水曜日, 11月 30, 2005

Apple vs Microsoft

 さて(何がさてだ)、昨日の妄想に続いて過去を振り返って今後を予測してみたい。Windows XPは、2001年準備不足であったにも関わらず(その後のバグ取りに5年を費やしてもまだ完全ではない)、OSXに対抗するだけ(全く違うCPU上のOSにむきになった理由はJobsに対するライバル意識だったが、それが墓穴の堀始めだとGatesは気付かなかった)のために急遽リリースされた。

 これは、Jobsの術中にまんまとはまったということである(キツネは決してタヌキには勝てないのだ)。その後、SP1、SP2とリリースされはしたがアップデートの度にユーザーの神経を逆なでするようなミスを連発した。それだけではなくとっくの昔に出ていなければいけない次期Windowsは当初の目覚ましい機能(明らかなベーパウェア)を全て未搭載のままなのに、まだベータ版のリリースに留まっている。どう頑張っても来年の暮れまでにVistaは出せないだろう(次期OSXであるLeopardに対抗して急遽出すかもしれないが、Leopardに対抗出来る様なものには絶対成らない)。以上のようにMicrosoftはこの5年間一歩も前進することなくバンドルだけで利益を上げてきた。対するAppleはその間に4度のメジャーアップデートを行い、ベーパーに過ぎないMicrosoftの先進機能の全てを現実のOSで提供している。

 5年前のAppleは、やっと自分で立つことが出来る状態になったばかりであり、Microsoftに喧嘩をしかける状態ではなかった。つまりMicrosoftには気が遠くなるほど時間的な余裕があったはずなのだ。AppleがMicrosoftに対して攻撃を明確にしたのは、OSXがPanther(3年間も対抗する時間を与えてくれた)になった段階からである。。それは業界の標準となっているプレゼンテーションソフト(プチキラーアプリ)であるPowerPointに対抗するKeynoteを発表したからである。そしてTigerを発表した時にはMS Word(デファクトアプリ)に対抗するPagesとKeynoteをパッケージにしたiWorkを発表した。

 いよいよ来年初頭にはEXCEL(キラーアプリ)にまとを絞ったSpreadがiWorkに含まれる(価格は据置だろう)。もちろん機能を羅列すればEXCELに勝てないが、EXCElを使っている人が殆どの機能を必要としていないことは間違いない。つまり、EXCEL(それも殆どはバンドル)しかないから使っているだけであってEXCELの全ての機能は必要とはされていない。だからこそ、AppleはEXCELの基本機能をカバーした商品を当たり前の価格で提供しようとしているのだ。

 さて(またか)、それだけで終わるのだろうか。ここからは妄想だ。全てのIntel版PCにOSをライセンスする前に、PowerPCとIntelチップのMacOSXをカバーするだけではなくWindows版も同時に作成出来る新しいXcodeを提供する(これは不可能ではい)だろう(こうなると被害妄想の領域)。つまりWindows用のアプリはMacで作れと言うJobsのご託宣なのだ。Intelに乗り換えると発表したAppleがそれくらいのことを考えていないと思うなら、あなたはお人よしである。さらに、ハードを持つAppleはそれらのツールで利益を上げる必要がないため、Microsoftの屋台骨をぐらつかせるような価格で提供してくるに違いない。

結論:過去20年近くハードを持たないMicrosoft(貧乏だったのでハードを作れなかっただけ?)は、形のないもので儲けると言うビジネスモデル(「インストールベース・ビジネスモデル」)で会社を大きくすること成功したが、新興企業やライバル潰しのために無計画にOSやアプリを継ぎはぎだらけにしてしために自己撞着に陥ってしまった(恐らく潰した企業の怨念にやられたのだ)。ハードで儲けられないMicrosoftは別な収益モデルを作らなければいけないが、現在のように巨大になったMicrosoftを支えるほどの利益をそこから得ることは到底不可能なのである。シェアで勝てても、もうAppleの敵ではないのだ。

