水曜日, 4月 30, 2008

致命的なバグ?

 VistaのSP1の自動更新を止めただけではなく、29日から提供開始予定だったXPのSP3は自動更新だけではなくダウンロードまで延期された。理由は「Microsoft Dynamics RMS」と当るからだと言うのだが、何で当日まで自分のところのAPIと当るかどうかが分からなかったのだろうというのが第一印象だったが、Vistaはダウンロードが可能なのにXPは無理と言う所を見ると「Microsoft Dynamics RMS」とSP3の相性以上にもっと致命的なバグがあったのではないかと勘ぐりたくなってしまうのだ。まあ、勘ぐるまでもなくアップデートの度に致命的な問題を起こしているが...

結論:安心してアップデートが出来ないのだからバージョンアップなどしたくなる筈はないのだ。

火曜日, 4月 29, 2008

iPhoneのJVM

 SunはiPhone用のJVMをAppleと共同で開発したいと望み交渉を続けているが、正直な話Appleにその気はないはずだ。MacOSがOSXに切り替わりCocoaが開発環境となった当初、Appleは劣勢を挽回するためのひとつの手段としてJavaを利用したのは確かである。しかし、OSXがTigerになった段階でAppleはJavaに見切りを付け(勿論未だにJavaはネイティブで搭載されているが、開発環境としてのJavaはWebアプリケーション以外では役立たずと判断)、Objective Cをメインに据えたのだ。

 Sunから見れば全ての携帯電話でJavaが動くかどうかは死活問題かも知れないが、Appleにとってはどうでも言い話。大体、携帯で大成功しているJavaアプリなどない。Google MapsやGmailのモバイル版、「BlackBerry」向けのアプリケーション・スイートを例に挙げ、これらはすべてJavaで書かれているらしいが、そんなものはiPhone SDKでいくらでも作れるのだ。

結論:iPhoneでJavaを動かさなければ行けない理由はAppleにはない。Javaを載せるくらいならばFlashをフルサポートする方が先である。Appleは他の携帯で動くアプリなど欲しいとは思っていない事を忘れたのでは話にならないのだ。

iMacアップデート

 大方の予想通りiMacがアップデートされた。通常は火曜日なのだが、日本がゴールデンウィークの29日と言う事もあってか月曜日の夜に発表となった。FSBが1,066MHzに上がっている事から、描画が2倍高速になったといっているのでチップセットもワンクラス上(MacBook Proよりも上位)に格上げされたようである。ということは夏ごろにはMacBookやMacBook Proも間違いなくPenryn+GM4×に切り替わるのだろうから、Mobile Macを6月に買おうなどと考えている人は夏まで待った方が良いだろう(当然Airだってアップデートする)。

 もう一つ噂で出ていた全商品の価格改定(当然値下げ)は、今回見送られたようだが5月中にはありそうな予感だ(6月にモデルチェンジの嵐か?)。それにしても、一番安いiMacでも他のPCと比較したらとんでもないハイスペック。2.4GHzモデルはPenryn(SP9400?)らしいし、最上位の3.06GHzはX9100(Core 2 Extreme)のようだ。これって5月から出荷開始のCPUのような...少なくとも国産メーカーでこのチップセットを使ったPCはまだ出ていないのは間違いない。

【訂正】どうやら、クロック・アップのカスタムCPUのようである。流石に最新のチップで値下げは無理だったようだ。

結論:Windowsを快適に使いたかったらiMacなのだ。何しろMicrosoftのバルマーさえプレゼンテーションはMacを使っているのだから、間違いないのである。

月曜日, 4月 28, 2008

XPを使う訳

 XPのOEMは6月で終了する予定だが、Dellなどは引き続き顧客からの注文があればVistaをダウングレードするサービスを継続するそうだ(MicrosoftのカウントではVistaが売れた事になる)。そんなに愛されているXPな訳だが、愛される理由がVistaが話にならないと言う(消極的理由)のでは情けない話だ。

 既にアナウンスされている次期OSであるWindows 7(Microsoftの言ってる党利にまともなOSかどうかは蓋を開けてみなければ分からないが。実際に過去のOSはことごとく約束を反故にした)が受け入れられるまで、XPを製品版として売るべきだろう(勿論無料で配るというなら更に文句無しだが)。

