金曜日, 11月 28, 2008

Nokiaの英断?

 ガラパゴスで生きる道を諦めたNokia。docomoやソフトバンクモバイルから手を引いて、MVNOでセレブ向けの高級携帯電話サービスで独自にやると言う戦略に打って出るそうだが、どうなんだろう。AppleのiPhoneでさえ難しい市場。日本に本当のセレブなんて何人いるのか分からない(大抵は最近まで貧乏人だった連中が金に糸目を付けないサービスを必要としているのか疑問)状態なのに、その人達をターゲットにするというのは如何なものだろう。マーケティング理論が嫌いな私でも市場調査くらいちゃんとしたらと言いたくなるような路線変更なのだ。

 日本のように面倒くさい市場から撤退するのは正しい判断だと思うが、自社でやろうと言うのは明らかに間違いだ。ヨーロッパや中東と違い日本の自称セレブ達のほとんどは氏素性が怪しい(育ちが悪い)ので良い顧客(金離れが良くはないはず)とはいえない。そんな人達のために新たなサービスなど立ち上げても恐らく商売にはならない筈である。

結論:私みたいに貧乏ならば分からないでもないが、資産を数百億持っているオーナー企業の後継者が普通の携帯の電話代が高いと言っているのを直に聞いた事がある。まあ、その人はセレブじゃないのかも知れないが、私よりは明らかに金持ちである。Nokiaが売れるくらいならばiPhoneはもっと売れている筈で

月曜日, 11月 24, 2008

iPodではストリート・ビューは使えない

 新しくなったiPod 2.2を早速インストールしたが、案の定ストリート・ビューは使えなかった。どうやらiPhoneだけの機能のようで、GPSを持ったiPhoneのナビゲーションのために搭載されたらしい。もちろん、脱獄(jailbreak)すれば使えるのだが、別な問題も発生してしまうのでお奨めは出来ない。絵文字なんかは全く必要としていないのでどうでも良いのだが、ストリート・ビューは出来ればtouchでも使えるようにしてくれればと思っていただけに残念である。

結論:せめて電車のルート探索くらいは使えるようにして貰えないだろうか。こちらは、結構役に立つと思うのだが...

金曜日, 11月 21, 2008

このままでは日本は取り残される

 絵文字やワンセグの話が出てきてiPhoneに興味を示す人々が再び出てきているようだ。確かに日本ではワンセグや絵文字、お財布ケータイは当たり前の話しかもしれないが、果たしてそれが携帯のメインの機能だろうか。電話とメールは重要かも知れないが、それ以外は無くても問題の無い機能だ。

 iPhone 3Gが出てからまだ僅かの時間しか経っていないが、次のアップデートで絵文字はクリアする(オマケなのでどうかとは思うが)。ケータイのキャリア(ユーザも)は未だに、iPhoneをiPodケータイだと捉えているようだが、iPhoneは携帯機能がついたPCだし、iPod touchは手の平サイズのPCである。iPhoneは電話にPCの機能を付け加えたスマートフォンではなく、PCに携帯電話機能を付けたモバイルPCなのだ。

 ケータイユーザは、iPhoneで提供されるメールがケータイメールでないことを問題にするが、これはガラパゴスに囚われている事から起こる認識の誤りである。ケータイはケータイ網が止まった瞬間に情報が止まってしまう(ケータイメールもネットも使えなくなってしまう)脆弱なデバイスだが、iPhoneはインターネット網が止まらない限りメールもWebもアクセス可能(Wi-Fiが使えるケータイなら同じだろうが)だ。最近、特に雲行きの怪しいソフトバンク・モバイルがサービスを停止(倒産?)しても、iPhoneはインターネット端末としては使用可能だ。つまり、取り扱っているキャリアはソフトバンクかもしれないがソフトバンクに縛られてはいないのである。

 通常のケータイ電話はキャリアに依存している。潰れることはないだろうがdocomoやauでサービス中断が発生すれば、端末は使用不能になってしまうのだ。それではPCとしては役に立たないからこそ、iPhoneはWi-FiやBluetoothなどの出口を用意しているのだ。キャリアのサービスが止まればケータイは音楽だって聴けないシステムに縛られている(CDからのリッピングは別だが、DRMの問題でダウンロードした曲は再生されない筈である)。

結論:何度も書いている事だが、移動体通信は携帯網から別な通信網に軸足を移す時が来る。自らのビジネス・モデルに拘っていたのでは日本のケータイは何れ、取り残されることになってしまうのである。

