月曜日, 6月 30, 2008

iPhoneがリモコンになる

 iTunes7.7にはiPhoneやiPod touchがiTunesのリモートコントローラーになる機能が加わると言う噂がちらほらと聞こえている。NDA違反にならないか(私はデベロッパーではないので大丈夫?)はこの際置いておくとして、噂が本当だとすれば、リモートコントロール機能は、当初は家庭内の他のマシーン上にあるライブラリーの音楽やムービーなどを共有する形で実現されるのだろうが、何れはmobilemeを経由してネットワーク接続されている外部からのアクセスが、可能になるに違いない(ムービーまでやるかは別だが)。

 iPhoneやiPod touchは容量が小さいと言う物理的な問題があり、全てのライブラリーを持ち出せない場合が多くなってしまうが、サーバとなるマシーン(MacやAppleTVといったデバイス)にネットワークを介して外部からアクセス出来れば、ライブラリーの全てを持ち出す必要が無くなるのだ。SONYのロケフリの様にテレビ放送の録画を外部から観賞できる訳ではないが、iPhoneやiPod touchには音楽を入れず〔ムービーだけ)に音楽を聴くというスタイルが可能になるかも知れない。そんな事をされたのでは、通信会社のパケットが増え過ぎてパンクするかも知れないが...

結論:iTunesがあればロコフリなどのハードは不要なのだ。

木曜日, 6月 26, 2008

Intelも匙を投げる

 Intelの社長が出来損ないのVistaに失望していることは間違いないが、Intelの社内のPCをVistaにバージョンアップするのさえ消極的と言うのではどうにもならない。ウィンテルと呼ばれたの今や昔。バージョンアップの度にIntelのチップの能力を遺憾なく発揮する別なOSが存在するのだから、仕方ないのかも知れない。

結論:自社で作ったOSじゃないのだから、全社のPCをMacにリプレースしたりして。

水曜日, 6月 25, 2008

絶対彼氏

 相武紗季、速水もこみちという黄金の低視聴率コンビで話題になった(かなり歪んだ視点)”絶対彼氏”が最終回を迎えた。相手はロボットなのに感情移入してしまい本当の恋人のように感じてしまうと言う、思わず「それロボットですよ」と突っ込みを入れてしまうようなお話だったが、良く考えれば私も世間から見ればApple製品に感情移入して、まるで恋人のように思っていると勘違いされているのは間違いないので、この機会に自己弁護しておきたい。

自己弁護
その1:Plusの時代から既に20年以上Apple製品一筋できたがが、一度たりともマシーンに名前を付けたり、洋服を着せたりし、添い寝をしたこともない。
その2:壊れたマシーンを供養したことはないし、戒名も作ったことはない。
その3:本当に駄目な商品は、Apple製でも(軽く)罵倒する。
その4:「うちのMacはわがままで」などと調子の悪いマシーンの話をうれしそうにしたりしない。
その5:Macが夢に出てきたことはない。

 もうお分かりいただけただろうか。Macは好きだからと言って、器械との一線を越えるほど病は重くはない。あくまでも普通のファンなのである。Macの普通のファンが病的に見えるのは回りの人間が差別してきたからに過ぎないのだ。要はユダヤ人みたいなもの。マカーが選民思想を持ってしまったのは仕方ないのかも知れない(明らかに自己正当化)。

結論:WindowsがもっとまともなOSだったら使っていたかも知れない。まあ、それはないか。

月曜日, 6月 23, 2008

テレビ放送から金を取る愚

 テレビ放送(民放)と言うのは、スポンサーから頂いた広告料をもとに番組を制作(作っているのは下請けだが)し、視聴者には無料で提供するビジネスモデルで成り立っている。個々の著作権者に利益を配分するのが面倒くさいので著作権管理団体に任せて一括でお金を払うと言う手抜きをしているのが実体だ(本当に権利者にお金が渡っているかどうかなどは気にしていない)。

 それなのに、デジタル放送が始ったかと思うと急に権利者に正当な利益を配分するためにコピーは許さないなどと手前勝手なことを言い始めた。そもそも無料(実際には広告料は消費者が払っているのだが)で視聴を認めた段階で、聴取者はテレビ放送を見る権利を与えられている。それを保存して再度見ようがどうしようが、もう聴取者の自由になっていると考えるべきだ。それが嫌ならば最初からタダで見る権利など与えないしか方法はないのだ。

