金曜日, 12月 28, 2012

2012年を振り返る

個人的に2011年一番の目玉はKDDIがiPhone 4Sを販売開始したことであったが、2012年を振替えるとKDDIもiPadを扱うことになったこととminiの販売開始が大きな出来事だが(当然の成り行きではある)、半年足らずでiPadのモデルチェンジを仕掛けてきた事も大きな変化だった(その為に旧モデルをかき集める騒ぎになった)。これでApple製品を扱わない大手キャリアはdocomoだけとなってしまい「ドコモダケ」がダメダメの代名詞になってしまったのも2012年だった。さて、そんな2012年をもう少しだけ細かく見ていこう。

タブレット
台風の中心は相変わらずAppleであったが、少なくとも出荷台数(デッドストックの山とも言う)ではAndroidがシェアを拡大したのが2012年。GoogleがNexusでタブレットを打ち出し電子書籍リーダー以外のタブレットが低価格で続々登場しAppleもminiを出さざるを得なかったと言う的を外れた記事も見受けられた。そんな中、Microsoftも自社製ハードを製造し発売すると路線を変更。他社のタブレットはモバイルOSを載せる中、MicrosoftはデスクトップOSの縮小版をタブレット用に用意した。ARMチップ用のRTは理解出来るがキメラとしか言えないWindows 8はどうなのだろう。純粋なタブレットではないとカテゴライズするのだろうが、如何せん価格が高過ぎるのである。
スマートフォン
中々、販売数量の増えないWindows Phoneは、Windows Phone 8で巻き返しを図ろうとした訳だが必要とされるハードウェアスペックが上がってしまった為にWindows Phone7.5端末はたった一年でWindows Phoneのメジャーアップデートから取り残される形になってしまった(最低3年間はアップデートが保証されているAppleとは大きな違いだ)。一頃の勢いが無くなったと書かれていたAppleはiPhone 5の登場で再びブースターに火が点きアメリカ国内に限れば出荷数量でAndroidを再び抜き去ることになった(販売数は恐らくずっとAppleの方が多かったのでは?)。
PC
「タブレットに在らずば」の被害をまともに受けたのがWindows PC群。PCなど作っても利益にならないのは、最初から分かっていたことだったがそれが確実になったのが2012年だった。タブレットにおされる中、待ちわびていたWindows 8が登場したが、タブレットでもないのにタッチパネルなどを付けざるを得ない状況でどうやって利益をあげるのかが他人事ながら気になった。そんな中創業以来最高の販売実績を積み上げたのがApple。Mac Proを除く全てのMacが刷新されたことも手伝ってタブレットとの共食いも発生せずに利益を積み上げることに貢献したのだ。
OS
フラグメンテーションが未だに消えない(ドンドン酷くなる)Android(Microsoftも?)を他所にAppleは着実にアップデートを重ねているが、ダメダメマップのリリースで陰りが見え始めたとも書かれた。iOSは劇的な進化ではなく安定期に入ったとも言えるが、その為には批判されることのないマップのリリースは必須だろう。
電子書籍
毎年、「電子書籍元年」と言われ続けてしぼむ中、遂に本命のKindleが日本に登場。同時にストアもスタートし、端末の価格競争も激化。無風状態(皆で失敗してるのだから怖くない)だった市場にハードウェアの価格競争が発生し電子書籍リーダーを作っても意味がないと気付かせたのは大きなせいかだったのではないだろうか。

結論:結局、2012年も全然儲からないその他大勢とAppleと言う図式のままだったのである。

水曜日, 11月 28, 2012

シェアが意味を持たない世界もある

スマホの世界はAndroidの方がシェアが多いのでAppleの時代は終わったと思い違いをしている人もいるようだが、同様にタブレットもこれからはAndroidがiPadを追い抜くなどとマスメディアは提灯を掲げている。そうなって国内の青息吐息のメーカーが生きを引き返すような事があるのならば、それも良い事なのだが、そこで名前が上がってくるのは、どうやら世界一の家電メーカーであるらしいSamsungやGoogle御謹製(EMSだが)のNexusやMicrosoftのSurfaceなど外国勢ばかり。電子書籍で完全に影も形もない(作っていても使われていないのだから無いに等しい)状態にある日本製のAndroidタブレットの惨状は記事にさえならない有り様だ。

私の予想通り皆で渡れば怖くないと後先も良く考えずに(自分がNo.1になれると皆考えた)参入したAndroidは、結局一網打尽となった訳だが、それでも懲りずにスマホではダメだったがタブレットで起死回生だと考えているようなので馬鹿に付ける薬は無いとは良く言ったものだと感じる日々である。PCで同じ失敗をしているのに他社のOSをライセンスして組込むと言う轍を踏んだ日本メーカー。超大手のデータ会社も国内のAndroid勢と組んで決済システムを作っていたようなのだが、予想通りにあっという間にiOSのフルサポートへと舵を切って来た。セキュリティの観念がそもそも希薄なAndroidで決済などあり得ないのに旧電々系のIT企業とてを組めばどうにかなると考えていたのだろうが、残念ながらニーズのある企業の方は、まともに使えるアプリもない(全て自製だとどれだけ費用が嵩む事か)上に、セキュリティに穴があり、その上ユーザビリティがいまいちなのだから、どこからも引きが無かったのは明らかなのだ。そこで、後回しでよいと考えていたiOSでの決済が…

結論:最近のシェアは勝った後に後悔する人の数を表しているようだ。iPhoneユーザは次もiPhoneと考える人が大半(中には90%以上と言う調査結果もある)。米国政府機関がiOSデバイス導入に変更しているようにシェアではなくセキュリティの担保があってのモバイルデバイスなのである。

水曜日, 11月 14, 2012

本当にモデルチェンジをするのか?

未だにcellularモデルも正式に発売開始されていないのに、台湾ではiPhone 5Sがテスト製造段階に入っているとの噂が出ているApple。ご丁寧にもiPadやminiさえ3月にはモデルチェンジだと言うのだ。一つだけ考えられるのはSamsung外しのためのモデルチェンジである。そんな理由でモデルのバージョンアップがなされるとは考えられないのだが、全くない話しとも言えないだろう。Samsung製の32nmプロセスのA6からTSMCの28nmプロセスのA6へのモデルチェンジ。現行モデル用のA6もチップ設計はAppleオリジナルで製造をSamsungに請け負わせているだけ。ここでA6をバンプアップしたりA7搭載の次期iPhoneを出してくる必要が本当に有るのだろうか。同様にA5X搭載のminiやA7のiPadも時期尚早な気がする。

結論:来月からテスト製造を開始すると噂されているiPhoneやiPadは、CPUやディスプレイ(IGZOを追加)の製造元を切り換えるマイナー修正版と考える方が妥当性が高い気がする。勿論、ニューモデルが出てくる可能性がゼロではないが、そこまでしなくても十分にSamsungに対抗可能なのだ(シェアを伸ばすのではなく十分な利益が出せると言う意味)

タブレットの棲み分け

スタートメニューをなくしたせいで辞めさせられたのではないのだろうが、Appleのフォーストルを追うようにMicrosoftのソノフスキーも 出る事になってしまった。無理矢理Windows PhoneのUIをWindowsに統合しようとした戦略の間違いは置いておくとしてもタブレットとPCを同じジャンルに括ろうと言うのは大きな間違い。 ファイルの互換性以外で大して共通項の多くないタブレットとPCはやはりきっちりとわけるべきなのである。と、前振り以上に長い間更新をしていなかったの は、ネタが無かった訳ではなく単純に怠けていただけなのだ。

