月曜日, 12月 28, 2015

できることをやったから日本はダメになった

技術に対する知識が少ない人はネットに出ていた情報をもとに「こういうものはできないのか」ということがある。大抵は誰かが手をつけていることなので技術的には可能だが、場合によってはそのこと自体を知らなくて「できない」と答える知識に難ありな技術者(正しくは、そんな奴は技術者とは呼べないが)もいたりするから始末に負えない。そういう時には技術的には可能だがこういう理由でやらないと答える方が良いだろう。もちろんそれを言い出した人間はすごく良いアイデアだと思ったはずなので上手く説明しなければ、言い出した人間の能力の全面否定。それが会社のトップだったらしたら…非常に残念な結果が待っている。

翻って日本の家電メーカーは何をやっていたのだろうか。彼らはできることを全てやろうとしている気がする。挙げ句の果てには全部載せを自慢したりする。あんなものを買うのは物好きだけだと喝破した通りになかったことになっている(機能はあるがもうそれは汚点にしかならない)3Dテレビや、なんでも頑張ればできるけどバッテリーが太刀打ちできないスマホとかできることをやらせることにかけては海外のメーカー以上に必死。はたから見ていたら本当に万人が必要としていることで勝負ができないからお為ごかしに過ぎないのだが大スポンサーである家電メーカーをよいしょする情報が飯の種のマスメディアの言葉を信じて購入したユーザーたちは国産嫌いの予備軍と化す。

結論:できない理由を考える技術者とできることはやって良いと考える技術者。そして技術力に全く疎い経営者。日本の電子産業がダメになったのはそんな連中ばかりだけだったからなのである。

金曜日, 12月 25, 2015

いよいよ本格化する業界再編

不正会計問題でガタガタになり医療という将来ドル箱になるであろう事業を手放さんくてはいけない状況に追い込まれた東芝だけではなく、かつてはNECと覇権を競い合っていたPCや携帯を分社化していつでもなかったことにしようと決意した富士通など良い話の聞こえてこない国内家電メーカーだが、2、3年前まで国内のマスメディアが持ち上げていたSamsungも私の予想通り稼ぎ頭であったスマートフォンが足を引っ張りだし来年度の出荷台数は今年より12%も削減されるらしい。

出荷数は小売などの販売会社への納品数だが恐らく売れ残りが積み上がり発注数が大幅に減ったからだろう。中国内で大幅にシェアを伸ばしたXiaomiも数が出ても利益にならない状況だったのは前から分かっていたことだがスマホではない次の目玉を狙って色々なデバイスに手を出しているのも携帯では生き残れないからなのである。2014年のMWCではOEM、ODM含めて聞いたこともない中国の中小メーカーが大挙してバルセロナに出店していたが今年はすでにそんなおめでたいところは少なくなっていたのは事実。これからスマホは中小メーカーがなんて現実を全然見ていない机上の空論を記事にしているところもあるが儲からないとわかったらすぐに手を引くのが中国人なのだ。

結論:コモディティ化のスピードが異様に速くなってしまったのは、どこの馬の骨でも電化製品が作れるようになってしまったのは同じ部品と同じOSでものが作れるようになってしまったから。どんなに数が出ようが(それさえもう頭打ち)利益が出せない産業に未来はないのである。2016年、日本だけではなく海外のメーカーもAndroid携帯からどんどん手を引くだろう。

木曜日, 12月 24, 2015

2015年を振り返る 〜 Apple以外編 〜

先日はAppleの2015年を振り返ってみたが、Apple以外はどんな一年だったのかもついでに書いておこう。

ウエアラブル全体に大きく影響を与えたのはGoogle Glassの頓挫。物好き相手ではなく一般販売を始めたと思ったら年明け早々の一般販売の中止。一昨年の秋以降鯖江にフレームの発注がなかったので中国での発注に切り替えたのか、それとも売れないのかの判断で、ダメの方にベットしていたのが大当たり。技術的には大胆な挑戦ではあったけど動作時間や加熱、プライバシー問題と出す前から分かっていたことが原因での中止騒動。そのあおりを受けたわけではないだろうがコンシューマ向けウエアラブルはスマートウォッチにシフト。

そのスマートウォッチは活動量計からの発展型とスマホのようにAppleに先を越されるわけにはいかないとどう考えても未完成の状態で販売を開始してしまったSamsungの大失敗と発表だけで実際の製品発売はAppleに遅れを取ることになったその他Android陣営の勝負はあっさりとついてしまい商業的な成功はスマホ同様Appleだけになりそうである。

そんな良い話のないAndroid陣営はスマホの成長も買える人には一通り行き渡ったせいか一気に成長がシュリンク。国内はすでにガタガタだったので携帯を作るメーカーは合従連衡で生き延びようと無駄なあがきをしていたわけだが、雨後の筍子で後から名乗りを上げた中国勢も来年にはバタバタ潰れることだろう。屋台骨であったPCも携帯も完全に不良債権と化し富士通も本体から切り離すことを決定。東芝との統合なんてもうどうでも良い話に。

そんな中、それまで片手間に過ぎなかったMicrosoftが本腰を入れてSurfaceを発売。Surface Pro 4とSurfacebookと一気に発売開始。かなり高価格な製品だけど、それでも買う人がいることが証明された。まあ、熱の問題やビデオ回路に問題があるようでベストモデルの販売開始が伸びたのはご愛嬌か。それにしても、MicrosoftはSurface Pro 4とSurfacebookを別なジャンルと考えているようだが柔らかいキーボードと硬いキーボード以外に何も違いがないのは理解しがたいのだ。

結論:ライセンス元であるMicrosoftが自社製のPCを鳴り物入りで発売開始したりAndroid陣営は利益どころか資産を食いつぶす状態に陥ったり、20世紀型のライセンスビジネスの終焉が明らかとなった一年だったのである。

月曜日, 12月 21, 2015

2015年を振り返る 〜 ハード編 〜

最近はブログの更新も少なくなり気が付けば年が変わっていたりする。そんなわけで今年のAppleの動きをおさらいである。

Apple Watch:ずいぶん前から噂にはなっていたが本当に出るかが定かではなかったApple Watchがついに発売開始。昨年、Appleが正式にアナウンスする前から出るのではと心配していたAndroid陣営は製品の完成度も低いままに取り敢えず先に発表してしまえ、出してしまえと未完成な製品を出しはしたが、誰もの予想通りApple Watchの一人勝ちに。Google Glassの失敗で消えかけたウェアラブル市場がようやく本当にスタートとなる。
iPhone 6s/6s Plus:予想通り昨年の6/6 Plusとデザイン的に大きな変化もない形で登場。3D Touchが搭載されたことよりもA9がA8から大幅に機能アップし、Touch IDも強化されたことの方が両方を持つユーザーにとって嬉しいことだったりする。
Apple Music:Steveが存命ならやらなかったであろう聴き放題サービス開始。日本も同時に始まったのは予想外のことだったが、スタート当初SONY系が全滅だったのは予想どおり。現在は、SONY系も楽曲を提供してるため今後大きく伸びるのかが気になるところ。
Apple TV:趣味の世界であったApple TVも大幅なバージョンアップでようやく本来の力を発揮?テレビ番組のライブ配信がまだスタートできていないがいずれはそちらに流れていくのは既定のこと。Apple TV用のApp Storeもスタート。公開されたアプリの1/3がゲームなのでモバイルゲーム機が影響を受けたのと同じように据え置き型のゲーム機も苦しい立場になるだろう。
MacBook:USB Type-C以外のポートを排除するといういかにもAppleらしい拡張性の無さ(笑)。そのおかげでMacBook Airよりも大きくて綺麗な画面なのに重量は軽いと言う離れ業。問題は初代のAirのように価格が高いこと。
iPad Pro:何年も前から噂だけが先行していた大きなiPadが登場。画面サイズだけで考えたらMacBookシリーズの方が小さいという思い切った構成。A4ドキュメントが実寸で表示可能な唯一のiPad。専用のApple Pencilを使えばこれまでになく快適に使える電子キャンバスとなる。Appleのチャネルはどう売れば良いかが分からないようだが、そんなこととは関係なくプロシューマはこぞって購入。最大の問題はApple Pencilが欲しくても中々入手できないことである。

結論:今年は例年になく様々な新しいカテゴリーのデバイスが登場したのである。

月曜日, 12月 07, 2015

時の流れに身を任せ

1997年初頭のMac World EXPO Bostonで倒産寸前のAppleにMicrosoftから1億5,000万ドルの資金とMac版Officeの継続の約束を取り付けた時。二人が手を握ればPCの100%を押さえられるとSteveが口説いたとされている。その当時はわずか5%しかシェアも金もないAppleがたわけたことをと感じるのが大方の反応だったはずだが未だにわずかなシェアしか持たないAppleはMacから利益を得ているのだからさすがとしか言いようがない。そして、井の中でシェア争いをしていた国内のPCメーカーは既に単独での生き残りが不可能な状況に陥りレノボとの提携で生き残りをかけるNECと三社の提携以外に活路の見いだせない富士通、東芝、VAIOとPanasonicくらいになってしまった。

