもパフォーマンスでリード出来ない。そうなると今回のターゲットはPowerPc G4をCPUに積んでいるマシーンとなる。特に大幅なモデルチェンジを行っていない(バンプアップなどはチェンジのうちには入らない)iBookとMac miniになる。その中でも、いまいち印象の薄くなってしまったMac miniが大化けする可能性が高い。

 小さいとは言えノートよりは格段に自由度の高い筐体を活かし、HDDを大幅にアップ(250G位か)し、なおかつビデオ端子とアンテナ端子が標準で付くし、Front Lowは当たり前、テレビを見るならiTV(録画はもちろん出来る)というのはどうだろう。

 ディスプレイと言うものは薄くなったといっても場所を食うもの。テレビ(出来れば液晶)があるならそれで良いじゃないかというハードだ。それじゃメディアセンターとどう違うのよとお嘆きの貴兄に。リモコンのボタンが違う(数が目茶苦茶少ない)し、ボタンが少なくて済むソフトに仕上がっている。なんだそれだけかよ思われる方は他のPCと比べてみればいい。馬鹿には使いこなせないようなリモコンが付いているはずだ。

結論:Appleが作る商品はマニュアルがなくても使えるように出来ている。ここが肝腎なのだ。それが出来ないからSONYやMicrosoftには技術力が無いといつも言っているんだ。

木曜日, 12月 01, 2005

iPodは永遠に

 文化庁とか言う訳の解らん官庁のお墨付きを貰ってiPodに税金(保証金)を掛けようとしていたが、結局負けを認めた(見送り)。片やフランスではクリスマスシーズンにはiPod減税を行うと発表(ということは税金を取っていたと言うことだ)された。メディアが取り上げるせいもある(そしてそれをしつこく探している)が、iPodばかりを気にしていてもっと大きな流れが置きようとしていることに気付かない。Microsoftは、iPodを包囲するために業界の新標準(iPodのコネクタに対抗する共通コネクタを創ろうと言うこと)を作ろうと、デバイスメーカーや音楽販売会社をまとめようとしているが、本当にご苦労なこった。

 その理由はiPodのコネクタを使用するには使用料が必要になるからというのだが、Microsoftのソフトを買わされるよりもよっぽどましだと考えてはいけないのだろうか。標準規格と言うのは作ることは出来るがそれが採用されるかどうかは、コバンザメ出来るかどうかにかかってくる。どんなに優れた規格であってもお客さんに受け入れられなければそこで終わりなのである。そうやって、数多の商品は淘汰されてきた。

結論:商品企画力のない企業の規格など糞の足しにもならない。それにしても、もうiPodはいいんじゃないの。もっと別な話題が欲しいな(そういうお前がiPodネタばかりを書いているという苦情は聞こえないことにする)