水曜日, 1月 25, 2006

Pixarがディズニーを買収

 めでたくPixarがディズニーのアニメーション部門を買収した。そりゃ違うんじゃないかいという声が聞こえてきそうだが、そいつらこそ勘違いしている。Pixarはディズニーからお金を貰ってディズニーを買収したのだ。企業としての規模はディズニーグループの方が大きいがアニメーションに関しては完全に逆転している。Pixarはアメリカで唯一アニメそのものでお金を稼げるスタジオ(売上の半分が経常利益だと言うお化け会社)になってしまった。あのドリームワークス・チームでさえ、不採算を理由に売却されてしまったのに、Pixarはエド・キャットムル(Pixarの創立時の社長)を新設するアニメーション会社の社長として送ることになった。加えてPixarの魂の根源であるジョン・ラセターを製作の総責任者にすえることになった。要は、NeXTの人間がAppleを完全に支配下に置いたのと同じ構図なのである。

 Jobsは、今後は只の筆頭株主(今回の合併で37億ドルほどの個人資産を得たことになる)兼取締役となるが、いずれはディズニーそのものを自分の配下に置く可能性が高くなったかもしれない。マイケル・アイズナーともめていた時にもロイ・ディズニーがJobsをCEOとして迎えようとクーデターを起こしたことがあったが、今回の合併後にロイ・ディズニーがまたボードメンバーとして復活し、JobsにCEO兼会長の椅子を用意するかもしれない。

結論:Appleの復活を見ていればディズニーは安い買い物をしたと言われる未来が待っているかもしれない。そしていずれはJobsに経営を任せる日も... しかしそうなった場合、巨大なディズニーグループを分割して、もう一つの会社であるAppleがフリーハンドでコンテンツ業者と交渉出来るような立ち位置を得ようとすることは明らかである。それでなければ、公正な取引が成り立たなくなってしまうからだ(利益相反)。

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