日曜日, 6月 08, 2014

WWDC2014を振り返る

一切のハードウェアの発表はなく本来の姿に戻った今回のWWDC。ハードの発表を期待していた人にとってはすっかり肩透かしだったかも知れないが、今後登場するであろうウェアラブルデバイスにとって重要なキーとなるHealthKitとIoTのキーになりうるHomeKit、新しい開発言語Swiftと開発者にとっては盛り沢山なWWDCだった。

ヘルスケアの肝となりそうなHealthに関してはハードよりも重要な事は既に数多くの有名病院が採用に手を上げている事。iOSが正式リリースされるまでに数多くのデバイスがHealthKitを利用したアプリを用意してくる事だろう。その中でも一番の目玉になるのはAppleが発売するであろうiWatch。他の時計型ウェアラブルデバイスが時計型のスマホを狙っている中、Appleは生体センシングのキーデバイスとして出してくる事が確実になった。

HomeKitに関しては白物家電を持っていないAppleが冷蔵庫やエアコンを出してくる事などはあり得ず、各家電メーカーの製品を連携させるためのFrameworkを用意。家電メーカーは自社製の家電同士を連携させるソフトウェアの仕様をライバル企業に公開させずにコントロール可能な環境を得られるのは大きいだろう。こちらに名乗りを上げているのもHealthと同様に欧米の家電メーカーばかり、残念ながら国内メーカーの名前は見られなかった。

もう一つの大きな発表はA7以上のチップを持ったiOSデバイスで専用ゲーム機並みの3Dグラフィックを実現するMetalとそれ以外のデバイスの2D/3D処理を行うSceneKit、2DであればSpriteKitを用意。iOSデバイスをポータブル、据置型ゲーム機の本格的なライバルにする為のツールを揃えてきた。

結論:今回のWWDCはソフトウェアがどれだけ重要かを示す記念すべきものだったのだ。