 デジタルビデオレコーダが、存在する理由は基本的にテレビ視聴のタイムシフトである。別にそれで商売をしようなどと考えているわけではない。本当に権利者のことを考えるならば、無料放送とは別にコマーシャル無しのデジタルデータをアーカイブし、廉価で聴取者に提供するのが本筋である。NHKは実験とは言え、既にその段階に踏み込もうとしている。ハードに課金するのではなくソフトで対価を得るのが本来の姿なのだ。書籍を考えれば分かるように、紙に対して著作権料を払っているのではなく作品に払っている。放送も全く同様だ。デジタル時代はネットを通じて個々の作品の売上を管理出来るのだから、権利者の利益を損なうことはない。そこに魑魅魍魎の跋扈する権利管理団体などの寄生虫さえ必要としない仕組みを作る事が出来るのである。

結論:iTunes Storeがその答えだ。

枯れた技術

 iPhone 3Gと言えばイメージは最先端だが、使われている技術は全て枯れたもの。GPSも3Gも既に枯れた技術だ。そして、先進のOSであるiPhone 2.0も数十年の積み重ねを経て到達したNextのObject技術。思い付きではなく積み重ねの結果がiPhone上に統合されたと考えるべきだろう。そして現在のバージョンで抜け落ちてい技術はソフトウェアでカバー出来る物ばかりだ。ハードウェアの進化無しでも進化可能なデバイス。それが、iPhoneやiPod touchの本質なのだ。

結論:システム領域に数百メガを割り当てている意味を他のメーカーは理解出来ていないのだ。iPhoneのライバルは携帯電話ではなくPCだが、日本のメーカーは携帯をテレビにしようとしているに過ぎないのである。

金曜日, 6月 20, 2008

後出しジャンケン

 docomoが定時株主総会で、「iPhoneの市場動向には十分な注視をする。今後もiPhone発売の可能性を引き続き検討する」と述べたそうだ。

結論:リーディングカンパニーが、後出しジャンケンをするのはずるいぞ。利口だけどね。

プレゼンテーション

 世の中にはプレゼンテーションを自分の知識をひけらかす場と勘違いしている大バカがいる。そうかと思えば自分の思い入れを滔々と語る場所だと思っている薄らバカもいる(私なんかこの部類)。プレゼンテーションと言えばAppleのスティーブ・ジョブズの右に出るものはいないが、日本にもジョブズに匹敵するプレゼン名人がいる。ジャパネットたかたの高田社長だ。二人ともプレゼンテーションの本質がセールストークであることを理解しているのだ。

セールストークの奥義
その1:みんなが知らないことばは使わない。プレゼンの神様と思われているジョブズは中学生でも知っている単語だけで話を組み立てられる。
その2:理屈(スペック)ではなく情(イメージ)である。スペックをそのまま使わず誰もがイメージ出来るもので表現する。
その3:重要なキーワードを繰返し使う。
その4:技術者の視点でものを捉えない。例えば小さくするためにどういう苦労があったか等を言う人がいるが、チェンジポケットがやっと役に立つなどとと予想外のものを引き合いに出す。
その5:個人に語りかけるように話す
その6:欠点を利点に変える
その7:猿踊りや雄叫びは絶対にしない
その8:口ごもらない。(どもるのはOK)
その9:質問は受け付けない
その10:大事なことは最後に廻す
 
結論:ジョブズのやり方を学ぶ機会は多くはないが、高田社長ならばいつでも見ることが出来る。プレゼンが苦手と考える人はジャパネットたかたを見ればいいのだ。

木曜日, 6月 19, 2008

ガラパゴス論議

 ”黒船”と呼ばれる”iPhone”の上陸を前に、”日本の携帯業界がガラパゴスだからいけない”、”ガラパゴスだから素晴らしい”、”Appleはガラパゴスを真似しただけ”と盛んにガラパゴスを引き合いに出して語られている。

