元々映像系に強かったMac。97年に倒産寸前のAppleに復帰したJobsが、真っ先に交渉したのはMicrosoftとAdobeだった。
Microsoftは、議決権無しの株式と交換に1億5,000万ドルの資金とOfficeの継続を約束したが、Appleは先がないと踏んだ(Jobsもそう考えたかも知れないが)Adobeは、Mac用のノンリニアビデオ編集ソフトウェアの開発依頼を断ってきた。
元々Macで始まったAdobe Premiereだったが、当時はWindows版がメインとなりMac版はクロスコンパイラーで作り出された焼き直しソフトに成り下がっていた。この交渉を切掛けにAppleは、AdobeからMacroMediaに移っていたPremiere(Mac版)開発者達が開発していた「MacroMedia Final Cut」を購入し、Adobe Premiereに対抗する「Final Cut」としてリリースした。
皮肉なことにAdobeがもう一度Mac版に真剣に力を入れ始めたのは「Final Cut」が大成功を収めたからだったのである(Final Cutは、尺が厳密なテレビには向かないが、映画では威力を発揮している)。
今回、Adobeはこんなに愛しているのに何で袖にするのだという皮肉を込めたメッセージを広告枠を使ってアピールしたが、単純にPCのシェアだけを見てMac版の開発を止め、10年近く真剣にOSXに対応してこなかったAdobe(ドル箱にPhotoshopさえ今回のバージョンが初めての完全CoCoa版)の方が、先にAppleを見限っていながら、意味の無い意見広告を出したと言うことは危機感を持っていることの現れなのだろう。
Jobsに、Flashは糞だと宣言されたAdobe。既にFlashに代わる技術が存在するのに現状のWeb上でのFlashの使用率を持ち出しても仕方がない(現在の状況は過去の遺産でしかない)。Jobsが、思わず欲しいと思うツールの開発に資金を注ぎ込むことの方が無駄な広告に金を浪費するよりも賢明だと思うのだが。
結論:間違いなく逆効果はあっただろう。Appleにケンカを仕掛けた企業は偉い目に遭うというジンクスもある。もしかしたらAdobeは、Appleに買収でもされたいのだろうか。
月曜日, 5月 17, 2010
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