月曜日, 11月 17, 2008

並ばずに買える

 App Storeは最新の人気ソフトを店頭に並ぶこと無しに買う事が出来るショップである。24時間、何の制約も無しにワンボタンでソフトが買える。パッケージがあるわけではないので売れ切れも存在しない。嵐だろうが吹雪だろうが購入の障害にはならないのである(ネット障害は別だが)。10メガ以内ならばPCも無しにiPodやiPhone単独でも購入できる。デジタル・データなので即時に手に入れられるので、商品の到着を心配する気の小さい人でも心配はないのだ。

結論:パッケージを買うのは間も無く時代遅れになるのである。Microsoftもどうやら始めるらしいが何を売るつもりなんだろう。自社製品はダウロード販売できるサイズじゃないだろう?

蚊帳の外

 世界的な金融危機の影響を受け売上、利益率と縮小を余儀なくされているPC業界。PC小売大手のCircuit Cityがチャプタ11の適用を申請するなど製造、販売の両方で言い話は聞こえてこない。そんな中、値引とは一切無縁ののAppleは昨対で二桁の売り上げ増加を一人享受している。相変わらず利益率も20%を超え、販売価格をただ一社だけコントロール出来る強みがここに来て効いているようである。

結論:単純な機能競争ではなく付加価値で勝負できるAppleは今のところ金融危機の影響が少ないようである。値下げして売れたって儲からなければ何にもならないのに...在庫抱えるよりはマシって事?

日曜日, 11月 16, 2008

App Storeが凄いわけ

 iTunes Storeが凄いのは音楽コンテンツの既存の流通チャネルを葬った事だが、App Storeは、それ以上に凄いビジネスモデルである。

 何が凄いかと言えばアプリケーションを100円やそこらで売っても利益が出せるくらいに、販売にコストが掛からないことである。ソフトウェア開発者が自分で販売チャネルを一切構築する事なくアプリケーションを全世界で販売できるなど常識ではあり得ないことなのだ。

 MicrosoftのOSのようにOEMやバンドルで提供されるものとは違い、市販のアプリケーションで一番大きいのはパッケージ製作なども含めた流通コストなのだ。ところが、App Storeで提供されるアプリケーションにはそもそもパッケージ版は存在しないから一切の在庫を抱える事もない。マージンを30%と取られると言うかも知れないが、自分は全く何もせずに全世界に一斉に商品を並べてくれる取引先が他にあったら是非紹介して欲しいものである。フリーウェアも多いが個人がサーバを用意する必要もないから気軽にアップする事が出来る。無料なのだから当然マージンも掛からない訳だが、これは画期的なシステムだ。無料で反応を見て、そこから得られた手応えを元に有料アプリを作るという段階的な開発が可能になるからだ。通常はスポンサーでも付かなければ、個人の開発者ではそんな事は中々やれないがApp Storeではそれが可能なのである。

結論:App Storeが、iPhoneやiPodだけの為にあるなんてよもやお考えでないだろう。iTunes Storeで様々なデジタル・コンテンツが売られるように、App Storeで様々なデバイス用のアプリケーションが売られる事になる。その手始めがiPhone過ぎないのだ。

木曜日, 11月 13, 2008

iPhoneはDSとPSPのライバルになるか

 表題の記事が、ITmediaに出ていた。touchが影も形もなかった時代にAppleはいずれゲームの世界に出てくると書いていた事を思い出した。早い段階でiPhoneやiPod touchをライバルと見ていた任天堂は、PSPをDSとバッティングするジャンルの商品とは考えていないだろう。そして相変わらずSONYはAppleがゲーム機のライバルになると気付いていない。iPhoneが、ハードゲーマーを対象にしたゲーム機になる事はないだろうが、問題の本質はハードゲームが出来るかどうかではなく音楽の流通チャネル(動画はまだそこまで行っていないが)を抑えてしまったように、ゲームの流通チャネルを独自に構築させ、既に成功し始めていることなのだ。

結論:Appleは汎用のデジタル・コンテンツの流通チャネルを抑える事によってパッケージ販売を時代遅れにしてしまった。App Storeで販売されているゲームソフトの価格はほとんどが1,000円以下。既存のゲーム機用ソフトの価格が破壊される日もそう遠くないような気がする。