携帯電話に関しても大失敗になるはずだったAppleだけで業界の利益の95%を独占している状態にあるが、こちらもPCと同じようにOSを他社に頼ってしまったことが最大の敗因なのである。未だに日本やアメリカが特殊でAndroidの世界シェアは7割以上あるといくら叫んでみても利益にならないものは事業として成り立たないのは厳然たる事実。製造原価がいくらかは知らないがウォルマートで10ドルで叩き売られているスマホが山のようにある現状を考えるとこの先、利益を叩き出せるようになるとは到底思えないのである。

国内メーカーはAndroidで大幅に出遅れたため(ガラケーに入れ込みすぎたのだ)、早々と合従連衡が進みあれだけあったメーカーもわずかな数になってしまったが、こちらも大所帯を支えていくような事業とはなり得ないため事業規模を縮小してニッチに徹するか撤退しかありえないだろう。Appleの何倍も出荷している(購入されているかは不明)Samsungさえ、ハイエンド市場ではAppleに締め出され、ローエンドでは中国などのメーカーの追い上げられ既に利益を出すのも四苦八苦の状況になっている。このままのペースで進めば数年で完全な赤字に…

今のAppleがあるのは2007年にiPhoneを発表したからと考える人も多いかもしれないが、そのスタートは、2001年のiPodの発売(当然その以前に開発がスタート)。その後iTunes Music Store(現iTunes Store)がスタートしWindowsユーザーの利用を可能したことで大きく花開いたが、その決済システムのベースはAppleのライバルであったPower Computingのオンラインストア。音楽業界を書き換えたiTunesのエコシステムをそのまま利用可能だったiPhoneはその後拡張する形でApp Storeを展開多くのアプリが既に存在する状態になったところでそれを流用可能なiPadを展開。iPadの発表に合わせてサービスを準備したわけではないので既にエコシステムが存在するところからスタートを切れているのが他社の製品に対するアドバンテージに。

結論:今年のAppleはApple TVまで含めて多くの製品をリリースしたがそのスタートはNeXTがAppleに買収された1996年に起源がある。Appleが強いのは目の前の流れに翻弄されることなく時の流れの中でエコシステムを徐々に作り上げてきたからなのである。目先の利益だけを追っていたらAppleだって他と同じ状況に陥っていたはずなのだ。

金曜日, 12月 04, 2015

まだ、PC続けるんですか?

PCが赤字なだけではんく不正会計で歴代の社長が塀の向こう側に落ちるかと気が気ではない東芝と一時はNECなんか目じゃないと強気だった富士通、そしてSONYから分離されたVAIOがPC事業を統合して仕切り直しをしようとしている。同じCPUを使い同じOSで動くPCを作っていれば待っているのは価格競争以外ないことは当事者以外には分かりきったことだったが(もちろん当事者じゃない人でそれが分からない人もいた)、それを回避しようと国内メーカーは差別化をお題目にそんなものに食いつく人は日本にどれだけいるのですかと聞きたくなるようなどうでも良い差異を競い合い、それでなくても利益の確保が難しいのにモデル数を増やして自らの首を絞めていった。

ハードで儲けられないからなのだろうが無駄な場所とPCの処理速度に悪影響を与えるバンドルソフトの山も国内メーカーのPCの売り上げに悪影響を与えたが、それ以上にWindoowsそのものの印象を悪くするのに大きく寄与したもの事実だ。素人ユーザは何が原因で自分の使っているPCが遅いのかも分からず処理速度が速くなるという胡散臭いユーティリティーまで入れなければいけなかったのは本当に不幸な話であった。

ソフトウェアはアプリケーションのことだと考え様々なサービスを含めたエコシステムがソフトウェアであると考えるAppleに敗れ去ったApple以外のPCメーカーはサービスやエコシステムをMicrosoftやGoogleに握られてしまいハードに余計な手を入れるしか道が残されていなかったのは自らのビジョンがなかったから自業自得。PC業界が失敗を重ねていたのにAndroidで同じ轍を踏んだのだから同情の余地はないのである。

結論:合従連衡しようがWindows PCを作っていたのではバラ色の未来は決してやってはこない。三社を合わせればレノボ・NECよりもシェアが大きくなるなどという意味のない話に踊らされないで完全撤退をするかMacの製造でも請け負う道を探ったら良いのである。

火曜日, 12月 01, 2015

Androidにタブレットはないのか?

あんなもの法人が導入しないのだからそのうち無かったことになると予想していたAndroidタブレット。未だに作っているところはあるのだろうが売れているという話は一向に聞こえてこないが法人で使い物にならないのだから当然と言えば当然のこと。

タブレット型に関してはPCの置き換え需要でWindowsのタブレットが食い込んでくるに決まってると糞のようなRTとWindows 8の頃から大嫌いなMicrosoftを持ち上げていたようにタブレットに関してはヌエのようなSurface Pro 4 vs iPad Pro的な記事は多いが、そこにAndroidタブレットが加わることはまずない。世の中にそんなものは存在しないと書くわけにはいかないので出荷ベースのシェアでは未だにiPad肉薄していると記事はなっているが恐らく社内の閉じられたネットワークの中で特定業務に使われているのが大半なのだろう。インターネット上にその存在感がないということはイントラ上にしかないとしか想像のしようもない。




結論:一般ユーザーが安心してどこででも使えるようなAndroid端末はないのだから仕方がないのである。

月曜日, 11月 30, 2015

iPad ProはPCの代わりになるのか?

Windows PC(Surface Bookを含む)やSurface Pro 4とスペックを比較するというトンチンカンな記事が多いが、どう言うわけかと言うよりも当然の話なのだが何故かAndroidのタブレットとの比較はまずない。

出荷台数ではAndroidタブレットの方がシェアが高いなどと未だに出ているが、スマートフォンと同じでハイエンド市場でiPadと渡り合っているAndroidタブレットなど無きに等しい状況なので比較記事もないのだろうがWindowsベースのニコイチとiPad Proの比較など的外れも甚だしいだろう。

iPad ProはPC(Macは含まない)の代わりではないし、iPadとMacの間を埋める製品でもない(もちろんそういう使い方もできる)。iPadが閲覧と業務システムのフロントエンド端末だとすればiPad Proは単独で何かを作るためのツール。素描などMacでは面倒な作業はiPad Pro + Apple Pencilの方がずっと簡単にこなすことが出来る。簡単な作業であればMacよりもiPadの方が優れているのと同じようにどれか一つで全てを賄おうと言う発想でAppleが製品開発を行っていないことはユーザーなら承知のことである。

Surface Proはジリ貧状態のPC市場をどうにかしなければとMicrosoftがひねり出した製品。同時に法人に対する有効打が出せずにいるAndroid陣営に切り込める絶好のチャンスであることも間違いないがあくまでPCの代替えであってiPad Proとはターゲットの違う製品。TimがMacとiPadをニコイチにする気など更々無いとコメントしていたが全くその通りなのである。

結論:iPad ProはPCの置き換えではなくPCではうまくできないことをこなすためのデバイスでありPCの方が適している業務を行うものでは無い。その辺が分からない人は黙ってSurface Proでも使えば良いのだ。

金曜日, 10月 30, 2015

Appleはテレビを再発明するか?

初代から長い間、趣味のレベルとApple自身が言っていたApple TVも第4世代となりようやく本来の姿となった。亡くなる直前にSteveがテレビの新しい方法がついに見つかったと語っていたことからもっと早く今の形 で登場するのではないかと私も妄想していたが形になるのに4年の月日が必要だったわけだ。

中にはAppleがSTBではなくテレビを作る のではないかと言うレベルの低い噂(そんなもの何千万台も売れるものではない)も長い間流れていたが、Apple TVは自身がディスプレイを持つことなくIoT時代に相応しいスマートデバイスとして登場してしてきた。もちろんAmazonのfireシリーズや Android TVもすでに登場して同じ方向を目指しているので、そう簡単にAppleが一人勝ちとはならないだろうがAmazonは自社のコンテンツを購入してもらう デバイスである弱点を持ち、Android TVの方は色んなところが作っているのでそのうちAndroid携帯のようにぐちゃぐちゃになる恐れが…さすがにそれはないか

iPhone アプリがあったおかげでiPadがAndroidタブレットに対して大きなアドバンテージを持てたように、iOSアプリがそのまま動く仕様にはしなかった ためデビューと同時に山のようにアプリが存在するわけではないがストリーミング系のサービスのアプリはすぐに登場するだろうし、ゲーム系もどんどん出てく るだろう。一番家庭に入りやすいのがゲームだが、当然そこで終わらせるデバイスではない。

初期の失敗に終わったスマートテレビの多くは Webブラウジングのためのブラウザーを持っていたが、その理由はブラウザーは皆で見て楽しむようなものではなかったから。だからAppleは初代の Apple TVの時から一切のWebブラウザーを搭載していなかった。要はGoogle検索などもってのほかだったわけだ。恐らくApple TV用にWebブラウザを開発しても今後も全てリジェクトされるに違いない。

結論:元々テレビはリビングにあって家族の団 欒の中心となるデバイスであった。番組自体が魅力を失ってしまったのが一番の原因なのだがテレビはかつてのラジオのようにすっかりながらデバイスに成り下 がってしまった。Apple TV用に用意されているアプリの中にAirbnbやファッション購入のアプリが存在するがそれは家族みんなで宿選びや洋服選びをするインターフェイスに なっている。家族みんなで何かを選ぶときにタブレットやスマホの画面を覗き込むのは適していない。今までのテレビは情報を一方的に押し付けるの目的だった (だからどんどん見なくなってしまったのだ)が、これからは家族みんなで何かをするため(ゲームの場合もあるし、物選びもある)のデバイスに変わる。その キーデバイスがApple TVなのである。恐らくテレビを再発明してくれることだろう。

