土曜日, 12月 31, 2005

Macintosh伝説〜第二十一章〜

2005年−Apple伝説再び



Mac mini誕生
San Franciscoで行われたMacWorldEXPOの目玉は、Mac miniであった。これは、有る意味で全くAppleらしくない商品なのである。信じられないくらいに小さくて軽く、価格も目茶苦茶に安く(もちろん、Appleの商品としての但し書きは付く)、その上Windowsユーザ以外をターゲットに考えていない画期的な商品なのだ。G4 Cubeは、あまりにも思い入れが強過ぎたために熱烈な信者以外には見事なまでに売れなかったMacだった。それに比べ、Mac miniはMacをメインに使うユーザを対象には考えていない。PCのCPUを置き換えるための商品だ。もちろん、Macとしての能力が低い訳ではない。このマシーンよりも高速なG4マシーンはPowerbook以外にはない。十分に何でも出来るポテンシャルを持っている。但し、Macユーザの視線はもう既にG5以降に注がれている。デザインを含めた商品の魅力は十分にあるが、現在使っているマシーンを置き換える存在ではないのである。間違いなく良い商品であるけれども買わないと言う希有な存在なのだ。ここにきてようやくAppleは、Windowsを喰う体制を整え始めたのである。「Cubeの敵はCubeでとる」流石は、Jobsである。

iPod shuffle発表
iMacやiPod miniとの比較ではどうにもならないくらいにiPod shuffleの食付きは良かった。フラッシュメモリータイプのプレイヤーはダメだと言っていた唇が乾く間も無く発売されたshuffleは、先行してフラッシュタイプばかりを作っていたメーカーがやっとHDDタイプの生産が始まったのに煮え湯を飲ませる結果になった。その結果フラッシュでそこそこ売上を上げていたRioのように完全に撤退せざるおえないメーカーが続々とあらわれたのである。

Tiger発売
いつ出るか解らずに取りあえず名前だけが決まった次期Windowsをあざ笑うかのように1年ごとにOSXのブラッシュアップが続く。完成度の高かったPantherを越えるTigerでは、ベイパー化しているWindowsの先進機能を全て実装すると言う暴挙に出た。PowerPointキラーと呼べるKeynoteにWordキラーと呼べるPagesをバンドルしたiWorkはOfficeの必要性をまた低くしてしまった。それだけでなくH.264の完全サポートによりリッチ・コンテンツのプラットフォームはMacであることを示す結果になった。

iTunes Music Store Japan開始
iTMSも無い状態でトップセールスを続けてきたiPodに最高の援軍が登場した。サービス開始時に100万曲(洋楽が多いことはこの際目を瞑る)を取りそろえたことはAppleならではの結果だろう。楽曲は国内の事情を反映して一律にすることが出来なかったがそれでも、たのサービスが価格を下げざるおえない状況を作り出したことは評価出来るだろう。開始4日で100万曲を販売。これは世界中のおiTMSでも最短の記録になった。未だに参加していないSONY BMGがバカを見るのはもうすぐである。

iPod nano発売
iPodの中でも1番の売れ筋であったiPod miniを製造中止して登場したiPod nanoは、miniが霞んでしまうような売上を上げた。発表の当日日本の某メーカー(SONY)も新製品の発表を当て馬のように行ったが発売されるのは2ヶ月半も先である。何のために慌てて発表したのかは理解の範疇を越えていた。冗談で発売前にもっと凄いiPodが出るぞと噂されていたが本当にそうなってしまったのが悔やまれるばかりだ。発表さえしていなければ売れないことが解っている商品を発売しないで済んだのに。

iPod 5G発売
あれだけやらないと言っていたムービー再生機能付のiPodをいけシャーシャーと発表してしまうJobsにはかなわない。それまでにもビデオ再生機能を持った商品があったにも関わらず、iPodが出たことによってビデオポッドキャストなる新しいムーブメントが起こったことは余りにも悲しい現実である。未だ発売開始されていないWalkmanは発売を前にして価格を改定せざる負えなくなり、実質1万円以上の値下げとなってしまう(これでは売るだけ損になってしまうが、幸いちっとも売れなかった)。クリスマスのプレゼントのトップを奪うのはどのiPodなのかと言う状態で、向かう所に敵は1匹も見当たらない状態だった。iTMSの販売累計はついに6億曲を突破。販売数量でタワーレコードを抜いてしまった。

Cubeの敵はCubeでとる
前者は失敗に終わったG4 Cubeのことであり、後者はMac mini(こちらもキューブ型のG4マシーンである)のことである。

Macintosh伝説〜第二十章〜

2004年−iPod伝説始まる



Windows版iTunes公開
Windows版のiPodが発売されて早1年半。Music Mutchのバンドルと言う中途半端な仕様でお茶を濁していたiPodが正式にWindows版iTunesがバンドルされた。これで、Mac版と同じサービスが約束された。iPodはMacユーザーと、物好きのWindowsユーザーのためのおもちゃとバカにしていた人達もiTMSの急激な拡大に度肝を抜かれた。HP(ヒューレット・パッカード)によるiTunesの標準バンドル化とiPod販売のアナウンスにPC業界は少なからず驚かせられたはずである。結局、年末までにiTMSは2億曲のダウンロード販売を成し遂げダウンロードサイトのデファクト・スタンダードを確立した。

iPod mini発売
初代iPodよりも小さな容量で売れる訳が無いと、口さがない連中は批判した(初代iMacの発売時と全く同じ反応であったように思える)が結果的に爆発的な大ヒットとなった。iPod miniは、玄人受けしようとして開発された商品でなかったことを、批判した人達はわかろうとしなかったのが的外れな批判の原因だったのである。これは、Appleのコンシューマ商品全般に対する批判に言えることなのだが、PCを使い易い道具として使えればいいと言う人にとって基本的な機能以外は邪魔なだけでシンプルなものをよしとするミニマリズムを理解出来ない人が理系に多すぎるのである。Vuitton、Gucci、Hermes、Pradaと名だたるブランドがiPod用のケースをこぞって売り出したことが、iPodが女性に浸透していることの証明になっているのである。

iPod以外の不発
鳴り物入りで発表されたVAIO Pocketは、2週間後に発表されたNetwalkmanの発表で出鼻を挫かれた恰好になってしまった。やはり、SONYは本当にバカである。SONYはそんなことをやってるほど、余裕無いんだけどな。詳しくは、筆者のblogをご参照下さい。続いては、DELL。流石のPCの王者も価格以外でiPodに対抗する術を持たず、未だに売れて売れて困りますと言う声を聞かない。あの、安かろう悪かろうが問題とならないアメリカで売れないと言うことは致命的である。アジア圏で唯一検討している韓国系のメーカーでさえ最早これまでになりそうなのである。DELLのパソコンでOKな価値観の人ぐらいにしかアピールはしなかったのである。

2億曲のダウンロード販売
iTMSスタート依頼5000万曲までに1年2ヶ月を費やしたのに、Windowsにサービスを開始して半年で2億曲を突破した。まさに、Windows様々なのである。Macユーザーはふらふらとあっちへ行ったりしないが、やはり絶対数が少ない。この結果を受けてWindowsユーザーを本当の意味でスイッチさせる戦略をAppleが取ることが決定された。Windowsユーザーが楽に乗り換えられる価格(2年で使い物にならなくなる機種と同程度の値段)のマシーンを出せばかなりの勢いで乗り換えユーザーが出てくるだろう。好きでWindowsを使っているユーザーの実数はシェアの逆数(5%)位なのである。

SONYは本当にバカ
Netwalkmanを出しながら、HiMDの宣伝を盛んにしているのなんてアメリカのメーカーでは絶対に考えられない。これも、全ては事業部制の弊害によるなわばり意識(官僚制)のせいである。実績があるものにおんぶに抱っこでは新しい商品は生まれてこないことを解ろうとしていないのだ。先見性の無い企業体質(Lカセット、betaなどの失敗から学んでいない)は死ななきゃ直らないのである。“MDに比べればまだ市場は小さい”などと主張しているが、そりゃあんたんところの話でしょ。

Macintosh伝説〜第十九章〜

2003年−Panther誕生



Powerbookに12インチ、17インチが登場
発売されてから何年も経つ現在もDell辺りに盛んにコピーされているTitanium(他社さんはなんちゃって金属)からアルミ合金にモデルチェンジされたPowerbook。初期もDellの熱対策は十分でなかったため15インチ以上に熱くなる12インチに閉口しながらも、バリエーションが増えたことによってAppleの主力がノートに移るきっかけとなったシリーズの登場である。結局G5マシーンは登場することなくIntelへの移行が決まってしまったが、デザイン機能どれをとってもプロ用と言えるマシーンであった。最終の17インチモデルは画素数で20インチiMacと同様の表示領域になり、まさにスーパーノートブックであった。

iTunes Music Store開始
これも、iPodと同じで始まった時の反応は失敗するでした。待ち望んでいたのはMacユーザだけ。そりゃそうでしょう、Mac版しかなかったのですから。Windows版どころか、世界中で(日本はいつになる)サービスが始まっている現在では、誰もiTMSを無視することが出来ない状態。2億曲を売ったサイトは他にはありません。それもこれも、iTunesを使ってストアにアクセスする方式をとっているので、ダウンロードされたファイルの保管場所を気にする必要がなかったからです。使い易さは、ソフトの出来にかかっていると言う証拠です。

Panther登場
OSの機能以前に次はどのネコ科の動物になるのかと気になったのは私だけではないだろう(もちろん一般人には関係ないことなのだが)。Pantherの完成度はかなり高く今でもわずかながら使っている人がいるようだが。一部ネットワーク関連で問題を抱えていたことも確かである。iLifeなどのマルチメディアソフトが有料ソフト(わずかな金額だがただで入っているにこしたことは無い)になってしまったことだけが悔やまれる。

Macintosh伝説〜第十八章〜

2002年−Jaguar誕生



iMacフラットパネル登場
この時のMacWORLD EXPOの目玉は、誰が何と言おうとも雪見大福型のiMacの登場である。何で丸いのと思った御仁達は、その首振りを見て角があるとぶつかるわなと素直に納得。ボンダイブルー以外はiMacじゃないと訳の解らんことをほざいていた女は、今はタムロンの人。ディスプレイの割に大福部分が大きいなと思っていた人達は、20インチが同じ筐体でOKと解った時にAppleの設計思想の奥深さにうれし涙を流したのである。それにしても、この年は色んなマシーンが色々と発表され(クロックアップとディスプレイの大型化が中心ですが)PowerbookもDVI端子モデルにかわり名実ともにチタンブックの集大成と言えるものであった。このマシーンが最後のデュアルBootが可能なOS9.2.2を載せているため、今でも世間では一切の値崩れをしないで売られている珍しい機種になっている。金に困った時には是非、換金してもらいたいと思います。

Jaguar登場
まだまだ、ベータ版じゃないのと言われていたOSXもJaguarが登場すると、そろそろOSXかなと決意させるだけの機能を搭載してきた。問題は、プレビュー版の時から、熱心にOSを買ってきたユーザーにとってアップグレードが無いと言うのはちょっと辛かったかも知れない。”毎年だぜ”そんな寂しいことを言わないで下さい。間違いなく毎回OSは正しい進化をしているのですから。Windowsユーザの飲まされた煮え湯に比べたら、まさに甘露ともいえる口当たりの良さだったのですから。