火曜日, 11月 29, 2005

これからのApple

 ここ暫くSONYをあげつらう話ばかりでAppleの戦略について書いてこなかったので、これからのAppleの方向性について個人的な空想を述べてみたい。JobsはSONYやDisneyさえ対等以下の相手として交渉を行ってきているが、もうひとつ下に見ている大会社がある。ここでDellだと思うような人は先を読む必要は無いのであしからず。ヒントは次のMacEXPOで発表される次のiWorkにスプレッドシートが含まれるかどうかにかかっている。もしEXCELキラーをバンドルしてくればMicrosoftに対して完全な宣戦布告をすることになる。

 いつまでたっても新OSが出せない今だからこそ、AppleはIntelに乗り換えることにした。PowerPCの開発遅れが主原因だと思っていると真実を見間違ってしまうのだ。AppleはOSXの開発当時からIntel版も開発していたと言うのが今年の夏のサプライズであったが、ここで気付いて欲しいことはOSXのベースになったOpenStepはIntel版だったと言うことだ。つまりAppleがPowerPCを使っていなければ最初のリリースでOKだったものなのだ。もちろん、Appleが提供する限りはOpenStepのままではいけなかったこともある。MacOSに見えるようになるためにはブラッシュアップと機能追加の時間が必要だった。

 ついにMicrosoftを叩く時が訪れた。だからこそ同じ土俵(IntelのCPU)に上ることを明言したのだ。そのための方法論として、当初はMacにOSXを自社製品だけ(当たり前だが)でスタートする。さらにPCメーカーからのライセンスには簡単に応じない(飢餓感を煽るのだ)。Windowsに対するPCメーカーの不満が高まった段階で満を持してAppleの仕様に対応した機種にだけ(当然メーカーも選別する。ここでSONYは一番に手を上げなければいけない)ライセンスを行う。そしていずれはMicrosoftのシェアを食う。これが私の空想である。1月に発表されるハードはそれを可能にするキラーマシーン(次期Mac miniはAppleのデジタルハブだ)になることだろう。もうWindows対応のメディアセンターには出番はない。

結論:JobsはAppleにNeXT STEPをライセンスしなかったことによって、Windowsの台頭を許してしまったことをずっと悔やんでいた。あんなトッチャン坊や(Gatesのこと)に負けることは許されないのだ。そして、Appleの失われた13年間(Jobsがいなかった時期)を必ず取り戻すだろう。

月曜日, 11月 28, 2005

Macintosh伝説〜第十五章〜

1999年−iBook誕生


iBook誕生
人はそれをホタテ貝と呼ぶ。iMacを彷彿させるカラフルなノートブックiBook。ポリカーボネートとゴムによるコーティングはハードな使用にもびくともしないヘビーデューティーなマシンなのにそのデザインはまるで子供のおもちゃのよう。好き嫌いのはっきり分かれるそのデザインは斬新すぎたためにiMacほどの成功を収める事は出来なかった。このあとAppleは、贅肉をそぎ落とした研ぎすまされたデザインへと商品のコンセプトを移していくがiBookの盛り上がりがもう少し高ければ、逆にCubeはもっと成功していたかもしれない。それにしても、JobsはつくづくCubeには縁がないのだろうか。この時のMacEXPOでは、同時にG4が発表されている。これは次世代をリードするCPUであったが、Motorolaの開発力の衰えをまともに受けてしまい、以後の商品開発に遅れが出始めてしまう。ここにMotorolaとの蜜月に終わりが見え始めたと言える。

AirPort(Air Mac)登場
今では、すっかり当たり前になってしまったワイアレス・ネットワークがAppleから登場した。10Mと言う転送速度は当時一番標準的だった10BASE-Tとほぼ同等だった。ブロードバンドが、当たり前の今から考えれば物足りないかもしれないが、当時は家庭ではINSが一番速い通信速度といえたのだから過剰な仕様だったのである。ケーブルから解放されたiBookは意味もなくトイレやベランダへと持ち出される運命を辿ったのは間違いない。