火曜日, 10月 27, 2015

Appleはなぜ儲かるのか

台数ではAppleを凌駕するSamsungでさえ利益を出すのに四苦八苦でそれ以外のAndroid陣営に至ってはどれだけ赤字を小さくできるかをひねり出すのが精一杯のスマートフォン市場で一人大きな利益を上げ続けているApple。中国が怪しくなって世界的に経済がどうなるか怪しい雲行きなのでAppleも危ないと言われているが現状を見る限りAppleが危ないのであればそれ以外のメーカーはAppleよりも先に潰れてしまうだろうからこれはAppleの問題ではないのである。

一時は中国で販売数一位だったXiaomiもHuaweiにやられているようでここまで栄枯盛衰のスパンが短くなってしまったようだが、利益は度外視して販売数量を伸ばす戦略では早晩立ち行かなくなることは分かりきったことである。Appleを圧倒していたはずのAndroid全体も頭打ちになり始め共食いだけではなくAppleに侵食される始末。このままのペースでいけば携帯業界の総利益に対してAppleは100%を超えAndroid陣営の総合計はマイナスをつけるかもしれない。

Appleだって未来永劫を利益を上げ続けるなどとは考えてはいないが少なくともAndroidとはまったく違うビジネスモデルが通用する市場で利益を叩き出しているのは間違いない。Appleが利益を上げることが出来ている第一の理由は同じOSで動く端末が存在しないこと。これによって機能競争や価格競争に巻き込まれずに済んでいることと販売価格のコントロールが上手くいっているため新製品が出るその時まで製品の値崩れが発生しないことが大きい。

なんでそんなことが可能かと言われれば下代が上代の95%近くだからなのだがそんな横暴な卸値でも仕入れなければならないほどの需要が見込めるからでもある。Appleの利益が高い理由を箇条書きにしてみる。

・粗利益率が高い(前述の下代)
・固定費が小さい(少ないモデル数で大量に販売)
・顧客離れを防ぐエコシステムがある

結論:本当に売れる商品を持っていれば販売店に良い条件を出す必要がないからAppleは儲かるのである。

SONY、Appleの軍門に下る?

こんな書き方をするとSONYのファンからは罵詈雑言のコメントが多数入るかもしれないが予想よりも早くApple Musicに対してSONYが楽曲を提供し始めたことに多少驚いている。全方位で楽曲提供しているAVEXとは違いSONYは提携先であるLINE MUSICに楽曲を提供していたがユーザが使ってくれていたのは無料でサービスが受けられた最初の1ヶ月だけ。8月10日に有料がスタートすると Twitter上で「ケチ」、「何様のつもり」と言われのない誹謗中傷を書かれる始末。元々、有料のサービスなので文句を言う方が間違っているのだがター ゲット層は10代から20代の音楽にお金を使う気のない若年層にしていたのだから当然の結果なのかもしれない。

対するAppleが国内で 大成功しているかと言われればそんなことはないが、その一番の理由は日本国内はレンタルCD屋が多く明らかにダウンロードよりも安く曲を手に入れられる流 通経路が存在するから。それに目をつぶっていながらCDが売れないなどと文句を言うのだから日本のレコード業界は本当におめでたい話だ。最近は再びアナロ グ盤に光が当たり始めたので物理的なディスクはそちらにシフトさせデジタルはストリーミングかダウロードに絞らなければいけないだろう。

さ て、最初の話に戻ろう。Apple Musicのベースはダウンロード販売で実績のあるiTunes Store。iTunesから曲を購入している顧客は音楽に対するロイヤリティの高いユーザ層でどんなに色眼鏡で見ようがLineの無料サービスに嬉々と している連中より有料サービスに移行する比率は圧倒的に高い。SONYがAppleに楽曲を提供し始めたことを受けLINE MUSICの方がApple Musicに比べ圧倒的に弱い洋楽の配信に動くようだがそこに掛けた費用を回収することは恐らく無理だろう。

結論:私は 今でも大嫌いだがサブスクリプション型のストリーミングサービスを成功させたかったらロイヤリティの高いユーザ層が一番多いところに楽曲を提供するのは当 然の事。思いの外早かったSONYの楽曲提供。今回は賢明な判断をしたようである。最初から結果が分かっていることなのに何でLINE MUSICと提携したのかは疑問である。

金曜日, 9月 18, 2015

サイレントマジョリティーの声を聞け

エンドユーザの本当のニーズではなくライバル企業の顔色と市場調査という誰もが必要とはしていない機能を盛り込むことでメーカーは販売数を伸ばそうと必死である。売上を上げなければいけないのは私も同じだが、そのアプローチの仕方は私たちは他社とは全く逆のベクトルを向いている。

誰もが必要とする機能と書くと難しいように感じるかもしれないが、電話と名乗るなら電話が掛けられなければいけないという低レベルの話。テレビという限りはテレビ放送が映らなければならない。でも、そんなことは当たり前なのでそこで他社に差をつけるなど不可能な話。そこでメーカーが考えることは10人の別々な人たちが欲しがる機能を10個付ければ100人に売れるだろうという算術計算。そんな単純じゃないぞと反論もありそうだが実際のところ実態はまさにそうなのだ。

大体、メーカーが陥る過ちは敵に回したくないヘビーユーザの意見をマジョリティーだと決めつけてその人たちを満足させられれば他の人にも響くと考えることである。確かに彼らを敵に回してネット上でどんな罵詈雑言が乱れ飛ぶかを楽しみたいなどと言う根性の据わった人間などいないだろうが、そこにこだわり過ぎてしまうとその機能を必要としていないサイレントマジョリティーは静かに離れていってしまう。それが日本のメーカーが不振に陥っている最大の原因なのである。

ネットで大声をあげる人と言うのは往々にして少数派の場合が多い。何故なら大勢側の人間は大きな声を上げる必要などないからだ。話を元に戻そう。どんなにすごい人であっても人が考えつくことなどそんなに大きな差など生まれはしない。だから他社に差をつけようとすればするほど特徴のないものになってしまう。同じ土俵の上に乗っている限りは他と全く違うことなど到底不可能。そんな状態でも利益が出せるのであればやる意味はあるかもしれないがそんなものは20世紀で終わってしまったという現実を見れば…実際には見たくないのだ。

結論:メーカーはものを作ることが商売なので当然ハードにばかり目がいく。そして機能の差はハードでしか実現しないと思い込んでいる。ユーザのサイレントマジョリティーが望んでいるのは買ってきたその日だけ試してみる機能ではなく使いやすさだというのに。

大いなる誤解を正す

Appleの筐体の変更は基本的に2年に一回。ナンバーが新しくなる時に見た目が大きく変わるため「s付き」は表面上は大きな変化がないためマイナーバージョンアップ扱いで大したことがないというのが大方の反応。挙げ句の果てには高城さんのように本人の方が終わっているのにAppleのイノベーションは終わったなどとのたまう人まで出てくる始末だ。Appleの情報を常にトレースしている私のような信者が特別なのだと言われればその通りなのだが、過去のモデルの違いを見てみれば自ずと「s」が言われているようなマイナーバージョンアップではないことが明らかになるのである。

検証
4s:4sはAppleが設計開発を行った初めてのSoCであるA5を搭載。初めてのデュアルコアでグラフィック性能は7倍に。UIとしてはSiriを初めて搭載
5s:5sは初めて64ビットチップを搭載。指紋認証システムTouch IDが搭載された初めての端末。初めてのモーションコプロセッサーM7を搭載。バーストモードやスローモーションビデオが可能に。
6s:6sは初めて3D TouchとTaptic Engineが搭載されUIが新しい次元に。A9にはモーションコプロセッサーM9を初めて組み込み。Siriもスリープ時も含めて常時利用可能に。

結論:メジャーナンバーは筐体の大幅なモデルチェンジ、sはUIや内部構造の大幅なモデルチェンジを担っているのである。「s」はマイナーバージョンアップというのは大いなる誤解なのだ。

火曜日, 9月 15, 2015

イノベーティブだったAppleの発表会

度肝を抜くようなハードウェアが登場しなかったので期待はずれだったと感じている人も多いかもしれない今回のAppleの発表会。確かに発表されたハードウェアそのものは事前予想通りになると持っていたので私も午前2時起きてライブでキーノートを見ようとは最初から考えてはいなかったが、Appleの動きをよく知っている人たち(私のような信者と勘違いされてる)は今回の発表を高く評価している。見た目上マイナーバージョンアップに思われるiPhoneなどはその典型でメインのチップ、カメラ、3D Touchと見た目とは違う大幅なアップデートがなされた。s付きモデルはマイナーバージョンアップと世間では考えられているようだが実はこちらが完成形で、sなしの方は筐体のモデルチェンジの色合いが強いのだ。

今回のメインの話から逸れてしまった。今回のAppleの発表で一番重要だったことはハードウェアの進化よりも新しいユーザーインターフェイスを複数発表してきたことである。一つは、Steveがあれだけクソだと言っていたスタイラスペンをiPad Pro用に出してきたことだ。Steveの発言をそのまま受け取るしかできない人はクックが、またSteveの否定していたものを他社に追随して出してきたと考えているようだが、iPhoneやMacBook Airを出してきた時にタブレットなどクソだと言いながらiPadを出してきたのと同じようにスタイラスペンに関してAppleは10年以上前から研究を続けていたのは間違いない。