結論:今のOSがダメだから前のOSを使うと言うのは本末転倒である。OSXはWindowsの倍以上金が掛かると言われるが、お金を出すだけの価値のある中身のあるOSにアップグレードされていることを忘れてはいけない。Windowsはダウングレードするために余分なお金が必要になるかもしれないのだから。

金曜日, 4月 25, 2008

Appleの本気

 iPhoneのSDK βを発表以降、2週間置きのペースで3回目のアップデートを迎えた。実際にiPhone用アプリを作り始めている人にとってライブラリー構成などの変更が度々行われることは願い下げかも知れないが、β2でinterfacebuilder、β3で実機でのテスト環境、β4でOpenGLの実装と確実に内容がアップしている。

 噂では既に20万のデベロッパーがiPhone用のアプリの準備を始めているというし、誰もが考えもしなかった場所に大きな鉱脈が発見されたのだ。iTunesがWindowsユーザに対する撒き餌だったように、iPhone SDKはデベロッパーをObjectiveCの世界に引き込む撒き餌。iPhoneで初めてObjectiveCの洗練された世界に気付かされた開発者達が、iPhoneの開発環境がそのままMacに繋がると理解した時に大きな潮流となってAppleに流れ込むのだ。

 iPhoneでアプリが開発出来るツールも用意されるのではないかという噂もあるが、iPodからサーバ・アプリ迄、一つの統一された開発環境でアプリケーション開発出来る世界がMacの中に標準で用意されているという事実は非常に大きいのである。

 Xcodeで作り出されたアプリケーションを使うために必ずしもMacは必要ないが、アプリケーションを開発するためにはMacが必要だ。そして、全てのMacにその環境が標準で用意されている(それも無料で)。ハードを持たないMicrosoftにはそんな芸当は出来ないのだ。

 個々の事象を比較しただけではAppleとMicrosoftの違いは分からないだろうが、全体を俯瞰すれば戦略(ビジョンとも言う)の有り無しは明確だ。Appleには戦略があるがMicrosoftには戦術しかない。どちらが最終的に勝つかは明白なのだ。

結論:OSXの発表と同時に無料で数万ドルに値する開発環境をこっそりとバンドルし続けたApple。一つのOS、一つの開発環境で全てをカバーするエコシステム。Jobsが返り咲く時に既に用意されていた戦略の全貌が漸く姿を現わし始めたのだ。Appleは本気だ。

木曜日, 4月 24, 2008

iモード vs iPhone

 iモードとiPhoneの違いは、ポケベルとメールの違いのようなものだ。

結論:iPhoneが当たり前になってしまえば誰もiモードには戻らないのだ。

Macでデフラグをしない訳

 Windowsのユーザだと何かと言うとデフラグと言う言葉を聞く。システムが遅くなったからというのが一番大きな理由らしい(恐らく余計なアプリが裏で動いているんだよ)が、Macでデフラグなどかけたことは無いし、そもそも、そんなユーティリティは無い。

結論:Macはシステム終了時に自動でデフラグを行っているのだ。だから色んなものをダウンロードした時にはシステムが落ちるまで結構な時間が掛かったりする。勿論、Windowsのデフラグほど時間は掛からないけど。

じわじわ来てます

 Appleの第2四半期の決算が発表された。今迄Appleの業績を押し上げていたiPodの勢いは流石に無くなってきたが、Macの売上はじわじわ(前年対比50%増はじわじわでは無いか?)と伸び続け業績アップの牽引車になってきた。AppleStoreの売上はアメリカ本社にカウントされるため大した結果を出せていなかったアップルも昨対で50%増とMacの売上が急激に伸びている。

 何事も火が点くまでに時間のかかる日本市場。前期比で30%、昨年同期と比べ50%近くの増加とアップルは今期は一番勢いがあったようである。売上、利益とも第2四半期の業績を大きく塗り替える結果になったことを受け、「これから数四半期の間に、素晴らしい新製品を投入するための力強い勢いを得た」とコメント。3G携帯以外に噂になっているノートのフルモデルチェンジだけでなく、全く新しい商品も発売されるようである。