Cubeには縁がない
初代Macintosh、NeXT Cube、G4 Cubeと、どういう訳かさすがのカリスマでも世の中に受け入れさせることが出来なかった商品群はすべてCube型であった。確かに世の中にCube型の物はあまり多くないのではないだろうか。よく考えたらばサイコロ以外の実用品を見た事がない気がする。世の中にあふれているCube型の物と言えば大抵が何かのパッケージであってその中身を出さずに使うような物は見当たらない。ここに敗因があるのか、それとも...
実はこれは非常に簡単な事が問題となっているのである。価格である。デザインコンセプトが画期的であるためについ高い価格を付けてしまい売れなかった。価格を改定しても、もう遅い。そう言う流れで失敗に終わったのである。捲土重来、価格構成も吟味した上で次のCubeを発表する時を待っているのは私だけだろうか。

Macintosh伝説〜第十四章〜

1998年−iMac誕生


互換機の終焉
遅すぎた互換機路線は、Power Computingの成功によりApple本体を脅かす形で進んでいった。Power Computing以外の互換機メーカーはとても成功と言える状態にはなく、そこから利益をAppleにもたらす事は無かった。そればかりか、同じ大きさのパイを複数のメーカーで食い合う状態となってしまい高性能なMacを次々と発表し、通販で売りまくるPower Computingが新たなAppleの脅威となってしまった。いち早くG3マシーンを発表したPower Computingは、この段階でその命を止められた状態となり、Jobsが暫定CEOとなったAppleに買収される事になってしまった。その後も、廉価版のMac互換機を作り続けたUMAXは新たなOSの供給を得られる事がなく互換機路線をあきらめる事になった。ここに、互換機は終わったのである。

iMac発表
まさに衝撃のデビューだった。それまでのパーソナルコンピュータの概念を打ち崩す新たな筐体を持ったiMacは、コピー商品を生み出しただけではなく世の中のデザインに影響を与えたと言っても良いかもしれない。それは、間違いなくJobsのMacであった。外部ポート以外に拡張性はなく、CPUの熱にも関わらずファンを持たないそのマシーンは限りなく静かである。電源を入れていない状態で絵になるパーソナルコンピュータは、Macintosh Plusしか存在しなかった。90年代のMacintosh。それが、iMacである。どちらのマシーンも、Jobsの哲学の具現化であり、パーソナルコンピュータが計算機ではない事を新たに知らしめる事になった。性能がコンピュータのすべてでない事を人々に気づかせた功績は大きいと言える。

金曜日, 11月 25, 2005

誰のおかげやねん2

 韓国の公正取引委員会がAppleとSamsungのフラッシュメモリーの価格取引に不正があるのじゃないかと調査を開始したようだ。韓国企業に対して不当に高い価格でメモリーを出しているのじゃないかと言いたいらしいが、馬鹿も休み休み言って欲しい。今ではNANDはフラッシュメモリーの花形であるが、Appleのnanoが出るまで売り手に困っていた不人気商品だったはずだ。Samsungにすればどうしようかと思っていたお荷物を大々的にAppleが買い取ってくれると言ったのだから、そりゃディスカウントくらいするでしょうが。それのどこに問題があるの。nanoのおかげでメモリータイプのプレイヤーが、初めて4番打者として認められたと言うのに、Appleがメモリーを買い占めてしまうと騒ぐのは筋違いも甚だしい。だから、韓国人は嫌われるのだ。

 正直な話、AppleはSamsungだけではチップが足りないので前金で世界中のNANDメーカーと買取契約を締結した。悔しかったらAppleよりも大量に注文を出せばいいのだ(それが原因で潰れると思うけど、私の知ったこっちゃ無い)。

