金曜日, 5月 18, 2012

ドコモとauとSoftBankの違い

各社夏モデルを発表(bankはまだだけど)。Appleとのお付き合いが苦手なドコモはAndroidと心中する気らしい事が明らかになった。ドコモの殆どのスマホがAndroid 4.0なので一気に世代交代のようだが(結局3.0は何だったのだろう)、今回はハードウェアではなくそれぞれのキャリアの考え方を書いてみたいのである。

先陣を切って発表会を行ったauの目玉はLISMO(何で今更とは言わないでおこう)。本当にニーズがあるかはこの際置いといて、自社端末向けのサービスではなくキャリアの垣根を越えたネットサービスとして生まれ変わらせたのは評価出来るだろう(自社のiPhoneに対応させる副産物なのは承知だ)。土管屋にはなりたくないが囲い込みはもう不可能なのを理解し、サービスで収益を上げるコンテンツ・ビジネスモデルにシフトしたのだ。1,480円という利用料と聞き放題という形がどれだけ意味があるかは知らないが少なくとも自社に閉じていたのでは話にならないと判断したのだろう。

対するドコモの戦略は単なる土管屋にはなりたくないから土管の中だけで楽しめるサービスをということらしい。幸いなことにAndroidには本当の意味で成功しているコンテンツサービスがない。Google本家が運営しているストアでさえマルウェアやウイルスが仕込まれた偽物アプリが横行する状態なのだから、iモードと同じようにドコモが責任を持ってアプリを提供しようと言うのだろうが、だとすればそれがAndroidアプリである必要があるのかは多いに疑問だ。

残るSoftBankは元々他社に誇れるようなコンテンツサービスを持っていなかったので土管屋に徹することはiPhoneを手に入れた時から決まっていたこと。念願のプラチナバンドを手に入れ繋がり難いと言われなくなれば、それは一つのイニシアチブになるだろう。現状、通信総量の制限を一切加えていない(17日からは帯域制限を始めるようだ)のはSoftBankだけなのも評価に値する。

結論:auはコンテンツサービス、ドコモは囲い込み、SoftBankは土管屋に徹するようである。どの端末をメインターゲットに据えるかで戦略は自ずと違ってくのだ。

土曜日, 5月 12, 2012

Appleがアメリカで生産しないのはAppleのせいか?

時価総額世界一のAppleがアメリカで生み出している雇用は僅かだとの批判が持ち上がっている。確かに現在のApple製品に使われている部品は日本や韓国などが主体でEMS(電子機器受託生産)も台湾のFoxcconが中国などを中心に(近い将来中国は縮小されるだろう)行われている。 過去に自前主義を取り、米国内でも製造を行っていたAppleがアメリカでの生産をやめた切っ掛けは、それどころではない大き赤字を抱えて潰れかけたからなのだが、同時にアメリカ国内の製造技術がボロボロになってしまいアメリカ国内で調達可能な部品がなくなってしまったのも大きかった。日本や台湾、韓国生の部品で製品を作るのであればアジアで製造する方が理にかなっている。 1970年代までのアメリカは世界一の製造技術を持っていた。そこに食い込んできて結果的に崩壊へと向かわせたのは日本メーカの輸出攻勢とグローバリゼーション。世界でも最高の人件費が必要だったアメリカ国内で製造をしていたのでは利益など出るわけがないのは当然の話。労多くして利の少ない製造から手を引いたのは仕方がなかったのだ。 そんな(製造インフラもない)状態で、Appleにアメリカ国内で雇用を生めと言われても… 既に優秀な製造エンジニアが僅かになってしまったアメリカでの生産は絵に描いた餅に過ぎない。ならば、解決策は全くないのだろうか。アメリカにはいなくなっても日本にはまだ優秀なエンジニアがいる。Appleのようにモデルチェンジの少ないメーカーの製品であればラインを作って自動化も… 結論:アメリカだけではなく日本のメーカーも自社の売れない製品を作る位ならばEMSで生き残る道を模索しても良い時期になったのである。製造技術がある限り本当に死滅する事はないのだ。

火曜日, 5月 08, 2012

ドコモはいずれiモードに戻るのでは?

iPhoneを持ちながら未だに国内メーカーを気にしながら、本気が窺えないau。突然iPhoneに名乗りを上げる迄、Androidのキャンペーンを仕掛けていたのだから急に止まれないのは分かるが、それにしてもサービスでSoftBankに遜色ない状態になりながら本気度が…SoftBankが恐れているのはauが本気になる事なのに…

そんな中、Appleの言いなりになるくらいならばAndroid(国内メーカー)との心中の方がよいと考えているドコモ。iモードからAndroidスマホへの移行は進んでいるようだが、お行儀の悪いアプリが多い為、気苦労ばかり増えてかわいそうにと思うのだが、自ら選択したのだから仕方がないとも言えるだろう。国内メーカーが密かにAndroidに替わるOSを開発しているとは思えないので、駄目になるその日までお付き合いする積もりなのだろうか?

お行儀の悪いアプリや、ガチャで評判が一気に落ち始めているソーシャルゲームなどモバイルを取り巻く環境はiモードの時代よりも悪くなっているような気もする。今時iモードアプリの開発案件もないのだろうが、考えてみればiモードこそAppleがお手本にしたApp Storeの原形。月々小金を巻き上げる部分はAppleは真似なかったが、決済は信用のおける一社が行うと言うのは実に素晴らしい仕組みだったのだ。

結論:iPhoneを扱う気が全くないのならiモードのようにドメスティックにどっぷりと浸かったエコシステムを作るのも良いのではないだろうか。Androidに付き合っていても良い事などどこにもないのである。