火曜日, 1月 31, 2006

SONYに出来なかったこと

 思った通り前回の話題は、早速ボロクソにやられてしまった。そりゃ当たり前の事である。罪滅ぼしなのか、偽善行為なのかはしらないが寄付すりゃ善玉などと言う訳の分からない論理があるはずはないのである。

 さて今回は、そのMicrosoftがAppleに戦いを挑もうとしている話だ。あのPS2に勝てないようなゲーム機しか作れないMicrosoftがiPodに対抗するデバイスを出すのではないかという噂が一部で出てきたようである。SONYに勝てなかったMicrosoftが作る携帯プレイヤーを買う人がどれだけいるかは分からないが、これ以上世の中の人々を不幸のどん底に落として何か良い事でもあるのだろうか。恐らくExcelやWordの文章が読めるとか素晴らしい機能が標準搭載されるのだろうが、OSがPocketPCとどうせ同じなのだろうから悲しいばかりである。

 そして音楽ダウンロードは、どうせMSN経由になるのでメールと連携出来るようなり、山のようなスパムを毎日Playerで閲覧出来る事になるのだろう。そもそもMicrosoftにはハードウェアを設計するような技術力はない(マウス以外に使える物を作った事が無いぞ)。ものの良し悪しを分からないアメリカ人(バカと言う意味)には売れるかもしれないが悪い事は言わない日本では一切販売しない事だ(間違っても売れない)。

結論:昔からMicrosoftは、Appleの出来る事は出来るという根本的に間違った考えから逃れられていない。ましてやAppleよりも上手くやれるなどと勘違いしているかもしれない。あの天下のSONYでさえ(皮肉だ)出来ない事をやろうなんてバカは死ななきゃ直らないとはお前らの事だ。

土曜日, 1月 28, 2006

ジョブズとゲイツどちらが善玉か?

 ジョブズとゲイツ、真の「善玉」はどっち?かという記事があった。主旨は寄付などの社会的行動をしなければ善ではないと言う如何にもアメリカ的(クリスチャンと言うべきか)な基準が元になっている。確かにそう基準で考えればJobsよりもゲイツの方が善人である事は間違いないが、そう考えるとロックフェラーもノーベルも皆善玉になってしまう(そう思っているなら、あなたは本当の善人だ。バカにしているんだよ)。

 Jobsは、寄付や慈善事業など表立って社会に何も貢献していないようだ。これはその通りなのだろう。しかしそれと善玉とは実は全く関係がない。ゲイツ夫妻は多くの寄付を行っているが、欧米における寄付は多分に税金逃れの一手段である事が多い。現にゲイツ夫妻は自分の資産を全て財団の形にして相続税対策を既に済ませている(相続税の無かった時代にはこんな事も必要なかったのだが)。ロックフェラー財団は、移し替えた資産を元にして代々ロックフェラーの一族によって運用されている。その中の一部はもちろん慈善事業にも回されるが、慈善事業のために財団が作られたわけではないのである。そのどこが善玉になると言うのだろう。

 というわけで、Jobsとゲイツとどちらが善玉かは私には判断出来ない。ただJobsは善玉かどうか評価されるために生きてきてはいないだろうとは言える。Jobsは希代の詐欺師であるが、結果を見ると詐欺にはなっていない。まあようするに悪玉でも無いわけだ。さてどちらの方が、善玉かは判断出来ないが、どちらがより上手の策士かといえば間違いなくJobsだろう。ようするに善悪ではなく、どちらのほうがずる賢いかとか、嫌な奴かというのならばもう結果は出ているのである(もちろんJobsだ)。

結論:どんな悪人だって罪滅ぼしに寄付や慈善事業を行う事はある。それは善玉かどうかの基準にはならない。それが分からないくらいだからアメリカ人は、自分たちが正義だなどと勝手に思い込めるのである。ようするにバカは相手にしない事である。少なくともJobsはMacOSXによって社会に多いに貢献している事は間違いないのだ。

水曜日, 1月 25, 2006

Pixarがディズニーを買収

 めでたくPixarがディズニーのアニメーション部門を買収した。そりゃ違うんじゃないかいという声が聞こえてきそうだが、そいつらこそ勘違いしている。Pixarはディズニーからお金を貰ってディズニーを買収したのだ。企業としての規模はディズニーグループの方が大きいがアニメーションに関しては完全に逆転している。Pixarはアメリカで唯一アニメそのものでお金を稼げるスタジオ(売上の半分が経常利益だと言うお化け会社)になってしまった。あのドリームワークス・チームでさえ、不採算を理由に売却されてしまったのに、Pixarはエド・キャットムル(Pixarの創立時の社長)を新設するアニメーション会社の社長として送ることになった。加えてPixarの魂の根源であるジョン・ラセターを製作の総責任者にすえることになった。要は、NeXTの人間がAppleを完全に支配下に置いたのと同じ構図なのである。