結論:負け組のやることは何から何まで姑息である。そんなだから負け組になるのである。

誰のおかげやねん

 音楽のネット配信で7月から9月にかけての四半期は187%の売り上げ増加だったと日本レコード協会が公式発表した。どこが伸びたのでこうなったかは一切振れられていないがAppleのiTMSが始まったおかげであることは間違いない。さんざっぱらiPodから上前をははねようなどと考えていた連中がAppleの恩恵をまともに受けた形になったのだ。勿論日本における音楽ダウンロードのほとんどの売上は着うたに代表される携帯電話へのダウンロードが大半を占めているが今後PC向けが伸びてくることは明らかである。全41社の販売実績だというが、口が裂けてもAppleさんのおかげですとは言えないだろう(iTMSがどれくらい他社とかけ離れた売上かが知りたいのに)。それにしても、それまでの四半期からAppleが売ったであろう100数十万曲を差し引いてしまえば、ちっともインターネットダウロードが伸びていないことは明らかである。Apple自ら何曲売れたかは最初の4日間で100万曲を突破したと言うもの以外ないため、実数を掴みきれないがもしかしたら既存の業者はマイナスに転じているかもしれない。売上総額は、曲数ほど伸びていない(曲数は倍増だ)のは、Appleに追従して価格を下げたせいである。

 これくらいで済んでいる大きな理由は最大手のSONY-BMGが楽曲を提供していないからだ。何て姑息な手段をと言いたいが、こればかりは(馬鹿なんだから)仕方がない(売れなくなったCDのマイナスをカバーする唯一の手段がmoraではなくiTMSだと早く悟って欲しい)。

結論:PCに対するダウンロード配信の半分以上をAppleが抑えた。これから年末にかけて唯一品不足になるくらい売れるプレイヤーはiPodだけである(SONYの新製品も賞味期限切れのポップを出してワゴンセールをやれば売れるかもしれない)。どうでも良いかもしれないが、SONY-BMGも早くおこぼれに預かる準備をした方が良いだろう。それをしなかったために立ち居か無くなっても私の知ったことじゃないが。

木曜日, 11月 24, 2005

何故か楽天とTBSの提携

 TBSは経営統合を引っ込めてくれれば提携しても良いという提案を楽天にしたようだ。どうでもいいが提携をするならばiTMSにしたらどうだろう。今期は広告収入も落ち込んで非常に具合が悪い状態なのだから、この際広告収入で成り立っている今のビジネスモデル(総務局によるお手盛り保護政策)を無いものと考え、コンテンツから直接利益を得るものに照準を合わせたビジネスに変えてゆくべきだろう。それにしても、もし持ち株会社にでもなったら放送免許は取り上げられてしまうのだから楽天は何をやりたいのだろう。まあ、恐らくTBSの放送免許が取り上げられることは絶対無いと高を括っているんだろうが、そんな既得権益を前提にして自社の評判を落として何か利益があるのだろうか。

 楽天はEコマースでは成功しているが所詮は縁日の場所貸し(みかじめ料を取っているだけ)にしか過ぎない。自分で直接物を売っている訳ではないので、その辺りのノウハウは全く無いし、番組との連携で商品を売るなど、悪い冗談だと思う。そんな考えしかないような企業と手を結んでも得るところなど全く無いに決まっている。それよりは、”花より男子”でも何でも良いから、iTMSでCMなしで販売するとか日本のテレビ局の先べんを付けるようなダイナミックなことを真っ先に手掛けるべきである。その上で有利な立場で楽天と交渉するくらいの頭がないのかな。

結論:護送船団方式の許認可企業はどこもうダメである。時代の先端をいっていそうなテレビ局もしかり。TBSの社員の給料ならば楽天の社員を4人は雇えるはずだ。そんな高コストにあぐらをかいていられるのは後わずかばかりの時間しか残されていない。放送免許なんかいっそのこと返しちゃったらどうだろう。私の知ったことじゃないが。Appleに恩を売る絶好のチャンスだと思っているのは私だけだろうか。

