金曜日, 3月 30, 2007

MicrosoftのiPhone

 MicrosoftのiPhone対抗馬とされる携帯電話(ZenZui)のデモ動画がYuoTubeにアップされていた。



私以外の人は好きなインターフェイスなのかも知れない(そんなわけは無いと思っているが)が、その動きが生理的にどうも気に入らない。

 こう言った動きが好きな人はVistaでも使い続ければ良いという印象なのだ。強いて例を上げれば爬虫類や昆虫を伴侶にしなければいけないような...(どういう比喩だ)要するにそれ位、違和感があると言うことなのだ。iPhoneのインターフェイスが自然な動きのソフトウェア化だとすれば、不自然な操作に不自然な動きをフューチャーしたのがZenZuiなのである。

結論:こんな道具を使い続けていたら虫けらになってしまう。

木曜日, 3月 15, 2007

あなたがMacを買わない訳

 あなたがMacを買わない10の理由と言うのがあったので早速真似してみたい。

理由1:会社はWindowsなんだよね
お前は住み込みか?家に帰ってまで仕事をする玉か?と質問してみたい
理由2:Macを買ってAppleが潰れちゃったらどうするの?
あれだけ酷かった10年前に潰れなかったのに今潰れるはずはないと思う
理由3:Macって音楽とか映像やっている人向けでしょ?
それだったらもうとっくに潰れているはずである(Amigaとかコモドールとか...)
理由4:MacじゃなくてもUnixは使えるよ?
Unix使いたくってMacを買う素人なんて世の中にはいないと思う
理由5:Macってデザインだけでしょ
そうその通り。Windowsと違ってソフトウェアレベルまで人に優しくデザインされている。マニュアル無しでWindowsが使いこなせるのなら仕方がない
理由6:Macのノートは重いよ
同じスペック(バッテリーの持ち、機能の多さ)で、Macより軽くて安いノートブックがあるなら買えばいいと思う
理由7:トラックパッドとマウス(一つボタン)がね?
使った事がないのに言ってないだろうか。今のマウスは割れてないけど4ボタンになっています
理由8:WindowsでもiPodは使えるよ
Macなら他のアプリもiTunesと同じように使いやすいとだけ言いたい
理由9:フリップ 3Dがないじゃない
あれが凄いと言うのなら根本的に感性が違うのだと思う。
理由10:Macは高いよ
Macintosh IIFXしか見た事がないんじゃないのだろうか。
理由11:最近、みんな使ってるからやだよ
みんなって言ったって僅か数パーセント。それなら、WindowじゃなくAmigaやTRONでも使うのが筋じゃないだろうか
理由12:Accessが使えない
どうしても必要ならBoot CampかParallelを使えば良いと思う

結論:Macを買わない理由なんてタダの言い訳なのである。

水曜日, 3月 14, 2007

ソフトしか持たないものとの違い

 まもなく(今週末には)AppleTVが発売開始される。これが世の中にどのような盈虚を与えるかは出てみなければ解らない部分が多いが、少なくともネットを介したビデオ機器としてはトップになるだろう。何故ならば既に成功しているiTunes Storeというバックボーンを持ったサービスのオプションとしてスタートを切る事が出きるからだ。

 新たにビデオやTV番組を購入しなくても既にiTunesの中にストックがあるならば、それを再生する事が出きる。そしてそのために発生するコストはAppleTVの購入費用だけだ。EUなどではAppleの囲い込み戦略が裁判沙汰に成り始めているが、それくらいにAppleのステップを踏んだ取り組みが成功したと言う事なのである。そして、それはAppleがハードとソフトを作っている唯一のPCメーカーだからこそ可能だったのである。

 もちろんMicrosoftだってハードを作っているという反論もあるかと思うが、あそこがやっているのはマウスやキーボードとゲーム機(ミュージックプレイヤーも出していたかも)であって、AppleのようにPC(Macと言うべきか)をコアにしたトータルでのサービスを提供してはいないので全く別物なのである。