結論:大勢に付くのが好きな日本人。風向きがAppleに変わったことにやっと気付いたようである。こうなると日本人って雪崩をうつんだよな〜。

水曜日, 4月 23, 2008

日本のiPhoneはイタリア方式?

 iPhoneのビジネスモデルをイタリアでは変えると言いう話が聞こえてきた。どうやら3G iPhoneではキャリアとの独占契約をやめる算段らしいのだ。そうなると、日本ではdocomo(7月からはこうなる)だけでなくSoftbankからも発売される芽が出てきたわけだ。更に、docomoやSoftbankでは無くApple自らが、MVNO(docomoかSoftbankから借り受ける)を仕掛ける可能性さえ否定出来なくなってきた。

 MVNOならば、iTunes Storeで全ての決済が終了出来る。ブランド信仰の強い日本ならば結構上手くいくビジネスモデルになるかも知れない。何れは消えていくであろう現行の携帯ビジネス。iPhoneのシェアが広がるまでのパートナー(片務的だが)として日本の携帯キャリアを捉えるかどうかにかかっている気がする。

結論:独占ならばここのところ旗色の悪いdocomoが死に物狂いで取りに来るだろう。どんな方法かと言えば、奨励金制度では無く純粋にdocomoがiPhone端末を買い取った上でiPhoneサービスのツールとしてユーザに貸与すると言う方式だ。勿論、FOMAやiモードとは全く互換性はない。さて、本当にそんなことになるのか...

iPhone + Conversation

 iPhoneの次の機能はiChat AVを使った「Conversation」である。現行のiPhoneでは携帯通信網を使った場合に帯域不足と自分撮りのカメラがないという問題があるが、通信速度に関してはWiHiを使えば十分に帯域を取れるので不可能な話では無い。そして、3Gである。操作面にサブのカメラを内蔵することでどんな通信網を使っていてもビデオチャットが可能なマシーンが手に入る。

 ビデオチャットは需要がないというのは一つの答えであるが、iChatをVoIPと考えればiPhoneは初めての成功したMobile iPフォン(スマートフォンにSkypeを入れれば同じことが出来るが)となるに違いない。Hot Spotでは、WiHi、無線LANの無い場所では携帯通信網。紐付きの環境無しに使えるVoIPがポケットに収まるのだ。

結論:携帯電話業界のパンドラの箱を開けさせたApple。同時に携帯電話業界にとって、iPhoneはトロイの木馬。iPhoneにとって携帯通信網もWiHiもインターネットに繋ぐための一つの手段(単なるインフラ)に過ぎない。インターネットさえ使えれば(ネット経由でのConversationが可能ならば)インフラ業者がどうなろうが知ったことでは無いのである。

木曜日, 4月 10, 2008

Mac OSXはWindowsの倍の費用が掛かる

 2001年から2007年迄の間にOSXは、Puma、Jaguar、Panther、Tiger、Leopardと1年置きくらいにOSのバージョンが更新され、トータルで516ドルも掛かっているのに、Windowsユーザは219ドルしか掛かっていないのでMacの方が金が掛かるとZDネットがレポートしているらしい。

 確かに1回の費用はOSXの方が安いが、Microsoftが1回しかバージョンアップ出来なかった間にAppleは5回もバージョンアップしたのだからトータルでは...

結論:Windowsはお金が掛からないのでは無く、お足が戴けるような物を出せなかっただけの話である。価格が高いかどうかは新OSで提供される機能に集約される。5年も掛けてあんなに完成度の低いOSで金を取るのは如何様である。

水曜日, 4月 09, 2008

やっぱり、SONYのBlu-ray

 Blu-rayで、HD DVDを撃沈したSONY。何を仕掛けてくるかと眺めていたら、PSPやWalkman、そしてWalkman携帯に動画転送可能なBlu-rayレコーダーの発表である。自社の商品にだけスポットした(囲い込み)製品を発表することを悪いとは思わない(Appleだって典型的にそれをやっている)し、間違った戦略とは思わないが、基本的な部分でSONYは大間違いを犯している。