水曜日, 11月 23, 2005

ゲーム理論

 大分以前のことではあるが、日本のゲーム理論の大学の先生曰く”Macのシェアが15%を越えるとWindowsは消えてしまう”というのがあった。何故そんなことになるかと言うと、95%ものシェアを握っているWindowsに対してMacはわずか数パーセントしかシェアがないのに、一向に消えないと言うことは、MacユーザのMacに対するロイヤルティーの高さが原因だとかなんだとか言うものであった。そのせいで、もし15%を越えるシェアを握ったならばMacユーザによる自主的な伝道によって全ての人がMacユーザになってしまうのだと言うのである。この話が出た頃はApple最悪の時期だったため単に溜飲を下げるネタとしての価値しか持たなかったが、来年早々Intel版のMacが登場することによって、ことによったらありえない話じゃ無くなりそうな雲行きなのである。

 SONYがしてやられたように、Microsoftも煮え湯を飲まされることになるかもしれないというお話なのだ。もちろん、現在のAppleは自社以外のPCで動くIntel版のMac OSXをだすことは考えてはいない(少なくともDellのマシーンにOSXが載っても私は絶対Dellなど買わない)が、シェアで20%を越えるようになったならばライセンスしないことにはユーザを捌けなくなってしまうだろう。それで、世の中が幸せになるかどうかは私の知ったことではないが...

結論:同じCPUになった時、否が応でもWindowsとOSXが比較される時が来る。Mac以外で動く動かないはこの際置いといて、ほとんど同じ構成のPCでど、れだけ違うことが出来るのかが明らかになってしまうのが問題になるのだ。そう考えると今のMicrosoftは何をしているのだろう。ゲームなんかに力を入れている場合じゃないだろう。まるでPCは、諦めてしまったようにさえ見える。悪いことは言わない早いとこちゃんとしたWindowsを出した方が良い。残された時間はもう1年も無いのだから。

火曜日, 11月 22, 2005

iTMSがタワーレコードを抜いた

 Appleは楽曲の販売実績でついにタワーレコードを抜いてしまった。既に破産法を適用されているショップに勝ったからどうなのだと言われてしまえば、それまでなのだがそれでもAppleの上にいるのは、Amazonやウォールマートなどの大手小売店(アメリカ人はこう言った店で安売りされているCDを買うと言うことだ)だけで、専門店であるタワーレコードに勝ったと言うのは音楽専門店としてトップに立ったのである。つまりCD専門店はもう時代に取り残されてしまったということだ。

 日本は再販制度(CDはそうではないがレコードは価格統制されていた)のおかげで長い間レコード業界はぬるま湯の中に浸かってきたが、これからはそうはいかないことを肝に銘じなければいけないのだ。黙っていてもパッケージで売れるようなことはもう二度と無いのだから、ここは一つ勝馬に乗る転換点になるだろう。

結論:DVDが680円で売られる時代に、CDだけは別だと考えていたのでは生き残ることは出来ない。iTMSに対抗するにはCDを1枚600円くらいで売る無茶苦茶さが無ければいけない。もちろん、それで利益が出るかどうかは私に知ったことではないが...

3ヶ月分12億5000万ドル前払い

 ぱったりとiPodの売上が止まってしまったとしたら、大変なことになりそうな契約をNANDメーカーと結んだApple。納品前に金を払ってしまうと言うことは、もし歩留まりが悪かった場合には他のメーカーにメモリーが行かなくなってしまうことを意味する。だからといって他のメーカーが、それに不服を言う訳にはいかない。悔しかったらお前らも契約してみろというのがAppleの回答だ。それにしても、今回の一発はえげつないくらいにキツイ仕打ちである。そこまでしなくても相手はいずれ撤退するのに...