Xserve登場
年も押し迫り、いきなりXserveが発表された。デスクトップにサーバソフトを入れただけのまがい物ではない本当のサーバモデルの登場である。サーバなのにオシャレな筐体、システム部門に受け入れられるだけの実力を持った初めてのマシーンであった。PCサーバよりも安く、信頼の置けるUnixベースのサーバは機関システムの一つとして導入されても不思議ではない実力を秘めていた。しかし、世はまだWindowsの呪縛を振り払う程の理解力を持たぬ人々の天下、海のものとも山のものとも解らぬシステムに金を出す人は多くは無かった。OSXサーバが、世間で認められるようになったのは、バージニア工科大学のシステムが廉価で、世界第3位のスーパーコンピュータになったのと、恐れ多くも畏くもの東京大学の情報センターでMacにリプレイスが行われたことが大きく影響してからであった。恐らく今後大学で使われるコンピュータに占めるMacの割合は、世間でのシェアとは全然関係ない程に高くなって行くだろう。

煮え湯
セカンドエディションが出るまでのWindows98。98SEにメディアプレイヤーを入れただけなのに安定性が進じられないくらいに低くなったME。NTのシステムサイズにMEの不安定さをプラスしたXP。セキュリティの問題を解決するために入れたSP2のはずなのに、バイオスを飛ばされたあなた。そう、あなた達のためにこそOSXがあるのです。是非、心置きなく転んで下さい。

Macintosh伝説〜第十七章〜

2001年−iPod誕生



Powerbook G4登場
研ぎ澄まされたデザインは、まさにプロ用のノートブックと呼ぶに相応しい出来栄えであった。それまでの黒いポリカーボネイト素材を捨て、航空機のボディに使われているチタンをまとっての登場である。15.2インチのワイドスクリーンは当時のノートブックでは初めての採用で、その後のPCに影響を与えた事は間違いないだろう。斬新なデザインだけでは売れないと言うG4 Cubeの汚名を晴らすために開発されたPowerbook G4は、その大役を無事に果たすことが出来たと言えるだろう。

iPod 誕生!他のMP3プレーヤーはどうした?
まだ持っていないのですか?iPod。お客さん、Windowsの世界でもデファクトスタンダードになってますよ。それまで、売れないと定説化していたハードディスク内蔵型MP3プレーヤーに新たなプレーヤーが加わった時に、PC雑誌は鬼の首でも取ったようにAppleの戦略を批判した。それこそ、またNewtonの二の舞いだとバカにしていたのである。でも、その人達は一番肝腎なことを忘れていた。Newtonを作らせたのは、SculleyであってJobsでは無かったと言うことをである。iPodは、Jobsのビジョンから作り出された商品である。そんじょそこらのまがい物とは格が違うのだ。今は、流石に小さいHDDを載せたマシーンを出すようになってきたが、iPodが出るまでに売り出されたものは、安普請の塊のような物だったと言える。要は、需要がなかったのではなく売れるような商品を売っていなかっただけなのだ。そこのところを、ちゃんと理解し始めたのはHPだけかもしれない。ユーザが賢くなったこの時代、真に使い易い物でなければ世の中には認められないのである。

iBook登場
次は、巻き貝になるのではないかと予想されていたiBookは、ごくごく当たり前のノートブックとして再スタートを切った。評判の悪かった画面モードはXGA対応となり、これで取りあえずは大丈夫でしょうの状態になった。CPUは、G3を使い価格の安さをPowerbookユーザに納得させることができる仕様であった。持ち運べるiMacというポジションは、それなりに納得のいくものであった。

Windowsの世界でもデファクトスタンダード
正直な話、iPodをMac版だけにしていたならば、今の隆盛はなかったでしょう。そして、iTunes以外のソフトに対応していたならば、今の隆盛はなかったでしょう。これは、間違いありません。話が可笑しいって思われますか。ここが大事なことなのですが、ハードとしてWindowsに対応しなくてはいけないが、Windowsのソフトに対応してはいけないのです。何故ならば、iPodの良さとは、iTunesとの連携によって初めて活かされるからです。あまたのリッピングソフトの使いにくさを経験されている方はきっとお分かりのことでしょう。使いにくいソフトと連携させるのならば、他のメーカーのものの方がよっぽど安く済みますからね。

Macintosh伝説〜第十六章〜

2000年−Mac OSXの時代



Mac OSX 発売開始
ベータ版ではどうなるかと心配されたMac OSXが正式に発売される。従来のOS9.0をclassicモードで起動できるためOSXネイティブでないアプリケーションもそのまま使うことが出来るため、未だにclassicモードだけで使っている人さえいるようである。何故過去に縛られるのか私には理解できません。
最初のバージョンは、旧来のMacOSの皮を被ったOPEN STEPと言う感じが強かったが、良くフリーズするOS(実は誤解)というMacOSの負の遺産を消し去ることが出来たのは、BSDベースのMachカーネルの賜物だろう。一言で言えばMac OSXとは、実績のあるUnixとMacの使い易さの融合の実験であり、それはおおむね成功したと言えるだろう。懸案であったJavaも、ほぼ完全な形で実装されどこへ出しても恥ずかしくないOSにようやくなったのである。

PowerMac G4発表
夏のMacEXPOでついに、PowerPC G4を搭載したQuick Silverが発表された。標準で、Gigabit Ethernetを装備したそのマシーンは、CPUの処理能力で初めてスーパーコンピュータと分類されるパーソナルコンピュータとなったとAppleはのたまった。国防総省では武器となる可能性を持っているためにPowerMac G4を輸出規制の対象にしたほどだった。だが、その声はPCユーザーには届かなかった。当時はIntelの石を積んでいるマシーンの世界では、クロック数だけが全てである。これは、取りあえずでかいエンジンが一番だと考えるアメリカ人の脳みそに最も訴えかけやすいテーゼである。残念ながら、アメリカ人ほどバカでないはずの日本人さえ、未だにクロック神話に目をくらまされ続けているようである。PCとMacでは、使われているMPUの基本設計が違うのに、単純にクロック数を基準にして遅いと勝手に思い込んでいていいのだろうか。

PowerMac G4 Cube発表
好きな人達にとっては、それは特別な存在であった。かく言う私も発表をブロードキャストで生で見ていたのだが、そのデザインの斬新さにしびれを感じた。世に四角いPCは数あれど、G4 Cubeのように逆さにして取っ手を立てるとCubeの中にアクセス出来るなどと言う設計は見たことも聞いたことも無かった。おまけに、スイッチはタッチセンサーになっていて、専用ディスプレイからもプッシュ式のボタンが消えた。何もかもがSF的なそのデザインのマシーンは、冷却ファンがないために熱暴走をする(特にエアコンの無い部屋では)、タッチセンサーに初期不良があって勝手に起動するという、どうでも良いような小さな欠点のために短命に終わってしまった。地味ではあるが、同時に光学式のマウスも発表された。

良くフリーズするOS
確かにSystem7の時代までは間違いではなかったが、OS8以降はよっぽどのことが無い限り落ちるものではなかった。それなのに、Macはシステムが簡単にクラッシュするといつまでも信じられていた。酷いのになるとWindowsのDOSのようなモードを持っていないためクラッシュしたらば修理に出さなくては行けないといった根も葉もない嘘まであったのである。致命的なシステムファイルの破損と、システムのコンフリクトを同一視するという過ちや、ブラックボックスのように見えるシステムが何をやっているかが解らないという不安がDOS系の人達の理解を超えていただけなのである。実際に、Windowsのようにひどい目に遭った人はそう多くは無いはずなのに何故そのように言われたのかは謎のままである。そもそもMacOSは、Windowsのように手を加えなければ使えないようなものではないのである。恐らくWindowsユーザーの体験から、Macはもっと酷いに違いないと言う妄想が生まれ、こういった噂をまことしやかに広めさせたのであろう。DOS vs Macの時代のシステムの安定性の差が、Windowsでも引き継がれていると考えるなんて、バカも休み休み言ってもらいたいものである。

当時は
実は、当時だけなく今でも誤解している人達が多い。いや、多いのではなくほとんどの人がそう思っているらしい。単純化すると誤解されるかもしれないが、PowerPCのクロック数を1.5倍から1.8倍したものがIntel系のクロックに対応すると考えて頂ければ速度を実感してもらえるだろう。それにしても、Motorolaのもたつきが原因で思うように速いチップがなかなか出てこなかったのは間違いのない事実である。ここに来てIBMの踏ん張りでチップの開発ペースも上がってきている。後3年もすれば文字通りクロック数でもIntelの石を凌駕するチップ(15GHz超)が出てきそうである。ゲーム機のチップも、ほぼPowerPCで決まっている(GameCube、PS3、Xbox2のメインCPUは全てPowerPC)し、Xbox2の開発マシーンが、PowerMac G5などという、とんでも無い話になってきている。今後は、大いに期待できそうである。

デザインの斬新さ
悪いけれども、未だにNeXT CubeとG4 Cubeのデザインを超えたマシーンは世の中に出たことが無いと言い切らせて頂きます。もちろん、これは私の感性での話であって世の中の全ての人が同意できるものではないことは百も承知の上での断言である。違いが解るようになってから批判してねとだけ言っておこう。

金曜日, 12月 30, 2005

組織論

 ついつい比較してしまうが、AppleとSONYは似ているようで似ていない会社かもしれない。強いて言えばJobsが戻ってくる前のAppleは今のSONYみたいで、創業者が健在だった頃のSONYは今のAppleみたいな会社だったと言える。つまり創業者の個性で成り立っていた(成り立っている)会社と言う点がそれぞれの共通点であって現在の両者は全く違う会社と言える。

現在の組織
Apple:フリーメーソンやテンプル騎士団のような秘密結社型組織。気付かない人もいるかもしれないがユーザには歴然とした(暗黙の階層が有り、その垣根を越えることは難しい)階層がある。それはJobsを頂点としたピラミッド型(メーソンの”ピラミッドと目”)の組織で、13階層(嘘だよ)に別れている。一説によればJobsはソロモン王の末裔らしい(そんなことはない)
SONY:やることなすことが硬直している官僚型組織。色々やっているがやっているだけでそれぞれのセクションに共通の目的がない。創業者を失ってしまったため全社に方向づけを出来る人が見当たらない。大会社なのでふかっけてもユーザが付いてくると勘違いしているのが最大の問題点である。誰もSONYに期待していないことがまだ解らないのだ(日経などがおためごかしの提灯を上げるのでその気になってしまうのだ)。

10年前の組織
Apple:各セクションが好き勝手に開発を行う船頭の全くいない組織。
SONY:時価総額がトップになってしまったために優良企業だと思い込んでしまった組織。

創業時の組織
Apple:Jobsがソロモン王のように自分の思い通りにしようとしていた(やはりソロモン王の末裔か)。
SONY:井深、盛田の両巨頭が開発と販売を分担していた機能的な組織であった。

結論:創業者が何でもやればいいとは言わないが、最後に自分で責任をとれる人がいない組織は時代に適合することはない(ストリンガーはSONY全体を動かせる器ではない)。

悪あがき

 端から相手にならないことは明らかであったが、それにしてもWalkmanの死に際(まだSONYは死んでいないつもりかもしれないが、気付きたくないのはSONYだけだ)の意地汚さにはびっくりした。