 どんな間違いかと言えば、SONYが今迄と全く同じ体質(ちっとも学んでいないと言うこと)で製品を開発していることである。消耗品のように買い替えサイクルが短い訳では無い製品。それもまともに売れ始めたのが前の冬からと言う商品(当然、買い替える程時間が経過していない)なのに、行きなりPSPやWalkmanの動画に対応(それも新製品だけ)と言うのは、ユーザを全く無視した商品戦略である。既にPSPやWalkmanを持っているBlu-rayレコーダーユーザに買い替えろとでも言うのだろうか(恐らくそうなのだ)、それとも、既に持っている人の事はどうでも良くって未だに食指を動かさない連中を引き寄せる作戦なのだろうか(恐らくこれもそうだ)。

 SONYは一番大事にしなければ行けないコアユーザ(Macのマッカーの様なもの)を、また裏切ってしまった。勿論、喜んで新製品に買い替える大バカも世の中にいるのだろうが、顧客を舐めてはいけないのだ。意地を張り続けて守り通したATRAC3をサポートしないWalkmanを発売したりと、顧客の利便性を全く考えないSONYの商品戦略はどうなっているのだろう(MP3やAAC対応ならば別にWalkmanにする必要など無い)。

 あれだけ世間(主に取引先)で横暴と言われているAppleは、顧客に対しては非常に細かな心遣いしている。初代のiPodでさえiTunes Storeで購入した音楽を聴くことが出来ることで実証されている(初代iPodは最初はMP3しかサポートしていなかった)し、直近の例では。AppleTVがソフトウェアのバージョンアップだけで全く違う商品に生まれ変わった(それも無料で)事がそうである。モデルチェンジもせずに新たな製品にしてしまったのだから、まさにソフトウェア様々ということだ。昔のAppleは、ハードウェアのバージョンアップ(追加料金で新製品に変身)と言うサービスを行っていた。そこまでしろとは言わないが、せめて既存ユーザが納得するオプションを用意するくらいの心遣いがあっても良いのじゃないだろうか。

 まあ、SONY商品をほとんど買わなくなった私が言うのも何だが...今度、αを買おうと思っているが。

結論:SONYは、未だにこういう商品開発を続けるか一般ユーザに見捨てられるのだ。

月曜日, 4月 07, 2008

結局、VistaはMeと同じ

 出荷当時から意地悪くVistaはいずれ無かった事になると書いてきたが、予想通り”Windows 7”のリリースが速くなるとゲイツがコメントしたらしい。1年以内に出せると言うことは、XPからの乗換えはVistaでは無くWindows 7で良いと考えているのだろう。

 Windows 7は、Vistaのように御為ごかしの機能(Meもそんなことをして自滅した筈)ではなく業務で有効なものだけに絞り込んでシェイプしたものを早くリリースするのは正しい判断だと思う(シェイプされるかどうなるかは分からないが)。Appleじゃないが、OSはスタンドアローンとサーバの2本に絞り込んでいれば、こんなバカなことにはならなかったのだ。

結論:こんなことになってしまったのもOfficeチームの方が力が強いなどという体制にあったのだ。アプリに合わせてOSを作るなど言語道断なのである。

iPhone vs iモード

 DoCoMoになるかSoftbankになるかがはっきりしない(まあ、DoCoMoの筈だが)iPhoneのキャリアの行方だが、iモードの立役者だった夏野氏がDoCoMoを去ることになった。DoCoMoの一時代を築いた夏野氏のiモードからインターネット・ネットワークへ時代が変わるという事を象徴している。

 iモードはインターネットとの情報の掛け橋となる通信サービスだったが、iPhoneが利用するのはほぼ完全(残るはFlashだ)なインターネット端末。既存のインターネット・プロトコルをフルに使ってサービスが可能なのである(それも、ソフトウェアの更新で)。

結論:自社で構築したサービスであるiモードだが、少なくとも次の時代に通用するものでは無い事を一番理解しているのがDoCoMoの経営陣であり、まだ可能性があると考えていたのが夏野氏だろう。本当のインターネット(iモードはインターネットに直に繋がっているものでは無い)にダイレクトに繋がる事が最低限の基準なのだ。