と言う訳で今回はMicrosoftも漸く加わってきたタブレットの棲み分けについて書いてみようと思う。

Windows RTタブレット:ど うやらMicrosoftの期待通りには売れていないらしいSurfaceを代表とするWindows RT搭載のタブレットが売れない理由は対応するアプリケーションの圧倒的な少なさ。日本マイクロソフトのエバンジェリストの人もアプリが殆どない今がアプ リを作るチャンスですと開発者に呼びかけるくらいなので直ぐに売れないのは仕方がないだろう。そうは言っても痩せても枯れてもビジネスを牛耳ってきた Microsoft。Officeがあればどうにかなってしまうだろうと。その上ADとの連携など社内で使うには最強のタブレットなのではないだろうか。 勿論個人が使って楽しいかはあずかり知らぬが。【用途】ビジネス全般
Androidタブレット:Androidタブレットのシェア を大きく見せるためにKindleなどの特定用途専用機をカウントするのも今更なのだが、いつになってもAndroidタブレット用のアプリが大して出て こないのは「ニワトリが先か卵が先か」以前に、Androidフォン用のアプリ市場が全然商売にはならないと言う現実の方が大きいのは間違いない。タブ レットだけではなくスマホもそこそこ以上に商売になっているのは一社と言う状況は今後も変わらず(Samsungが死ねば他のどこかが独占と言う意味、 ずっとSamsungが勝ち続ける保証はどこにもない)。タダに目が眩んで我も我もと雪崩を打って参入した日本メーカーの惨状はご存知の通りだ。さて、そ んな状況のAndroidに真剣に取り組むのであれば脇が甘いOSを汎用として使うなど狂気の沙汰。AmazonのようにカスタマイズしてAndroidの 存在を見えないようにした上で利用するのが得策なのは間違いない。フューチャーフォンの組込みOSとして失敗したJavaよりは色々な事が出来そうな Androidなのだから汎用ではなく組込みOSとして使う端末を出すべきだろう。決して皆が同じ土俵で戦うような事はするべきではないのだ。特定用途以 外でもう一つのAndroidタブレットの生きる道は開発者などの特定のユーザ用。自分専用の用途で動かす特定デバイスと考えればiOSではあり得ないア ドバンテージを持っているのは確かだ。【用途】電子書籍リーダーのような特定用途専用機を作るのがベスト。但し、既にKindleがあるのだから電子書籍 リーダーを出すのは無意味。誰も出していないデバイスを作りましょう。
iOSタブレット:既存のPCに置き換わるNext PC。個人ユースからビジネスユースまでをカバー可能。専用のアプリも既に数多く存在するし、周辺装置の対応もMacのように徒花扱いではない。国内の サービスでさえiPadに対応しない事が死を意味すると理解されているようで、半年前までAndroidしか対応していなかった(国内メーカーとの連携 で?)ソリューションも今はAndroidの開発を送らせてもiPad対応を急ぐ状況になっている。【用途】どんなものにでもOK
Windows 8タブレット:Windows タブレットと括ってしまうと焦点がぼけてしまうので敢えて別立てにするが、あってはならないタブレットがWindows 8タブレット。フル8とRTでは同じアプリ(バイナリレベルで)が動かないにも関わらず一緒のOS(モードは違う)の中で使わせようと言うのがそもそもの 間違い。ユーザが好きな方を選べると言うが、使い方によってUIが自動的に選択される(キーボード無しはRTモード、キーボードがあったらフル8)のでな ければ混乱を招くだけなのだ。【用途】ヌエのような存在なので際物以外のなにものでもない。

結論:私が書くのだから当然の結果なのだが、誰にでも勧められるタブレットはiPad。今は大きいのも小さいのもあるので目的に応じて使い分けるのである。1年1モデルのパターンを崩したのだけは頂けない。

月曜日, 10月 22, 2012

23日のスペシャルイベント

一昔前とは違いリークと思える情報がボロボロと出てきてしまい次はどうなるかの予想のしがいもない今日この頃だが噂の「iPad mini(果たして名前はどうなる」や「Mac mini」、「MacBook Pro Retina 13」、そして「iPad 4」(LTEとLightning対応のマイナーバージョンアップ)と本当であれば随分と豪勢な発表会になりそうだ。

間違いなく出てくるであろう小さなiPadの気になる仕様は
その1:7.85インチ、アスペクト比4:3(1023:768)。一部アスペクト比が変わるとの噂もあるが恐らく変えてこない
その2:サイドのベゼルはより細くなり筐体は縦長になる
その3:500万画素のアウトカメラにHD対応のインカメラ
その4:価格は329ドルから(日本円で24,800円?)
その5:Wi-Fi、3G、LTEのバリエーション(本当に3G専用が必要なのだろうか?)
その6:メモリサイズは8Gからとあるが16G以下のメモリを使ってもコストはそう下がらないのでは?

「Mac mini」や13インチのRetinaが出てくれば、また売上に貢献するだろうけど「iPad 4」は、まだ時期尚早のような気がしてならない。4Gで売るつもりだったのに対応していない国ばかりでcellularと呼び名を代えざるを得なかったので捲土重来というのはあるかも知れないが…

結論:この時期に小さなiPadが出てくるだけで大きな意味を持つので、他に何も発表が無かったとしてもガッカリしてはいけない。iBooks 3.0も発表されるようなので教科書絡みでまた何か大きな動きがあるのかも知れない。

水曜日, 10月 03, 2012

今週の週刊ダイヤモンド

今週の週刊ダイヤモンドはApple特集。この企画を立ち上げたのは私のFacebookで友達の記者。私のインタビューが記事になっているわけではないけど実は現状や今後の方向性などの骨格の部分でアドバイスを。7月の後半だったのであれから2ヶ月掛けての取材。中々の力作なのである。

結論:他に自慢できることがないだけだ。

木曜日, 9月 13, 2012

追う立場になった"新しいiPhone"


どこのバカかは知らないが新しいiPhone(iPhone 5)を前にして、AppleのiPhoneはスマホのOS市場のトップシェアをひた走るAndroid陣営を追いかける立場になっというのだ。その上過去二年iOSのシェアには大きな動きがないと宣う始末。シェアは比率に過ぎず台数ベースで見たらiPhoneは過去二年で飛んでもない成長を続けているのは明白なのだが、どうやらこの記事を書いた輩は百分率以外に数字が読めないらしい(要はただのバカだ)。

全世界では、Appleの占める割合は僅か18.8%(発展途上国では確かにiPhoneは高嶺の花だ)しかない負け組で、日本でも端末利用状況はAndroidの半分だと言い張る始末。利用と言いながらこれも出荷シェアベースに過ぎず、実際のネットアクセスやアプリの利用頻度を示しているわけではない。ネット・トラフィックを調べればAndroidの半分に満たないiPhoneが60%以上を占めている事は一切関係ないらしい。半分の台数で倍の利用なのだからiPhoneはAndroidの4倍使われていると言う計算はどうやら出来ないらしい。

と、書いたところで上げようと思っていたら正式に「iPhone 5」の発表。海外のアナリストは間違いなく大ヒットすると太鼓判を押したようだ。

結論:「iPhoneは5」を手に取って同じことを考えるようなら、そんな奴はAndroidと心中すれば良いのである。

火曜日, 8月 21, 2012

時価総額が史上最高

新しいiPhoneがいよいよ登場と噂されるAppleの株価が一株660ドルを越え遂に時価総額でかつてMicrosoftが一位を取った時を越えた。これから2週間の間徐々に値を上げ(700迄届くか)、発表と同時に一時的に大きく下げ(10%近く)その後発売後に徐々に上がっていくと言ういつものパターンを踏襲するのだろうか。クリスマスシーズンまでには小さなiPadも出てくるかも知れないし、年が明ければテレビ絡みで大きな発表が…

結論:一株も持っていない人間が喜ぶ事ではないのだがAppleウォッチャーとしては喜ばしい限りだ。

火曜日, 8月 14, 2012

iPhoneを作れ

液晶で世界をリードしていたシャープが青息吐息で株価もストップ安になってしまう状態に。開発技術力もあるし製造技術もあるけど一番大きな市場であるアメリカでSamsungに負けているのは事実。それ以上に影響が大きいのは国内メーカーの一番のドル箱である国内市場が冷え込んでしまったのが大きい。かつては国内シェアのトップだったケータイ市場もiPhoneの登場によりスマホにあらずんばケータイにあらずの環境になってしまい、一見数が出ていようとも他のメーカーとの価格競争の中利益をもたらすような状況にはならなかった。これは鳴り物入りで各社が参入した3D液晶テレビも同じで無駄な開発費が嵩んだだけで利益を上げる事は出来ず、パナソニックもSONYもシャープと同様に大赤字になってしまったのだ。皮肉な事に液晶テレビを早々と諦めた日立や三菱の方(こちらは重電を持っているので比較すべきではないが)が早々と業績を回復する事になったのだ。

そんな、シャープにとっての一つの光明がiPhone向けのディスプレイの供給。次期iPhoneのディスプレイの生産を開始したと行きなり発表したのも、下げ止まらない株価をどうにかしようと言う考えが働いたのは間違いないだろう。Steveが生きている時にそんなことをすれば、それだけで取引は無かった事になっていたのだろうが、Appleが何の声明も出されていないところを見るとAppleに事前にお伺いを立てていたのかもしれない。家電メーカー各社は大きな投資をしなかった白物家電で赤字を叩き出した訳ではなく、液晶テレビやスマホで回収の見込みの立たない開発費や設備投資を投入してしまったのが大きな敗因。完成品で利益を得る目算は地デジ化需要が消えた中で雲散霧消してしまった。

揚げ句の果てに、どこぞのキャリアのように多品種で他社への流れを食い止めようなどと言う間違った戦略に乗ってしまったのでは、とてもではないが自社製品で利益を上げる事など取らぬ狸の皮算用以外の何物でもないのは明らかだ。そんな逆風ばかりの中に出てきたのがAppleへのディプレイの供給話。Foxconnとの提携により、より強いAppleとの紐帯が出来たのは間違いないであろう。批判を承知の上で書くが、シャープだけに限らず幾ら作っても利益の出ない事業から撤退するのは一つの手だと考えるのはあまり利口ではない。それによって合従連衡は進んだがどこも利益を上げるには到っていないし、利益が出せる時代が来た時に再参入するくらいにバカな話はないのだ。工場だって一端閉鎖したら…