 Walkmanのモニターを装ったblogをso-net(.Macにでも載せれば良かったのだ)に掲載してわずか一週間位で炎上(SONY自ら閉鎖)したり、2chには返品成功のコツを載せたのスレッドが立ったり、もうどうしようもない状態になっていたようである。確かにMacユーザーだったはず(本人曰く)なのにMAC(アドレスではなくどうも、Macのことらしい)と記述したり、POWERBOOK(Powerbookのことらしいが、Powerbookを使うようなユーザがこんな記述をすることはありえない。キッパリ)と記述したり、Macのはずのキーボードはどう見てもPC以外には考えられないはご愛嬌としても、かわいいものが好きだと言っていながらPowerbookを使っていたと言うのは考えられない落ちであった。

 結局いくら金を積んでも本当のMacユーザにSONYの提灯記事を書かせることは不可能だった(他所のページで真実を暴露されるからな)せいなのだろうが、やはりRioとかケンウッドの商品(嘘のページを立ち上げるならばユーザー数が少なく、ハードなユーザーがいない商品に限るのだ)との比較くらいにしておけば良かったのだ。要するにそこまでSONYはバカ(だからロクな商品を出せない)だったことをネットを利用して自ら浸透させてしまったわけである。

結論:もうSONYはお仕舞です。

月曜日, 12月 26, 2005

そういうことなんだろうか

 天下のSONYが自社のソフト開発力を補うために、AppleでQuickTimeの開発やメンテナンスに関わっていたエンジニアを引き抜いてきた。確かに何度も問題はソフト開発力であると書いてきたので、この決断には賛同させて頂くとして....。

 これが話題になると言うことは、えっ、もしかして今迄何も手を打っていなかったの?今からじゃ間に合わないんじゃないよと素朴な結論(疑問の範疇はとっくに越えている)が出てしまうのである。現にAppleでさえ、今のようなベストな状況になるのに何年を要したか解らない。大学の研究室レベルのように、事業化出来るかどうかを無視した研究を山のようにやっていた企業でさえモノになったものは、QuickTimeくらいだったのである。ユーザーインタフェイスに関してはMacの開発時からガイドラインが決まっていた(いまのインターフェイスはガイドラインを外れているとさえ言われている)。

 SONYの商品は開発者本意(ユーザーをメーカーを限定している)であること間違いないが、これを正すにはエンジニアレベルではなく商品開発そのもののあり方を改めなければいけない。そう考えたら、今回の決断は今更と言うのが正直な所だ。いっそのことWindowsをやめてOSXをライセンスしてもらうか、Macの製造に乗り出したら良いのではないだろうか。Walkmanもしかり...

 これがMicrosoftならば、Appleの買収という所なのだろうが、今のSONYにはAppleを買う力(金銭的余裕)はどこにもない。仕方がないので、2006年にAppleから発売される(発表だけならばSONYにも出来るが)商品の何か一つでも製造出来るようにお百度でも踏んだ方が良いだろう。

結論:2006年。Appleはとんでもない攻勢をかけてくる。問題はその製造能力にかかっている(自社で作っている訳じゃないが)。日本の大メーカーはApple製品の製造で恩を売っておくべきだろう(Jobsには効果がないだろうな)。

水曜日, 12月 14, 2005

iPodの動画機能はおまけである

 iPodの第5世代の発表の席でJobsは、”iPodの動画機能はおまけ”だと発言した。それを裏付けるようにiPodに保存されたVPは、ミュージックとしてアクセスすると通常の曲と同じように再生する。さてあなたはここでどう考えるだろうか、”iPodのビデオ再生をおまけ以上の機能にして欲しい”ともし考えるようならば、Jobsの考えを全く理解していないことになる。

 Jobsの発言で一番大事なのは、”iPodの”の部分である。つまりiPodはもともとビデオを見るために開発したデバイスではないため動画機能はあくまでもおまけだと言っている訳である。つまりビデオを見るためのデバイスは別に用意するといっている訳だ。それがMacに標準搭載される機能なのか、全く新しいデバイスなのかは不明であるがQuickTimeをベースにしたシステムになることは間違いない。QuickTimeを全PCメーカーに標準搭載させる交渉が進んでいる所を見ると新しいデバイスはiTunesやQuickTimeに連動する新たなデバイスになる可能性が高くなる。

 SONYのようにVAIOだけで連動するような製品でないことは確かなのでこう言った商品で成功出来ていない国内のメーカーがこぞってすり寄ってくる可能性が高い。それが1月に発表されるかは解らないが2006年中に出てくることは間違いないだろう。

結論:今のAppleの強さは相手からすり寄ってくるまで自社技術を押しつけない所にある。Appleが自ら成功することによっておのずと自社の技術が標準となるモデルの構築に成功した訳だ。SONYのように(以前のAppleもそうだった)ケツの穴の小さいことをやっていたのでは誰もついてこない。だからSONYはデファクトでいつも松下(販売量がケタ違いだ)に勝てなかったのである。デファクトになるには技術の優位さだけでは足りないのである。

火曜日, 12月 13, 2005

SONYがAppleに勝てない訳

 我ながらくどいと思うのだが、再びSONYネタを...
いきなり本題に入るがSONYがAppleに勝てない理由は、Appleとの戦いをハードの戦いと勘違いしている所に根差している。なんか既に書いたような気もするがiPodが売れた理由はデザインがかっこよく、機能が優れていたからではない(機能だけなら使えるかどうかは別にして他のメーカーの方がふんだんに付いている)。簡単にいってしまえば他社とは比較にならないくらいにバカチョンだったからなのだ。それなのにSONYは今でもハードの勝負だと考えている。そうじゃないというならConnect Playerのような出来損ないのソフトを何故平気でバンドルするんだ。あれはユーザーが迷惑をするだけのソフトだ。

 ハードで比較した場合、WalkmanとiPodでは甲乙つけ難い。音質などを比べればWalkmanの方が良いだろう。しかし、iTMSとmora、iTunesとConnect Playerを比べた場合両者の差は画然としている。考える必要が無いほど当たり前に使えるツールの前には、屁理屈(どうでも良い所にこっていると言う意味)なんて何の意味も持ちはしない。Appleの現在のソフトの開発力はOSの設計から始まる長年の経験で培われてきた実績の差を示している。SONYは器械は上手に作れる(保証が切れると途端に壊れるが)が道具を作った経験がないことが敗因なのだ。

結論:Appleに対抗してハードウェアを開発する前に、Appleに対抗出来るサービスとソフトウェアを開発することがSONYにとって死活問題だ。SONYの独りよがりに付きあうほど今のユーザーは気が長くないのである。それにFMチューナを付けたってそれほど聞く訳はないしどうやって好きな曲だけエアーチェックをすると言うのだろう。要するに対象であるユーザ層が見えていないのだ。

PC業界の2005年

 Appleにとって2005年は大きなターニングポイントであった。商品が出荷された訳ではないが、心臓部であるCPUをPowerPCからIntelに変更すると言う大きな決断を行った。この決断が吉と出るか凶と出るかは実際に製品が発売される来年以降になるが、IntelのCPUにWindowsをバンドルして販売しているメーカーにとっては、少なからず驚異になるだろう。同じCPU、グラフィックチップ、ドライブを使用していながら、PCメーカーは価格競争をしなければいけないのに一人Appleだけは蚊帳の外にいられるのである。今までのAppleの戦略から考えられることは価格を統一してディスカウントと言う手段は講じてこない。

 しかし、他のメーカーが価格差でAppleを牽制した場合に、Appleは他メーカーよりも安い価格でMacを売ることが可能だ。これはOSを自社開発していないPCメーカーには絶対出来ない芸当なのだ。それを可能にするためにはWindowsが無料にならなければいけないが、あそこまで大きくなってしまったソフト会社を支えるにはそれ相応の実入りが必要なのでタダになることは考えづらいだろう。対するAppleはiPodというヒット商品を抱え、新たな収入源を既に確保している。Appleの価格競争力に対抗出来る企業はDell位かもしれない(但しDellでさえ長期間持ちこたえることは出来ないだろう)。

結論:PCメーカーはAppleを対象した戦略を作ってはいけない。PCメーカーはレッドオーシャンの中でしか勝負が出来ないのだ。世の中のPCメーカーの中で唯一Microsoftの顔色を気にする必要のないメーカーがAppleだ。既にWindowsよりも高性能なOSを持っている。Intelのチップに乗り換えたと言うことはOfficeを必要としない体制を整え終わったと言うことなのである。

水曜日, 12月 07, 2005

10年一昔

 95年と言えばMacユーザにとっては悪夢の始まりであった。まだまだMacの域には達していないと自分にいくら言い聞かせても、物事の良し悪しを判断出来ない人達(要するに馬鹿)が雪崩をうってWindowsに流れてゆくのを阻止出来なかった嫌な年だった。唯一の慰めはAppleを追い出されたとは言え創始者であったJobsのPIXARが映画をヒットさせたことだけだった。当時偶然レドモンド(Microsoftのおひざ元)に出張中だった私は95日本語版の最後の追い込みにやって来ている日本人の姿(一般にはNECの社員と言う)を多く見かけた。

 10年経った現在、当時のAppleとは縁もゆかりもなかったJobsがAppleの経営者として君臨し、全く違う会社へと生まれ変わっているのに対し、Microsoftは大いなる迷走を繰り返している(利益を上げたとしてももう先は見えている)。MicrosoftのOSやアプリケーションには既にヒット商品が見られない(バンドルされているだけで人気がある訳ではない)。出てくる話題はセキュリティーの問題と、OSの発売時期が遅れると言うことばかりである。そして、問題はユーザーが新OSが遅れることに対して何も感じはしないことだ(もう新しいWindowsを必要としていないことの現われだ)。もう一つの会社PIXARは、10年経っても色あせないどころか今ではアニメ界をリードする企業になっている。

結論:Appleにとってのこの10年はまさにRenaissanceであったが、Microsoftにとっての10年は何だったのだろう。次の10年をリードするのがMicrosoftでないことだけは確かなようだ。

金曜日, 12月 02, 2005

やっぱり出そうな新Mac mini

 噂サイトといってもデマでない情報を得られるThink Secretでは、1月に新しいMac miniが登場するだろうと書かれている、。基調講演もJobsが勤めることだし、新製品の発表があることは間違いない。Leopardの完成度はかなり高くなっているようだが、まだ発表するには早過ぎる(Tigerから1年も経っていないからな)。そうなると目玉はやはりハードと言うことになる。もちろんiWorkなどのアプリケーションも発表されるが今回はハードの大量発表だろう。iPodでAppleに対する認知度は格段に上がっているが、iPodの売れ行きが一番良いのがnanoであることから、Macであればコンシューマーモデルを購入する層がメインのターゲットになるがG5を積んでいるiMacはモデルチェンジをしたばかりなのと、Intelを入れてもパフォーマンスでリード出来ない。そうなると今回のターゲットはPowerPc G4をCPUに積んでいるマシーンとなる。特に大幅なモデルチェンジを行っていない(バンプアップなどはチェンジのうちには入らない)iBookとMac miniになる。その中でも、いまいち印象の薄くなってしまったMac miniが大化けする可能性が高い。

 小さいとは言えノートよりは格段に自由度の高い筐体を活かし、HDDを大幅にアップ(250G位か)し、なおかつビデオ端子とアンテナ端子が標準で付くし、Front Lowは当たり前、テレビを見るならiTV(録画はもちろん出来る)というのはどうだろう。

