水曜日, 10月 18, 2006

聞いたような口をきくな

 ユーザーの安心を最優先してSONYはVAIOのバッテリーパックを自主的に交換するらしいが、そもそも発火や発熱を起こすような金属片が入っている電池を作ることを恥ずかしいと思わないのだろうか。もちろん私は専門家ではないので他のメーカーの電池でも同様なのかもしれないが、それにしても実害が発生したのは他でもないSONY製の電池だ。DellやAppleはかなり早い時期にリコールを開始したのでまだ良いが、東芝以下の国産メーカーは、これからなのでいつ交換バッテリーが届くか解らない状態になっているのじゃないだろうか。

 損害賠償の話さえ出てきているが、この冬にかけて発売するマシーンに問題のバッテリーを積んでいるメーカーが、もしもあったならば洒落にならないことは間違いないだろう。携帯電話用の電池は殆どが三洋製らしいので今回の騒ぎには関係していないのが幸いだったが、ここまで大きく取り扱われた今回の件は、SONYの信用を大きく損なったのである(未だにあるとすればの話だ)。

結論:今回のSONYの発言はまるで反省の色が見えない。SONYの言い草からすると三洋の電池で起きたトラブルに対して、SONYも自主的に交換を行っているように聞こえるのは私だけだろうか。これでまたSONYの都市伝説が一つ加わった訳である。

iPodを見て解ること

 早いもので初代のiPodが発売されてから今月で丸5年になる。初代iPodが欲しかったばかりにPowerBookを買ってしまったのが昨日のように思い出される。その後、第2世代、mini、第四世代と使ってきているが、同時にPowerBookもチタンから始まってG4の最終モデルまで変わっていた。MacBookを購入する余裕がないので、しばらくはPowerBookだろうがiPodは子供にせがまれて次のshuffle購入は予定に入っている。

 その間に数多くのミュージックプレイヤーが発売されてきたが、基本的なコンセプトを変えることなく(iTunesでは未だに初代も同じように使うことが出来る)iPodが進化してきたことを考えると、5年前に立てたコンセプトがいかに素晴らしかったがわかるだろう。そもそもiPodの基本デザイン(コネクターは変わったが)は変わっていない。つまり基本的な操作方法は全く同じなのである。それに比べ他社さん(SONYとも言う)のやってきたことは言っちゃ悪いが無茶苦茶だった。出すたびにデザインも付属ソフトも変わる(フォーマットが変わるのにはさすがに呆れた)。ようするにその度に別な商品を買っているのと同じことだった訳だ。そんないい加減な商品がシェアをとれるなどと思っているのだから消費者をバカにするのも好い加減にしてもらいたいものだ。

結論:iPodは成功するかどうかは別にして5年後をも考えて作り出された商品である。そして恐らくこれからの5年後も既に考えられているだろう。容量は小さいかもしれないが5年前の初代iPodが陳腐に見えないことがそれを物語っているのである。

水曜日, 10月 04, 2006

iTVはFrontRowを使うメディア専用Macだ

 新しいiPod nanoが発表された会場で最後に登場したiTV。どんな仕様になるのかは明らかにされていないが、いくつかのヒントが隠されている。Core 2 Duoを積んだ新しいiMacのワイアレスは、bでもgでもなくnが可能なカードを使っている。恐らくiTVにも搭載されるが、その転送速度は580M/bpsだ。現在の無線LANの10倍の速度が可能になる。つまりMacの中にあるデータをストリーミングする速度はローカルのディスクにアクセスするのとなんら遜色がないのである。

 さらに基調講演のデモではiTunes Storeからのデータを表示していた。日本と比較して通信速度の遅いアメリカ(遅れているとバカにされていた日本は既に韓国もヨーロッパも越えてしまった。これが日本の底力だ)では難しいのかもしれないが、iTVを使えば月極め契約でビデオを見放題と言うサービスも可能になるだろう。

結論:何年か前、AppleはQuickTimeの技術をベースにして連携するサービスを行う企業になると言うコンサルタントの話があったが、やっと現実のものになってきたようである。

サプライチェーンの鑑

 サプライチェーンと言えば誰しもDellを考えるかもしれない。何しろファブレスで在庫を持たないことによって利益を上げていると言うのが自慢(それしか取り柄がないだけだが)の企業だからだ。しかし、一人勝ちであったPC業界ではCompaqを吸収したHPが価格面でDellと同様の戦略をとることが可能(他のメーカーも同様だ)になり、結局は単なる消耗戦に入らざるおえなくなり、売上は伸びても利益が伸びるようなうまい話は消えてなくなったのである。

 そんな業界の中で一人Appleだけは確実に利益を上げながら成長を続けている。新製品が出るたびに価格帯を下げているAppleは、MacでもiPodでも粗利を他社では想像出来ないくらいに高く維持している。僅か数百ドルのiPodでさえその粗利は40%を下らない。そればかりか強力なライバルがいないため、新製品が登場するその日までその価格を維持することが出来るのだ。

 そのiPodに対抗するMicrosoftのZuneの発売日と価格が発表された。XboxやPS3程ではないが、明らかに販売価格よりも製造価格の方が高い商品になっている。体力のあるMicrosoftならば出来ることだが、同じフォーマットを再生出来るサードパーティーは、これで命運が尽きたと言える。

結論:生産も販売も自社の都合で行えるAppleはサプライチェーンの理想形を作ったと言える。これがいつまで続くかは解らないが、シェアを伸ばすことよりも確実な利益を上げることに的を絞っているAppleは21世紀型の企業の見本だと言える。