結論:自社製品を作るのを暫くやめEMSに徹するのも一つの方法である。ラインを閉鎖するくらいならiPhoneを作れば良いのだ。

月曜日, 7月 23, 2012

垂直統合と水平分散、その後

Microsoftが全盛の時代、気違い沙汰と言われていた垂直統合。そんなことをしてもオープン戦略に勝てるわけがないと誰もが信じていた。確かに、Microsoftのようにハードウェアを作らずにOSやアプリケーションののライセンスに徹していれば不良在庫を抱えることもなく一度製品が出来上がってしまえば、数が出れば出る程単純に利益が増える理想的なビジネスモデルだった。 対するAppleは創設以来基本は垂直統合(一時期ライセンスを試みたが明らかに失敗だった)。Mac vs WindowsでAppleが敗れ去ったのは現在のようなエコシステムを持たないMac単独の統合モデルだったからである。現在のAppleはiTunesを見ればわかるように決してクローズモデルをとっている訳ではない。iTunesで提供される音楽データはDRMなしのMP3。MP3をサポートしているプレイヤーであればどれでも再生可能だ。勿論、もうiPadに対抗できる音楽プレイヤーを持っているのはSONYだけだし、それなりの結果を出せているのはほぼ日本国内に限られている。自分達が圧倒的な力を持った分野だからこそ開放したとは言えるだろう。 iPhoneの四半期販売台数が2,000〜2,500万台と予想されているが、それ以上に驚きなのがApple以外の誰もが惨憺たる結果になっているタブレット市場でiPadは、既に2,000万台に達しようとしている。ここまでAppleが独走体制に入れたのは自社での製造を一切辞めてEMSに切り替えたから需要に応じた生産量の調整が柔軟に行えるためである。製造業で一番問題となる余剰在庫の発生を抑えながら需要に応える事が出来る盤石の体制だ。Appleが他社と比較にならない利益を上げているのは価格競争に巻き込まれないデバイスを売れるからだけではなく不良在庫を持っていないからなのだ。 そのAppleに対抗しMicrosoftとGoogleが自社でハードウェアまで作るろうと垂直統合戦略に切り替える気配を見せている。Appleの利益率に釣られたとしか思えない対応なのだが、彼らの目的は自社の持つサービスやアプリケーションを利用するための専用デバイスを増やしたいというAppleとは全然違う目的を持っている。それでAppleと同じ垂直統合のビジネスモデルが上手く行くかは甚だ疑問だ。 オプションも競争も選択肢も増えるはずの水平分散のビジネスモデルではAppleに勝てないと判断したのは進歩なのかもしれないが、30年以上を費やしてAppleが築き上げてきたビジネスモデルは一朝一夕では真似をできるものではない(現にSteveのいなかった時期に一度は破綻している)。 結論:水平分散のオープン戦略は、選択肢が多いのではなく混沌があるだけである。水平分散で幸せになれる人が限りなく少ない事が明らかになった(メーカーもユーザも幸せになっていない)今、GoogleやMicrosoftは統合型に舵を切ろうとしているが、それはその戦略に乗ってきたメーカにとっては裏切り以外の何物でもない。ライセンシーをEMSとする位の事をしない限り離反を止めることは出来ないだろう。GoogleやMicrosoftは果たしてそれを分かっているのだろうか。統合が更なる混沌を生み出すのが落ちなのだ。

土曜日, 7月 07, 2012

「Nexus 7」はAndroidタブレット潰し?

折角、OSを作ってあげてもiPadに対抗出来ないAndroidタブレット陣営に痺れを切らしたのだろうか。GoogleはAndroidタブレットを作っているメーカーに何の断りもなく「Nexus 7」を発表してきた(もしかして事前に伝えていた?)。 「Nexus 7」はどう控えめに考えてもiPad潰しではなくAndroidタブレット潰し。そんなことはないと言い張る人もいるかもしれないが200ドルであんなものを出されたのではハードウェアで儲けなくてはいけないメーカーやっていけないのは間違いないのだから、どう考えてもAndroidタブレットメーカーにプラスになることはない。これは「Surface」にも多少言えるがあちらはどう贔屓目に見ても高価格、直ぐにUltrabookを潰すほど販売数にはならないだろう。 「Nexus 7」が本当に使えるレベルで登場した場合、それでなくてもSAMSUNG以外はまともに売れていないAndroidタブレットが死滅するのは間違いないないが、Appleに大きな影響はないだろうと思えるが、一番の問題は大して変わらない価格でAppleが7インチクラスを出さないと言う保証がないことだ。既にWSJでもその話題が出ているということは冬のホリデーシーズン迄に発表される可能性は高い(WSJは日経とは違う)。10インチは諦めて一番売れ筋の7インチを出したのに同じ土俵にもしもAppleが上がってきたら…10月に答えが出そうです。

  結論:「Nexus 7」はAndroidタブレット潰しだが「iPad mini」に潰される。何の意味があるのだろう。

日本のメーカーは何故負け組になってしまったのか

技術力が枯渇してしまったわけではないが、製品開発と技術開発は違う事を理解している人がいない事が日本のメーカー最大の敗因。ユーザが何を求めているかよりも手持ちの駒をどう利用するか(活かすレベルには達していない)が主題となっているのだから黙っていても飛ぶように売れるような製品にならないのは当然の結果なのだ。 要素技術は明確なビジョン実現のために使われなければ意味がないのだが、それを判断できるトップがいないのだからビジョンを持った製品が作られるはずのない。技術者は優れているのにトップがダメだからAppleのようなヒット作を作れないというのも嘘である。本当に優れた技術者であれば未完成である技術を使った製品など作るはずはない。消化不良、時期尚早な技術を無理矢理押し込んでくると言う事は技術者自身がその技術に大した思い入れがない証なのだ。 今の日本のメーカーはプロデューサーもディレクターもなしに合議制でアルバムを作っているレーベルのようなものだ(実際にそんなところはないだろうが)。どんな曲が作りたいかは決まっていないのに取り敢えずAKBが受けるなら、同じような曲を取り敢えずミュージシャンを集めて作ればもっと売れるはずと考えていると言えば近いかもしれない。ギターとベースとドラムだけで売れる作品は作れそうもないのでキーボードも加え、それだけでは特徴が出ないので三味線を加える。それで曲全体のイメージは西野カナで…そんなものが売れるわけがないのは誰でも分かるのだが当事者には分からない。それが日本のメーカの現状なのである。 結論:日本のメーカーが負け組になってしまったのは単純に優秀なプロデューサーとディレクターがいなくなってしまったから。トップに責任があるとすれば要素技術を理解できないからではなく誰が優秀なプロデューサーかを見極める能力がない事なのだ。その上ビジョンもないのだから負け組になったのは当然なのである。

Appleはなぜエコシステムを作れたのか

音楽で成功し、アプリや電子書籍でも成功を得ようとしているAppleがほかとは違う一番の理由は単に高機能のハードを売るのではなく最高の体験を得て貰うための一手段としてハードウェアを提供していることにある。それを理解していないGoogleは自社製のタブレットを安価で提供するとしているが、そんなものがAppleを脅かすとは到底思えない。 Googleが強みを持っているものはWeb技術をベースにしているサービス。そこには基本的に直接的なお金の動きがない。無料だからお客さんが付いているだけの可能性は相当高いのだ。翻ってAppleは対価を払っても付いて来ている顧客がベースになっている。更に、iTunesやiBooksを見れば分かるように業界の在り方を変えるようなサービスを登場させる時には常にその業界を巻き込む形でスタートしている。表面的にAppleだけが利益を得ているように見えるが、実際は不正ダウンロードとCDの販売不振で先が見えなくなっていた音楽業界が再び売上を伸ばし始めたようにAppleは業界全体の利益をも考えたビジネスモデルを構築している。著作権者に無断でスキャニングするようなことはしていない。 それが、結果的にユーザに負担を強いることのないエコシステムに繋がっている。オープンソースを標榜するGoogleに一番掛けているのはそこなのだ。 結論:Appleがエコシステムを作れたのは業界そのものを巻き込んで業界の在り方を変え続けているから。それに乗れないものは失うものの方が多いと気付くべきなのだ。

Surfaceが意味するもの

ゲーム機やマウスは作った事があるがOEMが飯の種のMicrosoftが、遂にSurfaceを本気で出してくるようだ。 20世紀には最高のビジネスモデルであったOSやソフトウェアのライセンス。その当時儲けなどでないからやめておけが常識になっていた垂直統合を武器に21世紀になった途端にAppleが業界の常識を塗り替えてしまったのだから、天下のMicrosoftも悠長に構えているわけに行かなくなってしまったのだろう。 GoogleもNexus 7とQを発表したがどう考えてもスマホのようにうまく行っていないタブレットとGoogle TVへのテコ入れ。どちらも踊らされて参入したメーカーに冷や水を浴びせる以外の何物でもないが… Microsoftがハードに名乗りをあげてきたのはこのままでは自分たちのポジションをAppleに奪われると言う焦り。WindowsベースのPCと比べれば僅かな差になってきてはいるが明らかに高額なMacが売上を伸ばし台数ベースでも確実に伸びている。iOSデバイスまで含めてしまえば既にWindows陣営とAppleの差は2対1。Androidの戦いと同じように何社あるか分からないメーカーとたった一社の戦い。その上利益をあげているのはAppleばかりなのは誰もが知っている。 Appleがハードで儲けているからと参入したわけではないだろうが、GoogleやMicrosoftのハードウェアへの進出は隋分と安易だ。Steveが自分の命をすり減らしてまでして物作りにこだわってきた情熱は両社には感じられない。今までライセンスを受けてきたメーカーは自社ブランドでの製造から撤退しOEMにでもなって周辺装置で儲けるビジネスモデルへのシフトを考える時期になってきたのではないだろうか。

結論:Appleが成功したのは、ハードウェア、OS、サービスを自社のものとしてエコシステムを作り上げたからである。全てはユーザのライフスタイルをより良きものにするため、それ無くしてハードを作っても誰も幸せにはならない。そんなものは要らないのである。

日曜日, 6月 17, 2012

Apple TVとは何か?

