土曜日, 1月 28, 2006

ジョブズとゲイツどちらが善玉か?

 ジョブズとゲイツ、真の「善玉」はどっち?かという記事があった。主旨は寄付などの社会的行動をしなければ善ではないと言う如何にもアメリカ的(クリスチャンと言うべきか)な基準が元になっている。確かにそう基準で考えればJobsよりもゲイツの方が善人である事は間違いないが、そう考えるとロックフェラーもノーベルも皆善玉になってしまう(そう思っているなら、あなたは本当の善人だ。バカにしているんだよ)。

 Jobsは、寄付や慈善事業など表立って社会に何も貢献していないようだ。これはその通りなのだろう。しかしそれと善玉とは実は全く関係がない。ゲイツ夫妻は多くの寄付を行っているが、欧米における寄付は多分に税金逃れの一手段である事が多い。現にゲイツ夫妻は自分の資産を全て財団の形にして相続税対策を既に済ませている(相続税の無かった時代にはこんな事も必要なかったのだが)。ロックフェラー財団は、移し替えた資産を元にして代々ロックフェラーの一族によって運用されている。その中の一部はもちろん慈善事業にも回されるが、慈善事業のために財団が作られたわけではないのである。そのどこが善玉になると言うのだろう。

 というわけで、Jobsとゲイツとどちらが善玉かは私には判断出来ない。ただJobsは善玉かどうか評価されるために生きてきてはいないだろうとは言える。Jobsは希代の詐欺師であるが、結果を見ると詐欺にはなっていない。まあようするに悪玉でも無いわけだ。さてどちらの方が、善玉かは判断出来ないが、どちらがより上手の策士かといえば間違いなくJobsだろう。ようするに善悪ではなく、どちらのほうがずる賢いかとか、嫌な奴かというのならばもう結果は出ているのである(もちろんJobsだ)。

結論:どんな悪人だって罪滅ぼしに寄付や慈善事業を行う事はある。それは善玉かどうかの基準にはならない。それが分からないくらいだからアメリカ人は、自分たちが正義だなどと勝手に思い込めるのである。ようするにバカは相手にしない事である。少なくともJobsはMacOSXによって社会に多いに貢献している事は間違いないのだ。

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