 Jobsは、今後は只の筆頭株主(今回の合併で37億ドルほどの個人資産を得たことになる)兼取締役となるが、いずれはディズニーそのものを自分の配下に置く可能性が高くなったかもしれない。マイケル・アイズナーともめていた時にもロイ・ディズニーがJobsをCEOとして迎えようとクーデターを起こしたことがあったが、今回の合併後にロイ・ディズニーがまたボードメンバーとして復活し、JobsにCEO兼会長の椅子を用意するかもしれない。

結論:Appleの復活を見ていればディズニーは安い買い物をしたと言われる未来が待っているかもしれない。そしていずれはJobsに経営を任せる日も... しかしそうなった場合、巨大なディズニーグループを分割して、もう一つの会社であるAppleがフリーハンドでコンテンツ業者と交渉出来るような立ち位置を得ようとすることは明らかである。それでなければ、公正な取引が成り立たなくなってしまうからだ(利益相反)。

木曜日, 1月 12, 2006

やられた

 今回のMacWorld EXPOにはしてやられた。まさかiMacがモデルチェンジしようとは思いもしなかった(順番はもう少し後だと思っていた)。Powerbookの後継機種よりもiBookの方が崎田と考えていたのも外れだった。iLifeやiWorkは予想範囲内であったが、予想していたEXCELキラーは結局バンドルされなかった。Microsoftを追いつめるのは時期尚早と判断したのか、或いは取引材料に使ったのだろう(新しいOfficeが出なければいつでも出すぞと言う脅しだ)。

 さて、今回の発表を受けて今年がとんでもない年になることは明らかになった。まだだと思われていた製品が一挙に出たと言うことは、場合によってはWWDCまでに全ラインナップがそろってしまう可能性さえ出てくる。現行TigerでIntelを完全にサポート出来ていることを示すことも出来た訳だ。Rosettaを使う場合に、どれだけのスピードが稼げるかは使ってみなければ分からないが、Intelのデュアルチップが思った以上のパフォーマンスを得られることは確実だろう(そうでなければプロ用のノートを第一段に持ってくるはずが無い)。

 噂に出ていたiPodのラインが発表されなかったのは、的をMacに絞ることによってAppleはMacを作っている会社であることを改めて示すためだったのだろう。iTunesやQuickTime、.Macもバージョンアップされたので、今月末には改めてiPod関連の発表が行われるのだろう。

結論:iPodの追い風に乗って成長しているAppleは今年はMacにその軸足を移し、様々な攻勢をかけてくることがこれで明らかになった。今回は私が予想していた商品が発表されなかったが、逆に他のPCメーカーは背筋に詰めたいものを感じているに違いない。

金曜日, 1月 06, 2006

DisneyがPixarを買収

 Pixar以外のアニメが今一つでここのところ散々(というかライオンキング以降全くヒット無し)のDisneyがPixarアニメの配給契約交渉がとん挫している状態を打開するために買収交渉を始めたと米紙で噂されているようである。条件としてJobsを会長として迎えるというのであるが、Pixarにとって何らメリットの無い取引だろう。Disneyはアイズナーの時代にABCなどのメディアを傘下にし巨大メディア企業となったが、利益は出ていないどころかWarnerのように身動きが取れなくなっているのが現状だ。Disneyは会社の建て直しのために、PixarのアニメとJobsのマネジメント力を必要としているが、現在のPixarはDisneyを必要とはしていない。

 単純にJobsを引き込みたい(会社の建て直しだ)Disneyが騒いでいるのだろうが、Jobsが乗ってくるとは到底思えない。それくらい今のDisneyには魅力がないのである。日本のIT社長ならばのどから手が出る案件かもしれないが、Jobsのビジョンの中に入ってくるには役不足であることが明らかである。ありえるシナリオとしては、Pixar全体ではなくPixarのソフトウェア部門を買い取らせて会長に納まるという筋書きだろうか。現在のPixarしか知らない人間にとってPixarはアニメーションスタジオであるが、そのルーツは3Dアニメーションを作るためのコンピュータとソフトウェアを開発する会社だった。実際に現在もリリースされているRenderManは、3Dソフト(レンダリングソフト)の最高峰である。この部署をDisneyに買収させてDisneyの会長に収まるというのだ。もう一つのシナリオは、Disneyのアニメーション部門を独立させてPixarを買収させ、なおかつドリームワークスのアニメーション部門を買い取り、名前はPixarにするという筋書きだ。これくらいの条件であれば、JobsがDisneyと一緒になるという話が本当にありえるかもしれない(Jobsとはそれくらいのネゴシエーターだ)。

結論:単純にPixarがDisneyの軍門に降ることはありえない。世界中のアニメーション企業を吸収したアニメーション会社の経営者にならばなるかもしれない。例えて言えばMicrosoftがAppleを買収して名前をAppleに変更し、会長はJobsになりWindowsを廃止してOSXに統一するならば合併しても良いよとJobsならば言いかねない男なのである。