まずは、iPad Proのオプションとして発表されたApple Pencil。iPad Pro専用になった理由は、Proのスクリーン内にペンの位置情報を正確に取るセンサーが入っているからだろう。レイテンシは数ミリ秒なのでほぼ同時に描画される上に、内蔵されているセンサーによって筆圧だけではなく傾きに応じて描画のタッチを自由に行えることは今までのスタイラスペンを凌駕するものだろう。

次はiPhoneの3D Touchだ。すでに幾つかのメーカーが3Dタッチセンサーを組み込んだスマホを出しているようだがベースとなるAndroidはOSレベルで3Dタッチセンサーをサポートしているわけではないのでその恩恵は限られる。もちろんiPhone 6sもアプリで対応されていなければPeek&Popなどの機能は使えないだろうがAppleが標準のUIとして3D Touchを用意したので今後は標準の機能となっていくだろう。そして、押し込みをTaptic engineを使ってフィードバックしてくれるので操作感はかなり向上するはずである。

最後はApple TVのコントローラに搭載されたRemote Siri。単語レベルでしか命令ができない音声コントローラが多いなか、自然な会話でコントロールが可能になるのは大きな前進だ。何秒戻せではなく「今の所よく聞こえなかった」で自動で数秒戻り字幕まで表示するのは多分にデモンストレーション用の気はするが、メタ情報をきっちりと登録していれば様々な方法でコンテンツ選びが可能になるのは大きなメリットだ。

結論:文字入力するには操作ボタンの少ないApple TVの操作は音声で、画面を指だけで操作する方が使い易いiPhoneには3D Touch、そして大きな画面を持つiPad Proには高性能なApple Pencil。今回の発表でAppleは他社が追随してくるであろう次世代のユーザーインタフェースを3つも登場させた。これは間違いなくUIのインベーションなのである。

木曜日, 8月 27, 2015

9月9日に何が発表されるのか

9/9にモスコーンセンターよりも大きなBill Graham Civic Auditoriumで開催されるともっぱらの噂だったAppleの製品発表会。会場の借主はどうやら本当にAppleらしいが7,000人も収容可能な会場で何を発表するのだろう。iPhone 6sは9/11から予約開始で9/18から発売開始らしいのでその発表があるのは間違いなさそうだが、同時に新しいApple TVが発表されるのもほぼ間違い無いだろう。

発表されるもの
iPhone:A9チップを搭載し1,200万画素のバックカメラにアップグレードされForce Touchが内蔵されたiPhone 6とiPhone 6s Plusが発表される。デフュージョン版のiPhone 6cは本当に出るとしても今回の発表には含まれない。(確度:99%)
Apple TV:年が明けるまでテレビ放送のストリーミングサービスは始まらないようだが、今回のApple TVはチップもA8となりストレージ容量も大幅にアップ(32G?)され、iOSのアプリがインストール可能に。新しいリモコンも噂されているが同時にゲーム用のコントローラーも発表されるのではないだろうか。iPhoneなどもコントローラーとして使えるが物理ボタンの少ないiPhoneなどではゲームコントローラーとしては力不足なのだ。iOSのアプリが本当に動くとなるとBLEで接続可能なキーボードなども出てくるかもしれない(確度:90%)
Apple Watchアプリ:発表と同時にリリースされるかは分からないが間も無くGMとなるwatchOS 2.0とスタンドアローンで動作するアプリが発表されるだろう。画面が小さいのでブラウザーなどの表示系ではなく今まで公開されていなかった心拍センサーにアクセスしてデータを利用するアプリなどが発表されるのではないだろうか(確度:90%)
iOS 9:すでに出ることは分かっている(確度:100%)
El Capitan:これも当然(確度:100%)
HomeKit製品:7年も前からキットはあるのに対した製品は登場していない。(確度:50%)
Apple Car:周りの交通が遮断されるので車が発表されるのではという夢のお話もあるようだが、私はそんなものは出ないと考えている(確度:99%)

結論:広い会場なので様々なジャンルに渡る発表がありそうである。でも、まだ招待状が届いたという噂はない。

火曜日, 8月 25, 2015

実装できないものは

最近は素晴らしいアイデア(皮肉だ)で企画される製品が増えてきている。クラウドファンディングが当たり前になったためPVと小洒落たWebだけでハードウェアを作ったことのない人でも夢のような(本当に夢にすぎない)製品を作るための資金を集めることができるのだからなんと良い時代になったのだろう。企画した人たちは資金が集められればどんなことでも可能なのではないかと思っているからどう考えても無理筋の製品でもファンディングにかけてしまう。結果的にどんどんいつまでたっても実行されない案件が増え、さすがに目が肥えてきたのか(何度も騙された?)ファンディングが失敗するものが増えてきた。

結論:大メーカーも半透明のスマホ(どう考えても処理系はディスプレイ台の中にある)など実装不可能なコンセプトモデルを平気で発表したりするのでスタートアップばかりを批判できないが、はっきりしているのは実装できないものは作れないという事実。技術も部品も存在しないものは作れないのだ。

金曜日, 7月 31, 2015

iOS 9の次は…

iOSは開発者用の9のβ版を使っている。ゲームプログラミングなどしたことはないが正式にOS XもMetalが使えるようになりこのままMacでもiOSのゲームが動きそうだと猛暑の影響で妄想している日々だが皆さんはどうお過ごしなのだろう。

すっかり枯れたObjective-Cとは違いXcodeのバージョンが上がるたびにお作法が微妙に変わっていくSwiftにはしばらく手を出さずに外野から眺めていようと考えているがいずれはSwiftでしか新しい開発ができなることが火を見るよりも明らかなので若い衆は日々鍛錬あるのみなのだ。

と、随分と長い前振りだったが今までに作っていたアプリが動かないと大騒ぎになったiOS 7や8とは違い今回は64ビットに対応しなくてはいけないと言う実に地味なお願いだけで住んでいるがこれはどう考えても次に大きな変化が起こるからだと考えているのは私だけだろうか。

今までの流れからすればiOSもOS Xも一年に一度のメジャーバージョンアップとなっているので、来年にはiOSもついに10となるわけだが、どこかで聞いた響き。ローマ数字ならばXとなる。そう、いきなりiOSもローマ数字に変わればOS Xが「OS XI」になったりしない限り「iOS X」と「OS X」の違いは「i」が付いているかいないかだけに。

いずれAppleもどこかでOSを一つにしてくるのではないかというのが私のかねてからの妄想だったが、MacでもForce Touchが当たり前となりTouchUIのFrameworkが準備されればOSの壁を超えてMacでも正しく動作するiOSアプリを作ることが可能に…

結論:ただの妄想である。

水曜日, 7月 01, 2015

やっぱりのApple MUSIC

私の大嫌いなサブスクリプションサービスにAppleもついに手を出したわけだが、心配された日本のサービスインはいずれと言うこともなくあっけなく日本でも楽しむことができるようになった。その品揃えは邦楽に限ってはiTunes Storeで既にダウンロード可能になっているアーティストもほぼ壊滅状態。

権利関係のスッキリしていないアーティストはすべてスルーのスタートになったようである。待っていて遅くなるよりは始めてしまってその評判で雪崩を打って泣きついてくる作戦にしたのか、単純にレーベルが出ししぶっているのか。

まあ、洋楽に関してはSONY/BMGも山のように楽曲が提供されているのに邦楽はおそらく全滅。SONY系やRCA、RVCなど旧ビクター系のアーティストばかりだった私はiPhoneに全てを入れていないアルバムの補完用にと考えた場合糞の足しにもならない充実度なのだ。

現状、こんなザマになっているのはMusic Unlimitedを打ち切ってApple MUSICサービスイン前にLINEと始めたLINE MUSICを早期撤退させないための施策なのだろうが、あまりにも明らさまに曲を提供しないのは如何なものかと。私のようにサブスクリプション嫌いが唯一財布の紐を開きそうなApple MUSICだが、曲さえ揃えてくれていれば殆どが流れるはずのSONY/BMGに一銭も…EMIやワーナーや分け隔てなくどこにでも楽曲を提供するAVEXを見習った方が良いのでは。

今の若い子が洋楽をどれくらい聴くのかは定かではないが、我々世代に取って青春時代にLPで聴いたであろう洋楽アルバムの殆どをカバーしていそうなApple MUSICに比べ他のサービスは圧倒的に楽曲数で見劣りするのだ。

結論:Apple MUSICを利用するかどうかは定かではないがSONYの大人気のない対応だけが定かとなったApple MUSICのスタートだったのである。

水曜日, 6月 10, 2015

Appleが先行していることを示したWWDC

ハードとOSの両方を持っているAppleはハード先行、ソフト先行とその時に応じてどちらを先に出すかを自由にコントロールが出来ます。Steveが復帰した当時はまだOS Xは存在せず他社のPCと代わり映えのしない事務機的なMacしか存在しませんでした。そこで打ち出したのは家電のように家庭内で使われるPCとしてiMac。Macはデジタルハブなのだと打ち出して家庭に向けてリリースした訳です(ハード先行)