Appleも全てが成功しているわけではないと言われることがある。その時にAppleが嫌いな人が頭に浮かべているのは恐らくApple TVだろう。じゃあ、他に成功しているスマートテレビがあるかと聞かれればそんなものはないし、某Googleのその手のテレビと比べれば、未だに趣味のレベルだと卑下しているApple TVの方が遥かに売れているのも事実だ。Googleだけではなく各社スマートTVと言うモノを出すのがトレンドのようだが(3Dが大コケだったのだから仕方がない?)、どれもWebサーフィンが出来る位でテレビならではの何かがあるようには見えない。画面が大きいだけの機能の少ないパソコンの域を脱してはいないのだ。例えOSがAndroidになろうが死屍累々の道を突き進んでいる事に違いはないのである。 そんな中噂出始めているの大物がAppleのHDTV。来年の始め辺り迄に出てくるかが気になるところだが、Moutain LionでApple TVをベースにしてOSXがiOSと同じゲームが対戦可能になるのなどを見ればわかるようにAppleのHDTVは、MacやiOSデバイスをコントローラーとして連携して使えるインテリジェント・ディスプレイ(単なるテレビではない)として登場するのだろう。通常の操作はSiriを使った音声入力なのだろうが文字入力をMacやiPadなどに受け持たせるかもしれない。そして、コンテンツは音楽、静止画、動画にライブ放送(てれびにラジオ)をネットワーク越しに提供されるだろう。そして当然アプリも。 そんなモノは今迄にもあったと言う意見もあるだろうが、音楽、ビデオ、アプリに電子書籍と一番の抵抗勢力になる業界の大手を巻き込んで新しいサービスを立ち上げて来たのがApple。Appleが他よりも成功している一番の理由は正当な対価を払って業界そのものを味方に付けたから。それも、業界に阿る形ではなく業界の常識を再構築したからなのだ。  
結論:Apple TVは単なるスマートTVではなく放送業界そのものを再構築するデバイスになるのだ。

月曜日, 6月 11, 2012

Apple、Google、Microsoftの違い

最初に断っておくがこれは私の主観(いつもそうなのだが)なので、誰それが(どんなに著名な方でも)どう考えているかなどは全く関係ない事を最初に断っておく。

 三社は同じ業界にあるため単純に比較されることが多いが、それぞれが全く違うビジネスモデルをベースに成り立っているのは明らか。違うビジネスモデルなのだから単純にどれが優れているかなど短いスパンで判断しても意味はないのだが、勝ち組負け組と分けたがるのは的外れも甚だしいだが…今回はそれぞれの考え方の違いを独断で解説してみたい。

 ビジネスモデルApple:他社よりも優れたOSを持っていようが、Appleはハードウェアを売って利益を上げるビジネスモデルである。誰からも愛着を持って使って貰えるグローバルで通用するハードを揃える。ソフトウェアはそれを実現するための手段なので他社のOSは利用しない。PCの売上が頭打ちになる中、販売台数の伸びは他社を凌駕している。台数が出るようになったので何れOSは無料化されるだろう。情動をお金に変えるビジネスモデル

Microsoft:Xboxがどんなに売れようがソフトウェアのライセンスがビジネスモデル。ハードウェアメーカーにライセンスすることによりバンドルという形で意識せずにOSを使わせることでユーザを飛躍的に伸ばし、その中で動くOffice(これも主体はライセンスだ)を人質にビジネスユーザの離脱を防いでいる。強迫観念をお金に変えるビジネスモデル

 Google:Androidのフラッグシップモデルを自社のラベルで売ろうがGoogleは広告で収益を上げるのがビジネスモデル。テレビ局と同じで数を取らなければ成り立たないビジネスモデルのため、基本的に無料のサービスで人を集めなければいけない。Appsが有料版と大きな違いがなく利用できるのは個人の情報を集めるためにはポータルにならなければいけないからである。情報をお金に変えるビジネスモデル

三社のクラウドの考え方

 Apple:MobileMeなどをやっていたためにAppleのiCloudをDropboxやGoogleなどのデータ共有のサービスと勘違いされることがあるが、その目的は個人のデータの保管である。母艦となるPCも持たないユーザの情報と権利をバックアップするのがその目的である。その証拠にデータそのものは全ての暗号化されAppleさえその中身を覗き見ることは出来ない。容量が少ないと言われるが音楽やビデオの様に所有権を持っているコンテンツはコインレベルでバックアップの必要はないのだ。ドキュメントレベルだけで5Gを超えるヘビーユーザは少ないだろう。iCloudが無料なのはユーザのデータを守るのはハード提供者の当然の義務だからである。

 Microsoft:Officeのドキュメントを共有させる為のクラウドサービスに尽きる。それではあんまりかも知れないかが、人々がどんなに文句を言っていようが懲りもせずにWindowsを使い続けているのは愛着があるわけでも使いやすいからでもないのは間違いない。無料の理由は、Officeを使い続けてもらいたいからだ。

 Google:どれだけ多くの情報を持っているかがアクセスを増やす鍵。Googleに情報を提供する事を良しとしないFacebookのようなサービスが増えてしまったら死活問題だから個人のデータを喜んで提供して貰う為の一手段。別にプライバシーなどと宣うようなものの無い私のような人間なら情報を流用(大して役に立つわけはない)される事を承知で使えば良いが、頭数が大事なGoogleは個人情報の価値などどうとも考えていないのだ。

結論:Appleは個人を尊重し、Googleは情報を独占し、MicrosoftはOfficeを死守するのだ。

金曜日, 5月 18, 2012

ドコモとauとSoftBankの違い

各社夏モデルを発表(bankはまだだけど)。Appleとのお付き合いが苦手なドコモはAndroidと心中する気らしい事が明らかになった。ドコモの殆どのスマホがAndroid 4.0なので一気に世代交代のようだが(結局3.0は何だったのだろう)、今回はハードウェアではなくそれぞれのキャリアの考え方を書いてみたいのである。

先陣を切って発表会を行ったauの目玉はLISMO(何で今更とは言わないでおこう)。本当にニーズがあるかはこの際置いといて、自社端末向けのサービスではなくキャリアの垣根を越えたネットサービスとして生まれ変わらせたのは評価出来るだろう(自社のiPhoneに対応させる副産物なのは承知だ)。土管屋にはなりたくないが囲い込みはもう不可能なのを理解し、サービスで収益を上げるコンテンツ・ビジネスモデルにシフトしたのだ。1,480円という利用料と聞き放題という形がどれだけ意味があるかは知らないが少なくとも自社に閉じていたのでは話にならないと判断したのだろう。

対するドコモの戦略は単なる土管屋にはなりたくないから土管の中だけで楽しめるサービスをということらしい。幸いなことにAndroidには本当の意味で成功しているコンテンツサービスがない。Google本家が運営しているストアでさえマルウェアやウイルスが仕込まれた偽物アプリが横行する状態なのだから、iモードと同じようにドコモが責任を持ってアプリを提供しようと言うのだろうが、だとすればそれがAndroidアプリである必要があるのかは多いに疑問だ。

残るSoftBankは元々他社に誇れるようなコンテンツサービスを持っていなかったので土管屋に徹することはiPhoneを手に入れた時から決まっていたこと。念願のプラチナバンドを手に入れ繋がり難いと言われなくなれば、それは一つのイニシアチブになるだろう。現状、通信総量の制限を一切加えていない(17日からは帯域制限を始めるようだ)のはSoftBankだけなのも評価に値する。

結論:auはコンテンツサービス、ドコモは囲い込み、SoftBankは土管屋に徹するようである。どの端末をメインターゲットに据えるかで戦略は自ずと違ってくのだ。

土曜日, 5月 12, 2012

Appleがアメリカで生産しないのはAppleのせいか?

