水曜日, 9月 14, 2005

携帯プレイヤー2強の争い?

 どういう訳か日本(日本以外でそんなこといっている馬鹿はいない)の大マスコミの世界にだけ携帯プレイヤーの世界には2強(どこかは知らないが恐らくアップルともう一社と言うことなのだろう)がいるらしい。これに関しては既に的確な反論が出ているので、そちらを参照して頂くのが一番だろう。

 それでは私を何を書けばいいのだろう。実は大マスコミが2強の争いとどうしても言い張りたい日本では、iPod nanoが発売された週にそれまでどうにか踏みとどまっていたSONYのシェアが劇的に下落してしまい、nanoの一人勝ちになってしまった(2強と持ち上げておきながら現行の商品にダメ出しをしたのだからマスコミも相当意地が悪い)。nanoだけで全商品の30%以上のシェアになりアップルの総合シェアは60%を越えようとしている。特に酷かったのがメモリータイプの携帯プレイヤーでnanoだけで80%のシェアだった。このセグメントは唯一SONYがそれなりに検討していたジャンルだっただけにもう勝負はついたと考えるのが普通だろう。

 またアップル自慢かよと思われてしまうので、続きを書かなければいけない。実は一人勝ちのアメリカでnanoが思ったほど売れていないのだ(某SONYの商品の様にと言う訳ではないのだが週末までに売り切れてしまわなかったのである)。iTMSのスタートが追い風になっているから日本ではより話題性があった所為かも知れないが、それにしても日本以上に圧倒的な強さを持っているアメリカで売り切れなかったというのは謎である。アメリカで売れているのは2Gタイプなのに、日本では4Gが売り切れ商品になってしまっているし、日本ではわずかながらホワイトの方が売れているのに、アメリカでは5対1位の比率でブラックが売れている。さていつもの結論へ行こう。

結論:日米でnanoの売れ方に違いはある原因は既に欲しい人にはiPodが行き渡っているアメリカ(2台目以降の需要なので動きが遅い)と日本(MDや他社製品からの買い替え需要)との違いなのである。マスコミがどんなにSONYを2強の一つにしたくても、まだ出てもいないnanoよりも劣る商品を待つほどおめでたい人間などいない。もうあとは、Connect Player(あれはSONY製のiTunesである)と同じようにiPodと間違えて買ってしまうようなデザインにする位しか生き残りのチャンスはない。負け組はそれくらい必死にならなければいけない。

木曜日, 9月 08, 2005

SONYの問題点

 SONYの問題点ばかりをあげつらっているようで申し訳ないのだが、SONYは未だに目指すべき道を見つけられないでいる。Appleの発表に押される形で急遽発表された新しいWalkman(11月18日発売と言うことはAppleの発表さえ無ければ発表する気が無かった商品なのである)は新たなSONY商品の買い控え(その間にiPod nanoが買われることだろう)を起こすだけのような気がする。この時代に2ヶ月も時間があればSONYのWalkmanを潰す新たな商品を発売する時間をライバルに与えてしまうことになる。Appleで言えばその頃には全く新しいiPod(場合によって全くコンセプトの違う商品)が出ているはずだ。他社が太刀打ち出来ない商品を先に発表するのならば意味もあるがどう見てもどうと言うことのない商品を発表するしかなかったことに、SONYの全ての問題が現れている。

 独自の技術にこだわることなくアベリティーのある技術は積極的に採り入れて行くとということを発表していたが、それがiTunesのデザインや使い勝手を模倣したソフトウェアでは仕方がない。確かにMD用に開発されたSonicStageのくびき(アルバム単位でしか曲を管理出来ない)から逃れることが出来たのは大きな前進だろう(これは皮肉である。Appleは3年前に既にアルバム単位で曲を聴くと言うスタイルは古いと定義し直している)。結局2年も後から商品を出しながらAppleをあっと言わせる商品を出せなかったSONYは出遅れを取り戻すことは決して出来ないだろう(WBSではスポンサーの絡みも逢ってそう言えなかったが)。