金曜日, 4月 04, 2008

Appleの戦略から学ぶこと

 現在のAppleの戦略とは、世の中の常識を越えた(逆らった?)ところにある。勿論逆らわずに定石通りにやっていることも多いが、将棋やチェスと違って世の中で定石と言われているものなど、偶然成功したためにそう考えられているだけでもっと良い方法に思い至らなかっただけの話なのである。

戦略
その1:弱点はセールスポイントである。
コストやサイズを考え液晶を搭載出来なかったiPod shuffle。シャッフルして聞くためのプレイヤーを提案したのだと言い張る。新しい音楽の聞き方がシャッフルだと洗脳。シリアルポートやSCSI、フロッピーをやめたiMacをPCユーザは批判したが、結果的にiMacが唯一のインターフェイスとしたUSBが標準になりそれだけで事足りる世の中になってしまった。計測機器などの一部の特殊な機器は未だにシリアルやパラレルが必要かも知れないが、元々そんな用途でMacが使われることなど無かったので関係なかったのだ(あったとしても無視だろうが)。MacBookAirも有線LANを取り去りケーブルはもう必要ないことをアピール。
その2:イメージを植え付ける。
マニラ封筒からノートPCを取り出すなど機能競争している業界からは、それがどうしたと突っ込まれるはずだが、それ位に薄くて軽い(実際はそうでも無いかもしれないが)PCだとイメージを刷り込む。同様に何度モデルチェンジをしてもiPodはiPodと誰にでも分かる共通のイメージを持っている。新製品が出るたびにインターフェイスが変わってしまう(フォーマットまで)どこかの国のオーディオ・メーカーとは大きな違いだ。コマーシャルでは、”It's a SONY"などと言っているが、メロゴを隠したら何処のメーカーのものか分からないような商品を作ってはいけないのだ。もしも、私がSONYの社長なら初代Walkmanの形(勿論サイズは小さい)にして、カセットの変わりにメモリスティックをカシャッと入れるWalkmanを作る。何故なら何処からどう見たってSONY製だと分かるからだ。イメージとは、iconなのだ。
その3:喧嘩になったら大成功。
Appleだけの話では無いが、Jobsに喧嘩を仕掛けたら相手に塩を送ったことになってしまう。イギリスのApple(レコード)は、放っておけば良かったのに商標権で訴えたためにAppleに商標権を奪われ、商標をライセンスして貰う立場に替わってしまった。Pixarとの契約更新を拒否したディズニーは首謀者だった会長がクビになり、揚げ句の果てにアニメ部門をPixarに乗取られる結果に(買収をしたのだが結果的にJobsがディズニーの筆頭株主になってしまったのだ)。
その4:ハードウェアなんて関係ない。
数多のメーカーがハードウェアにどれだけのオプションを組み込むかに腐心している中Appleだけはハードウェアに縛られないシステムを構築している。コンピュータのメインであるCPUが全く設計の違うものなのにどちらもサポートするOSを行きなり出してきたり、1年前に使い道が不明瞭で魅力も無かった(VGA、ステレオ再生だった)AppleTVをハードウェアの追加無しにシステムアップデートだけで全くの新製品(720pHD、サラウンド)に化けさせたりとデジタル時代を制覇するのはハードウェア思想では無くソフトウェア思想であることを証明。特定機能を持ったハードウェアが別なものに化けることなど無いが、ソフトウェアならば如何様にも化けるのだ。この当りはQuickTimeに始ったのである。
その5:ターゲットを絞り込め。
製品構成を最小限にしているだけでは無く、ターゲットとなる顧客も絞り込んでいる。お陰様(自分の会社でも無いので変なのだが)で、まもなく1億5千万に達するiPodの販売数量。1億5千万人のユーザ層を考慮したらこんな大ヒット商品には絶対になら無かっただろう。MacBookAirの発表会後の記者会見で「ハードディスクの容量が少ないのではないか」という記者の質問に、Jobs は涼しい顔で、「君のような人は Air を使わなければよい」と言い放ったらしいが、これが全てを現わしている。当然、次のMacBookAirのハードディスクはもっと大きくなるから、質問の意味は無いし、今すぐ容量の大きなマシーンが欲しいのならばMacBook Proを買えば良いのだ。良く個人に合わせるなどと言う人がいるが、世の中にいる人はまさに千差万別。そもそも既製品を用意して個人に合わせられる筈などないのだ。本当に個人に合わせたいのならばオプションでどのようにでも出来るベースとなる製品を出すしか方法は無いのである。個人に合わせると言うのはターゲットを広げることでは無くターゲットを絞り込むことなのだ。