時価総額世界一のAppleがアメリカで生み出している雇用は僅かだとの批判が持ち上がっている。確かに現在のApple製品に使われている部品は日本や韓国などが主体でEMS(電子機器受託生産)も台湾のFoxcconが中国などを中心に(近い将来中国は縮小されるだろう)行われている。 過去に自前主義を取り、米国内でも製造を行っていたAppleがアメリカでの生産をやめた切っ掛けは、それどころではない大き赤字を抱えて潰れかけたからなのだが、同時にアメリカ国内の製造技術がボロボロになってしまいアメリカ国内で調達可能な部品がなくなってしまったのも大きかった。日本や台湾、韓国生の部品で製品を作るのであればアジアで製造する方が理にかなっている。 1970年代までのアメリカは世界一の製造技術を持っていた。そこに食い込んできて結果的に崩壊へと向かわせたのは日本メーカの輸出攻勢とグローバリゼーション。世界でも最高の人件費が必要だったアメリカ国内で製造をしていたのでは利益など出るわけがないのは当然の話。労多くして利の少ない製造から手を引いたのは仕方がなかったのだ。 そんな(製造インフラもない)状態で、Appleにアメリカ国内で雇用を生めと言われても… 既に優秀な製造エンジニアが僅かになってしまったアメリカでの生産は絵に描いた餅に過ぎない。ならば、解決策は全くないのだろうか。アメリカにはいなくなっても日本にはまだ優秀なエンジニアがいる。Appleのようにモデルチェンジの少ないメーカーの製品であればラインを作って自動化も… 結論:アメリカだけではなく日本のメーカーも自社の売れない製品を作る位ならばEMSで生き残る道を模索しても良い時期になったのである。製造技術がある限り本当に死滅する事はないのだ。

火曜日, 5月 08, 2012

ドコモはいずれiモードに戻るのでは?

iPhoneを持ちながら未だに国内メーカーを気にしながら、本気が窺えないau。突然iPhoneに名乗りを上げる迄、Androidのキャンペーンを仕掛けていたのだから急に止まれないのは分かるが、それにしてもサービスでSoftBankに遜色ない状態になりながら本気度が…SoftBankが恐れているのはauが本気になる事なのに…

そんな中、Appleの言いなりになるくらいならばAndroid(国内メーカー)との心中の方がよいと考えているドコモ。iモードからAndroidスマホへの移行は進んでいるようだが、お行儀の悪いアプリが多い為、気苦労ばかり増えてかわいそうにと思うのだが、自ら選択したのだから仕方がないとも言えるだろう。国内メーカーが密かにAndroidに替わるOSを開発しているとは思えないので、駄目になるその日までお付き合いする積もりなのだろうか?

お行儀の悪いアプリや、ガチャで評判が一気に落ち始めているソーシャルゲームなどモバイルを取り巻く環境はiモードの時代よりも悪くなっているような気もする。今時iモードアプリの開発案件もないのだろうが、考えてみればiモードこそAppleがお手本にしたApp Storeの原形。月々小金を巻き上げる部分はAppleは真似なかったが、決済は信用のおける一社が行うと言うのは実に素晴らしい仕組みだったのだ。

結論:iPhoneを扱う気が全くないのならiモードのようにドメスティックにどっぷりと浸かったエコシステムを作るのも良いのではないだろうか。Androidに付き合っていても良い事などどこにもないのである。

月曜日, 4月 30, 2012

日本でAndroidケータイが売れている理由

日本でもAndroidの方がiPhoneよりも売れているとマスコミは騒ぐが、アメリカでAndroidが売れているのとは違う事情があることには一切触れようとしない。大した機能のないアメリカのヒューチャーフォンからスマホに乗り換えるのは当然の話だったかもしれないが、曲がりなりにも今のスマホで出来ることの多くが実現されていたガラケー(私には日本のAndroidケータイはガラケーのサービスを取り込もうとしているだけに見える)がAndroidに置き換えられなければいけなかった理由はAppleと同じ土俵に上がらなければバカにされると被害妄想に襲われたからに過ぎない。Androidを出していながら、やっているサービスの多くはガラケー用に用意されていたキャリア独自のものを取り込む作業なのだから、iPhone以外の多くのユーザーはAndroidを求めて機種変を行っているわけではない。 結論:日本でAndroidケータイが売れているのは、国内メーカーが代わりになるガラケーを作らなくなったからである。

Googleの考えていた電話

Oracleとの特許訴訟で2006年にGoogleが考えていたGoogleフォンの姿が明らかになった。AppleがiPhoneを出す前にAndroidは携帯電話の開発をしていた、iPhoneをパクった訳ではないと言うのがこれまでのGoogle主張だったが、その姿はどんなに贔屓目に見てもBlackBerry。マルチタッチを前提に開発されていたフルスクリーン、キーボードレスのiPhoneとは全くの別物なのは誰の目にも明らかだ。

キャリアに販売を持ちかけた時のコンセプトもAppleの考える様なモバイルPCではなくGoogle検索ができる携帯電話に過ぎず、どう贔屓目に見てもスマホとは似ても似つかない代物だった。そして、案の定Googleのケータイに乗ってくるキャリアは一切なく本来ならば立ち消えになっていた事だろう。そこに登場したのがAppleのiPhone。2009年に登場したAndroid(初めて非公開版)は当初Googleが考えてたものとは大幅に変更されていたのは誰の目にも明らかだったが、未だワードウェアキーボードによる入力が前提で、既に発売されてiPhoneのようなタッチパネルに切り替わったのは2.0からだったのだからSteveが激怒したのは当然の結果だったのだ。

結論:2006年にGoogleが考えていたケータイは今のAndroidとは似ても似つかない代物だった。Appleよりも先にスタートしていたと言い張るが2007年に登場したiPhoneが半年やそこいらで作れるような代物ではなかった事は2.3が出るまでAndroidがiPhoneのライバルでは無かった事で証明されているのだ。

パソコンがIT産業の脇役になる日

東芝はPCをテレビ部門に組み込み、富士通は携帯部門に、HPはプリンタとPCを統合と、どこもかしこもお荷物になってしまったPCの扱いに困っているようだ。吸収した部門が左団扇ならそれでも良いかも知れないが、液晶テレビだって地デジ特需が終わってしまい、携帯だってAndroidバブルが終りこれからはいつ撤退するかなのではないだろうか。Windowsで大して儲からない事が解っていた筈なのにAndroidで同じ事を繰り返す。折角、グローバルなOSなのにガラパゴス化を仕掛け二度目には買って貰えないようなスマホを量産…

100年先とは言わないが10年先の見通しもないままに目先の機能追加ばかりに目が行っていた日本のPCメーカーは、デジタル時代を全く理解していなかったのだから、衰退産業になってしまったのは身から出たサビ。日本のPCメーカーが偉そうに振る舞う事が出来ていたのは、漢字ROMが入っていなければ日本語が表示出来なかったWindows以前のお話。それを手を変え品を変えながら、ここまで引っ張ってこられた幸運に感謝すべきだろう。

結論:iPadが登場した時にパソコンは脇役になったが、日本のPCはWindows登場で既に終わっていたのだ。

ハードを売って儲かるならそんな楽なことはない

SONY、SHARP、Panasonic合わせてAppleの営業利益に近い赤字を計上したが、東芝も含めて稼ぎ頭だと思って一時は肩で風を切っていたPCがお荷物に成り下がり、別な事業部に吸収されるのがトレンドになった。かつてはPCと言えば98だったNECはWindowsの台頭で影が薄くなってしまっていたが、その他のメーカーも大した代わり映えのしない機能搭載(要は余計なハードが付いてるに過ぎない)の競争に明け暮れ、気がつけば元気が良いのはポストPCを作り出したAppleのMacだけと言う有り様。共通のOSを使用しているのだから「差別化=余計なハードの搭載」となってしまい無駄なロットを幾つもこさえ、不良在庫の山を積み上げるだけに…

SONYはデジタルコンテンツ絡み、東芝は液晶テレビとPCの受け入れ先はそれぞれのようだが、傍から見ていてそれで息を吹き返すとは到底思えないのはレガシーPCは既に終わった存在だからなのだ。富士通は東芝から譲り受けたケータイ部門に統合させたようだが、それはどう頑張っても売れる見込みのないタブレットととの統合を狙ってのもの。冷静に考えてWindows PCとAndroidが一緒になっても何も生み出さないと考えるのは私がバカだからなのだろう。

日本のメーカーに勤めているエンジニアの方々は俺達は優秀なのにトップがバカなので判断を誤ったのが敗因だと考えているのだろうが、私が同意出来るのはトップがバカと言うところだけで、敗因は様々なエンジニアから上がってくるどうでも良いアイデアを鵜呑みにしてしまった事にあると思うのだ。そもそも、日本の情報家電メーカーのトップに、PCやスマホには、そのOSが良いかなどの判断をする能力も決断力もないのは最初から分っている話。糞みたいなOSだったのにそれ以上のモノを自分たちで開発出来ないから乗ったのがAndroid路線。KP+のように国産のOSがあそこまで酷くなければ、誰もAndroidなどに見向きもしなかったはずなのだ。