 絶海の孤島状態(世界とは全く違う進化形態にある)という比喩としてはガラパゴスは言い得て妙だが、日本の形態市場は、どちらかと言えばオーストラリアみたいなものではないかと考えている。どういうことかと言えばオーストラリアは何故か異常に有袋類が多い。カンガルーもコアラもウォンバットもタスマニアデビルもオーストラリアを代表する動物はどういうわけか有袋類だ。他の大陸にはいない固有種だ。それもコアラみたいにユーカリがなければ生きていけないような土地に縛りつけられたものまでいる。コアラはまるで日本のケイタイサービスだ。

 話がずれそうなので元に戻そう。”Appleはガラパゴスを真似しただけ”という、主張は日本の通信キャリアが囲い込みのために販売奨励金を使ったようにAppleも3Gでは販売奨励金を今回導入したから日本の真似だと言うのだ。揚げ句の果てには池田信夫のように日本の1周遅れのことをしていると言うバカさえいる(同じトラックを同時に走り出して1周少ないのを1周遅れと言うのであって。全く違うトラックを後から走ったからといって1周遅れとは言わない)。

 池田氏らの主張は、”軟式テニスでしていることを硬式テニスはまだしていないのか”と言っているに過ぎない。軟式テニスのラケットでは硬式ボールを受けただけで折れてしまうのも棚に上げて偉そうなことを言っているのだ。井の中に閉じたケータイサイトという疑似インターネットサービスで囲い込んでいるだけの話に過ぎないのだ。言ってみればiTunes Storeだけとi-modeを比べて、i-modeのほうが便利だと宣っているわけだ。iPhoneは垣根の無いグローバルなネットワークが使えることが重要であって、通信速度やネットワークの方式が重要なわけではない。端末による囲い込みとサービスエリアの囲い込みは全く別問題だ。

結論:日本の携帯電話が有袋類になってしまっていることに気付かなければ世界には出ていけないのである。どんなに威張ってみたってワンセグもオサイフもi-modeも海外では無用の長物なのだ。軟式テニスで世界一になったって硬式テニスでは全く意味がないように...

水曜日, 6月 18, 2008

アメリカにもいる池田信夫

 さんざっぱら池田信夫氏を批判してきたが、アメリカにも似たようなことを言っているおっさんがいた。冷静に考察するとiPhoneは単なるスマートフォン(それも中途半端な)だと言うのだ。スマートフォンの定義自体が曖昧なのだが、iPhoneはスマートフォン機能を持ってはいるが、スマートフォンの範疇を越えた商品だとは理解出来ないようだ。

 更に記述されている内容にも勘違い(要は何も知らないだけなのだが)が多く見受けられる

・コピー、ペーストが出来ない(2.0では普通に出来る)
・電子メールアプリも基本的なものでしかない(どんなメールソフトが欲しいんだ)
・カレンダーも同様だ(MobileMeを使わないといけないかも知れないがカレンダーは確実に進歩している)
・同じプロセッサ(一つ上のランクのチップセットに変わっている)
・まもなくサービス開始するApp Storeが内蔵アプリケーションの欠点を補う(ベースセットのアプリに変更がないと思い込んでいるらしいが、同じ名前でも別物になっている)
・内蔵ファームウェアのパッケージ不足を補うためにサードパーティー製ソフトウェアに頼る(システムをROMチップだとでも考えているらしい。iPhoneのバージョンアップは数百メガだ。iPhoneにどんなにでかいシステムが載っているのかを知らないらしい)

結論:Jobsを現実歪曲(確かにそうだが)だと言っているが、この筆者の事実誤認(無知)は、現実歪曲以下である。冷静な考察などと言っているが血糖値が足りないだけだと思う。

金曜日, 6月 13, 2008

iPhone 3GはJobsの敗北宣言3

 毎日書くのも何だかとは思うのだが、例の池田信夫氏のblogに対する書き込み(毎日増えているのでblogとしては大成功だろう)を読むにつけ...池田氏はもしかしたらワザとAppleを貶しているのではないかと思えてくるから不思議だ。何故ならばAppleを批判すれば間違いなく盛り上がるし、技術者や他のメーカーに批判されたAppleの商品は世界的なヒット(iMacもiPodも技術者はボロクソだったが、技術者が絶賛したNewtonはボロボロだった)になっている。