 ディスプレイと言うものは薄くなったといっても場所を食うもの。テレビ(出来れば液晶)があるならそれで良いじゃないかというハードだ。それじゃメディアセンターとどう違うのよとお嘆きの貴兄に。リモコンのボタンが違う(数が目茶苦茶少ない)し、ボタンが少なくて済むソフトに仕上がっている。なんだそれだけかよ思われる方は他のPCと比べてみればいい。馬鹿には使いこなせないようなリモコンが付いているはずだ。

結論:Appleが作る商品はマニュアルがなくても使えるように出来ている。ここが肝腎なのだ。それが出来ないからSONYやMicrosoftには技術力が無いといつも言っているんだ。

木曜日, 12月 01, 2005

iPodは永遠に

 文化庁とか言う訳の解らん官庁のお墨付きを貰ってiPodに税金(保証金)を掛けようとしていたが、結局負けを認めた(見送り)。片やフランスではクリスマスシーズンにはiPod減税を行うと発表(ということは税金を取っていたと言うことだ)された。メディアが取り上げるせいもある(そしてそれをしつこく探している)が、iPodばかりを気にしていてもっと大きな流れが置きようとしていることに気付かない。Microsoftは、iPodを包囲するために業界の新標準(iPodのコネクタに対抗する共通コネクタを創ろうと言うこと)を作ろうと、デバイスメーカーや音楽販売会社をまとめようとしているが、本当にご苦労なこった。

 その理由はiPodのコネクタを使用するには使用料が必要になるからというのだが、Microsoftのソフトを買わされるよりもよっぽどましだと考えてはいけないのだろうか。標準規格と言うのは作ることは出来るがそれが採用されるかどうかは、コバンザメ出来るかどうかにかかってくる。どんなに優れた規格であってもお客さんに受け入れられなければそこで終わりなのである。そうやって、数多の商品は淘汰されてきた。

結論:商品企画力のない企業の規格など糞の足しにもならない。それにしても、もうiPodはいいんじゃないの。もっと別な話題が欲しいな(そういうお前がiPodネタばかりを書いているという苦情は聞こえないことにする)

水曜日, 11月 30, 2005

Apple vs Microsoft

 さて(何がさてだ)、昨日の妄想に続いて過去を振り返って今後を予測してみたい。Windows XPは、2001年準備不足であったにも関わらず(その後のバグ取りに5年を費やしてもまだ完全ではない)、OSXに対抗するだけ(全く違うCPU上のOSにむきになった理由はJobsに対するライバル意識だったが、それが墓穴の堀始めだとGatesは気付かなかった)のために急遽リリースされた。

 これは、Jobsの術中にまんまとはまったということである(キツネは決してタヌキには勝てないのだ)。その後、SP1、SP2とリリースされはしたがアップデートの度にユーザーの神経を逆なでするようなミスを連発した。それだけではなくとっくの昔に出ていなければいけない次期Windowsは当初の目覚ましい機能(明らかなベーパウェア)を全て未搭載のままなのに、まだベータ版のリリースに留まっている。どう頑張っても来年の暮れまでにVistaは出せないだろう(次期OSXであるLeopardに対抗して急遽出すかもしれないが、Leopardに対抗出来る様なものには絶対成らない)。以上のようにMicrosoftはこの5年間一歩も前進することなくバンドルだけで利益を上げてきた。対するAppleはその間に4度のメジャーアップデートを行い、ベーパーに過ぎないMicrosoftの先進機能の全てを現実のOSで提供している。

 5年前のAppleは、やっと自分で立つことが出来る状態になったばかりであり、Microsoftに喧嘩をしかける状態ではなかった。つまりMicrosoftには気が遠くなるほど時間的な余裕があったはずなのだ。AppleがMicrosoftに対して攻撃を明確にしたのは、OSXがPanther(3年間も対抗する時間を与えてくれた)になった段階からである。。それは業界の標準となっているプレゼンテーションソフト(プチキラーアプリ)であるPowerPointに対抗するKeynoteを発表したからである。そしてTigerを発表した時にはMS Word(デファクトアプリ)に対抗するPagesとKeynoteをパッケージにしたiWorkを発表した。

 いよいよ来年初頭にはEXCEL(キラーアプリ)にまとを絞ったSpreadがiWorkに含まれる(価格は据置だろう)。もちろん機能を羅列すればEXCELに勝てないが、EXCElを使っている人が殆どの機能を必要としていないことは間違いない。つまり、EXCEL(それも殆どはバンドル)しかないから使っているだけであってEXCELの全ての機能は必要とはされていない。だからこそ、AppleはEXCELの基本機能をカバーした商品を当たり前の価格で提供しようとしているのだ。

 さて(またか)、それだけで終わるのだろうか。ここからは妄想だ。全てのIntel版PCにOSをライセンスする前に、PowerPCとIntelチップのMacOSXをカバーするだけではなくWindows版も同時に作成出来る新しいXcodeを提供する(これは不可能ではい)だろう(こうなると被害妄想の領域)。つまりWindows用のアプリはMacで作れと言うJobsのご託宣なのだ。Intelに乗り換えると発表したAppleがそれくらいのことを考えていないと思うなら、あなたはお人よしである。さらに、ハードを持つAppleはそれらのツールで利益を上げる必要がないため、Microsoftの屋台骨をぐらつかせるような価格で提供してくるに違いない。

結論:過去20年近くハードを持たないMicrosoft(貧乏だったのでハードを作れなかっただけ?)は、形のないもので儲けると言うビジネスモデル(「インストールベース・ビジネスモデル」)で会社を大きくすること成功したが、新興企業やライバル潰しのために無計画にOSやアプリを継ぎはぎだらけにしてしために自己撞着に陥ってしまった(恐らく潰した企業の怨念にやられたのだ)。ハードで儲けられないMicrosoftは別な収益モデルを作らなければいけないが、現在のように巨大になったMicrosoftを支えるほどの利益をそこから得ることは到底不可能なのである。シェアで勝てても、もうAppleの敵ではないのだ。

火曜日, 11月 29, 2005

これからのApple

 ここ暫くSONYをあげつらう話ばかりでAppleの戦略について書いてこなかったので、これからのAppleの方向性について個人的な空想を述べてみたい。JobsはSONYやDisneyさえ対等以下の相手として交渉を行ってきているが、もうひとつ下に見ている大会社がある。ここでDellだと思うような人は先を読む必要は無いのであしからず。ヒントは次のMacEXPOで発表される次のiWorkにスプレッドシートが含まれるかどうかにかかっている。もしEXCELキラーをバンドルしてくればMicrosoftに対して完全な宣戦布告をすることになる。

 いつまでたっても新OSが出せない今だからこそ、AppleはIntelに乗り換えることにした。PowerPCの開発遅れが主原因だと思っていると真実を見間違ってしまうのだ。AppleはOSXの開発当時からIntel版も開発していたと言うのが今年の夏のサプライズであったが、ここで気付いて欲しいことはOSXのベースになったOpenStepはIntel版だったと言うことだ。つまりAppleがPowerPCを使っていなければ最初のリリースでOKだったものなのだ。もちろん、Appleが提供する限りはOpenStepのままではいけなかったこともある。MacOSに見えるようになるためにはブラッシュアップと機能追加の時間が必要だった。

 ついにMicrosoftを叩く時が訪れた。だからこそ同じ土俵(IntelのCPU)に上ることを明言したのだ。そのための方法論として、当初はMacにOSXを自社製品だけ(当たり前だが)でスタートする。さらにPCメーカーからのライセンスには簡単に応じない(飢餓感を煽るのだ)。Windowsに対するPCメーカーの不満が高まった段階で満を持してAppleの仕様に対応した機種にだけ(当然メーカーも選別する。ここでSONYは一番に手を上げなければいけない)ライセンスを行う。そしていずれはMicrosoftのシェアを食う。これが私の空想である。1月に発表されるハードはそれを可能にするキラーマシーン(次期Mac miniはAppleのデジタルハブだ)になることだろう。もうWindows対応のメディアセンターには出番はない。

結論:JobsはAppleにNeXT STEPをライセンスしなかったことによって、Windowsの台頭を許してしまったことをずっと悔やんでいた。あんなトッチャン坊や(Gatesのこと)に負けることは許されないのだ。そして、Appleの失われた13年間(Jobsがいなかった時期)を必ず取り戻すだろう。

月曜日, 11月 28, 2005

Macintosh伝説〜第十五章〜

1999年−iBook誕生


iBook誕生
人はそれをホタテ貝と呼ぶ。iMacを彷彿させるカラフルなノートブックiBook。ポリカーボネートとゴムによるコーティングはハードな使用にもびくともしないヘビーデューティーなマシンなのにそのデザインはまるで子供のおもちゃのよう。好き嫌いのはっきり分かれるそのデザインは斬新すぎたためにiMacほどの成功を収める事は出来なかった。このあとAppleは、贅肉をそぎ落とした研ぎすまされたデザインへと商品のコンセプトを移していくがiBookの盛り上がりがもう少し高ければ、逆にCubeはもっと成功していたかもしれない。それにしても、JobsはつくづくCubeには縁がないのだろうか。この時のMacEXPOでは、同時にG4が発表されている。これは次世代をリードするCPUであったが、Motorolaの開発力の衰えをまともに受けてしまい、以後の商品開発に遅れが出始めてしまう。ここにMotorolaとの蜜月に終わりが見え始めたと言える。

AirPort(Air Mac)登場
今では、すっかり当たり前になってしまったワイアレス・ネットワークがAppleから登場した。10Mと言う転送速度は当時一番標準的だった10BASE-Tとほぼ同等だった。ブロードバンドが、当たり前の今から考えれば物足りないかもしれないが、当時は家庭ではINSが一番速い通信速度といえたのだから過剰な仕様だったのである。ケーブルから解放されたiBookは意味もなくトイレやベランダへと持ち出される運命を辿ったのは間違いない。

Cubeには縁がない
初代Macintosh、NeXT Cube、G4 Cubeと、どういう訳かさすがのカリスマでも世の中に受け入れさせることが出来なかった商品群はすべてCube型であった。確かに世の中にCube型の物はあまり多くないのではないだろうか。よく考えたらばサイコロ以外の実用品を見た事がない気がする。世の中にあふれているCube型の物と言えば大抵が何かのパッケージであってその中身を出さずに使うような物は見当たらない。ここに敗因があるのか、それとも...
実はこれは非常に簡単な事が問題となっているのである。価格である。デザインコンセプトが画期的であるためについ高い価格を付けてしまい売れなかった。価格を改定しても、もう遅い。そう言う流れで失敗に終わったのである。捲土重来、価格構成も吟味した上で次のCubeを発表する時を待っているのは私だけだろうか。