結局、皆で渡れば怖くないとばかり(怖くはないが、失敗に終われば一網打尽だ)にAndroidに乗ってしまい、同じプラットフォームだから差別化はハードとUXで図るしかないと余計な事をしまくった為にOSのアップデート一つすんなりと行かない状況を作り出したのは他ならぬ優秀だと勘違いしているエンジニアの方々だったのだ。同じ土俵に上っておきながら独自性をなどと宣うのは統合失調症の最たるもの。その上で、お先真っ暗なガラケー用のサービスを延命させる作業さえ同時にこなさなければいけないのだから、まともな頭を持っている人間がトップだったらケータイなどやめてしまえで終わっていただろう。

ハードを売ってAppleが儲かっているのはOS、サービス全てを自社でコントロール出来るエコシステムを持っているからで、ハードしか持たないメーカーが儲けようとするのは所詮無駄な足掻き。世界を相手に製品を作っていないのに赤字だと騒ぐ方が間違っているのである。

結論:自社でOSも持っていない(どこでも同じようなものが作れる)ような製品で儲かる方が、そもそもおかしかっただけの話なのだ。

土曜日, 4月 07, 2012

Lisaが失敗に終ってMacが生き残った訳

ジェフ・ラスキンに誘われてPARCを訪れたビル・アトキンソンにに連れられてPARCでSteveが目にしたのはSmalltalkで動くAlto。GUIで動くその姿は未来のコンピュータそのものだったが、Xeroxはそれを商品する予定はなかった為、Appleが独自にLisaとして開発することになったのである。Altoのオモチャ版だと言う人が世の中にはいるが、後にXerox Starとして販売したが結局失敗に終わったのだから、PARCには売り物になるオモチャを作る技術はなかったのだ。 さて、ここで問題になってくるのがPARCを訪れSteveが作ろうとしたのはMacではなくLisaであった事実。元々PARC訪問を勧めたのがMac(初期コンセプトが正しい)の生みの親であるラスキンだったためAltoからMacを発想したと勘違いする人もいるかも知れないが(伝記本が山ほど出ているのでもう少ないか)、SteveはAltoで実現されていたGUIを使ったパーソナルコンピュータとしてLisaの開発を思い立った。それまで、世の中にそんなものは存在しなかったのだからStveらしくAppleの中でもピカイチの連中を集めて一代プロジェクトに… しかし、プロジェクトはいつの間にやら100人を超す大所帯となり取捨選択もコントロールされずに夢ばかりが膨らんでしまった。業を煮やした経営陣は諸悪の根源は理想主義に走り過ぎるSteveにあると判断しLisaチームから引き離したのである。問題の本質がそこになかったことは、大きなメモリを持ちマルチタスクも可能だった高価なLisaが消え去りMacが残ったことで明らかだろう。もちろん、Lisaチームの中でSteveのビジョンを理解していたメンバー(要はピカイチ)が脱けてしまったこともあるだろうが、それを束ねていたのはSteveだったのだ。 Steveが脱けた後のLisaチームに残ったのはHP出身の優秀なエンジニア達。常識で考えればこちらが勝つと思われるだろうが… 結論:SteveがLisaチームを追い出されていなかったらLisaがMacになっていたのである。

金曜日, 4月 06, 2012

井の中の蛙

また、空いた口が塞がらないような無様な事態が発生した。6月から全世界でスタートする次世代通信規格IP v6に国内最大のキャリアーであるNTTが対応できないというのだ。昨日や今日始まった話でもないのにローンチに間に合わせる準備を進めていなかったというのだから、呆れてものも言えない。 全てはISP経由でしかインターネットに接続出来ないというおかしな仕組みを放置して来たためなのだが、折角v6になろうというのにアドレスが枯渇寸前のv4しか使えなくなるのだ。 井の中の蛙は、電子書籍のフォーマットも同様である。EPUB3は縦書きも含む拡張が行われるというのに「縦書きは日本の文化」だから日本が独自のフォーマットを作るべき(国内でさえ規格統一されていない)だというのだからこちらも話にならない。 どちらも日本が先に始めた事なので世界が黙って付いて来るとでも考えたのだろうが、そもそも僅か1億数千万しか使用者の存在しない狭い世界。グローバルな基準策定の時に積極的に交渉に参加すれば良いだけなのに、国内で互いの顔色を見ながらの駆け引きの方が楽だからと安易に考えた事がそもそもの問題だったのだ。 結論:みんなで渡れば怖くないは一網打尽と表裏一体なのである。

木曜日, 4月 05, 2012

フラグメンテーション

私がAndroidはクズだ、化けの皮が剥がれたとblogで書いた時には、「何だマカーの書いたものか、読んで損した」とコメントを寄せて頂いた方がいた。国内メーカーが参入出来ないiOSとは違い、雨後の竹の子のように参入するメーカーが後を立たないものだから業界紙が提灯をぶら下げただけなのに実態と思い込んだのだろうが、流石に最近はAndroidはフラグメンテーションが問題であると書き始めている。

どんな、フラグメンテーションがあるかと言えば、最初に上がるのは1.5(それ以前は正式版のレベルではない)から4.03まで野放図状態のOSである。標準仕様がなかった為にメーカーが思い思いの端末を出してしまった為にスマートフォン(インターネットが出来るのではなく進化すると言う意味のはずだ)と呼べない端末が死屍累々なのが、Androidの世界。どんな初物にも食付く物好きなマニアはそれでも構わないのだが一般のコンシューマにとっては詐欺以外の何物でもない。その上、メーカーは他社と差別化を図る為に訳の分らないハードウェアを搭載しハードウェアのフラグメンテーションを上乗せ。

その上、日本ではご丁寧にもキャリア独自のサービスをこしらえサービスまでフラグメンテーションを起こす始末なのだ。それが、最初から分っていたから何もいじらない素直な端末を作るかアップデートが不要なくらいに全て突込んでしまうお化けを作るしか生き残る道はないと書いたのに理解されなかったわけだ。今なら聞く耳を持つ人も相当増えたのだろうが、それは行こうなユーザが増えたからで、ちっとも嬉しくはないのである。

カタログでは同じ筈であるタッチパネルの操作感もメーカーによってまちまち。たまたま選んだ端末がクズだったらユーザ体験もフラグメンテーションを築き上げる始末。台数が積み上がる(遂に50%を越えたらしい)程、不幸も深くなって行くだけなのである。

結論:フラグメンテーションなんて生易しいものではなく完全なカオス状態なのだ。

水曜日, 3月 21, 2012

いつか来た道?

アプリやハードを作る側でもユーザでもなく無責任な夢物語だけで飯を食っているマスメディアが持ち上げていたAndroidだったが、ここに来て頭の鈍い人達も付き合ってられないと漸く気付いたのか右肩上がりだったAndroidへの関心が薄れ始めている。勿論、iOSだってiPadが予想通り4倍の密度の画像を扱う新しいiPadになってしまい画像処理の方法によってはiPad2よりも重い処理を強いられる現象が発生しているようだが、影響を受けるのはそんなに多くはないだろう。
 
 Androidの端末の数は今後も増え続けるのだろうけれども、それはスマホの世界に限っての話。タブレットでは、全く役不足(そうでなければ漸く統一出来たばかりのAndroid OSをまたデバイス別に分けたりするはずはない)で、どう考えてもiPadと伍してゆくなどと言えるような状態ではないのだ。タブレットに関してはiPadだけではなくWindowsも暮れになるころには8が搭載されて出てくる。現状でも確固たる位置を占めているとは言えないAndroidはフラグメンテーションの問題で更に株を下げる事になるだろう。
 
 iOS用のアプリではなくAndroid命だと考えているデベロッパー(そんな者はメーカーにしかいないだろうが)は、安全パイとしてWebアプリを作るべきだろう。勿論、それは自分の身を守る為であってAndroidを後押しする事にはならないが…

結論:面白いくらいにAndroidは、私の予想通りの道を歩んでいるのである。

水曜日, 3月 14, 2012

Windowsが勝ったのは?

