サーバの世界では大きな支持を得て結果的にSunを死に追いやったLinuxだが、元々潰そうとターゲットに狙っていたMicrosoftには大きな影響を与える事が出来なかったのは一般ユーザのデスクトップを奪い取るほどのユーザビリティがなかったのが一番の原因だろう。
何故OSとしての素性はMicrosoftよりも良かったのにユーザビリティが問題になったかと言われれば一言で言えばディストリビュータの乱立し、それぞれが特長を出そうと素のLinuxにはない機能を追加し、ユーザインターフェイスを自由に…その上我先にとバージョンアップを競い合い、Linux間での互換性が失われてしまったのが一番大きかったのだろう。
結果的にAppleのユーザビリティにくらぶべくもなくWindows程の敷居の高さにさえ届く事がなかったLinuxが生き残ったのは、そもそもGUIを必要としないエンジニアが管理するサーバの世界だけだった(俺はデスクトップでLinuxしか使っていると言う人は普通の人ではない)。あれだけ乱立したのLinuxのディストリビューターは、結局数社に収斂してしまった。
さて、表題に戻るがAndroidがLinuxと同じ運命になると言うのは、勿論AndroidのベースがLinuxだからなどと言う話ではない。何のコントロールもなしにリリースされるアップデート、ハードウェアベンダーによる様々な追加機能(差別化のためには必要な事だがそれがOSのアップデートの足を引っ張る事になる)が一時的には百花繚乱となりバブルと言えるような賑やかさを見せるだろうが、その中で勝者となるのは僅か数社。日本メーカは海外に再挑戦する為にAndroidを選んだと言うが、国内でやっている事はガラケーと同じように瑣末な差別化のためにハードウェアやUX、自社アプリの追加。結果的に犠牲になったのは動作時間やユーザビリティ。
海外を目指しているならそんな事に無駄な時間を費やさずに最新のOSと最速、最長駆動の軽量端末を出すべきなのだが、国内メーカの製造能力ではSamsungよりも安価に販売する事など不可能。だからと言って国内端末を海外に持って行っても不要な機能しか載っていない。まさに、行くも地獄、帰るも地獄。デジタル時代はソフトウェアを持っていない企業は生産台数以外に生き残る道はないが、そこにあるのは過当競争だけ。一気に参入したAndroidはバブルが弾ければ(体力が尽きれば)、あっと言う間にシュリンクしてしまうのだ。
結論:何故みんなと同じ事をして自分が勝者になれると未だに考えているのだろう。
デジタル時代は最終製品を組み立てるのは一番楽な仕事。OSを作らなけば尚更。間違いなく売れる基幹部品を独占する方がどれだけ賢いかに気づいたメーカーだけが生き残る。競争の無いところに革新はないと言うが、それはどんぐりの背比べ。ビジョンを持っている企業が競い合わない限りイノベーションなど生まれる事はないのだ。
火曜日, 7月 12, 2011
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