未だ、レガシーなMac OS出しか動かない製品しかない段階でOS Xをリリース。クラシックモードを設けることで古いMacでも動作させる形でハードもソフトも揃っていないOS Xへの移行完了までの時間稼ぎを行いました(ソフト先行)

デジタルハブと謳いながらデジタルビデオくらいしかまともにMacと連携が取れるデバイスが存在しない時に登場させてiPod。CDをリッピングして全てをポケットの中にと宣言してデジタル・ミュージック・プレイヤーを利リス。発売開始当時はApple信者のアーリーアダプターくらいしかサイフの紐を開く人はいず大成功とは言えない状況(ハード先行)

価格も高かったため大して数の出ていない状況を逆手にとってiTunes Music Storeを開始。Windows版のiTunesを用意したことでそれまでとは打って変わって他のミュージックプレイヤーを駆逐することに。僅かな手間で音楽を買うことが出来るプラットフォームを用意したことで音楽業界の構造を変革させました(ソフト先行)

Intelチップ搭載のMacが存在しない状態でIntel版のOS Xを発表。ソフトもハードも対応するものが無い状態にも関わらずPowerPCに未来はないと判断して準備(ソフト先行)

アプリの入れ替えも出来ず通信速度も2Gしかない状態でiPhoneをリリース。スマートフォンのインターフェイスはどうあるべきかを示す意味合いの方が強かった(ハード先行)

大した数が売れなかった初代を僅かな期間でアップデートさせ同時にiTunes Music StoreをベースにしたApp Storeを準備。既にスマートフォンの中では一番多くの台数となっていたiPhone市場に向けて多くのサードパーティが名乗りをあげ一気にiTunesがエコシステムとなる(ソフト先行)

既に存在するiPhone用アプリがそのまま使えると言うアドバンテージを有効に活かしてiPadをリリース。スマートフォン用しか存在しないのに画面サイズがまちまちのためまともに使えるアプリがないAndroidタブレットにとどめを刺すことに(ハード先行)

Androidベースの全然売れないスマートウォッチ(OSが時計サイズ用のインターフェイスではないのだから当然)で苦戦している中、満を持して発売が開始されたApple Watch。Androidのスマートウォッチとどこが違うのよと書かれているけど既にインターフェイスが段違いで使い易いとの評価の方が多い(ハード先行)

今回のWWDCのKeynoteスピーチで発表されたのは3つのOSとApple Music。3つのOSがiCloudを核にシームレスにそれぞれを補完し合うエコシステムが秋に登場することを宣言。細かな開発キットには触れずハードの発表もなしのため全く驚きの無いWWDCだと勘違いしている人もいるけどAppleが現在の技術で出来る最高の環境が整ったことを明らかにした開発者にとっては重要なWWDC。発売後僅か一月半しか経過していないApple Watchが秋になればAndroid Wearとは別次元になることが明らかになったし、今回の各セッションで次に出てくるApple TVなどのハードウェアやサービスのための準備が整えられた(ソフト先行)

結論:ハードとソフトの両方を自社で開発しているからこそ、自分たちが計画した通りに製品とサービスが提供可能。だからこそハードとソフトウェアの開発に他のどこよりも十分な時間を掛けることが出来るためにユーザーインターフェイスの作り込みは追随を許さない。新製品に新しいOSを搭載可能なことと旧モデルに最新のOSをインストール可能なことは他が真似することが出来ない圧倒的なアドバンテージなのである。AndroidユーザやWindowsユーザには理解出来ないだろうけど。

月曜日, 6月 08, 2015

Androidはそろそろどうにかならないのか?

ウェアラブルデバイスの端くれを販売しなくてはならない立場に立たされて実感するのはAndroidという確たる実態のない製品群に対応しなければいけないジレンマ。

Androidユーザーはまるで自分の使っている端末がデファクトだと考えているようだがiOS端末とは違い正直な話、間違いなくOSのアップデートがリリースされるNexus以外はその他大勢に過ぎないのである。

Androidのシェアが9割近くあるのだからサポートするのは当然と青筋を立てる人がいるが、OSレベルとハードの両方で完全にサポートされている製品は未だにシェアの主流派ではない。事情を分かった上で文句を言っている人もいるがBluetoothとBluetooth LEの違いも分からずサポートをしないことに不満を持っている人も多いだろう。Bluetooth LEの仕様公開はBluetooth 4.0からだから大分以前なのだがAppleはiPhone 4sから対応していたのでかれこれ4年になるがAndroidでまともに対応し始めたのはつい最近。OSレベルで完全準拠になったのはAndroid 4.x以降。勿論、ハード側もBluetooth 4.0していなければBLEでは使えない端末だ。

それ以前のBluetoothは、Classic Bluetoothと呼ばれ予め定義されたプロファイルで接続を規定されている規格で言わばケーブルをなくした接続方法に過ぎずイヤフォンやマウス、プリンターの接続方法はあったが自由に接続出来るデバイスの種類は限られていた。そして常に通信しっ放しのため消費電力も大きくモバイルデバイスで使うような規格ではなかったのだ。

と言う訳で我々が製品開発を開始した当時BLEを選択すれば、自ずと開発対象はiOSデバイスしか考えられなかったのである。いくら文句を言われたって4,000種類もあると言われるAndroid端末で検証作業など現実的ではないと分かってもらえるだろう。

結論:漸くAndroidも4.3以降が半数となってきたその中でBLE4.0準拠の端末がどれくらいあるのかは定かではないが今後はAndroid用のアプリも準備する段階になったようである。それでもメインターゲットがiOSであることは間違いないのだが。

Appleの深遠なビジネスモデル

通常は売れなくなったらすぐにモデルチェンジをして中身には大して違いのない新製品を投入がメーカーの鉄則。最近はさすがに余裕がなくなって四半期ごとに山のようなどうでも良い製品を出すところは減ってきたが(Samsungはまだ余裕があるのか知らないがすぐに新製品を投入するw)、それでも半期ごとに中身はさした違いがない前のモデルとは似ても似つかない新製品を投入する。

前のモデルは性能差はほとんど無いのに僅か数か月でタダ同然になるのだから消費者は新製品に飛びつくことはなく、当然メーカーは取らぬ狸となってしまい業績が上向くことなど無い。それが現在のスマホやタブレット市場なのである。

そんな中唯一莫大な利益を上げているのがApple。筐体デザインは基本的に2年間大きな変更を行わない(同じ金型を使っているので製造原価が安く出来ると勘違いする人もいるが金型など使わず一つ一つ切削で作っているのでコスト削減のためではない)。

Appleが2年間大きなモデルチェンジをしない一番の理由は次の買い替えの時に間違いなくApple製品を購入して貰うため。日本のキャリアは二年縛りだが、これはアメリカも基本的に同じ。だからこそアメリカや日本ではiPhoneが圧倒的に売れているのだ。

では何故Appleは2年間筐体のデザインを変えないのだろうか。Appleは新製品が登場するその日迄殆ど価格は変わらない(他の製品のように数か月で投げ売りなど起こらない)。もうすぐ新製品が出る頃に買った人に取っては目も当てられない状況だがフルモデルの時期でなければ見た目で旧モデルを買ったとは分からない。2年間使い続けるとしたら次は間違いなくフルモデルチェンジがリリースされている。

結論:他のメーカーはユーザが自分の使っているモデルが型落ちになる残念感をもっと真剣に考えるべき。四半期の売り上げしか考えていないから次に送って選んでもらえないのである。

木曜日, 6月 04, 2015

インターフェイスデザインは意匠ではなく科学

Appleの製品は、一般にデザインが優れていると言われている。口(実際には頭)の悪い連中は、スペック的に他社に負けているApple製品が売れるのは格好が良いだけだなどと言っているようだが、それは未だにデザインを意匠の世界と勘違いしているからである。

AppleはMacintoshデビュー前からユーザインターフェイスのガイドラインを設けていたが、これはデザインを規定したかったからではなくユーザインターフェイスを統一させたかったからである。当然起こり得るヒューマンエラーを最小限にするためにインターフェイスでカバーする。そこには自ずと厳格なルールが必要となる。そのためにインターフェイス設計にはデザインだけではなく認知科学(認知心理学だけではない)の知見も含まれていた。

CADなどで使われるUNIXマシーンで使われるマウスボタンは3つが当たり前だったのにMacintoshでは一つにしたのも押し間違いを発生させないためだったし、正確にポイントするためのマウスのポインティングポイントやダブルクリックの速度の遊び(設定情報との許容誤差)に他のシステムよりも大きな幅を持たせたのもヒューマンエラーを減らすためだった。単に正確に動くだけだと目的のポイントを上手くクリックすることが出来ず操作することがストレスを増やすだけの道具になってしまう。それが結果的にユーザにやさしくないデバイスと思われてしまう原因なのである。

最近も液晶のエッジを曲げてスペックでは伝わらないところにこだわった製品を開発したところがあったがそのためにお金を余分に出して求める人はいなかったようで発売開始後一月も経たずに値引きせざるを得なくなったようだ。Appleの製品に奇をてらったデザインがないのはそんなことをすれば使い辛くなるからなのだが他社はAppleのデザインをパクるかどうしてそんなことしちゃうのよが多く、それも一代限りで終わってしまいUI/UXも全く統一感を置き去りに…

結論:Apple製品は見た目だけではなく使い心地も含めて製品をデザインしている。それは使った時にユーザがどう感じるかが一番重要なことを分かっているからなのである。

木曜日, 5月 28, 2015

Apple TVはHomeKitのハブ?