Macintosh伝説〜第十四章〜

1998年−iMac誕生


互換機の終焉
遅すぎた互換機路線は、Power Computingの成功によりApple本体を脅かす形で進んでいった。Power Computing以外の互換機メーカーはとても成功と言える状態にはなく、そこから利益をAppleにもたらす事は無かった。そればかりか、同じ大きさのパイを複数のメーカーで食い合う状態となってしまい高性能なMacを次々と発表し、通販で売りまくるPower Computingが新たなAppleの脅威となってしまった。いち早くG3マシーンを発表したPower Computingは、この段階でその命を止められた状態となり、Jobsが暫定CEOとなったAppleに買収される事になってしまった。その後も、廉価版のMac互換機を作り続けたUMAXは新たなOSの供給を得られる事がなく互換機路線をあきらめる事になった。ここに、互換機は終わったのである。

iMac発表
まさに衝撃のデビューだった。それまでのパーソナルコンピュータの概念を打ち崩す新たな筐体を持ったiMacは、コピー商品を生み出しただけではなく世の中のデザインに影響を与えたと言っても良いかもしれない。それは、間違いなくJobsのMacであった。外部ポート以外に拡張性はなく、CPUの熱にも関わらずファンを持たないそのマシーンは限りなく静かである。電源を入れていない状態で絵になるパーソナルコンピュータは、Macintosh Plusしか存在しなかった。90年代のMacintosh。それが、iMacである。どちらのマシーンも、Jobsの哲学の具現化であり、パーソナルコンピュータが計算機ではない事を新たに知らしめる事になった。性能がコンピュータのすべてでない事を人々に気づかせた功績は大きいと言える。

金曜日, 11月 25, 2005

誰のおかげやねん2

 韓国の公正取引委員会がAppleとSamsungのフラッシュメモリーの価格取引に不正があるのじゃないかと調査を開始したようだ。韓国企業に対して不当に高い価格でメモリーを出しているのじゃないかと言いたいらしいが、馬鹿も休み休み言って欲しい。今ではNANDはフラッシュメモリーの花形であるが、Appleのnanoが出るまで売り手に困っていた不人気商品だったはずだ。Samsungにすればどうしようかと思っていたお荷物を大々的にAppleが買い取ってくれると言ったのだから、そりゃディスカウントくらいするでしょうが。それのどこに問題があるの。nanoのおかげでメモリータイプのプレイヤーが、初めて4番打者として認められたと言うのに、Appleがメモリーを買い占めてしまうと騒ぐのは筋違いも甚だしい。だから、韓国人は嫌われるのだ。

 正直な話、AppleはSamsungだけではチップが足りないので前金で世界中のNANDメーカーと買取契約を締結した。悔しかったらAppleよりも大量に注文を出せばいいのだ(それが原因で潰れると思うけど、私の知ったこっちゃ無い)。

結論:負け組のやることは何から何まで姑息である。そんなだから負け組になるのである。

誰のおかげやねん

 音楽のネット配信で7月から9月にかけての四半期は187%の売り上げ増加だったと日本レコード協会が公式発表した。どこが伸びたのでこうなったかは一切振れられていないがAppleのiTMSが始まったおかげであることは間違いない。さんざっぱらiPodから上前をははねようなどと考えていた連中がAppleの恩恵をまともに受けた形になったのだ。勿論日本における音楽ダウンロードのほとんどの売上は着うたに代表される携帯電話へのダウンロードが大半を占めているが今後PC向けが伸びてくることは明らかである。全41社の販売実績だというが、口が裂けてもAppleさんのおかげですとは言えないだろう(iTMSがどれくらい他社とかけ離れた売上かが知りたいのに)。それにしても、それまでの四半期からAppleが売ったであろう100数十万曲を差し引いてしまえば、ちっともインターネットダウロードが伸びていないことは明らかである。Apple自ら何曲売れたかは最初の4日間で100万曲を突破したと言うもの以外ないため、実数を掴みきれないがもしかしたら既存の業者はマイナスに転じているかもしれない。売上総額は、曲数ほど伸びていない(曲数は倍増だ)のは、Appleに追従して価格を下げたせいである。

 これくらいで済んでいる大きな理由は最大手のSONY-BMGが楽曲を提供していないからだ。何て姑息な手段をと言いたいが、こればかりは(馬鹿なんだから)仕方がない(売れなくなったCDのマイナスをカバーする唯一の手段がmoraではなくiTMSだと早く悟って欲しい)。

結論:PCに対するダウンロード配信の半分以上をAppleが抑えた。これから年末にかけて唯一品不足になるくらい売れるプレイヤーはiPodだけである(SONYの新製品も賞味期限切れのポップを出してワゴンセールをやれば売れるかもしれない)。どうでも良いかもしれないが、SONY-BMGも早くおこぼれに預かる準備をした方が良いだろう。それをしなかったために立ち居か無くなっても私の知ったことじゃないが。

木曜日, 11月 24, 2005

何故か楽天とTBSの提携

 TBSは経営統合を引っ込めてくれれば提携しても良いという提案を楽天にしたようだ。どうでもいいが提携をするならばiTMSにしたらどうだろう。今期は広告収入も落ち込んで非常に具合が悪い状態なのだから、この際広告収入で成り立っている今のビジネスモデル(総務局によるお手盛り保護政策)を無いものと考え、コンテンツから直接利益を得るものに照準を合わせたビジネスに変えてゆくべきだろう。それにしても、もし持ち株会社にでもなったら放送免許は取り上げられてしまうのだから楽天は何をやりたいのだろう。まあ、恐らくTBSの放送免許が取り上げられることは絶対無いと高を括っているんだろうが、そんな既得権益を前提にして自社の評判を落として何か利益があるのだろうか。

 楽天はEコマースでは成功しているが所詮は縁日の場所貸し(みかじめ料を取っているだけ)にしか過ぎない。自分で直接物を売っている訳ではないので、その辺りのノウハウは全く無いし、番組との連携で商品を売るなど、悪い冗談だと思う。そんな考えしかないような企業と手を結んでも得るところなど全く無いに決まっている。それよりは、”花より男子”でも何でも良いから、iTMSでCMなしで販売するとか日本のテレビ局の先べんを付けるようなダイナミックなことを真っ先に手掛けるべきである。その上で有利な立場で楽天と交渉するくらいの頭がないのかな。

結論:護送船団方式の許認可企業はどこもうダメである。時代の先端をいっていそうなテレビ局もしかり。TBSの社員の給料ならば楽天の社員を4人は雇えるはずだ。そんな高コストにあぐらをかいていられるのは後わずかばかりの時間しか残されていない。放送免許なんかいっそのこと返しちゃったらどうだろう。私の知ったことじゃないが。Appleに恩を売る絶好のチャンスだと思っているのは私だけだろうか。

水曜日, 11月 23, 2005

ゲーム理論

 大分以前のことではあるが、日本のゲーム理論の大学の先生曰く”Macのシェアが15%を越えるとWindowsは消えてしまう”というのがあった。何故そんなことになるかと言うと、95%ものシェアを握っているWindowsに対してMacはわずか数パーセントしかシェアがないのに、一向に消えないと言うことは、MacユーザのMacに対するロイヤルティーの高さが原因だとかなんだとか言うものであった。そのせいで、もし15%を越えるシェアを握ったならばMacユーザによる自主的な伝道によって全ての人がMacユーザになってしまうのだと言うのである。この話が出た頃はApple最悪の時期だったため単に溜飲を下げるネタとしての価値しか持たなかったが、来年早々Intel版のMacが登場することによって、ことによったらありえない話じゃ無くなりそうな雲行きなのである。

 SONYがしてやられたように、Microsoftも煮え湯を飲まされることになるかもしれないというお話なのだ。もちろん、現在のAppleは自社以外のPCで動くIntel版のMac OSXをだすことは考えてはいない(少なくともDellのマシーンにOSXが載っても私は絶対Dellなど買わない)が、シェアで20%を越えるようになったならばライセンスしないことにはユーザを捌けなくなってしまうだろう。それで、世の中が幸せになるかどうかは私の知ったことではないが...

結論:同じCPUになった時、否が応でもWindowsとOSXが比較される時が来る。Mac以外で動く動かないはこの際置いといて、ほとんど同じ構成のPCでど、れだけ違うことが出来るのかが明らかになってしまうのが問題になるのだ。そう考えると今のMicrosoftは何をしているのだろう。ゲームなんかに力を入れている場合じゃないだろう。まるでPCは、諦めてしまったようにさえ見える。悪いことは言わない早いとこちゃんとしたWindowsを出した方が良い。残された時間はもう1年も無いのだから。

火曜日, 11月 22, 2005

iTMSがタワーレコードを抜いた

 Appleは楽曲の販売実績でついにタワーレコードを抜いてしまった。既に破産法を適用されているショップに勝ったからどうなのだと言われてしまえば、それまでなのだがそれでもAppleの上にいるのは、Amazonやウォールマートなどの大手小売店(アメリカ人はこう言った店で安売りされているCDを買うと言うことだ)だけで、専門店であるタワーレコードに勝ったと言うのは音楽専門店としてトップに立ったのである。つまりCD専門店はもう時代に取り残されてしまったということだ。

 日本は再販制度(CDはそうではないがレコードは価格統制されていた)のおかげで長い間レコード業界はぬるま湯の中に浸かってきたが、これからはそうはいかないことを肝に銘じなければいけないのだ。黙っていてもパッケージで売れるようなことはもう二度と無いのだから、ここは一つ勝馬に乗る転換点になるだろう。

結論:DVDが680円で売られる時代に、CDだけは別だと考えていたのでは生き残ることは出来ない。iTMSに対抗するにはCDを1枚600円くらいで売る無茶苦茶さが無ければいけない。もちろん、それで利益が出るかどうかは私に知ったことではないが...

3ヶ月分12億5000万ドル前払い

 ぱったりとiPodの売上が止まってしまったとしたら、大変なことになりそうな契約をNANDメーカーと結んだApple。納品前に金を払ってしまうと言うことは、もし歩留まりが悪かった場合には他のメーカーにメモリーが行かなくなってしまうことを意味する。だからといって他のメーカーが、それに不服を言う訳にはいかない。悔しかったらお前らも契約してみろというのがAppleの回答だ。それにしても、今回の一発はえげつないくらいにキツイ仕打ちである。そこまでしなくても相手はいずれ撤退するのに...

 さて、最大のライバルであるSONYは最初の2日間でシェアを2割近くとったようである。価格は9月に発表した時と比べると思いきったディスカウント価格になっている。もともとオープン価格なのでいくらにしても構わない訳だが、最初に設定した価格を発売前に下げざるおえなかったことがSONYの弱さを示してしまった形になっている。事実上一切の値引きを行っていないiPodに対抗するために発売初日に価格で勝負する(恐らく、あの価格では利益が出ないどころか損失を出すことになってしまう)以外に手だてが無いというのは非常に残念なことである。

 Christmasまでは、どうにか持ちこたえるかも知れないが年を越したならば先週までのシェアにもで大手しまう可能性の方が高い。現に今までのSONYの売り上げは発売直後だけの線香花火でしかなかった。今回だけは別だと言えるほどの材料があるとは到底思えないのである。

結論:今の土俵にいる限りSONYに目はない。そして、1月のMacEXPOに発表される商品を越えるものを同時期に発表出来ない限り、今後も目がないのである。

金曜日, 11月 18, 2005

1月にSan Franciscoで発表されるもの

 Apple Insiderを始めとする噂サイトでは、新しいPowerbookやiMacが発表されるのではないかといった憶測が多く流れているが、Think Secretでは発表されるのはiBookやMac miniが先だろうとされている。プロ用のPhotoshopやOfficeといったキラーアプリケーションが、未だにカーボンで書かれている現状では、Intel版のMacでRosettaで動かさざるおえない。それでは折角のプロシューマ機器が出てもその力を十分発揮することはできない。だからこそ、最初に発表されるIntelマシーンは、最近アップデートが行われていない次のiBookだろう。iMacもコンシューマー機であるが、チップがG5であることと今回のアップデートでパフォーマンスが非常に上がっているため使っているアプリによってはデュアルチップを使用しなければパフォーマンスが落ちてしまうだろう。