 池田氏のblogを見ると信者と思われる人達は色々のようだが、技術系の人達ってまさに業界の人(或いは単純にApple嫌い)だと分かるのが少し悲しい気がする。大体Androidがオープンだって言う辺りで...Androidが開発環境としてオープンだと言ったって、それを扱うサービス網がプロプライエタリ(引きこもり)だったら、どこがオープンなんだって話で終ってしまう。Androidで開発したってローカル市場しか相手にできない(直にインターネットに出られれば別だが)が、池田信者に囲い込みと言われているAppleのサービスは世界中を囲い込む戦略だ。何故ならiPhoneのサービスはキャリアには全く依存しないからだ。

 600万台しか売れていないiPhoneは失敗だと言っているが、販売目標を1億台としたのにその結果ならと言うならそうなるが、初代iPhoneの販売開始時の目標は2008年中に1,000万台突破。最初からそんなに沢山売れるなどとはどっかのメーカーと違って考えてなどいなかった。その段階で3Gは同時に開発をスタートしていたと思われ、環境(コストとサービス)が整ったことと、予想以上に速い展開で初代が売れたので次期を早めたと捉えるべきなのだ。

 池田氏のblogで批判的なことを書いている人達ってiPodの時と同じでiPhoneが大成功した時にそんな事は俺たちも考えていたって、負け惜しみを言うんだろうな。

 コメントの最後の方に池田氏のコメントがあった。ワザと批判したのかと思ったら、本当に批判していた。こいつの発言はやっぱり時代錯誤だ。

結論:技術者にボロクソに言われるのだからiPhoneは間違いなく大成功する。ユーザは技術者ほどバカ(偏狭)じゃない。きっと未だにフロッピーがないPCは買わないんだろうな〜

木曜日, 6月 12, 2008

iPhone 3GはJobsの敗北宣言2

 昨日突っ込みを入れた池田信夫氏のblog。中には至極まともな意見をコメントしている人もいるのだが、比率としては半分はかなり強烈なジョーク。

 世の中はオープン化に進んでいるのに、Apple(Softbank)は囲い込み(これは正しい)をしようとしているのだから、docomoはAndroidで徹底的にオープン化路線で対抗しては?などと言われたら臍で茶が湧いてしまう。

 日本のキャリアは引きこもりなのに、Androidでオープン化など出来る筈はない。せいぜい開発ツールとしてAndroidを捉えるのが関の山。インターネットの世界にさえ飛び出していない日本のキャリアに自分たちが築き上げたサービスを捨てることなど出来る筈はないのだ。それをする気があったらiPhoneを受け入れている。

 好調だったら値下げしない三分の一にまで値下げされたのだから不振の深刻さを充実に物語っている。などと抜かすのもいるがそれは利益が出ていない(PS3の初期が典型)時の話で、200ドル下げても儲かるくらい粗利は高く、今回はそれよりも安く端末を出来るビジネスモデルに移行したに過ぎない。

 正直コメント見たら笑っちゃいます。

結論:池田信夫の読者はいかれてる?Appleに好意的なコメントを書くと信者が荒らしてると言うし、池田信夫信者は寂しい連中である。

Snow Leopard

 iPhoneが話題を独占し、忘れがちになりそうなMac OSX。特に次期OSXとなる”Snow Leopard"は新たな機能追加ではなく"Leopard”の完全並列化がメインになるためコンシューマレベル〔私もこれ)で人目を引く話題性には欠ける。NDAで口が堅くなっている人達から真相が出てくるかどうかは分からないが、PowerPCのサポートはないのは恐らく間違いない。単純に言ってしまえばIntel〔現状はだ)だけをサポートすることになる。つまりもうCarbonはないと言うことだ(Carbon Free)。カーネルを含めて一からソースコードを追い直し、過去のMacの遺産を一掃する時期になったと判断したのだ。以下に"Snow Leopard"で何が変わるかを列挙してみたい。