木曜日, 1月 05, 2006

何故かWindows

 次のWindowsは正式にVistaと言う名前になったが、その名前に深遠な意味があろうとは思いもしなかった。Vistaの意味は単純に”展望”なのだろうと考えていたのだが、そうではないようだ。辞書によるとその第一の意味は、”特に,両側に並木·山などのある狭長な見通し”なのである。つまり、遥か向こうは見えるがその視界は狭く道のりは長いということだ。ようするにOSXが目標であるが、それは遥か遠くに見えるだけだと自ら認めていた訳だ。それで、様々な疑問は晴れた。搭載されると言われていた機能が削られた(削ってしまうとXPと変わらないまるでWin98に対するMeだ)のも、3年も前に出ていなければいけなかったのに一向に発表されなかったのもVistaならばこそなのである。このペースならば1年ごとのOSの更新は期間が短過ぎると言っているAppleの方が先に新OSを出してしまうに違いない。

 2006年、Appleは畳み込むように新製品の発売ラッシュ(iPodがメインではない)とTigerで本格的に攻めてくる。敵が何をするかが分かっているのに手も足も出せない(SONYは手と足を出したために目も当てられない状態になってしまったが)Microsoftは何を仕掛けてくるつもりだろう。正直なところ、Jobsがいなければこんなことにはならなかったはずだ。Appleなど相手にするのも面倒なくらいの会社になっていた(潰れていたと言うべきか)のは間違いない。そうなれば、適当にお茶を濁したOSのリプレイスとバンドルだけでどうにかこうにかやりくり出来たものを...

 残念ながら今のMicrosoftにはAppleを追い越すような力はない(前もあったとは思えないが)。ゲームもアメリカや韓国のゲームバカ(あんな粗雑な商品を買うのは人種は別にしてもバカだ。日本ではWalkman同様もう無かったことになっている)にしか売れていないし、やることなすことババを引いているように思えるのは私の妄想だろうか。

結論:前に書いたことだが、シェア5%を切る規模であったAppleを率いるJobsがMicrosoftに資金援助を申し込んだ時に、”二人が手を結べばPCの100%を抑えられる”と宣ったJobsの方が上手だったのである。キツネ(一社しか起業していないゲイツ)は、口先だけで大金を出させることの出来る古ダヌキ(三社も起業したJobs)には勝てないのである。

水曜日, 1月 04, 2006

ブランド哲学

 とかくこの世は...こんな言葉を吐いて気を紛らわせているようではいつまでたっても勝ち組にはなれない。モノが良く売れないことの原因には多くの要素が関係してくるが、日本製と言う製品力で売ってきた日本のメーカーはその力を失い始めている。そして、力を失ってしまったメーカーは自ら価格を下げていながら、価格競争が売れない原因だと逃げている。そんなメーカーに勝ち目はない。殆どの家電がデジタル化された現在において、スペック的な商品の差別化は不可能なのに、それに気付かないメーカーが多過ぎる。そして顧客はすでにブランドだとは思っていない(そう考えてくれるユーザーはもうマーケット対する影響力がない)のに、自社は特別なブランドを持っていると勘違いしているメーカーがある。

 ブランドになりたければ、薄利多売はしてはいけない。この分かり切ったことを出来なくなった時(大企業になってしまった)に、ブランドの価値は往々にして失われる。売らなければその屋台骨を支えられないほど巨大になった時、企業は衰退する。PCの世界を見てもそれは明らかだ。ファブレスであるDell(Dellは決してブランドではないが)でさえ、利益がむしばまれている昨今。唯一の勝ち組(価格決定権を完全に保持している)であるAppleは、価格帯は違うとはいえ完全にFerrariのようなブランドになることが出来た。

 その1番の理由は、どんな小さな商品でさえAppleのオリジナルであると解るデザインコンセプトとマーケティングにある。その研ぎ澄まされたデザインは、コピーをすればオリジナルを連想せざるおえない。それを支えている大きな原動力は、他社に追随することなく価格を決定(他よりも安いのに利益を確保出来る商品開発力がある)でき、その価格をモデルチェンジまで一切改定する必要のないことにある(モデル終了時にはより利益が大きくなっている)。過去には余りにも自社製にこだわり多くの製造工場を抱えていたが、現在は完全にファブレスを可能にしている。大量発注品だけは受注生産であるが、それ以外は予測生産をしているのにもか関わらず、その商品回転率は信じないレベルである。利益が出るからこそ商品にこだわりを持つ余裕があるのだ。そして、新商品を出すたびにより強くAppleのブランドイメージを高めているのである。

結論:明確な商品コンセプトも持たずにブランドを築くことなど出来ない。SONYはWalkmanを見ているだけでそれが無いことが明らかだ。ブランドとはプレミアが付いて取引されるような商品を売ることが出来るかどうかに関わってくるが、SONYはそれをプレミアム・ブランド(要するに高い商品)を作ることだと勘違いして自らブランド価値(Quoliaがプレミアムで、SONYはディヒュージョンだと宣言)を下げてしまった。もうPanasonicに追いつくことさえ出来ないかのしれない。ブランドを作るのはメーカではなくて顧客であることを肝に銘じてもらいたい。