 そして、ソフトでは新しいiWorkが発表される。今回こそはEXCELのシートを読み込むことが出来るスプレッドシートが登場するだろう。Cocoaで書かれたスプレッドシートであれば、スピードではEXCELを越えることが出来るかも知れない。Cocoa版Officeの開発もそれによって早まる。肝腎のAdobeは、CS2を発表したばかりのためすぐにIntel版が出てくるとは思えない。そうなるとIntel版のPowerMacの登場時期に合わせて発表されることになるのだろう。QuickTimeの技術を使ったアプリは既にCocoa対応可能になっているため、この辺も新しいものが発表される可能性がある。

結論:まだまだ時間があるので不確定な要素が多いが、shuffleのアップデートがあるだけではなく新製品がめじろ押しのEXPOになりそうである。Microsoftの影が余計に薄くなる2006年になるだろう。

土曜日, 11月 12, 2005

iTunesの名前が意味するもの

 iTunesが初めて登場した時、それはCDをリッピングするためのソフトウェアの様にしか思えなかったのに名前はiTunesだった。そのためこの時点で、このネーミングに重要な意味が込められていることに気付いたものは多くなかっただろう。初代のiTunesの時からインターネットラジオ局の提供する放送を24時間自由にストリーミングで聞くことが出来たが、そのためにチューナーをイメージさせるTuneという言葉を使った訳ではなかったのである。

 既にバージョンも6になり、念願であったビデオクリップも手に入れられるようなったが、今Jobsが交渉しているテレビ局との番組提供の契約が上手く行った場合には、ストリーミングメディアの一つとして、テレビと言う項目が増えることだろう。そこでは保存出来ない生の情報が提供される。そしてサーバのログを分析することによって今までの視聴率を超える精度で番組の視聴記録を得ることが出来るようになる。放送局はそのデータを元にしてCMを抜いたバージョンを有料ビデオとして販売することが出来るようになる。これは画期的なことだ。つまりAppleは既にテレビを越えるメディアを手中に収める最後の段階にかかろうとしている。それは音楽データの配信の実績を見れば明らかである(有料で成功していることが重要だ)。

結論:JobsがiTunesと言う名前のソフトを出した段階で、今までのチューナー(ラジオやテレビ)を不要にするサービスを視野に入れていたことは明らかである。その中心にある技術はQuickTime(携帯からフルハイビジョンまでカバーしたものは他にはない)である。iTunesとはデジタル時代のチューナーだ。それなのに他のメーカーは未だにアナログチューナーをPCに内蔵した商品を売ろうなどと考えている。馬鹿には未来は見えてこないということである。

金曜日, 11月 11, 2005

Appleはブルーオーシャン、Dellはレッドオーシャン

 ブルーオーシャンやレッドオーシャンと言う言葉は好きではないが、あえて今回は使わせてもらう。PCはDellの一人勝ちのような話(生き残るのはDellだけ)がずっと続いていたが、前々からDellのビジネスモデルは、ウォールマートと同じで、どこにも凄いことはないというのが持論であった。長い間待たされはしたが、どうもDellのメッキも剥げ始めたようである。HPやレノボとの価格競争に追われ、増え過ぎたユーザーに対するサポート体制も強化が間に合わずにアメリカでも評判はがた落ちになってしまった。つまりDellはまさにレッドオーシャンで溺れようとしているのである。

 対するもう一つの勝ち組であるApple(シェアではなく利益が上がっているかどうかだ)は、iPodという新しいデバイスを切っ掛けにして、利益を積み上げ続けている。それが、いつまでも続くとは思えないが、少なくともAppleのブルーオーシャンに乗り込んでこれるメーカーは今のところ現われそうにもない(SONYはそうなりたいのだろうが後追いではブルーオーシャンとは言えない)。

 Dellはこれから益々利益を上げるのが困難になり(抱き合わせ以外でPC以外のデバイスが売れるような体制にない)、ビジネス用だってAppleのサーバがもっと伸びてくればおかしくなってくるかも知れない。所詮ハードしか持っていないメーカーでは、薄利多売以外に方法がないのである。今、PC(Macは単なるPCだとは思っていないが)を核としてトータルなサービスを提供出来る体制にある(そして成功している)のは世界を見回してもAppleだけだ。

結論:Dellは成功をしたがそれは20世紀の話である。21世紀にはDellのような(ウォールマートも)ビジネスでは生き残れない。他にはないもので勝負しろよ。そうじゃなければ人権(人件費とも言う)の存在しない中国には到底勝てないのである。

土曜日, 11月 05, 2005

TBSは楽天を相手にする前にAppleに用心しろ

 ライブドアvsフジ、楽天vsTBSと相変わらず新聞は馬鹿なことで騒いでいるが世の中はそんなところにゃもういないのだ。そもそもたかが一放送局とネット企業が手を結んだって何も出来やしない。Eコマースで相乗効果なんて言っているようじゃ、ジャパネット高田にだって勝てやしない。そういうことを言っている奴を田舎者と言うのだ。

 レコード会社(SONY)が泡食ったのと同じように、今のままではiTMSにコンテンツを提供しない放送局も負け組になってしまう。iPodにビデオ再生機能が付いただけの今だからこそ先に手を挙げるべきだ。次にAppleが商品を出してくる時ではもう遅いのだ。Jobsがビデオにもニーズがあると初めて明言したが、これは彼が初めてビデオに可能性があると気付いたと言うことではない。彼の言動を見ていれば判ることは、Appleが商品を出すまでは否定ととれる発言をしているが、その発言を覆すことが出来る商品を発表して世の中をあっと言わせるということだ。つまり、彼がニーズを認めたと言うことは間違いなく近いうちにビデオがメインのデバイスをAppleが発表してくる。時期は判らないが最初のIntel版ノートが出てくる前にあっと言わせる物が発表されると...

結論:コンテンツを持っている企業は出し惜しみをしてはいけない。そして勝ち組に乗らなくてはいけない。そうしなければ、Appleのような企業はコンテンツを本当に作っている企業と直接取引して既得権益を持っている企業を排除してしまう。そうなった企業には未来は無い。放送なんてネットの前では借りてきた猫以下なのである。

金曜日, 10月 28, 2005

Macintosh伝説〜第十三章〜

1997年−Jobs再臨


NeXT買収
技術的には大成功だったが、ビジネスとしては大失敗だったNextの買収が96年末に発表された。技術として完成されているNeXT STEPが4億ドルで手に入ったのはAppleにとって安い買い物であったが、Amelioにとっては高い買い物になってしまった。Jobsのカリスマ性をNeXTとともに手に入れられたと考えたAmelioは、Jobsの威光を利用しようとしたが、そんなことが出来る相手ではなかった。自分の能力を過信したために、自らの力の無さを露見させてしまったのだ。悲しいかなAmelioも、Jobsをコントロールできるほどの器ではなかったのである。

Amelio辞任
公的な権限を何も持たないはずのJobsはApple社内を自由に動き回り、Amelio抜きで社員(元Next社員)に次々と指示を与え、Appleの商品開発に直接手を下していった。それだけではなく、彼の信奉者であるOracle CEO エリソンをコマとして使いAppleの買収等の噂話で見事な揺さぶりをかけた。NeXT買収の興奮も冷めやらぬ頃、Apple創業以来最大の赤字を計上。全責任をとらされたAmelioは、いるにいられない状態となり辞任することになる。形式的には辞任であるが、まさしく追放劇であったと言える。結局、Amelioが残した業績はJobsを復活させたことだけだった。ただし、この功績は、Apple歴代のトップの中でも最大のものなのは疑いようも無い事実である。この判断が無ければおそらくAppleという会社は消えていたことだろう。さらに、Jobsは新しいボードメンバーを加えることに成功し、マイク・マクーラ(副会長)を始めとする取締役を一人残らず追い出すことに成功したのである。これで、彼に刃向かえる人は全てこの世から消えたのである。

G3誕生
最初に発表されたPower Macintosh G3は、他社性のパソコンと何ら代わることの無いベージュマシーンだった。これは、Macintosh IIvxの時から引きずっていたデザインでAppleが販売するべき商品とは言えなかった。その後、Appleらしさ溢れるPower Mac G3が発表されたが、心無い人はそれをポリタンクと呼んだ。そのせいか非常に短命に終わってしまった。プロ用のマシーンなのに研ぎ澄まされた所の無いそのデザインは安心感を与えると同時に鈍足のように見え、G3をその心臓部に秘めていながら凄さを感じさせることが無かったのである。G5の対局に位置するそのデザインは、iMacを彷彿させるものであった。コンピュータを事務機から脱皮させようというコンセプトの最初のデスクトップ・マシーンとしてその価値が語られることが、果たして来ることがあるのだろうか。

Jobsのカリスマ性
彼のカリスマ性は、ある意味ではケネディを凌駕する物かもしれない。なぜならば、彼に地獄に突き落とされた人々でさえ彼に声をかけられ、その目を見てしまうと再び彼の信者になってしまうと言うのである。あの、エリソンでさえJobsの前では従順な僕であり、ゲイツさえ基調講演でカリスマ性を発揮するために彼の爪の垢を1億5千万ドルで購入したと噂されている。彼のカリスマ性のすごさは、どんなに歪曲された物でも彼の口から吐き出されるとそれが真実になってしまうところにある。「一生砂糖水を売ってるのか」と言ってSculleyをハントしたり、失敗した事業を元にして潰れかけている会社を復活させたり、シェアはどんどん低くなっているのに利益は高くなったり、最初はコケにされていたディズニーのアイズナーを馬鹿呼ばわりできるまでの実績をあげたりと、これは人間技を遥かに越えているのではないだろうか。

Jobsをコントロール
実はこれを出来る人はこの世には存在しない。それどころか、神様でも不可能かと...
Sculleyが暫く大人しくしていて欲しいと考えた時にはアップルの株式を全て売却してNeXTを設立。 ロスペローから2千万ドル以上金を出させて口を出させなかった。キャノンから1億ドル以上金を出させて煮え湯をたっぷりとプレゼント。ゲイツに1億5千万ドルの金とOfficeの開発を約束させて、議決権の無い株式をプレゼント。その話を持っていった時のアップルは潰れそうな財政状態の、シェア5パーセント以下のボロ会社。その時にJobsが口にした言葉は「二人が手を結べばPCの100パーセントを手に入れられる」。Jobsにしてみればゲイツがいくら金持ちでも、アップルに仕事を貰いに来た小僧の時とほとんど同じ扱いなのである。さらに、マイクロソフトに金を出させる交渉を自らしておきながら、自分はアップルから手に入れた株を全て売ってしまったと言うんだから、彼をコントロールしようなんて考えること自体が土台から間違っているという事なのである。

しかし、そんなJobsさえもコントロール出来るものが世の中に実は存在している。それは、Macユーザーと呼ばれる人々だ。世間では、Macユーザーと言えばApple礼賛、Jobs崇拝の輩と思われているがそれは大きな間違いである。正しい判断、優れた商品をには拍手を惜しまないが、自分たちの基準に合わない商品や経営判断をした時にはAppleを完膚無きまで攻撃するのがMacユーザーなのである。その結果、消えていった商品さえ存在する。その代表は、G4 Cubeである。Appleは、G4 Cubeを決してMacユーザーのために開発した訳ではなかったに、彼らは口汚くののしりプロダクトとしては優れていたのに自分が使いたいマシーンで無かったために人が使うことも許せなかったのである。それ以来、あのJobsでさえヘビーユーザーの声を無視することは無くなったのである。