Carbon Free:Classicアプリが動かないのではなく全てのAPIからCarbonが消える。Leopardを併売するかも知れない。
64bit:OSレベルを完全に64bit化する
並列化:システムに”Grand Central”という並列処理最適化の仕組みを組込み、アプリケーションレベルでの並列化の効果を上げられるようにする
高速化:過去の資産を捨て去り並列化が最適化されれば当然高速になる
軽量化:統一されたフレームワーク環境になるのでアプリケーションを小型化出来る。PowerPCサポートが無くなるだけでもファイルは当然小さくなる。

 では何故今なのかと言うことだが、Microsoftの躓き(Vistaで失敗し、次のWindows 7の混迷)と"Leopard"の成功、iPhoneに世間の目が集中によって、システムソースそのものを一から洗い直す時間的余裕がAppleにできたと言うことだ。

結論:"Snow Leopard"は来年に発表されるようだが、WWDCで開発者に最初のデベロッパプレビューが配布された。Microsoftは完成もしていないOSを慌ててリリースするような状態なのに、恐らくAppleは”Leopard”と並行して”Snow Leopard”を開発していたに違いない。”Snow Leopard”がPCでも動くOSXになったとしても、何も驚かないのだ。

水曜日, 6月 11, 2008

iPhone 3GはJobsの敗北宣言?

 良いことが書いてあることもあるが、変なことも多い池田信夫氏のblogで、”iPhone 3Gはジョブズの敗北宣言”という話が出ていた。

 台数を比べれば確かにノキアの1100やRAZRの方が圧倒的に多いが、単なる携帯電話とiPhoneを比較する意味が私には理解出来ない。Appleがやろうとしている事が携帯電話のNo.1になることならば池田氏のご指摘のように間違いなくiPhoneは失敗作だろう。それこそ、わざわざ携帯を開発すると言う話さえ馬鹿げたことだと一笑に付すだろう。しかし、iPhoneの本質は携帯電話ではない。iPhoneはインターネットをハンドヘルドするためのツールだ。携帯網は通信手段の一つに過ぎないし、通話機能もオマケのようなものだ。通話機能がないと携帯キャリアを騙して売らせることが出来ないから付けているとさえ考えている。

 携帯電話というセグメントを破壊するツールを携帯キャリアが手に入れようと動いた段階でJobsの勝利と言える。暫くの間i、Phoneはスマートフォンの振りを続けるだろうが、iPhone 2.0が1.0と全く違うものに化けたように、3.0になった時に携帯の振りを続けるかどうかは知れたものではないのである。

結論:池田氏は、大前研一氏のように根本的にiPhoneを理解していないようである。

iPhone 3Gに思うこと

 何度もこのblogでは書いているので、お馴染の方にはくどいと言われそうだが、iPhoneは携帯電話ではない。複数のネットワーク機能を持ったマルチコンテンツ・プレイヤーだ。実際に携帯電話機能が使えなくなっても高機能版のiPod touchとして十分に通用する。そして現在の日本を見てみるとiPhoneが十分に売れる素地が用意されていることに気付く筈だ。

 電車の中を見て見れば分かるように車内で電話を使う野蛮人は減ったが、携帯を睨んでいる人間は増えた。既に電話として使うよりもメール端末として使っている時間の方が多い。今はそれしかないから各キャリア毎に用意されたネットサービス(メールやWeb)を使っているが、PCと全く同じものが携帯で行えるようになれば(それもPCよりも簡単に)、わざわざキャリアのお仕着せのサービスを使わずに一つのアカウントで全てを済ませる事が可能になる。日本の携帯環境を考えて親指入力さえ用意したAppleの本気度は非常に高い。

 音声通話はネットワーク機能の一つでしかなく、携帯網もネットワーク通信網の一つに過ぎなくなるのに大した時間は要さないだろう。営業スタイルが大嫌いなのでSoftbankでiPhoneを買おうなどとは考えていないが、ADSLでNTTのISDNを葬り去り、今度は携帯電話を再定義しようとしている孫正義の未来を見る目は確かだ。孫正義を好きか嫌いかと聞かれれば、嫌いだと即答するだろうが、経営者としての才能はどうかと聞かれれば、間違いなく傑物だと答えるだろう。

結論:何処のキャリアが扱おうがiPhoneは今迄の(世界中の)携帯電話ビジネスを根本から突き崩すツールなのだ。どうせ、破壊されるものならば破壊する側に回る方が賢い選択なのである。