結論:以前から書いている事なので耳にタコかも知れないが、ハードとソフトを持っている事がこれからの情報化社会では一番のアドバンスになる。スピードを要求される時代に自分たちでコントロール不可能な不確定要素が存在するなど愚の骨頂なのである。

火曜日, 3月 13, 2007

iPhoneはスマートフォンの定義を変える

 日本では出ないかも知れないiPhone。しかし、もしも出ればスマートフォンのユーザー層が広がる事は間違いない。スマートフォンと言えばビジネスマンが、これ見よがしに使う(俺って凄いだろう光線が出ている)ものなだけに、それを使っている女性(使っている女は既に女性じゃない)を見る事は殆どなかったわけだが、iPhoneは出来る事はスマートなのだがその目的は、あくまでもコミュニケーション(もちろんビジネスでも使える)と情報収集。スマートに使えるツールとして爆発的に広がる可能性を秘めている。

 これは任天堂のDSが全く新しいユーザーを掴んだのと同じことで、手付かずの市場を一気に取込む事が出来る唯一の携帯電話だと言える訳だ。そういうのを良くニッチと勘違いする連中がいるが、それは大きな間違いで今までのスマートフォンが狙っていたユーザー層こそニッチだったのである。Jobsは今までのスマートフォンがターゲットを誤っている(わざわざ需要の無いターゲット向けの商品を出している)ことを理解した上でこれならば後出しでもイケルと結論づけたのだ。

結論:商品を開発する上で一番大事な事は正しいターゲット(一番広い層を相手にしなければ意味がない)と見極め、その人達が必要とする機能を絞り込む事なのである。欲を出せばお化け(使いこなせないようなとんでもないもの)が出来上がってしまうのだ。

水曜日, 3月 07, 2007

機能と使い勝手

 ユーザー・インターフェイスを全く理解していない企業と言うのは世間に一杯ある(SONYやMicrosoftがその典型だが)。彼らには機能と使い勝手のトレードオフで、機能を削ると言う発想がないからユーザー・インターフェイスを設計する事が出来ないのだ。ギブソンを勉強しろとは云わない(アフォーダンスは学ぶものではなくセンスの問題だ)が、少なくともDr.ノーマン(認知科学の重鎮)位は理解してもらわなければ困る。

 どんなにハイテクを駆使していようが人間が使う限りは道具として優れていなければ意味がない。それなのに機能優先主義のバカタレは使いこなせるか解らない機能をつぎ込んで使えない道具を平気で作り出してしまう。SONYは使えないソフトで自社のハードを葬り去り、Microsoftに至っては見てくれ(これはユーザー・インターフェイスではない)の為に機能まで犠牲にする始末だ。

結論:機能はあとからいくらでも追加出来るが、使い勝手をあとから良くする事は絶対に出来ない。ユーザー・インターフェイスは魂なのだ。

AppleTVはゲーム機

 バージョンアップされたiTunesのパッケージを開いてコンテンツ内のリソースを確認したところ、iTunesに保存されたゲームをAppleTVに登録して使える事がわかる。前に私が指摘したようにAppleは、AppleTVを家庭ゲーム機の位置に据える積もりなのがこれで明らかになったわけだ。それだけではなく、ゲームの転送先にはiPhone(携帯電話と書いてある)へも転送して使える事も図らずも明らかにしてくれた。ゲーム担当のマネージャーを募集していたのもiPodだけではなく全てに渡るサービスの一環として重要視しているからなのだ。第6世代のiPodはまだ発表されないが、次期iPodは間違いなくOSをOSXに切替え、全てのマシーンで同じアプリケーションが動く体制を整え始めているのだ。iPodファミリーのライバルは携帯ゲーム機から家庭ゲーム機にまで広がろうとしている。

結論:映画のダウンロードがなかなか始められない日本において、AppleTVを売るための一つになることは間違いないだろう。

木曜日, 3月 01, 2007

神の交渉術 〜第一章〜

 2時間ほどで”神の交渉術”を読了。知っている話ばかりだったので意外な発見は無かったのだが、こう書き連ねるととんでもない奴(本当に最悪の人間)だと言うのがひしひしと伝わってくる本である。交渉の当事者や部下になってしまった人間にとってまさに悪魔と化すのがJobsなのである。