結論:大きな短所は大きな長所、喧嘩と言うのは交渉の一手段、ターゲットが狭ければ狭いほど吸引力が増す、イメージは変えない、物に囚われるな。Appleの戦略から導き出される法則なのである。

Microsoftの敗北宣言

 Windows XPの提供期間を再延長するとMicrosoftが公式に発表した。対象はULCPC(超低価格PC)だけだというがこんなものはなし崩し的に拡大されるのは目に見えている。現在の延長は、010年6月30日か、Windowsの次期メジャーリリースである「Windows 7」の出荷1年後のどちらか遅い方の期限までというのだが、無駄な機能を注ぎ込んでしまったためにハイエンド機以外では、まともに動かないようなOS(周辺装置用のドライバーがまともに無いことが痛い)を出すからこういうことになるのだ。SP2も出たが、自動アップデートを行うと自動アップデートが出来なくなるような代物。XPからの乗換えはWindows 7の空気が満ちているのを察してWindows 7が出てから1年後(今の情勢では何時になるか分からない)までXPを提供すると言うのだから、有り難いのやら何やら。

 何処の世の中に2世代も先のOSが定着するまで旧OSを提供(勿論お代は頂くらしい)する会社があるだろう。Appleなど新バージョンが出たその日に前OSが店頭から消える。力不足のPC(本当はOSがバカなだけだが)救済のためとかいっているが、主力になる恐れがあったULCPCを無視して馬鹿力で動かささなければいけないようなOSしか作れない責任をとって、オープンにでもしてただで配るべきじゃないだろうか。

結論:Appleが200億ドルくらいでOSX(それもTiger)をライセンスしてやったらどうだろう。Office(勿論Windows版も含めた全てのOffice)とのバーターでも良い。Microsoftにとったら安い買い物だと思うんだけどな〜。

木曜日, 4月 03, 2008

Vistaのシェアが増えている訳

 じわじわとWindows Vistaのシェアが増えてきている。Microsoftは出来が良いからと言いたいのかも知れないが、単純にXPのマシーンが壊れてしまいVistaがバンドルされているマシーンを購入しているだけに過ぎない。

結論:パッケージ版のXPを買ってダウングレードする位ならMacを買った方が安く付くのだ。

水曜日, 4月 02, 2008

日本にいたら分からないこと

 日本にいたら分からないことの一つに、Appleの活況が上げられるようだ。日本でも銀座のAppleStoreなどを覗く機会のある人ならば実感出来るのだが、昼日中からセールを行っている訳でも無いのに人が群れているのだ(OSや新製品の発売日には未だに長蛇の行列だ。そう言えば、私も仕事中に発売初日のiPod touchを買おうと並んでいたらニュース番組に顔が映ってしまった)。

 アメリカでのAppleのシェアはここのところうなぎ登りで、2月の販売額シェアでは25%(Dellのように通販中心はカウントされていないようだが)に達したようだ。日本の地方では実感出来ないことだろうが、安ければどんなものでも構わないと言うアバウトなアメリカでさえ、Appleの価値がやっと認められ始めているのだ。それも、日本人以上に価格に敏感なアメリカでディスカウント店よりも一切値引きの無いAppleStoreの方が客が多いと言うことは、この人気が本物だと言うことなのである。

結論:日本では(特に田舎では)未だにWindowsが主流かも知れないが世の中は変わってきている。Microsoftの次期OS(Windows 7)が出る頃(何時になるかは分からないが)にはWindowsが、"One of them."になっていると考えるのは私の妄想だろうか。

火曜日, 4月 01, 2008

おもてなしの経営学

 『おもてなしの経営学』という新書が3月にアスキーから出版されるそうである。いつもチェックさせて頂いているblogの作者である中島 聡氏の著書なのだが、UIを媒介としたUE(user experienceは、単純なuser interfaceではない)を、”おもてなし”と定義した上で、何故Appleが勝者になってSONYが敗者になったのかを述べられているのだろうと推測している。