火曜日, 6月 10, 2008

引導を渡す

 噂通りにiPhoneが発表された。年内と言われていたSoftbankからの発売は7月11日の最初のグループと決まった。AT&Tは199ドルからの価格設定になったが、どうやらAT&Tとの2年契約と言う条件を付けた上での価格のようである。200ドルくらいがAT&TからAppleに入る計算だ。その代わりと言っては何だが、どうやらレベニューシェア(みかじめ料)は無くなったようだ。理由は.Macの進化形態であるMobileMeのサービスの提供やApp.storeでのアプリケーションの販売から得られる利益があるからなのだ。

 スマートフォンの一種と見られていた(単なる携帯とさえ思っている人もいた)iPhoneだが、iPhone 2.0になって既にスマートフォンの範疇を越えてしまった。iPhoneは、コンテンツプレイヤーというジャンルを作り出したのだ。日本に於けるキャリアの囲い込みサービスの外に、Appleがより大きな囲い込みサービスを作り出してしまった。それもWeb上で展開可能なオープンなネットワークサービス(囲い込みなのに顧客に対するサービスはオープンという不思議な仕組み)を中心に据えて...

結論:ハードウェアの制約から抜け出せないスマートフォンにとって、iPhoneの設計思想は核兵器並みの強力な爆発力を持っているのだ。今回の発表は他のメーカーにとって致命的かも知れない。

土曜日, 6月 07, 2008

深読みのしすぎ?

 PC版のOSXを出すんじゃないかと昨日書いたが、やっぱり深読みのしすぎかと反省。今回のWWDCは、MacだけでなくiPhoneも、というよりはiPhoneが一番の目玉。バナーのOSXにMacの文字が無かったからと言って一気にPCまで進むのは....

 でもコード名が"Snow Leopard"と言うのがどうしても気になるんだよな。

結論:どっちにしろ来週になれば判るのだ。

あり得る話

 次期OSXのコードネームが、"Snow Leopard"だという噂を見た時に、まるでLeopardのクローンみたいだと思ったのは、もしかすると当たりかも知れない。Intel版のMacが出た時に、いずれはPC用のOSXをAppleが出すと考えたのだが、遂にその時が来たのかも知れない。Boot Campを使ってMacにWindowsを入れる人が多いことから、そろそろ潮時だと判断したのではないだろうか。そうなれば、当然PC用のBoot Campも用意される。

 Jobsのキーノートスピーチ中にdocomoの中村社長が舞台に上がるのがサプライズかと考えていたが、どうやらSONYのスプリンガー氏が出てくる等と言う事が起こりそうな気配である。

結論:過去最高の開発者が参加するWWDC。単なる妄想だが、iPhone以上にOSXが熱くなるかも知れない。

金曜日, 6月 06, 2008

iPhone、70カ国で販売(今日現在)

 Softbankが販売権を得た事によってやっと日本も加わる事が出来たiPhone世界地図。現在の総数は、70カ国(82キャリア)。今年度中に1,000万台の販売が目標らしいが、そんな数では1キャリアあたり僅か10数万台に過ぎない。そんな供給量では何処にも足りないというのが正直な話だ。もちろん70カ国の中には、景気の良くない国もあるし、ドイツのようにお国柄(倹約家が多い)からかあまり2.5GのiPhoneが売れなかったところもあるが、それでも既に540万台が販売されている(まだ1年も経過していない)。生産が間に合えば恐らく今年中にトータルで2000万台を越えるiPhoneとそれ以上の台数のiPod touchが市場に溢れるだろう。

 どちらのデバイスも開発環境はiPhone SDK。WWDC以降になるかも知れないが正式版の提供される。iPhoneを携帯電話と捉えている連中にはiPhoneをスマートフォン位にしか理解出来ないかも知れないが、iPhone(iPod touchも)は全く新しいデバイスだ。iPhoneは、音楽もゲームもOKなネットワークツール。携帯電話機能は、”Some of Them"の一つに過ぎない。携帯機能が無くても成り立つ通信機能を備えているし、更に加えていくのは間違いない。Softbankがキャリアになったことで世間は騒いでいるが、音楽業界や映画業界(これは途上だが)を変えたように、携帯業界やゲーム業界の再編を引き起こすのが、iPhone 2.0だと気付くまで後数日なのである。

結論:
キャリアがSoftbankなのでiPhoneを買う事はないが、次のiPod touchは必ず買うつもりだ。

木曜日, 6月 05, 2008

舐めてたの?