 さて、最大のライバルであるSONYは最初の2日間でシェアを2割近くとったようである。価格は9月に発表した時と比べると思いきったディスカウント価格になっている。もともとオープン価格なのでいくらにしても構わない訳だが、最初に設定した価格を発売前に下げざるおえなかったことがSONYの弱さを示してしまった形になっている。事実上一切の値引きを行っていないiPodに対抗するために発売初日に価格で勝負する(恐らく、あの価格では利益が出ないどころか損失を出すことになってしまう)以外に手だてが無いというのは非常に残念なことである。

 Christmasまでは、どうにか持ちこたえるかも知れないが年を越したならば先週までのシェアにもで大手しまう可能性の方が高い。現に今までのSONYの売り上げは発売直後だけの線香花火でしかなかった。今回だけは別だと言えるほどの材料があるとは到底思えないのである。

結論:今の土俵にいる限りSONYに目はない。そして、1月のMacEXPOに発表される商品を越えるものを同時期に発表出来ない限り、今後も目がないのである。

金曜日, 11月 18, 2005

1月にSan Franciscoで発表されるもの

 Apple Insiderを始めとする噂サイトでは、新しいPowerbookやiMacが発表されるのではないかといった憶測が多く流れているが、Think Secretでは発表されるのはiBookやMac miniが先だろうとされている。プロ用のPhotoshopやOfficeといったキラーアプリケーションが、未だにカーボンで書かれている現状では、Intel版のMacでRosettaで動かさざるおえない。それでは折角のプロシューマ機器が出てもその力を十分発揮することはできない。だからこそ、最初に発表されるIntelマシーンは、最近アップデートが行われていない次のiBookだろう。iMacもコンシューマー機であるが、チップがG5であることと今回のアップデートでパフォーマンスが非常に上がっているため使っているアプリによってはデュアルチップを使用しなければパフォーマンスが落ちてしまうだろう。

 そして、ソフトでは新しいiWorkが発表される。今回こそはEXCELのシートを読み込むことが出来るスプレッドシートが登場するだろう。Cocoaで書かれたスプレッドシートであれば、スピードではEXCELを越えることが出来るかも知れない。Cocoa版Officeの開発もそれによって早まる。肝腎のAdobeは、CS2を発表したばかりのためすぐにIntel版が出てくるとは思えない。そうなるとIntel版のPowerMacの登場時期に合わせて発表されることになるのだろう。QuickTimeの技術を使ったアプリは既にCocoa対応可能になっているため、この辺も新しいものが発表される可能性がある。

結論:まだまだ時間があるので不確定な要素が多いが、shuffleのアップデートがあるだけではなく新製品がめじろ押しのEXPOになりそうである。Microsoftの影が余計に薄くなる2006年になるだろう。

土曜日, 11月 12, 2005

iTunesの名前が意味するもの

 iTunesが初めて登場した時、それはCDをリッピングするためのソフトウェアの様にしか思えなかったのに名前はiTunesだった。そのためこの時点で、このネーミングに重要な意味が込められていることに気付いたものは多くなかっただろう。初代のiTunesの時からインターネットラジオ局の提供する放送を24時間自由にストリーミングで聞くことが出来たが、そのためにチューナーをイメージさせるTuneという言葉を使った訳ではなかったのである。

 既にバージョンも6になり、念願であったビデオクリップも手に入れられるようなったが、今Jobsが交渉しているテレビ局との番組提供の契約が上手く行った場合には、ストリーミングメディアの一つとして、テレビと言う項目が増えることだろう。そこでは保存出来ない生の情報が提供される。そしてサーバのログを分析することによって今までの視聴率を超える精度で番組の視聴記録を得ることが出来るようになる。放送局はそのデータを元にしてCMを抜いたバージョンを有料ビデオとして販売することが出来るようになる。これは画期的なことだ。つまりAppleは既にテレビを越えるメディアを手中に収める最後の段階にかかろうとしている。それは音楽データの配信の実績を見れば明らかである(有料で成功していることが重要だ)。