 PCのUIが使い易いのは当たり前(MicrosoftやSONYはまだ解っていないが)であり、UEとはインターフェイスを媒介にしてユーザにより良い経験(使う事が楽しい)をさせる事が出来るかどうかに掛かっている。マシーンやソフトに使われるのがどんなにおかしな事か分からない人間に”おもてなし”など不可能なのだ。

 中島氏の「おもてないしの経営学」に対する賛否両論の、コメントがblog寄せられているようだが、現役のSONYエンジニア(恐らくハードウェア・エンジニア)から、分かっていたし作りたかったのもiPodだったが、上の方の理解が得られず負けたのだと言う趣旨のコメントがあった(要はエンジニアはバカじゃないと言いたいのだ)。そんな人に考えが足りないという良い失敗例をお教えしたい。

失敗例
Jobs追放以前のApple:エンジニア、開発者、研究者が好きなように研究開発を行い、独自路線、オリジナリティを追求し他者の真似が出来なかった。失敗した原因:トップの思想統制が強過ぎた。自分のビジョンだけが正当であり、それを実現するために世の中はあると考えた。ここまで進むとビジョンでは無く盲信。トップダウン型の悪い例。
Jobs復活以前のApple:エンジニア、開発者、研究者が好きなように研究開発を行い、技術の種どころか根幹に関わるOSやチップまで金に飽かせて研究を行ったが、どれも物にならなかった。原因:トップの夢想(無能とも言う)のために、ビジョンを作る会社になろうとした(実はこういう会社にはトップに具体的なビジョンが無いのだ)。典型的なボトムアップ型の悪い例。

 Jobs復活以降のAppleで、何が変わったかと言えば、世の中の最大公約数を商品に置き換えるためにエンジニア、開発者、研究者が開発を行っていることである。現在のAppleは、機能を削ぎ落とすことによって商品をブラッシュアップさせるエコサイクル企業になろうとしている。使い易さを阻害する機能を安易に取り入れることはなく、マニュアルを必要としないインターフェイスから仕様が決められているのだが、そこにはハードウェア優位の考え方はない。

 では、日本の家電メーカーはどうかと見て見れば、松下やSONYなどのメーカーも創業時には、サントリーじゃないが”やってみなはれ”の精神があり、それは顧客とかい離しない技術レベル(今よりは低いのだが、それが悪いのでは無く良かったのだ)だったからこそ、自分の欲しいものが、大衆の求めるものなったのだ。

 松下やSONYも次第に成長し、有名大学を出た能力の高い技術者が中心の大企業になり、更なる技術力強化のために分社化(事業部制)などを推進してきたことによって、顧客よりも社内の競争(要は他の部署よりも先に、多くのヒット商品を作る事)に躍起になり、物づくりにおけるユーザの使い勝手を置いてきぼりにしてしまった(要はオタク度が増して一般大衆との意識のかい離が拡大)のだ。

 消費者をバカにしているくせに消費者の気持ちがわかっているつもりになっている(自分たちが羊飼いだと思っているのだろう)のが現在のエンジニアであり、世の中のニーズを把握出来ないのに経営しているのが現在の経営者なのだ。要はトップにビジョン(トップダウン)がない上に、エンジニアにニーズ把握力(ボトムアップ)が欠けているのだ。こういう会社には優秀な中間管理者がいなければ行けないのだが、SONYは優秀だとスピンアウトしてしまうという落ちまで付く。

 自動車や白物家電を見れば分かるように進化と言うのは、より使い易くなることである。それがやりたくない(自己技術の盲信)と言うのならば民生品など作ってはいけないのである。

結論:エンジニアがハードウェア優位の考え方に立っていたり、経営者が自社の資源を生かす戦略(それもビジョンの一種だが)だけに立って入る限り、本当に消費者に受け入れられる商品など作り出すことは出来ない(まぐれはあるが)。”おもてなしの経営学”を読めば分かるように一番多くの分母の琴線に触れる商品を生み出す近道は、機能では無く感情に訴えかける何かを見つけることなのだ。