 ブランド構築としてのAppleの戦略は成功している(デザインに完全な統一感があるためどの商品も一目でAppleだと判る)が、SONYはWalkmanのシリーズでさえデザインに統一感が無い(出す度に全く違うデザインではロゴ以外にSONYと判らせることが方法がない)。これでは全くポリシーがないことを自ら示してしまっているにすぎない。そんなメーカーの商品を未だにありがたがってくれるのは日本の一部ユーザーに過ぎない。そんなユーザを対象に開発を続けている限りAppleに勝つことは出来ないだろう。

iPod nano登場!!

 予てからの噂通り(噂以上か?)新しいiPodが満を持して発表された。発表ばかりか本日より発売開始だと言うのだから、何と用意の良いことだろう。昼休みにアップルストア銀座に顔を出すと早速nanoを手に携えたお客の列が出来ていた。shuffleと比較して価格が高いのにドラッグストアの特売同様複数のnanoを持って並んでいる光景はいつもと同様なのであるが、iTMSが既にスタートしている現在Appleを止めることができるものはどこにもいないだろう(慌てて新しいWalkmanを発表しているメーカーがいたようだが、11月に発売するものを今発表して何か意味があるのだろうか、どう欲目にみてもiPod nanoを阻止する様な商品ではない )。これで暮れのiPodのフルモデルチェンジまでAppleの独走態勢は間違いなく続きそうである。

 100万曲ダウンロード以後iTMSに関する情報が表に出てこないがスタートから1ヶ月ということで、今日のアップルのiPodプレス発表会で何らかの報告が有るのではないだろうか。これで今日のWBSのメインはアップル関連で決まりだろう。それにしてもSONYは後発の強みを一度も出せないでいる。今ごろスマートシャッフル機能を次期マシーンで搭載などと寝ぼけたことを言っているのだから呆れて物も言えない。iPod miniは頼みのHDDの供給の遅れで商品を十分に用意出来なかったことがJobsの逆鱗に触れ打ちきりになったが、NAND最大手のSamsungのメモリーを今から手に入れようとするメーカーが出てきても全生産量の40%はAppleに抑えられてしまっている以上、SONYが同様のプレイヤーを発売する頃にはAppleは遥か銀河の彼方に行ってしまっていることだろう。

 さて、iPod nanoであるが、これは絶対買いの商品だ。アメリカのアナリストの予想同様に年末の四半期には1000万台以上が売れていることだろう。それくらいに商品のデザインは秀逸である(もちろん好き嫌いはあるが今回発表されたWalkmanと比べてカッコ悪いと思う奴は少ないはずだ)。Moraもダメ、プレイヤーもダメなSONYは音楽業界から手を引いた方がいいのじゃないかと思わせる昨今であるが、Jobsの爪のアカでも煎じて飲みながらせめて成仏してくれることを祈る今日この頃である。

結論:再生時間以外に何も勝てるところの無い商品を発表するのだけは止めておこう。かえって印象を悪くしてしまうのだ。

月曜日, 9月 05, 2005

ソニーのスピード感と危機感は徳川幕府以下!

 ついにソニーもiTMSに楽曲を提供すると決断したようである。それにしてもなんとタイミングの悪い発表なのだろう。iTMSで現在どれくらいの曲が累計でダウンロード販売されたのかが明らかになっていないが、最初の4日で100万曲が売れたことから考えてそれで終わってしまったとは考えづらいだろう。現に一時的にせよシェア奪還で上位に食い込んでいたSONYのプレイヤーの売上は、iPod軍団に再逆転されてしまったようだ。