WWDCでは予想通りApple Watchのネーティブアプリ開発が可能になるSDKを公開予定だと事前にコメントが出たようだが、同じようにIoTのキーデバイスとなるApple TV用のTVKitも公開されるだろう。

スマートテレビを未だにGoogle検索やWebサイトの閲覧の道具と捉えているところもあるようだが、今どきIT機器が一切ないことの方が少ないのだからそんなものなくっても構わないどうでも良い機能。だからこそ今までAppleはそんな機能をApple TVに搭載するようなバカなことはしてこなかった。

何年も大きな変更のなかったApple TVもいよいよ新製品が出るとの噂であるが、キーになるのはTVKitと呼ばれるもの。Apple TVで動くOSもiOSとなり今まで一般の開発者にもブラックボックスであったApple TV上にApp Storeが用意され自分の好きなアプリを加えることが出来るようになるだろう。

一番目立つ部分はゲームアプリや新たなストリーミングサービスだが、実際に重要な意味を持ってくるのはApple TVがHomeKitでコントロール可能になる家電製品のハブになることだろう。今までのスマート家電はネットワーク越しで操作可能と言ってもそれぞれ単独でコントロールするアプリに頼る必要があったし、そのための標準となるデジタルデバイスはなかったに等しい(スマホがリモコンとなっていたかも知れないが、あくまでスマートなリモコンレベル)状態だった。

そんな中で登場するApple TVにHomeKitをベースとしたコントロールアプリがインストール可能になればテレビの画面から設定を選ぶだけで家の中にあるスマート家電を自在にコントロール可能になるだろう。

結論:家の中にあり常に通電されていてワイヤレスでネットワークに接続可能なデバイスが家庭内のIoTのキーになるのである。

月曜日, 5月 25, 2015

なぜAndroidだったのか?

Windowsが日本では広まらなかったのはライセンス料の問題よりもあまりにもWindows CEの出来が悪くてガラケーから乗り換えるわけにいかなかったから。そして、方向性が定まらずWindows Mobileの登場が遅れた事。各メーカーAndroidへと流れたのはAndroidしか選択肢がなかっただけの話である。ライセンスフリー、自由に変更して良いと言う悪魔の囁きもiOS端末に対向出来るOSを自力で作る能力の無かったメーカーにとってさぞや心地よかっただろう。渡りに船というよりもその時には他に船がなかったのだが、ありあれよあれよと言う間に(日本は別で一周以上遅れた)梅雨時のカビのように…クソ端末が溢れる結果になってしまった。

国内だけに目を向ければ更なる糞の集まりだったわけだが、フィーチャーフォンに勝てる筈がないと高を括っていたiPhoneがスマートフォンの代名詞となりはじめた時に評判の良くなかったKCP+をばっさり切り捨てたauがAndroidに名乗りを上げたところ皆で渡れば怖くないと製品の作り込みもそこそこに取り敢えず出してしまったAndroid元年。SoftBank以外はiPhoneを取り扱っていなかったのだから詐欺まがいの販売攻勢で…

その揚げ句にOSのアップデートさえままならない変な手の入ったOS的には世代遅れの製品ばかりを出してしまい結果的に一通り出たところで全キャリアがiPhoneを販売出来るようになった途端にお先真っ暗に。

結論:皆で渡れば怖くはないが生き残れる保証はどこにもないことを実証したのである。

Android Wearに必要なもの

Appleの発表を受けApple Watchが登場する前に出さなければとAndroid陣営では専用のOSが準備される前から発売が開始されたスマートウォッチ。Samsungのように出したは良いが数時間しか持たないからとボロクソに叩かれ出たそばから直ぐに次のモデルを出さざるを得なくなるようなところも現れ、結果的に全ての出荷数を足してもApple Watchの初日の予約数に負ける結果に。Apple Watch発表以前から製品を出しているSONYなども既に数代を重ねているがGoogle離れを模索するSamsungなどはAndroid Wearだから売れないと思い違いをしたのか今はスマホ用としては見放されたTizen版も出す始末だ。

さて、話を戻そう。Android Wearを普及させるために必要なことは使用するOSだけではなくハードウェアの仕様も厳密にコントロールすることである。それでは自由が謳い文句のAndroid文化が死んでしまうと嘆く人がいるかもしれないが、そのせいでどれだけ多くの一般ユーザが酷い目に遭ってきたかをまず考えてもらいたい。

ハード仕様をメーカーに任せたこととメーカーのハード開発に要する時間を無視したOSのバージョンアップが招いたのがAndroidのフラグメンテーション。玉数が出せず相手にされなかった国内のメーカーなど製品を出した段階で既に次期OSがリリースされるのも日常茶飯事。バージョンアップなどはなから考えていないから平気で半年も経てば周回遅れバージョン対応の新製品おリリース。これくらいユーザをバカにしたことはないのだがスマートウォッチも使い勝手を無視してスクリーンを丸くする始末。どう考えても製品の価値を下げてコモディティ化を加速させたのはGoogleとハードウェアメーカーなのである。

Androidは限りなく縛りを少なくして敷居を低くしたためにあっという間に多くのベンダーが名乗りを上げAppleを駆逐する勢いで製品の出荷数は伸びてきたが同じOSの範疇に括られながら各メーカーごとで微妙な差違があるために継続してAndroidを使い続けるメリットを十分に醸成出来なかったのは間違いのない事実。製造メーカーは違えどNexusシリーズのようにGoogleが仕様を決めて作られた端末以外でどれだけAndroid端末を使い続ける恩恵に浴することが出来たか

Android Wearを成功させるために必要なもの
その1:ハードウェア仕様の厳格なコントロール
その2:アプリストアの厳格なコントロール
その3:旧モデルを置き去りにしないOSのバージョンアップ
その4:これらをそのままAndroidスマホに摘要する

結論:今までやってきたやり方を全面的に放棄しないとAndroid Wearなど徒花に終わってしまうのである。

月曜日, 5月 11, 2015

理屈じゃないんです

世の中には頭でっかちな(頭でっかちな人の言うことを鵜呑みにする)人もいるので、論理的に説明のつくもの(要は数値化が容易なもの)を評価基準としているものが溢れている。エキスパートシステムなどはそれの最たるものだし決してそこで導き出される答えがいい加減だなどと言いたいわけではない。しかし、日常生活で何かを選択しなければいけない状況で人は常に論理的な判断を行っているかと言えばそんなことはない。一々そんなことを行っている人もいるのは間違いないが、そんな人は普通の社会生活は…

例えば昼ご飯にラーメンとカレーライスのどちらかを食べようとした場合あなたはどうするだろうか?普通の人は前の日にラーメンを食べていれば今日はカレーにしようと考える筈だが、ラーメン一途ならそもそもカレーを比較対象にはせずどこのラーメンにするかを考えるだろう。そんな時に一々今身体が必要としている栄養素が何であるかを総合判断してどちらの方が評価が高いかなどで食べるものを決めたりしない。もしそんなことをまじめに行ったらラーメンもカレーも失格でもっとバランスの良い食事をすることになるはずだ。

遺伝的な原因でもない限り成人病と診断されるような慢性疾患は大体好きなものばかりを食べ続けて招いたもの後天的なもの。それを防ぎたかったら好きなものばかりを食べるのを慎むべきなのである。

あまり食べ物にこだわっていると話があらぬ方向に行ってしまうので元に戻すが人の判断は往々にして好き嫌い(気持ちが良いか悪いか)が基準になっている。私は賢いからそんなことはないと答える人もいるかも知れないが、そんな人はこんな判断が出来る私って賢くって素敵と自己陶酔して気持ちよくなっているか、判断を下すための情報を集める思考する段階で気持ちが良くなるからだけなのだ。謎解きやクイズに夢中になるのは端的に難しいことを考えそれであっている時に得られる快感を求めて…

デジタル化してITに限らず製品が均一化してしまった時代に20世紀までのスペック至上主義を未だに負い続けている企業は多いがその結果は消費者には届いていない気がする。そんな中冷静に考えたら誰も買う筈の無いカタログスペック的には何ら飛び抜けたところのないAppleが暴利を貪っているのは理屈を完全に打ち負かしたエモーションで顧客の心を掴んでいるから。どんなに知能が進んでも人間が感情を持っている限り気持ちが良くなるものの魅力には勝てはしない。

結論:一番大事なのは理屈じゃなく情動なのである。

水曜日, 5月 06, 2015

自動運転のジレンマ

AppleやGoogleが自動車向けのシステムを用意しているからすぐにでも自動運転になるのではないのかと騒ぐ人がいるが、そう言う人はシステムや運転するユーザの心理を全く考えていないなと実感する今日この頃。真剣に考えたら問題山積みなのだが、そう言う人はレンジでチンすれば食べられる「サトーのご飯」なみに自動運転を考えているらしい(要は何も考えていないと言うこと)。

自動車メーカー各社はアイサイトなど事故を未然に防ぐ(被害を減らす)システムを出してきているが、これと自動運転はまるでレベルの違う話。電車に乗っている時に走行状態を全く気にせず(鉄以外は気にしないw)に目的地に連れていってくれるのと同様のシステムがあったら便利だよねの認識なのだ。そんなに運転をしたくないなら自動車など持たずタクシーにすれば良い私などはと思うのだが…