随分昔の話になるが日経Macが存命の頃(丁度Appleが最悪の時代でした)、Macユーザの中ではこのままではAppleは終りだと言うのが恐らく共通認識だった。Windows 95はMacOS 87だと揶揄していたが、一方でどこに行くのかが全く見えていなかったAppleはクズばかりの会社だと見做していた。あまりの不甲斐なさに日経Macの読者投稿で、Macを作った天才達が戻ってこなければどうにもならないと思わずハガキを出したりもしたが(有り難い事に雑誌に掲載され粗品を頂戴した)、まさかSteveがAppleに舞い戻るなど考えられなかったので、流石にその天才の中にSteveの名前はなかったのだ(一生の不覚である)。
 
 やり場のない怒りの矛先は当然Microsoftへと向かう。WindowsはMacの真似に過ぎないのに何で売れるのだ。PCを使っている連中はモノの良し悪しが分からん薄らバカだと叫んでみても負け惜しみに過ぎず、ユダヤ人のように(虐げられるほど選民思想は強くなる)蔑まれるだけの存在だったのだ。中島みゆきではないが、そんな時代があった事さえ今の人達は知る由もないのだが、風前の灯だったのは動かしようがない事実だったのだ。そんな、我々の気持ちをストレートにSteveは、「MacがWindowsに負けたのはMicrosoftが優れていたからではない。Appleが革新を怠ったからだ。」と語っている。Macintoshが出た当時、Appleは確実にMicrosoftの10年先を行っていた。だからWindows 95が出てくるまでどうにか持ちこたえる事が出来たのだ。そんな時代があったのである。
 
結論:革新的だったはずの企業が駄目になってしまうのは、より強力なライバルが登場したからではなく自己革新をやめてしまったからである。日本の家電メーカーが駄目になってしまったのも全く同じなのだ。

水曜日, 3月 07, 2012

3月7日に発表されるもの

泣いても笑っても十数時間後には発表されている次期iPadとApple TV。iPadに関してはiPad 3ではないと言うのが大方の予想だけど、個人的にはiPad 3ではないとずっと思っていたので、HDになろうが2Sになろうが新しいモデルがデビューすれば良いのである。

出る事が決まっているiPadよりも気になるのが、市場から在庫の消えてしまった(日本国内には在庫あり)Apple TVの行方。 今回のアップデートはどう考えてもApple TVのiOSへの移行と1080p出力への対応が含まれているはずなので、その上でどのようなコンテンツサービス(iTunes for Cloudは当然)が始まるのかが気になる。

どちらにしろ間もなく発表なので予想する必要もない(間違えたら立場がない?)のだが、今回のiPadはCPUは、A6ではなくA5XでRetinaディスプレイで解像度は2048×1536(4対3)、合わせてカメラの解像度も5MクラスとなりフルHDの動画が撮影可能になる。OS絡みでは5.1には正式版のSiriが搭載され日本語がサポートされ、その他に今まで隠されていた新しい機能が二つ追加されるようである。

Apple TVのコンテンツ・サービスは日本では未だお遊びに過ぎないが、アメリカではテレビ放送のライブ・ストリーミング(これをやられてしまうとケーブルテレビは…)

結論:今年度中には日本で、iTunes Matchも始めるとアナウンスされているが、テレビに関しても面白いものが出てくる事を期待しているのだ。 

火曜日, 2月 28, 2012

iPadのライバルは?

私のようにApple以外に選択肢など存在しない人間からすればAndroidが生きようが死のうが知った事ではないのだが、前四半期に漸くAndroidタブレットが1,200万台(2年を要した)アクティベートされたそうである。その中に、Kindleがカウントされているのかどうかは別にしてもスマホの勢いからしたら信じられないくらいのスローペースなのは単純に魅力がないからなのだろう。
 
 スマホなら最悪電話として使えればそれで最低限の役目を果たしてくれるので、そこにメールとWebが付いてくれば十分だと言えるがタブレットになってくるとそうは問屋が卸さない。特に初期のAndroidタブレットはスマホ専用の2.3を無理やり流用した代物だったので、使い易さをどうこう言うレベルではなかったし、専用だと謳われた3.0が載るかさえ定かではなかった(皆そう思い込んでいたようだが)のだから、売れなかったのは当たり前のはないだったのだ。
 
 多くのメーカーは自分たちが勝手に作ったタブレットにタブレット専用のAndroidが載って見違えるように快適に使えるようになると、これまた勝手に思い込んでいたのだが、その中にあってAndroidにお任せしていたのでは自分たちのやりたい事が出来る筈もないと腹を決め自由にカスタマイズして構わない2.3をベースにして独自の世界をつくり出したのがAmazonのKindleだ。勿論、ここで言うKindleは電子書籍専用のe-inkタイプではなく「Kindle Fire」。電子書籍ビューワーとして他を圧倒しているとは言え「Fire」以外のKindleをiPadのライバルとは呼びようがないが、「Kindle Fire」はネット、メール、そして他のAndroid端末よりは安全なマーケットから手に入るアプリを入手可能な事とネットショップが利用出来るのは魅力だ。その上、他の訳の分からないAndroidタブレットやiPadの最廉価モデルと比べて半額以下(Androidが半額になってもAmazon程の信頼が無いので売れない)で3G回線も使える。大きさも、7インチとコンパクトなので持ち運びを考えれば…

結論:Androidタブレットの中で、現状iPadのライバルとなっているのはAndroidを表に出していない「Kindle Fire」である。売れている理由は最新のAndroidを使っているからでもスペックが優れているからでもなく単純に使い易いのとエコシステムがあるからだ。それもなしにハード競争をしても意味が無い事は売上が証明しているのだ。

金曜日, 2月 24, 2012

盛りだくさんの2月

iBook Authorが出て凄いと思っていたら、行き成りの山猫(Mountain Lion)の予告。それだけでも凄いのにiTunesのスケールアップと2月のAppleはサラッと今後に影響する発表を矢継ぎ早に打って来た。そのうち2月のAppleに関してまとめて書きたいと思うのだ。

月曜日, 2月 13, 2012

差別化の方法の違い

現状はiOS vs Androidとなっているスマートフォン戦争だけどWindows Phoneが8にバージョンアップされてもう一角を担う事が出来るかがハッキリする2012年。当然、Appleが黙っているはずもなく英国ではWi-Fi+3GモデルがOut of Stock状態になってきているので噂通り3月の第1週に新しいiPadの発表がありそうな気配である。名前が何であろうとiPad 2よりもCPUや解像度などがアップ(当然メインメモリも)されるだろうが、同時にiOSの5.1が発表されSiriの多国語対応も合わせてアナウンスされるだろう(Appleはニューモデル発表時にOSのメジャーアップデートを実施)。
 
 出荷台数レベル(販売台数はAppleと違いAndroidは?)でiPhoneを圧倒するAndroidだが、ここに来て良くない話があちこちから聞こえ始めているのも確か。揚げ句の果てにはドコモやauがネットワークのパンクを繰り返しているのも野放図にマルチタスクを許しているAndroidが吐き出すパケットが原因じゃないかと言われる始末だ(iPhoneはそこまで行儀が悪くない)。
 
 そんなAndroidだが基本的には同じOSで動く限りは他社と差別化を図ろうとすればハードに手を入れなければいけない(実際にはまともにOSのアップデートも出来ないのでOSレベルでユーザが差別化されている)が、対するAppleはiPhone 4Sが出ていると言うのに未だに3GSや4も現役で販売されている。Android陣営からすれば型落ちの不良在庫を売っているとでも考えているのだろうが、30ヶ月も前の製品のストックなどある筈もなく新たに製造されているのは間違いない(製造ラインはある)。何故、Androidでは不可能な事がAppleで可能かと言えばソフトウェアのアップデートで機能とサービスが進化するからなのだ(Siriのようにハードに依存するものを除けば)。ソフトウェアのウェイトの高いApple製品は陳腐化のスピードがAndroid端末とは大違いなのである。
 
 AppleのCMは使う事によってどんなことが出来るかのライフスタイル提案型だが、Androidは未だに速度が速いなどをアピールするものに留まっている。スマートメディアは持っている事に意味があるのではなく使う事に意味がある。そんな簡単な事も分からずに売られている商品で幸せになれるとは到底思えないのだ。

結論:差別化がハードに依存しているAndroid端末はハードの陳腐化が製品の陳腐化になってしまうが、ハード依存の低いiOS端末はOSの機能強化で進化が可能なので製品寿命が長いのだ。半年もすれば市場から消えてしまうような商品と30ヶ月経っても現役の製品とどちらがユーザにとって優しいかは考えるまでもないだろう。

金曜日, 2月 10, 2012

次期iPadの登場は近い?

AllThingDでiPad3の発表は3月の第一週との噂が出てきた。次のiPadはiPad3ではなく2HDだとの噂もあるがどちらにしても次期iPadが登場するのはそんなに先の話ではないようである。本来もっと早く対応しなければいけない筈の5.0.1のバージョンアップが行われていないのは、5.0.2を出してもすぐに5.1(Siriのβが取れ正式に日本語に対応?)になるからではないかと疑ることも可能だ。

結論:3と呼ばれるか2Sになるかは別にして間もなく次期iPadが登場するが、これはクアッドコアではない。何故ならまだクアッドコアチップは製造が完了していないといわrているからである

金曜日, 2月 03, 2012

iBooks Authorはキラーアプリ

blogに書きためたテキストを、iBooksにしようと思い立たせるだけのインパクトのあるiBooks Authorの登場。よく考えればテキストしかない私のblogはPagesを使えば今までだってEPUB形式で書籍に出来たのだが、もしかしたらこんなblogでもiBooks Storeに並べて作家気分が味わえるのではという気持ちが心の片隅にあったせいか、早速ダウロードの上テキストデータのコピペに精を出す事になったのだ。実際にはまだiBooks Storeがない日本では書籍をiBooks Authorを使って売る事は不可能なのだが、Macでどんなことが出来るかを試してみたい性分として過ちを犯してみたのである。
 
 実は、このblogがMac Relianceの記念すべき1500番目。日頃、ご愛顧頂いている方のために2005年と2006年のblogをアップしましたのでご自由にダウンロードして下さい。iBooks 2形式なので申訳ありませんがiOS5の入ったiPadをお使いの方向けとなります。

Mac Reliance 1
Mac Reliance 2

結論:紙物の書籍や雑誌を出しているところが今すぐどうなる事はないが、販売支援用のカタログ作成などで暴利を貪っていたナンチャッテ・アプリ屋さんは転職を考えた方が良さそうである。

さて、何が出てくるのか?