失敗した事業
96年秋までのNeXT Computerは、言わずと知れた失敗事業であった。何がいけなかったのだろう。NeXT Cubeは誰が見ても完璧と言える造形であった。そのマザーボードは、まさに芸術作品。一片の無駄も無いその回路設計は見飽きる事の無い完成度だった。それが、何故売れなかったのか、簡単であるその価格が間違っていたのだ。より高速に処理を行えるSUNのワークステーションが何台も買える価格では、誰にでも手を出せる代物ではなかったのだ。では、何故そんなに高くなってしまったのか。そこには、業界で標準となっていないデバイスが組み込まれていた。まだ海の物とも山の物とも知れないMOが標準装備され、そのディスプレイには、Display Postscriptが使われていた。確かに目を見張るように美しく表示され、専用のレーザプリンタは画面そのままに印刷することができたが、それを必要とする人は世の中に殆どいなかったのである。95年秋までのPixarも失敗事業だった。NeXTのように人をだまくらかして金を出させる事もままならなかったPixarは、Jobs個人の資産によって賄われていた。『トイ・ストーリー』の公開がもう1年遅かったならばPixarも消えていたかもしれない。

コケにされていた
初めてディズニーと提携を結んで映画を作り始めた時にアイズナーが相手にしていたのは、JobsのPixarで働くジョン・ラセター(元ディズニー社員)であった。恐れ多くも天下のアイズナーは、Jobsに対して素人はスッ込んでいろといった態度で臨んだのである。確かに、当時のJobsは、NeXTで失敗しPixarでまた失敗を繰り返していた。今では、Pixarといえば押しも押されもしないアニメスタジオであるが、当時は実はCG用のコンピュータとソフトウェアを売るのが商売だった。今でも評価の高い(価格も高い)RendermanとCG専用のワークステーションを販売していたが、どうにもこうにもワークステーションは売れない。そこで、自社のマシンとソフトの性能を世に知らしめるためにデモ用のCGアニメを作成したのが、今の隆盛のきっかけなのである。おかしな物で、ハードを売るのをやめた時Pixarの未来が開けたのである。

アイズナーを馬鹿呼ばわり
ディズニー再興の祖と言われているアイズナーもJobsに言わせれば数字以外で物を考えられないただの馬鹿である。ディズニーのような創造性を重視される企業において一番役立たずなのがアイズナーだとJobsは宣う。しかしこれは、あながち間違いとは言えない。Jobsの経営するもう一つの会社Pixarは、過去に5本の長編映画を製作しているが、すべて大ヒットし、観客動員数は常に右肩上がりを続けている。それに引き換え過去5年間のディズニーにはヒット作は無く、ここ最近の2本は制作費に遠く及ばない興行成績だった。『ファインディング・ニモ』1作の興行収入とディズニー過去5年間の全作品の興行収入が殆ど同じで、関連商品の収入を合わせると1作に勝てないのが現状なのである。ディズニーを救うには、Pixar買収とJobsのCEO要請意外にないのかもしれない。人はそれをデジャブと呼ぶ。

木曜日, 10月 27, 2005

Macintosh伝説〜第十二章

1996年−人は彼を首の太い親父と呼ぶ


Amelioは何をしにきたのか
かつてギル・アメリオという男がAppleのCEOを努めていた時代があった。あまりにも短い間だったので人々の口に上る事も少ないかもしれない。見るからにその男はAppleに相応しくなかった。ナショナル・セミコンダクターを建て直したと言う伝説があったが、彼がいなくなったあとに業績が急降下した。大幅なレイオフと在庫整理で利益をたたき出しはしたが、それは一回限りのまやかしだったのだ。

この当時のAppleは彼のようなビジョンを持たない人間を全く必要としていなかった。小使いでいいのならば、すぐに机の下に隠れて震えてしまうバカ珍のマイケル・スピンドラーの続投で事足りたのである。彼が、CEOになって一年の間に次期OSを社外から手に入れると言うプランが持ち上がってきた。このこと自体は間違っていないが、その候補としてWindows NT、Be OSと何の脈絡もなく上がってきたことがビジョンの無さを如実に示していた。要はこのおっさんは何も考えがなかったのである。

ところが、何も考えてなかったことが思わぬ所でスマッシュヒットを打ち出した。年末になってよりによってAppleの仇敵であるNeXTを次期OSのベースにすると言う考えられない事を実現してしまった。アメリオでなければ絶対にスティーブに声をかけるなんて事を思いつかなかったはず。怖い物知らずの小使いはまさに恐ろしい存在であった。そういえばこのおっさん97年の1月のMacEXPOの段階で、MacOS7はこれから10年間は通用すると言っていた。本当にバカである。

アメリオが引き連れてきた連中もAppleの文化とは水と油の連中であった。こいつらがあまりにも酷かったおかげでJobsの復帰に芽が出たとしたら、やはり神のおぼしめしはあるということである。

Windows NT
NTってニューテクノロジーの略らしい。本人達がそういっているのだからきっとそうなのだろう。でも、どこがニューテクノロジーなのと突っ込んでみたくなるのは、Macユーザーの悲しい佐賀...性(決して佐賀が悲しい訳ではない。佐賀はちょっぴり寂しいだけである)。何が悲しくてNTベースのMacを使わなければいけないの。そんなことしたら、数少ないMacユーザーが消えちゃうよ。これは、Macユーザーの正直な反応だった。冗談でもそんな戯けたことをほざいて欲しくない。95年の恨みが一年やそこいらで消えるとでも思っているのか。Windows95は、PCユーザーから見れば進化かもしれないが、Macユーザーから見たら退化以外の何者でもなかった。その当時のNTなんてGUIはWindows3.1と同等。そんなもの買う奴がいたらつれて来やがれ。たとえシステムが本当に落ちなかったとしたって意識が落ちちゃ仕方ないだろうが。

スマッシュヒット
正確に言えば、打ったのではなくボールがバットに当たってきたのである。それでも取りあえずは塁にでることが出来たのは確かである。それも、3塁に。但し3塁に出たと思ったらベンチに下げられて、帰りのバス賃を渡されたのである。実力が無かったのだからこればかりは仕方のないことだったのだ。

スティーブに声をかける
彼に声をかけて恩恵を受けた人が果たしているのだろうか。前年のトイ・ストーリーのヒットで一躍、時の人として脚光を再び浴びていたが、それはPixarの話であってNeXTは風前のともしびであることにかわりはなかった。何人の人達が煮え湯を飲まされ、そして廃人になっていった事か...アメリオは、この業界のことを何も知らなかった。そうに違いない。Jobsをただの気の良い中年とでも思っていたのだろうか。30代になるまでに3つも企業を作った男に、ただの再建屋がかなうはずもない。考えなくたって解ることである。つまり、Appleが、NeXTを買ったのではなくNeXTにAppleが乗っ取られた(それも金を払って)というのが真実なのである。ただし、これがApple再生のたった一つの方法だったことは間違いない。

Macintosh伝説〜第十一章

1995年−Apple沈没



Windows95発売
Macユーザーの世界では、この年は無かった事になっている。そうでなくても、何があったのかを思い出すことが出来ない。Windows95は、MacOS87だと言って見ても負け惜しみにしか聞こえない世の中になっていた。

トイ・ストーリー大ヒット
Macユーザーの中で異常に記憶力の良い人達の間で語り継がれている唯一の話題は、かつてAppleを創業したスティーブ・ジョブズのもう一つの会社Pixarがトイ・ストーリーというアニメーションで大ヒットを飛ばしたことである。良い話の無いAppleに関係する唯一の明るかった話題(本当に関係してるか?)で溜飲を下げたのは私だけでなかったはずである。

Macintosh伝説〜第十章

1994年−Appleはどこへ行くのか


Macintosh発売10周年
本当ならば、栄光の10周年になっていたはずなのにAppleは、この10年間何をしていたのだろう。PowerPCというチップを手にしてPCに対するアドバンテージを得たのもつかの間。Apple社内の混とんは、まさにカオス状態であった。モデル数が70もあり、その瑣末な商品の差を把握することは一部の熱烈なMac信者以外には不可能であった。こんなものを売ることの出来る人が一般のPC販売店にいる訳も無くじり貧へとまっしぐらとなってしまった。この当時の商品を意味のある物だけに絞っていったならば、恐らく4モデルくらいで足りていたのではないだろうか。この当時のAppleは、各セクションが自分たちの夢(妄想とも言う)を追い求め経営者の中に誰もビジョンを示す者がいなかった。地獄に落ちなかったことが本当に不思議なくらいである。

ビジョン
アップルのビジョンから生み出されたいくつかを紹介。84年に3.5インチFDDを標準装備。84年からデジタル音声出力を標準装備。ネットワーク機能(AppleTalk)をパソコンで初めて標準装備(プリンタもネットワーク対応だった)。86年にSCSIを標準装備。CD-ROMを標準装備。初めてワイアレスネットワークを標準化する。92年にビデオコーデックをソフトウェア化して標準装備(QuickTime)、これによってパーソナルコンピュータ上にビデオを表示可能になる。Windows標準のTrueTypeを開発。フロッピードライブを最初に排除。SCSIポートを最初に削除。USBポートを最初に標準装備(他のポートが付いていなかった)。IEEEポートを開発(これがなかったならば、デジタルビデオはどうなっていたことやら)。86年からデュアルディスプレイを標準化。最初に1670万色カラーを実現。PDAを初めて商品化(この時に採用されなかったモデルの開発者がPalmを作る)。95年にデジタルカメラを初めて商品化。86年にレーザープリンタを初めて商品化(Mac本体よりも高かった)。

水曜日, 10月 19, 2005

SONYは闘わずして負けた

 新Walkmanは、iPod nanoの発表に的を絞って発表された起死回生になってほしい商品だった。しかし、意地の悪いことにAppleは、わずか1ヶ月後にiPodのモデルチェンジを発表した。SONYのtype Aには初めて、iTunesのようなまともな管理softが付属することになったが、それは付いていて当たり前の商品で無かったことがおかしかったと気付かせることになってしまった。それに対してAppleはnano発表に合わせて進化させたiTunesからさらに進化させた新ヴァージョンをデビューさせた。ミュージック・ビデオやビデオ・ポッドキャストが一元的に管理可能なソフトである。これで、新Walkmanが既に死んでいることは明らかだ。11月に出して売れることの方がおかしい(今までのデータとの互換性だって怪しい)。私はVAIO Pocketという商品を出した時には止めろと言った(既になかったことになっている)し、PSPで音楽や動画再生を行うようになった時にはWalkmanは止めてPSPだけにしろと勝手に言っていた(恐らくそれさえ怪しい)。直接SONYにいったことは無いので、届くはずはないのだが結果は全く予想通りになっている。悪いことは言わない、ソフトとサービスが伴わないハードを作るのだけはもう止めにしたらどうだろう。SONYが今するべきことは、まだ最終商品として発表されていないメディアセンターをAppleに先駆けて出すことだけである。今回のiMacでこれからどう進むかは示されている。これを活かすことが出来ないのならば、メディアを支配しようなどという馬鹿なことは考えず大人しくしているに限る。残された時間は次のMac miniの発表までであることを肝に銘じてもらいたい。

結論:SONYはAppleの尻をなめるのが好きなのだ。

今週発表されるもの

 19日にニューヨークで発表される製品(ハード・ソフト)に関する情報が徐々に漏れ始めている。先週発表されるのではないかと噂されていたPowerMacは1週間遅れで登場することになるようだ。デュアルチップカードを2枚使ったハイエンド機(4CPU)から、デュアル1枚或いはシングルチップを2枚載せた構成になりそうである。さらに、予てから噂になっていた(一部でしかなっていなかったかも知れない)Apple純正のプロ用画像編集ソフトの"Photo Pro"もお目見えするだろう。価格がいくらになるかは解らないが、"iPhoto"の次は、"Photoshop CS"へ一機にアップするしかなかったプロ・カメラマンに必要なツールがAppleから提供されることになる。

 もともと19日は、"PhotoPlus Expo(October 20-22)"に先行した発表であることから、噂の信ぴょう性に問題ないだろう。先月、先週とコンシューマー商品の話題ばかりであったが、本命のプロ用の発表が行われることによって、Appleの本気度が解ると言うものだ。今後進む道と考えられるシン・クライアントシステムに関しても、"XServe"や"XServe RAID"のニューモデルを発表し終わっている。全方位に向けた準備は全て整ったとみて良いだろう。

結論:iPodのAppleと考えがちであるが、実際にはサーバからiPodまでをカバーするソフトとハードを同時に開発しているとんでもない会社である。SONYにはそこまでの奥行きがないから、的外れなことばかりやっているのかも知れない。

金曜日, 10月 14, 2005

新iPodは?