 ソニーが加わろうが加わらなかろうが(これが現状)成功しているiTMSに遅れて参加すると言うのは非常にイメージ戦略としては稚拙である。一般のユーザがそこまで気にしてはいない(どうだって良いと言うことだ)問題ではあるが、ソニーが加わらないことによってiTMSの成功に水を差そうとしたが結果的に”長いものに巻かれる決断をしました”という印象しか与えられなかったように思えて仕方がない。iTMSのスタート時に真っ先に楽曲を提供していればソニーの協力もあって成功したと言う印象を抱かせることが出来たのに全く逆の選択をしてしまったばかりに、Appleにすがりついたようにしか見えなくなってしまったのである。

 これらの動きの全ての原因は、丸山茂雄氏(EPICソニーを立ち上げてソニーを歌謡曲だけでないレコード会社にした)ような人が社内の上層部からいなくなり親会社のSONYの顔色を見て仕事をする会社になってしまったことに由来するのである。現場は音楽を聴く世界が広がることの重要性を十分に解っていたのだが、上が馬鹿だからこんなことになってしまった(自ら負け組になってしまった)ことに対して、はらわたの煮えくり返る思いであろう。一番売れているプレイヤー向けに楽曲を提供しないということは、ダウンロードビジネスには一切手を出さない別なビジネスモデルを構築しなければいけないと言うことが解っていなかったのだろう。

結論:邪魔をしたのに一番になれないくらい悪いイメージは無い。年内スタートなどと悠長なことを言っていないで、SONYだけで200万曲位一遍に今月中に(それも100円で)提供する位の意気込みが必要なのである。

金曜日, 9月 02, 2005

7日に発表されるのはiPodだけか?

 9月7日アメリカでの発表は、果たして噂通りにメモリタイプのiPod miniとMotorolaのiPod携帯だけなのであろうか。これだけでもそれなりに話題性はあるが日本でもビデオを使ってプレスだけの発表会を行うと言うことはそれ以上の隠し球があると踏んでも良いのではないだろうか。

 日本では8月4日にiTMSの開始のプレス発表にJobs自らが現われた。一番難問だった日本での音楽ダウンロードの開始だっただけに思わず大将がやって来たのであるが、iPod携帯が日本でも発表を行わなければいけない(まだシェアが低いからか?)程の商品とも思えない(日本で使える携帯ではない)。そうなると俄然、ミュージックビデオが見えるiPod位は出るのではないかと言う気になってくるのだが、Appleinsiderなどの情報では年末まで出そうにないと言うことだ。

 ここで、希望を一つ(前から言っていることか)。アップル純正のiPod携帯電話の発表をして欲しい。前からAppleはiPhoneという商標を抑えているし、携帯電話で使われているビデオの圧縮方式はQuickTimeである。実はこっそり日本のメーカにも作らせていて、いきなりDoCoMoから発表されたりしたならば、流石と拍手を送りたいものである。普通に考えてありえないと思えるような物をいきなり発表するのがAppleなのだ。ソニーエリクソンやパナソニックがOEMでAppleの携帯をひそかに作っていたとしても驚いてはいけないのである。

 話は変る。何故AppleはTVチューナ内蔵のMacを出さないかについてである。国によって放送方式の違うTV電波に対応するのはこのネットワーク時代に相応しい考えではない。データを全てQuickTimeに変換してしまえばユニバーサルなサービスを行うことが出来る。現在のQuickTimeはフルハイビジョン(1080p)に対応しているのでどんなでかいディスプレイで表示しても見劣りするようなことは無い(既にDVDのクオリティを越えている)。映像を配信するシステムではそこが肝腎なのだ。BD(ブルーレイ)を始めとする次世代DVDは、規格統一もならないうちにどうでも良い技術に成り下がってしまっていると言ったら言い過ぎだろうか。デジタル時代になりどんなコピープロテクトでさえ破ることが出来るのだから、そんなことを考えるよりもコピーされても利益が得られるビジネスモデルを構築しなければいけないのである。

結論:ビデオが見えるモバイルギアを作る時間があったら、その次の時代に合うデバイスを開発するべきである。