 どれぐらい扱い辛い相手であるかを知るには例を上げるのが一番なのでいくつか書いてみたい。

Apple vs Apple
Apple Computerは創業時からビートルズのAppleと同じ名称と類似する商標(リンゴのロゴ)で揉めていたが、どのような形で決着を付けたのかを書いてみたい。
1981年:前年に株式を公開して大企業の仲間入りを果たしたAppleは全世界でAppleの商標を使えるようにビートルズのAppleと交渉(当時の社長が担当)。音楽業界には進出しないと言う条件を提示し10万ドルで交渉成立。
1991年:全機種にCD-ROMを搭載したMacintoshを発売した為に再びビートルズのAppleに訴えられる。この時はまだJobsが復帰していなかったせいもあるが、この時は音楽業界に参入する時にはAppleの名称とリンゴのロゴは使わないと言う条件で2500万ドルで交渉成立。
2006年:Appleはメジャーレーベル全てと有力ミュージシャンに曲を提供させる形でiTunes music storeをスタート。当然ビートルズのAppleは納得がいかずに再度提訴。イギリスでの裁判で音楽ダウンロードは音楽を流している訳ではなく、データの転送に過ぎないという判決を得る。通常の会社はここで終わりなのだが、それでも納得のいかないビートルズのAppleは、もう一度訴える事にした。ここでJobsが本領を発揮、訴えた側が商標を使わせてもらう(ビートルズのAppleが、JobsのAppleに許しを乞うて商標を使える)立場になってしまったのだ。こんな交渉は他の人間には出来ないマジック(恐らく黒魔術だ)なのだ。いくらお金を使ったか不明だが、もしかしたら一銭も使っていないかも知れない。

Pixar vs Disney
さてお次は命の恩人に対してどういう仕打ちをするかと言う話である。ここで出てくるのはメディア界の超大物なのだがJobsにとってはまるで赤子なのである。
最初の契約:Macユーザーにとっては忘れる事の出来ない嫌な年なのだが、Pixarにとってはバラ色の未来が始った素晴らしい年だった。あとわずかで命も尽きる状態にあったPixarは、製作費、宣伝費と配給の費用はDisney持ちで映画を制作すると言う契約で資金を得ることに成功する。Pixarへの実入りは興行益の3割ディズニーは残りとキャラクタやDVDから得られる収入全て。決して悪くない話だが、映画が公開されるや契約期間の残っている契約書を破り捨てたのである。
最初の改定:まだ一作しか出来上がっていないのに残りの2作品の製作費を自己負担する代わりに、全てをディズニーと対等にすると言う契約を迫る(収益を折半だ)。さすがのディズニーもこの無茶な要求には応じられないと突っぱねると、すぐさま他社との接触を開始する(ように見表立ってわざと振舞ったのだ)。結局新しい条件を天下のディズニーが飲む結果で交渉成立。しかし、そんなことで大人しくなるJobsではない。ファインディング・ニモが完成すると公開もされていないのに、この契約さえ破棄しろと迫ったのだ。
次の改定:次の条件はもっととんでもないものだ。Pixarの作品の所有権は渡さないが、は良九件だけは独占的にディズニーに与える(つまり全ての収益はPixarの儲けになる)。要するに配給とプロモーションに対してフィーを払う条件ならば契約を更新すると言うのだ。当然、ディズニーの帝王アイズナーがそんなことを認めるはずはない。それでどうなったかと言えば、アイズナーはクビになり、Jobsは、74億ドル(個人分は37億ドル)でPixarをディズニーに売渡し(実際はディズニーのアニメ部門は消え去りPixarがディズニーのアニメ部門になったのだ)、筆頭株主になってしまった。

 あなたはこんなことが本当に出来ると信じられますか。他の会社では絶対あり得ない話です。恐らくJobsを知らない人が聴いたら出来の悪い与太話だと思うはずだ。

結論:こういうのを本当の悪魔の所業と言うのである。