自動運転となれば運転を受け持つのはAIシステム。チェスや将棋で世界チャンピオンを破ったりしているのでまるで人間よりも賢明な判断を常にしてくれると勘違いしているようだが自己学習機能を備えていようがやっていることは最適解を選び出すだけ。人間が咄嗟の判断で回避するのと比べてどれだけ素早く対応出来るかは疑わしい限りだ。AIの方が優れているのは人間が判断時間を要するような問題の最適解を出すことであって、考える間もなく処理を行ってしまう反射レベルの反応などは到底不可能なのである。

ちょっと前に流行ったサンデル教授の「白熱教室」があったが、「車の前に突然人が飛び出してきて事故を防ぐためにハンドルを切ろうとした先には多くの子供が」と言った場合にAIは何を基準に判断をするかだ。人としての価値ならば飛び出してきた人の社会的な重要度(金額換算になるのだろう)となり、一人の大人と複数人の子供のどちらの方が金銭的な価値が高いかでどちらを轢くべきかを判断するだろう。もしもその人が大富豪なら回避されホームレスなら…また命の数が基準であれば大人一人が轢かれることになる。勿論二つを比べた場合の回避の可能性の高さを判断基準にするかも知れないが、それによって乗車中の人間の命に関わるとしたらより判断は複雑に…

そして、その結果起こった事象に対して自動運転の利便を享受していた者の道義的責任はどうなるのか。そのシステムを使った人間のせいなのか、そのアルゴリズムを組み込んだ人間のせいなのか…

結論:自動運転システムが可能になるには人と車、車同士が事故を起こすことがあり得ないようなインフラが全て整った後の世界の話。実験としてステアリングに全く手を触れずに操縦出来るかどうかなんてどうでも良い小さな話なのである。

木曜日, 4月 30, 2015

WWDCで発表される新しいApple TV

思わずTimが「AppleはケーブルTV業界内で重要な役割を果たす」と口走ってしまい俄に6月のWWDCで発表されるのではないかと噂になり出したApple TVはA8チップ搭載との話。同時にホーム画面は今までと大きく変わるかは不明だが、ライブでテレビ放送が流れるようになるだけではなく今まではAirPlayで画面表示しているだけに近かったiOSデバイス用のゲームが動くようになるのは間違いないところだろう。

もちろん今のゲームがそのままApple TVで完全に動くわけではなくゲーム系の拡張が次のiOSの隠れた目玉で、間違いなくSwift版のGameKitを使ったアプリがデモンストレーションされるだろう。そして、ゲームをする上で必須の物理ボタンを持ったゲームコントローラ(iPhoneやiPadではテレビ画面を見ながら操作など出来ない)が登場する筈である。

結論:Apple TVで本当にゲームが動くようになると据置型のゲーム機に未来はなくなる。任天堂がIP(知的財産:キャラクタ)を活かしたスマートデバイスへの展開を進め始めたのはAppleの動きを知っているからと睨んでいるのだ。

水曜日, 4月 29, 2015

懲りもせずApple Watchの話

一見するとiPhoneが母艦でApple Watchは子機に過ぎないと勘違いする人もいるようだが主従関係と言うよりは補完関係と呼ぶべき存在である。グランスなどiPhoneアプリがなければ存在を否定されるものもあるため「iPhoneがなければ何も出来ないじゃないか」、「Android系のスマートウォッチなら単独で何でも出来るのがある」と騒ぐたわけがいるが、出来るかもしれないが使い勝手を全く考慮していない製品と比較をされては困るのだ。

画面がでかくても良ければiPhoneを輪ゴムで腕に止めれば良いわけで、それならば当然スマホと同じことが出来るがそんなものは邪魔臭くって仕方がないから腕に自然にフィットするサイズにと考えての腕時計型。重さも大きさも時計とそんなに代わらない筐体に納めた場合に出来ることなど高が知れているので指で隠れてしまう画面を触って何かをすることを極端に減らしたのがApple Watch。そのために竜頭を活用したのはまさに目の付け所と頭の作りが他とは違うと…

Siriもどんどん賢くなり最近は良く使うアプリはSiriで起動が当たり前になってきたが、これはApple Watchでも同様。長い文章を入力しなければいけないような時にスマートウォッチだけでやろうなんて考える変わった人以外はその時はPCを使う筈だし、その方が無駄な時間を浪費せずに済むと気付くだろう。そして、あまりApple Watchのレビューではそんなに重要視していないがリモコンとしてのApple Watchの使い勝手は非常に良い。Apple TVのリモコンとして既に登録しているがiPhoneのミュージックやMacのiTunesで音楽を再生するのにも重宝している。

そして、iPhoneのカメラのリモコンとしての活用。別に隠し撮りに使おうと言うわけではないがバックカメラを使った自撮りならApple Watchで画角を確認の上、3秒タイマーを使えば高解像度の自撮り写真が可能になる。これなんかはApple Watchがあればこその芸当と言えるだろう。

結論:それぞれが分をわきまえて補完しあう。iPhoneやMacなどのApple製品とApple Watchの関係はまさにそのような関係なのである。

水曜日, 4月 22, 2015

AppleはApple Carを作るのか?

自動車メーカからエンジニアを引き抜いたり公道を走る車が目撃されたりで何年か後にAppleが車を販売するのではないかとの噂がまことしやかに広がっているが、おそらくそんな日は来ないしAppleはGoogleのように自動運転用のOSを出そうなどと妄想を抱いてもいないと思う。

もちろんCar Playの機能はどんどんと進化を続け車に取り付けられたセンサーからの情報を得て運転のサポートをするかたちになるのは間違いないが、それは自動運転ではなくスマートな運転の補助に徹するのではないだろうか。路線バスのような決められたコース(それも専用レーン)を走るものであれば自動運転も可能だと思うが、自動車そのものは自由に動かせることが一番の魅力、運転する楽しみを奪ってしまったのでは…

車庫入れや縦列駐車など楽しさとは別の部分での運転補助はありだとは思うが。

結論:Appleは、Apple印の自動車は作らないのである。いつかはそんな時が来るかも知れないが数年のうちになどないと思うのだ。

木曜日, 4月 16, 2015

Apple Watchを買ってはいけない

どうでも良いblogを書いて申し訳なかったと反省はしていないのだが、私の努力の甲斐もなくApple Watchの予約は想像通りの展開になってしまった。全く持って力不足であった。

と言うことで今回もまたどうでも良い話を。Apple製品を使っている人が増えてしまい信者の方が希少種になってしまった昨今だが、長いこと使っていることで色々な方々とお知り合いとなりその関係であちこちに顔を出しているのだが、そんな中のある場所で…

その集まりはiOSに関係しているものなのでたった一日で100万台を越える受注となったApple Watchを当然全員が注文しているものだと思ったら、あんなに売れるとは思わなかったと耳を疑うような発言が。見ればiOSに関する組織なのに使っているのはSurface。何を使おうが個人の自由なのは間違いないのだが、少なくともその人はiOSアプリの開発には携わってはいなさそうだし、その端末を配布していると言うことはその会社も…

法人向けのタブレットはiPadがデファクト(そして次はAndroidではなくWindows)ととなっている時代に次のアプローチとしてApple Watchが気にならないのだろうかと。

結論:そう言う人は買えるようになっても買ってはいけないのである。

世の中を悪くしているのは管理部門?

メーカーから優秀な技術者がドンドン流出してお先真っ暗な今日この頃。皆さんいかがお過ごしでしょうか。最近はスタートアップの段階でコンサルとかを雇っ てスタート時から錬金術の方に熱心な所も散見されますがベンチャーって創業者がおかしな人だからやれるんだよねって言う面白さが重要なのではと、ひとごと ではなく思う次第。

創業時って言うのは良い意味で「何々バカ」が勢いでやっちゃいましたが本道(だから直ぐ潰れるのだろうが)。そうやっ て他にはない何かがその会社の売りになるわけなのだが、一端成功して大きくなってしまうと偏差値が優秀な立派な方々が入社し始めドンドン冒険をしない会社 になっていってしまう。最近はその速度がどんどん速くなってしまいあっという間に管理部門の方が偉い会社になっていってしまう。

大体、管 理部門に入る人間はエンジニアとして優秀なわけはなく(例外はある)そんな部門の人が入社試験を担当するのだからエンジニアを雇うにしてもどんな能力を 持っているかを判断など出来るわけはなく、結果出身大学と学部(要は学駅だけ)で選ぶのは当然なのだ。その結果リスクを最小限にすることに長けた秀才ばか りが揃ってしまいいずれは管理部門で汗を流さない事が最上となってしまうのだ。

管理部門は現場とは違いトップのそばに居るので会社が怪し くなってきても最初に切られる側に回る方が少ない(切られるのではなく逃げるのはある)。でも、良く考えてみたら管理部門などは本来はその会社独自のノウ ハウなど不要の世界。アウトソースしたって問題がない筈。それに引き換え優秀なエンジニアは手放してはいけない存在だろうと思うのだが。