 Softbank独占になったわけではないが、もしも本当にdocomoがiPhoneを取れないとしたら、それは単にバカだからと言う事になってしまう。天下のAT&Tでさえ出入りの業者扱いのJobsがdocomoなど屁とも思っていない事は最初から分かり切った話。アメリカの動きを見ていればiPhoneが欲しかったら自分たちの思惑など全く考慮する余地はないことは最初からわかっていた事である。こちらから何か条件を付けたいと考えているのなら最初から交渉のテーブルに着いても無駄なのだ。

他の会社がAppleに払った代償
ディズニー:会長兼CEOのクビと筆頭株主の条件でPixerを確保
Apple Co:商標権侵害で訴えた為に商標権をAppleに取られてしまう
SONY:共同開発を断った為にデジタルプレイヤーの覇権を取られる

 Pixerを手に入れたディズニーは、自社のアニメ部門を解散し、Pixerがディズニーのアニメ部門になった。ディズニーは自社のブランドを捨ててJobsのブランドで生きる事にしたわけだ。Softbankも同様に利益は度外視してiPhoneというブランドを手に入れる決心をしたわけだ。もしかしたらdocomoはiPhoneを電話機だと考えていたのだろうか。だとしたら、Appleを舐めていたと言う事になる。iPhoneというのは物ではなくiconなのだ。

結論:もしも本当にdocomoが負けたのだとしたら、Appleに相手にされない会社と言う拭うことの出来ないイメージを自ら作ってしまった事になる。Auのようにはっきりした理由がないだけに傷は深いのだ。まだ本当にどうなるかは分からないけどね。

iPhone販売契約に思う事

 今のところ独占かどうかも不明だが、取りあえず取り残されていた日本にもiPhoneが登場する事になり、国内の開発者にとってはめでたしめでたしというところである。販売契約(キャリアに決まったとはリリースでも書いていない)を取れたと言う事は相当な金額を積んだ事は間違いない(通信料の20%か?)が、利益なんか全く出ないか損をする可能性の方が高いような気がする。何でそう考えるかと言えば、Softbankのショップで売るのとは別にAppleStoreや大手量販店のMac Shopでも販売されるはずだが、これらの端末は自宅のMacかPCでアクティベーションされるだろう。もちろん携帯ショップに持ち込む可能性もあるが、販売奨励金を使った値引を考えているとしたら、Appleが店頭で価格を値引する事はありえないので棚末を持ち込んでもらってお金だけ返すと言う手段を取らざる負えない。今迄と何も変わらないじゃないかと考えた人は大事な点を見落としている。

今迄の方式:キャリアがメーカーから端末を一括購入しショップに卸して販売を依頼する。顧客の契約形態に応じて販売奨励金をショップへ(奨励金はあくまで掛け)。
iPhoneの方式:キャリア直営店にAppleが卸す。売る売らないはキャリアの自由。Apple StoreならばiPhoneは定価で販売され、顧客の契約形態に応じてキャリアの直営店店頭で顧客に返金(現金)。キャリア直営店での販売ならば値引だがApple StoreやMac Shopで販売されたものを店頭に持ち込まれたのでは、ただの出金(少なくともその時点では)になってしまう。これでは、どう考えても大赤字だ。更にiPhoneでは、パケット定額(それも低価格)と月々のみかじめ料が必要になる。Softbankはその上Softbank同士は通話料無料のホワイトプランも設けている(有料契約だが)。その上iPhoneで動くアプリケーションはiTunesのApp.Storeからの販売だけになる。キャリア独自のサービスは一切使わないのだからここで儲ける事も出来ないのだ。

 ユーザとしては是非ともiPhoneが欲しいと思うだろうが、キャリアとしてはこんな端末(というかメーカー)と取引など絶対にしたくないと考えても不思議はないだろう。でも物は考えよう。iPhoneで利益が出せるならばMobileWiMAXが始った時に利益が出せるキャリアになれるのは間違いない。サービスで割高通信料を誤魔化してきた今迄のビジネス・モデルを捨てて、純粋に回線貸しで利益を出せる体質にいち早く脱皮出来るのだから良い勉強になるだろう。

結論:iPhoneを餌にして別な端末を売るしかないかも知れないぞ。冗談でGSMのiPhoneをオマケで付けるんじゃないかと思ったがその方が安上がりなのだ。

水曜日, 6月 04, 2008

何で1日遅れたの?

