木曜日, 1月 12, 2012

「AppleのSONY買収」は、ガセネタ

表題の切っ掛けとなった元記事でもAppleがSONYを買収するメリットはないと書かれているが、SONYの先行きはそう悲観していないそうだ。改善、あるいは改革すべき点があるのは事実だそうだが、世界有数のAV機器メーカーとして生き残る余地は十分にあるのだとか。その上、損保などの金融部門を売却し(唯一売れそうなのは間違いないが、売却したら儲け口が)、その資金で新製品の開発に回す…
 
 残念ながら現状のSONYでは、私は悲観してしまう。PS4を暫く出さないという判断は評価出来るが、相変わらず縦割りで行っている製品開発は如何ともし難い。その上、途中で投げ出さざるを得ないような開発が多すぎる。一番最初に有機ELのディスプレイを出しておきながら大型化出来ず仕舞い(製造技術がなさ過ぎる)というのも笑わせる話だが、自社だけの開発では開発コストをペイ出来ないと始めたSamsungとの合弁も失敗に終り、結局Samsungからディスプレイを提供される羽目に陥ったのは戦略ミスも甚だしいと言えるだろう。1年3ヶ月前に当blogで買収話に触れた時はイヤフォン以外に欲しいモノなどないと書いたが今でもその考えに変わりはないのである(当時と比べてSONYは全然良くなっていない)。

結論:こんなボロ会社をAppleが買うわけはないのだ。

水曜日, 1月 04, 2012

ポストPCの要件について

売れなくなってしまった(私は売れてるなどと思った事はないが)ネットブックは諦め、次に手を付けたのがタブレットとUltrabook。確かにどちらもAppleではドル箱になっているので二匹目のドジョウを狙いたいのは良く分かるが国内メーカーが目論んでいるようになるとは到底思えないのが事実。タブレットでまともに売れているのはAppleに目の敵にされている「Galaxy Tab」だけで、どんなにマスメディア騒いでも(騒ぎもしないものも多い)国内メーカーの製品がiPadを尻目に売れる事などある筈もない。
 
 大体、まともにアップデートにも対応出来ないようなローカル仕様のタブレットを出している段階で終わっている(くどいようだが、Androidの2.3まではオープンなのだからGoogleのアップデートに躍らされずにKindleのように独自仕様のOSに仕上げれば良いのだ)のだが、OSを持っていないのだから日本市場だけを見て製品を作るバカな戦略をやめない限り需要を掘り起こす事など所詮無理な話なのだ。日本国内でAppleに勝つ事に意味があるなどと考えているようじゃ、とてもじゃないが海外では通用しないのである。駄目だと言ってるだけでは、社民党と同じになってしまうので、こうしたらと言う考えを書いてみたい。
 
ポストPCの要件
その1:グローバルで通用しないハードウェアは載せない
 Appleなどがやろうとしている決済システムでは日本の電子マネーは要らないが、その他にもワンセグも無用の長物。
その2:ローカルでしか通用しない機能は載せない
 携帯用のメールシステムに無理やり合わせようとしてシステムがトンでもない事になっているキャリアがあるが、素直にインターネットメールにアカウントを移せば良い。何とか(mとか言った)モードやメニューが使えるようになりましたなどと言ってるが、全ての端末で使えるまでになっていないし(手を入れているので端末側が対応出来ないのだろうが)、インターネット側からナンチャッてインターネットに入り込む事自体が間違いだ。
その3:物理的なボタンは極力減らす
 iPadだってシステムがおかしくなればリセットボタンが必要になるので全てを無くせとは言わないが、単一の目的にしか使えないような物理ボタンはその目的で使わない人にとっては不要だ。同時にひとつのボタンに複数の役目を与えるのはやめるべき。Androidでどのボタンを押すべきかが分らないのは信じられない。
その4:思い付きの機能を直ぐに実装しない
 β版でありながら多くの人を虜にしているSiri。一方で写真どころか他のスマホの画像でログイン出来てしまう顔認証を載せてしまった某OS。勿論、Siriも声でユーザ認識をしているわけではないので手放しで褒めてはいけないのだが、次期バージョンではその辺りも対応するだろうし設定でロック中は動作しないようにしておけば今でも回避出来る。顔認識が必要なのはユーザの特定であってセキュリティパス代わりではない。今回の問題など誰でも考えれば直ぐに分る物なのだ。
その5:チューニングに時間を掛ける
 PCと同じ理屈で速いCPUを使えば動作が速くなるなどと考えてアプリのチューニングを疎かにするメーカーあるが、そのせいでバッテリの持ちが悪くなる、サイズが大きくなるなど言語道断。iPhoneよりも大きなディスプレイを売りにしているスマホが多いが3.5インチのディスプレイが手に入らなかったのと大きなバッテリが必要だったのが本当の理由のように思える。アプリ(当然OS)の作り込みでバッテリの持ちも、処理速度も速く出来るのだ。自社でOSを作らず人任せにするからユーザビリティが悪いのだ。

結論:数多のJobs本を読めば分るようにシンプルなものを出すには余計なものを付け加えるよりも能力が必要になる。昔、SONYのWalkmanを分解して「流石にSONYさんはネジの数が多いですね」と褒められて顔から火が出たエンジニアの話を聞いた事があるが、ネジの数とボタンの数が多ければ多いほど駄目な設計なのはエンジニアの常識。どれだけ少ない部品で目的を達成するかを考えるのが本物なのである。