結論:メーカーなどエンジニアを必要としている企業はエンジニアの採用は現場の脂の乗った連中にまかせないといけないのだ。

土曜日, 4月 11, 2015

Apple Watchを買ってはいけない 〜10の理由〜

今までなら発売開始される前に書いていたのに、遅いぞと突っ込まれそうだが今回は後出しで。既に購入予約をしてしまったので今更遅いとお考えの方、今からでもキャンセルは出来るのでお気軽にどうぞ。それにしても、予約開始から僅か数分で多くのモデルが初日には手に入らなくなると言う大盛況。事前に噂されていたApple Storeアプリを使う方が間違いないを知らなかった方々はWebサイトの表示さえままならない状態でリロードを繰り返しているうちに欲しいものを初日に確保するどころではない状況になったようである。私は事前にApple Storeアプリを起動して待っていたがSoftBankのiPhoneは16:01になっても画面が更新されなかったため,急遽au版のiPhoneでアプリを起動して…それでも元々考えていたSPORTのスペースグレーは既に4週間〜7週間待ち、モデルを変更して取り敢えず初日確保に切り替えたのだ。そんなに欲しいのかと言われれば実は今回の購入は物欲ではなく純粋に開発目的、iOS周辺デバイスをビジネスとして成り立たせなければならなくなった経営者としての…

どうでも良い個人の都合は置いて本題へ。

理由1:iPhoneを持っていない
まさか、iPhoneを持っていなくても色々なことができるなどと考えているバカはいないだろうが、一向に売れる気配を見せないためiOS対応をアナウンスし始めたAndroid Wearを使っているスマート・ウォッチとは違いどんなに待っていてもApple WatchはAndroid OSに対応することはない。
理由2:価格が高い
iPodなどと同じようにApple Watchの初代の値付けは他では考えられないくらいに高い。この円安、とてもじゃないが家族の承諾を得られるものではない。その上、あっと言う間に皆が手に入れてしまうので持っていてもちっとも自慢にはならない。既に初日に手に入れることが出来なくなったのだから第三世代が出て安くなるまで待った方が良いのだ。
理由3:バッテリがもたない
普通に使えば起きている時一杯使い続けることが出来る仕様になっているが、手に入れた当初は色々と弄り倒してあっという間にバッテリが空になり、全然使えないととの批判記事があふれ返る。これはスマホでもそうなのだがカタログ値と違うじゃないかと騒ぐバカはどこにでもいる。カタログバカはこう言う製品は買ってはけないのだ。
理由4:スタンドアローンアプリが作れない
現在リリースされているSDKでは、iPhoneのアプリとの連携なしに動くアプリはApple純正以外では特別な協力関係で開発を行っているところに限られている。グランスで出来ることはAndroid Wearで出来ること+αに過ぎず、他のアプリもiPhoneアプリとの連携が前提。今年のWWDCで発表されるiOS 9以降の開発環境が出そろってから手に入れるので遅くはないのだ。
理由5:スマートフォンじゃない
世の中にはスマホでPCと同じことが出来なきゃいけないと考える強迫神経症患者が結構いるが、Android陣営にはウェアラブルにも同じことを考える患者が相当いる。カメラを入れたり携帯通信機能を入れたり(スマホは売ったのか?)と作動時間を完全に無視したスマートウォッチに飛びつく連中がいる。その上、UIのことを考えず(恐らく実際に使う場面を想像出来ないのだろう)にスマホと同じことが出来なければいけないと。そんなことを考えている人は買ってはいけないのだ。
理由6:どれが良いか決められない
流石にEditionまで選択肢にいれられる人は少ないだろうが、Appleのシンプルなモデル構成にすっかり慣れ切った人たちにとってApple Watchのようにベースモデルだけで38モデルもあったのでは何を買って良いのかを決めるのは至難の業。試着してから決めようなんて考えていた人はポチる前に品切れ状態になってしまったのだから買わない方が良いのだ。
理由7:ミーハーと思われたくない
今どきApple製品に飛びついたからと言ってミーハーなんて言われることはないのだが、皆と同じと思われたくない「俺は他の連中とは違う」と言う自意識の強い人(誰もあんたのことなんて気にしていないし、それならWindowsやAndroidなど使ってはいけないのだ)はどんなに欲しくてもApple Watchに限らずApple製品を買ってはいけない。
理由8:Apple Watchを持ってる友達がいない
これだけは書きたくなかったのだがApple Watch同士だけでコミュニケーションを取れるスケッチ、タップ、ハートビートなどのアプリを起動するたびに悲しい気持ちになってしまう。他は、Android Wearを使っているスマートウォッチや他のスマートウォッチでも出来るのでApple Watchを買う必要はないのだ。
理由9:スペック以外目に入らない
モノを選ぶ時には基本的なスペックも選択肢の一つではあるが世の中には使い勝手や質感と言った情緒的な部分を全く考慮に入れない(左半球しか脳がないらしい)カタログスペック至上主義の人がいる。そう言う人にはApple製品の良さは分からないのだから買ったとしても直ぐに転売。そんな人間には買って欲しくないのである。
理由10:アンドロイダー
本当にそんなアンドロイダーなんて言うのがいるかは知らないが少なくともAppleが嫌いでWindowsやAndroidを使っているアンチAppleの人は買ってはいけない(どんなに羨ましくても買わないと思うが)。何が原因でマカーが嫌いになったかは知らないが嫉みでも…

結論:手に入らないとなると欲しくなるのが人の性だが、どうしても早く手に入れないといけない理由がないのなら供給が十分になるまで待てば良いのだ。何時まで経っても何ヶ月待ちになるかも知れないが、それは出荷が始まってから考えれば良い話。今はどんなに欲しくても手に入らない状態なので買ってはいけないどころではないのである。

木曜日, 3月 12, 2015

MWC2015を振り返る

今年は、出展は見送った(円安でおいそれと出展出来ない金額だった)が最新のウエアラブルの動向を知るためにMWC2015に行ってきた。御用メディアでは取り上げられない生の空気を知るのが目的だったのだが、結果を先に書いてしまえば行かなくても想像出来た内容だったの一言になってしまう。それだけで済ましてしまったのでは仕方がないので。

Googleが取り合えずお手上げ表明をしたので臆面もなく展示品にグラス型を引っさげて行ったのは日本のメーカーだけ。ARタイプはすっかりなりを潜めてスクリーンを持っているものはOculusを筆頭にVR没入型に回帰していた。日常生活では使えないものをアイグラスなどと呼んで欲しくないメガネ屋としてはB2B用ですと看板を掲げていてもモバイルの展示会に出す意味があったのかと思うだけである。

流石にネタも尽き果てたスマホの次はAppleが作り出す市場に紛れ込もうと今回はどこを見てもスマート・ウォッチばかり。それぞれがやっていることに大差はなく(Android Wearばかりなのだから差が出るわけないが)、自動車のキーレス・エントリーできるとか、活動計になるとか、音楽聴けるとか…

通信会社の方は5Gの話が中心(CESでもそうだったのだが)で、「うちは5G出せる」、「うちのは7G行ける」の世界。使う周波数帯が現状とは全く違うのでLTE束ねて速度出せますよのLTE-UやLTE-Advanceもあったが、携帯網で4Kクラスの映像送れますよを競っていた。

IoTの主役は現状は車なのか大手のブースにはBMWやAudi、マセラティと高級な車が並んでいたがCarPlayなのかAndroid Autoなのかの世界。モバイルが中心なのでホーム向けの家電品はほぼ展示されていなかった。

Tizenに関してはSamsungが組み込み用OSとして使うんだと吹っ切れたようで他でサポートしているところが無かったのが印象的だった。と言うわけで第三のOSは実質FirefoxとWindows。Windows Phoneの方はMicrosoftが方針を転換したので色々な端末が散見されるようになっていた。去年なんてMicrosoftなんて見る影なかったことを思えば随分と変わったものだなと…

結論:昨年は出展側で時間がなくてあら探しが出来なかったが、去年はスマートグラスと騒がれながら大した製品がなく、今年はGoogleが退場したので時計ばかり我々の「雰囲気メガネ」は特異な存在だと再認識したのである。

ど真ん中

VAIOが遂に出してはいけないスマホを発表。見たところパナが海外で販売しているクゥオンタ製のスマホの色とロゴが違うだけに見える代物だとネットで炎上。どうやらど真ん中と言うのは炎上すると言う意味だったらしい。そうだとすれば期待通りの展開なのだが発売開始までVAIOと日本通信が存在していれば良いのだが…

結論:新生VAIOのPC見た時にあかんと思った私の勘は間違っていなかったのだ。

火曜日, 2月 03, 2015

FUN'IKIメガネ出荷完了

昨年のMWC 2014でお披露目をしてから11ヶ月。夏のクラウドファンディングを経て製造にゴーサインが出たFUN’IKIメガネが当初の予定よりも1ヶ月遅れで出荷完了となった。不慣れなことばかりで「どうなっているのだ」、「出資者をなめるな」とおしかりのコメントも沢山頂戴した。当初からハードは儲からないのではやらない方が良いと反対側にいたのだが、どうしてもやりたいとのことでコミットをしてから丁度一年。バルセロナが生地になったりであちこちの展示会や講演会とあっという間の一年間だった。

一般販売の最終プランはまだ決まっていないが批判してきたGoogle Glassがあの形では出ないことが決まった今、全く別アプローチのFUN’IKIメガネがどのように受け入れられるかを楽しみにしている。

結論:今後どんな展開になるだろう。