 昨日、Softbankの夏モデルの発表会を行っていながら、次の日にiPhone発売開始を発表したのか理解出来ない。iPhoneが夏モデルじゃないからと言うのは分かるにしても二日連続で発表して何か良い事でもあるのだろうか。どうせ来週には発表のチャンスがあるのにそれを待てない理由は何なの?昨日がムーミンの日だったから?

結論:結論は9日以降に持ち越しである。

SoftbankのiPhone

 Softbankが日本国内のiPhone販売契約を取ったと発表した。発売開始は年内ということだ。SoftbankにはiPodとの抱き合わせなどと言う前科があるから、GSM(国内では使えない)iPhoneを抱き合わせなんてことはないよなと、つい疑り深くなってしまう。docomoは残念と言っている(独占じゃなくて残念と言う意味じゃないの)ようだが、本当にSoftbankだけなの?だとしたらdocomoからの乗換えが大量に発生するよ。

結論:取りあえずどんな形にしろ、年内には出るのね。Softbank独占だったら予測は大外れだ。

火曜日, 6月 03, 2008

iPhone 2.0

 どっかの会社がやった”iなんとか2.0”は期待外れ(ついにシェア50%を割ってしまった)だったが、iPhone 2.0も、あまり期待が大きくなるとガッカリと言う事になりかねない。発表(同時発売)が来週に迫った(本当?)せいか、色んな噂があちこちに...と言う訳で面倒くさい方の為に噂をまとめてみたい。

気になる噂
その1:22%薄くなる。それ位は可能。
その2:カラーバリエーションがある。これはGSM版のiPhoneの様な気がする。
その3:GPSが搭載される。これだけで大幅にサービスが増える。
その4:動画撮影とビデオチャット(テレビ会議)。もう電話は要らない。
その5:最小モデルが16Gバイトで499ドル。日本で何処まで安く出来るか。
その6:バッテリー寿命が伸びる。これがクリア出来なければ、そもそも3Gは出さない?
その7:GSMとW-CDMA切替が出来る。ハックの結果が嘘でなければ。
その8:手書き文字認識と新日本語変換。まだまだ2バイト文字が弱いので十分有り得る。
その9:.Mac(Me.comに名称変更)と連動。新たなサービスに変わるのでしょう。
その10:テレビが見られる〔どこの国の?)。ワンセグは有り得ない。
その11:日本は、docomoが独占キャリア(非i-mode端末として)。いつになるかは借りませんが...
その12:Softbankが独占キャリア(MVNO)。Yahoo!ネットを使わなければいけないので、これはありません。
その13:docomoとSoftbankが発売。可能性はあります。docomo先行で。
その14:最小モデルは8Gで販売奨励金(−200ドル)利用で199ドル。これはGSM用のiPhone(200ドルモデル)と混同しているような気がする。要するにGSMのニューモデルも出ると言う事。

 箇条書きにしてみて、あまりわくわくしないのは、擦れっ枯らしになってしまったせい(Auユーザだからだったりする)でしょうか。

結論:電話機能無し(要はiPod touch)でこれが出れば間違いなく買い。

月曜日, 6月 02, 2008

PRADA携帯は電源を入れるな

 iPhoneみたいだと噂のPRADA携帯。電源が入っていなければかっこよく見えるのだが、電源を入れてシステムが起動した瞬間にがっかりすることは間違いない。UIが流石はLG(褒めてるじゃないぞ)。よくぞここ迄ダサいものを作れたもんだ。

結論:PRADA携帯なら、簡単携帯の方がずっとおしゃれな気がする。それ位にUIが全てを台無しにしている。今どき半角カタカナ使うセンスが...電源を入れたら台無しと言うのでは話にならない。