Steve Jobsの中で書かれていた教育に関する発表は、「iBooks 2」と「iBooks Author」と言う形で突如姿を現した。3月には出るだろうと予てからの噂だった「iPad 3」は、A6、Retina Display搭載の形で3月末に発表されるのは、ほぼ間違いない状況のようだが、振って湧いたように今月中にも何か新しいものが発表されるとの噂が出てきた。
 
 順当に考えれば最後のモデルチェンジからそれなりの時間が経過しているtouchやnanoとリプレイスとなるのだろうが、新しいものとなると既存の製品のリプレイスではない可能性もある。但し、今のところ一番の目玉であるiTVの製造が始まったと言う噂は聞こえてこないためテレビが登場するのはやはり今年後半なのではないだろうか。何が出るか分からないでは、わざわざblogを書くのも憚られるが…

結論:期待して待てば良いのだ。正直、もう二週間様子を見ないと解らないのである。

ボロボロな日本の家電業界

大好きなSONYばかりではなく、シャープやPanasonicと目の玉が飛び出すような赤字を叩き出した家電業界。日立などのように液晶から撤退するところもどんどん出てきたが、それもこれも売れる見込みのない3D液晶に無駄な金を注ぎ込んだ上に未曾有の災害が重なったせいなのだろうが、コモディティ化が目に見えていた液晶テレビとケータイ電話に注力した戦略がそもそも間違っていたのだ。SONYはSamsungに全敗で、Appleにも完敗と今週のダイヤモンドに書かれていたが、もしも本当にAppleがテレビを出すような事態になったらAppleにも全敗になりかねない状況なのである。
 
 Appleとの提携について聞かれたシャープの片山社長は「リンゴの気持ちがあるから」と答えていたようだが、亀山の第2工場でApple向けの液晶が大々的に作られるような状況にならなければパネルの外販は今年も厳しいものになってしまうだろう。HTCはスマホの機種を絞ると発言しているが、これもあまりに多くの機種を製品化したために自ら利益を確保出来ない態勢を作ってしまったことに気付いたのだろうが、共通の端末を作るだけのAppleを相手に勝負をしようと言うのは間違いなのである。

結論:Appleが欲しがるパーツがあるなら売りましょう。Appleの製品を作るキャパがあるなら製造を請け負いましょう。その上で今のところ作りそうもない白物家電に注力しましょう。

水曜日, 2月 01, 2012

ドメスティックに行きたければスマホは扱うな

スマホにシフトするとしながらドメスティックなサービスは続けたいと未だにiPhoneとAppleに対して消極的なドコモ。それならそれで、ドメスティックサービスを徹底すれば良いのにspモードなどと言う訳の分らぬモノをこさえて(システムバグで目も当てられない)iモードユーザの囲い込みをしようとドタバタを繰り返している。揚げ句の果てにはトラフィックが予想を超えて(読みが甘いのだ)、ネットが何度もパンク。対応するために導入した機材でさらに障害を発生させると言う体たらくなのだから笑わせてくれる。auも読みを誤って繋がらない時がたまにあるようだが、散々バカにしていたSoftBankの株を身をもって上げるような結果になっている。

結論:インターネットでデータのやり取りをしているスマホを箱庭(ケータイ)サービスの中に無理やり引込もうなどと考えるからこんな事になるのだ。

木曜日, 1月 12, 2012

「AppleのSONY買収」は、ガセネタ

表題の切っ掛けとなった元記事でもAppleがSONYを買収するメリットはないと書かれているが、SONYの先行きはそう悲観していないそうだ。改善、あるいは改革すべき点があるのは事実だそうだが、世界有数のAV機器メーカーとして生き残る余地は十分にあるのだとか。その上、損保などの金融部門を売却し(唯一売れそうなのは間違いないが、売却したら儲け口が)、その資金で新製品の開発に回す…
 
 残念ながら現状のSONYでは、私は悲観してしまう。PS4を暫く出さないという判断は評価出来るが、相変わらず縦割りで行っている製品開発は如何ともし難い。その上、途中で投げ出さざるを得ないような開発が多すぎる。一番最初に有機ELのディスプレイを出しておきながら大型化出来ず仕舞い(製造技術がなさ過ぎる)というのも笑わせる話だが、自社だけの開発では開発コストをペイ出来ないと始めたSamsungとの合弁も失敗に終り、結局Samsungからディスプレイを提供される羽目に陥ったのは戦略ミスも甚だしいと言えるだろう。1年3ヶ月前に当blogで買収話に触れた時はイヤフォン以外に欲しいモノなどないと書いたが今でもその考えに変わりはないのである(当時と比べてSONYは全然良くなっていない)。

結論:こんなボロ会社をAppleが買うわけはないのだ。

水曜日, 1月 04, 2012

ポストPCの要件について

売れなくなってしまった(私は売れてるなどと思った事はないが)ネットブックは諦め、次に手を付けたのがタブレットとUltrabook。確かにどちらもAppleではドル箱になっているので二匹目のドジョウを狙いたいのは良く分かるが国内メーカーが目論んでいるようになるとは到底思えないのが事実。タブレットでまともに売れているのはAppleに目の敵にされている「Galaxy Tab」だけで、どんなにマスメディア騒いでも(騒ぎもしないものも多い)国内メーカーの製品がiPadを尻目に売れる事などある筈もない。
 
 大体、まともにアップデートにも対応出来ないようなローカル仕様のタブレットを出している段階で終わっている(くどいようだが、Androidの2.3まではオープンなのだからGoogleのアップデートに躍らされずにKindleのように独自仕様のOSに仕上げれば良いのだ)のだが、OSを持っていないのだから日本市場だけを見て製品を作るバカな戦略をやめない限り需要を掘り起こす事など所詮無理な話なのだ。日本国内でAppleに勝つ事に意味があるなどと考えているようじゃ、とてもじゃないが海外では通用しないのである。駄目だと言ってるだけでは、社民党と同じになってしまうので、こうしたらと言う考えを書いてみたい。
 
ポストPCの要件
その1:グローバルで通用しないハードウェアは載せない
 Appleなどがやろうとしている決済システムでは日本の電子マネーは要らないが、その他にもワンセグも無用の長物。
その2:ローカルでしか通用しない機能は載せない
 携帯用のメールシステムに無理やり合わせようとしてシステムがトンでもない事になっているキャリアがあるが、素直にインターネットメールにアカウントを移せば良い。何とか(mとか言った)モードやメニューが使えるようになりましたなどと言ってるが、全ての端末で使えるまでになっていないし(手を入れているので端末側が対応出来ないのだろうが)、インターネット側からナンチャッてインターネットに入り込む事自体が間違いだ。
その3:物理的なボタンは極力減らす
 iPadだってシステムがおかしくなればリセットボタンが必要になるので全てを無くせとは言わないが、単一の目的にしか使えないような物理ボタンはその目的で使わない人にとっては不要だ。同時にひとつのボタンに複数の役目を与えるのはやめるべき。Androidでどのボタンを押すべきかが分らないのは信じられない。
その4:思い付きの機能を直ぐに実装しない
 β版でありながら多くの人を虜にしているSiri。一方で写真どころか他のスマホの画像でログイン出来てしまう顔認証を載せてしまった某OS。勿論、Siriも声でユーザ認識をしているわけではないので手放しで褒めてはいけないのだが、次期バージョンではその辺りも対応するだろうし設定でロック中は動作しないようにしておけば今でも回避出来る。顔認識が必要なのはユーザの特定であってセキュリティパス代わりではない。今回の問題など誰でも考えれば直ぐに分る物なのだ。
その5:チューニングに時間を掛ける
 PCと同じ理屈で速いCPUを使えば動作が速くなるなどと考えてアプリのチューニングを疎かにするメーカーあるが、そのせいでバッテリの持ちが悪くなる、サイズが大きくなるなど言語道断。iPhoneよりも大きなディスプレイを売りにしているスマホが多いが3.5インチのディスプレイが手に入らなかったのと大きなバッテリが必要だったのが本当の理由のように思える。アプリ(当然OS)の作り込みでバッテリの持ちも、処理速度も速く出来るのだ。自社でOSを作らず人任せにするからユーザビリティが悪いのだ。

結論:数多のJobs本を読めば分るようにシンプルなものを出すには余計なものを付け加えるよりも能力が必要になる。昔、SONYのWalkmanを分解して「流石にSONYさんはネジの数が多いですね」と褒められて顔から火が出たエンジニアの話を聞いた事があるが、ネジの数とボタンの数が多ければ多いほど駄目な設計なのはエンジニアの常識。どれだけ少ない部品で目的を達成するかを考えるのが本物なのである。