結論:JobsがiTunesと言う名前のソフトを出した段階で、今までのチューナー(ラジオやテレビ)を不要にするサービスを視野に入れていたことは明らかである。その中心にある技術はQuickTime(携帯からフルハイビジョンまでカバーしたものは他にはない)である。iTunesとはデジタル時代のチューナーだ。それなのに他のメーカーは未だにアナログチューナーをPCに内蔵した商品を売ろうなどと考えている。馬鹿には未来は見えてこないということである。

金曜日, 11月 11, 2005

Appleはブルーオーシャン、Dellはレッドオーシャン

 ブルーオーシャンやレッドオーシャンと言う言葉は好きではないが、あえて今回は使わせてもらう。PCはDellの一人勝ちのような話(生き残るのはDellだけ)がずっと続いていたが、前々からDellのビジネスモデルは、ウォールマートと同じで、どこにも凄いことはないというのが持論であった。長い間待たされはしたが、どうもDellのメッキも剥げ始めたようである。HPやレノボとの価格競争に追われ、増え過ぎたユーザーに対するサポート体制も強化が間に合わずにアメリカでも評判はがた落ちになってしまった。つまりDellはまさにレッドオーシャンで溺れようとしているのである。

 対するもう一つの勝ち組であるApple(シェアではなく利益が上がっているかどうかだ)は、iPodという新しいデバイスを切っ掛けにして、利益を積み上げ続けている。それが、いつまでも続くとは思えないが、少なくともAppleのブルーオーシャンに乗り込んでこれるメーカーは今のところ現われそうにもない(SONYはそうなりたいのだろうが後追いではブルーオーシャンとは言えない)。

 Dellはこれから益々利益を上げるのが困難になり(抱き合わせ以外でPC以外のデバイスが売れるような体制にない)、ビジネス用だってAppleのサーバがもっと伸びてくればおかしくなってくるかも知れない。所詮ハードしか持っていないメーカーでは、薄利多売以外に方法がないのである。今、PC(Macは単なるPCだとは思っていないが)を核としてトータルなサービスを提供出来る体制にある(そして成功している)のは世界を見回してもAppleだけだ。

結論:Dellは成功をしたがそれは20世紀の話である。21世紀にはDellのような(ウォールマートも)ビジネスでは生き残れない。他にはないもので勝負しろよ。そうじゃなければ人権(人件費とも言う)の存在しない中国には到底勝てないのである。

土曜日, 11月 05, 2005

TBSは楽天を相手にする前にAppleに用心しろ

 ライブドアvsフジ、楽天vsTBSと相変わらず新聞は馬鹿なことで騒いでいるが世の中はそんなところにゃもういないのだ。そもそもたかが一放送局とネット企業が手を結んだって何も出来やしない。Eコマースで相乗効果なんて言っているようじゃ、ジャパネット高田にだって勝てやしない。そういうことを言っている奴を田舎者と言うのだ。

 レコード会社(SONY)が泡食ったのと同じように、今のままではiTMSにコンテンツを提供しない放送局も負け組になってしまう。iPodにビデオ再生機能が付いただけの今だからこそ先に手を挙げるべきだ。次にAppleが商品を出してくる時ではもう遅いのだ。Jobsがビデオにもニーズがあると初めて明言したが、これは彼が初めてビデオに可能性があると気付いたと言うことではない。彼の言動を見ていれば判ることは、Appleが商品を出すまでは否定ととれる発言をしているが、その発言を覆すことが出来る商品を発表して世の中をあっと言わせるということだ。つまり、彼がニーズを認めたと言うことは間違いなく近いうちにビデオがメインのデバイスをAppleが発表してくる。時期は判らないが最初のIntel版ノートが出てくる前にあっと言わせる物が発表されると...

結論:コンテンツを持っている企業は出し惜しみをしてはいけない。そして勝ち組に乗らなくてはいけない。そうしなければ、Appleのような企業はコンテンツを本当に作っている企業と直接取引して既得権益を持っている企業を排除してしまう。そうなった企業には未来は無い。放送なんてネットの前では借りてきた猫以下なのである。