月曜日, 11月 10, 2008

通信が不安定でも解約出来ない

 サポート体制が全くなっていないのでボロクソ状態のSoftbankのiPhone。修理の対応でますますSoftbank嫌いを増やしているようだ。そればかりか、Vodafoneの時代から”世界で使えて、自宅で繋がらない”とカバー率の低さが売りのSoftbankの通信網の貧弱さ。繋がらないのでキャンセルに応じていたらみんな止めちゃうからと、iPhoneの契約書に潜り込ませた「いかなる事由でもキャンセルできない」という文言が、消費者契約法に違反していると消費者団体から文句を言われて、しぶしぶ削除することにした。とはいうものの「通信が不安定という理由での解約は原則として受け付けない」と言い張っているようなので全然懲りていないようである。

結論:携帯網に接続できないのなら、iPod touchを無線LANサービスで使う方がよっぽどましだ。だから、流石の私でもiPhoneを買わなかったのである。

木曜日, 11月 06, 2008

人を切るのがトレンドなのに

 IT業界も不況の風にまみれてどこも社員をクビにして乗り切ろうとしている中、Appleはリテール部門を倍増して16,000人もリーテール部門で雇用しているそうである。

結論:適正な価格で販売すれば雇用は拡大出来る。人を切らざる負えない企業はビジネスモデルその物が間違っているのだ。非正規雇用で利益を確保するなんて人に自慢出来る話ではないのだ(はっきり言って恥ずかしい事だ)。

水曜日, 11月 05, 2008

次はチップ?

 iPodの開発責任者であったトニー・ファデル氏が退任し、後任にIBMでPowerPCの技術開発担当バイスプレジデントだったマーク・ペパーマスター氏が就任する(IBMが提訴するようだが)ことになった。先に買収したP.A. セミはPowerベースのチップ開発会社だったのだが、新しいiPodチームの統括者がPowerPCの技術開発責任者だったとなると俄にAppleがチップを内製するのではないかと言う話が現実味を帯びてくるのだ。

 処理速度は申し分ないが、消費電力が大きいIntelのチップがiPodやiPhoneに対応出来るかどうかを待つよりも既にその技術があるチップを使おうと考えたとしても驚くには当らない。Xcodeならば様々なチップに対してバイナリを吐き出すことが可能(全く手直しが要らないわけではないが)なだけに、Intelだけが頼りだという状況を作らないためにも動いているのだろう。

結論:いずれApple純正のチップがMacに搭載可能になれば、Intel製のチップが搭載されたPCに対してOSXをライセンスするという方針転換が現実味を帯びてくる。Carbonを全く使わないSnow Leopardならば、それが可能なのである。PCと同じチップを使っている状態でOSをライセンスすればAppleも価格競争に曝されることになるが、独自チップになればその問題を回避出来る。Intelのチップを凌駕するPC用のチップが出来なかったとしても、他のデバイスで生かす事が出来るのだ。

景気の良い話

 サブプライム以降景気の良い話が聞こえない昨今だが、iPhoneの開発者にはそんな風は吹いていないようである。App Store以外ではアプリを販売出来ない、iPhone SDK以外は使えないなどAppleに縛られるのは御免だという人にとっては閉じた世界(Openなら何でも良いという原理主義者にとって)は気持ちが悪いのだが、Appleが提供する開発環境、スペックの決まった商品に対してアプリを開発するのは、余計なことに神経を使う必要がないため実は非常に効率的なのだ。

 iPhoneの開発を手がけるベンダーはMacのベンダーだと思われがちだが、現在の活況を見る限りMacのベンダーだけでこれだけの市場が行きなり立ち上がる筈はないのである。Store開設からわずか2ヶ月ほどで1億本のダウンロード(Freeの方が多いのだろうが)を達成したのだから間違いなく新しい市場が誕生したと言うことだ。iPhoneのアプリ開発者には開発依頼が殺到需要は過去半年で5倍近く伸びたそうである。

 iPhoneアプリの使われているSDKはMacのXcode開発環境がなければ動かない。使われている言語はCocoaなので、iPhoneの開発者がMacの開発者へと進むことは間違いないだろう。iTunesはコンテンツをAppleがコントロールすることは出来なかったが、iPhoneではコンテンツ作成者そのものをAppleの陣営に引き込む事が可能である。iPhoneは”トロイの木馬だったのだ。

結論:本当にお金になるかはまだ分からないが、この不景気な世の中で活況を呈していることは間違いないのである。