 ついに動画機能が装備されたiPodが発表された。仕様とコンテンツに関しては予想通りであったが、このツールには今迄のiPodでは今一つであった教育ツールとしての機能をフルに活かす能力が詰め込まれている。今迄動画対応の携帯プレイヤーはDVDクラスのビデオを再生すると言うことが本筋のように語られてきたが、それは思慮の無さを自ら示すような物である(自社で権利を持っている映画を売りたいと言う貧乏人根性で開発した企業が多過ぎる)。

 それでは、新しいiPodでは何が出来るのか。今迄も語学学習用のコンテンツがいくつか発売されていたし、オーディオブックも最初から用意されていた。これを利用すれば立派な教育ツールとして活用出来たのであるが、今回は動画によってさらに有効な教育ツールとして利用可能になった。どの会社でも、ある程度の規模を持てば社員教育のためのビデオをひとつやふたつは用意しているだろうが、それが活かされているとは言えなかったはずだ。何故なら、どこでも気軽にビデオを見ることなど出来なかったからだ。しかし、これからは社員にiPodを配りビデオデータを配付することによって通信教育が可能になる。150時間の動画が保存出来ると言うことは、学校教育のツールにもなりうる容量を持っている。DVDを配るよりはよっぽど時間とコストを抑えることが可能になるのだ。それが見えているかどうかによって企業の盛衰が決まる時代が来ていると言ったら言い過ぎだろうか。

結論:ビデオの見えるゲーム機や携帯プレイヤーは様々にある(別な事業部で違う仕様のものを出している馬鹿な企業もあるようだ)が、それを活かすことの出来るソフトとシステムまで同時に発表出来る企業は今のところAppleしかない。たった一ヶ月で全く新しいバージョンのiTunesを発表すると言うことは他のメーカーには真似が出来ない。日本の某企業はあれだけ評判の悪いソフトから新しいソフトに切り替えるのに何年も要し、なおかつ全く互換性がなくなってしまった。そんなことしか出来ない企業の商品が売れる訳はないのである。これからは、ソフト開発力のない企業の商品は生き残れない時代なのだ。だからもうあきらめなよ、SONY。

水曜日, 10月 05, 2005

第5世代iPod

 今週中に第5世代のiPodが発表されそうな雲行きになってきた。仕様としては誰もが予想するように、ミュージッククリップやビデオポッドキャストが表示可能なものになるようである(未だに一部では劇場版ムービーが見られると考えているようだが、そんなものはいらない)。

 長時間見続けることを前提にした大きなディスプレイ(最低20インチは欲しい)をつけたデザインではなく、今迄よりも若干小型になって容量がアップするのだろう。基本的に音楽などのビデオクリップが再生可能になると考えるのが正しく、ついでにムービーをと言うのは容量を考えても無理だと考えるのが常識ある人間の判断である(ここでいう容量はiPodの問題ではなくダウンロードしなければならないファイルの量のことである)。恐らく今回発表されるiPodの容量(80G)であれば、無圧縮のDVD映像でさえ10数本収まるであろうが、2時間の映画を落とすのに2時間もかかったのでは全く意味が無い。さらにPCからiPodへの転送にも10Mを1秒位と考えて映画1本ならば10分近くかかる。そんな思いまでして外に持ち出してiPodで映画を見たいと言う人には良い病院を紹介したい位である。

 どちらにしても、このところ動きの無かった本家iPodもモデルチェンジされるのは、非常に喜ばしいことである。iPodは音楽の楽しみ方の範囲を広げた(決して新しい楽しみ方などとは思わない)だけではなく動画を含めたコンテンツを気軽に楽しむための新しいツールに成長してきたと考えるのが正しいだろう。

結論:iPodはビデオと言えば映画だと考えるような頭の堅い人が使うセグメントの商品ではない。そういうものが欲しい人はソニーのPSPでも買って悦に入ってもらえばいい。iPodはコンテンツを気軽に楽しむためのツールだ。真剣にビデオや音楽を楽しみたい人は部屋に閉じこもって静かに堪能していればいいのである。外では迷惑なので止めて欲しい。

水曜日, 9月 14, 2005

携帯プレイヤー2強の争い?

 どういう訳か日本(日本以外でそんなこといっている馬鹿はいない)の大マスコミの世界にだけ携帯プレイヤーの世界には2強(どこかは知らないが恐らくアップルともう一社と言うことなのだろう)がいるらしい。これに関しては既に的確な反論が出ているので、そちらを参照して頂くのが一番だろう。

 それでは私を何を書けばいいのだろう。実は大マスコミが2強の争いとどうしても言い張りたい日本では、iPod nanoが発売された週にそれまでどうにか踏みとどまっていたSONYのシェアが劇的に下落してしまい、nanoの一人勝ちになってしまった(2強と持ち上げておきながら現行の商品にダメ出しをしたのだからマスコミも相当意地が悪い)。nanoだけで全商品の30%以上のシェアになりアップルの総合シェアは60%を越えようとしている。特に酷かったのがメモリータイプの携帯プレイヤーでnanoだけで80%のシェアだった。このセグメントは唯一SONYがそれなりに検討していたジャンルだっただけにもう勝負はついたと考えるのが普通だろう。

 またアップル自慢かよと思われてしまうので、続きを書かなければいけない。実は一人勝ちのアメリカでnanoが思ったほど売れていないのだ(某SONYの商品の様にと言う訳ではないのだが週末までに売り切れてしまわなかったのである)。iTMSのスタートが追い風になっているから日本ではより話題性があった所為かも知れないが、それにしても日本以上に圧倒的な強さを持っているアメリカで売り切れなかったというのは謎である。アメリカで売れているのは2Gタイプなのに、日本では4Gが売り切れ商品になってしまっているし、日本ではわずかながらホワイトの方が売れているのに、アメリカでは5対1位の比率でブラックが売れている。さていつもの結論へ行こう。

結論:日米でnanoの売れ方に違いはある原因は既に欲しい人にはiPodが行き渡っているアメリカ(2台目以降の需要なので動きが遅い)と日本(MDや他社製品からの買い替え需要)との違いなのである。マスコミがどんなにSONYを2強の一つにしたくても、まだ出てもいないnanoよりも劣る商品を待つほどおめでたい人間などいない。もうあとは、Connect Player(あれはSONY製のiTunesである)と同じようにiPodと間違えて買ってしまうようなデザインにする位しか生き残りのチャンスはない。負け組はそれくらい必死にならなければいけない。

木曜日, 9月 08, 2005

SONYの問題点

 SONYの問題点ばかりをあげつらっているようで申し訳ないのだが、SONYは未だに目指すべき道を見つけられないでいる。Appleの発表に押される形で急遽発表された新しいWalkman(11月18日発売と言うことはAppleの発表さえ無ければ発表する気が無かった商品なのである)は新たなSONY商品の買い控え(その間にiPod nanoが買われることだろう)を起こすだけのような気がする。この時代に2ヶ月も時間があればSONYのWalkmanを潰す新たな商品を発売する時間をライバルに与えてしまうことになる。Appleで言えばその頃には全く新しいiPod(場合によって全くコンセプトの違う商品)が出ているはずだ。他社が太刀打ち出来ない商品を先に発表するのならば意味もあるがどう見てもどうと言うことのない商品を発表するしかなかったことに、SONYの全ての問題が現れている。

 独自の技術にこだわることなくアベリティーのある技術は積極的に採り入れて行くとということを発表していたが、それがiTunesのデザインや使い勝手を模倣したソフトウェアでは仕方がない。確かにMD用に開発されたSonicStageのくびき(アルバム単位でしか曲を管理出来ない)から逃れることが出来たのは大きな前進だろう(これは皮肉である。Appleは3年前に既にアルバム単位で曲を聴くと言うスタイルは古いと定義し直している)。結局2年も後から商品を出しながらAppleをあっと言わせる商品を出せなかったSONYは出遅れを取り戻すことは決して出来ないだろう(WBSではスポンサーの絡みも逢ってそう言えなかったが)。

 ブランド構築としてのAppleの戦略は成功している(デザインに完全な統一感があるためどの商品も一目でAppleだと判る)が、SONYはWalkmanのシリーズでさえデザインに統一感が無い(出す度に全く違うデザインではロゴ以外にSONYと判らせることが方法がない)。これでは全くポリシーがないことを自ら示してしまっているにすぎない。そんなメーカーの商品を未だにありがたがってくれるのは日本の一部ユーザーに過ぎない。そんなユーザを対象に開発を続けている限りAppleに勝つことは出来ないだろう。

iPod nano登場!!

 予てからの噂通り(噂以上か?)新しいiPodが満を持して発表された。発表ばかりか本日より発売開始だと言うのだから、何と用意の良いことだろう。昼休みにアップルストア銀座に顔を出すと早速nanoを手に携えたお客の列が出来ていた。shuffleと比較して価格が高いのにドラッグストアの特売同様複数のnanoを持って並んでいる光景はいつもと同様なのであるが、iTMSが既にスタートしている現在Appleを止めることができるものはどこにもいないだろう(慌てて新しいWalkmanを発表しているメーカーがいたようだが、11月に発売するものを今発表して何か意味があるのだろうか、どう欲目にみてもiPod nanoを阻止する様な商品ではない )。これで暮れのiPodのフルモデルチェンジまでAppleの独走態勢は間違いなく続きそうである。

 100万曲ダウンロード以後iTMSに関する情報が表に出てこないがスタートから1ヶ月ということで、今日のアップルのiPodプレス発表会で何らかの報告が有るのではないだろうか。これで今日のWBSのメインはアップル関連で決まりだろう。それにしてもSONYは後発の強みを一度も出せないでいる。今ごろスマートシャッフル機能を次期マシーンで搭載などと寝ぼけたことを言っているのだから呆れて物も言えない。iPod miniは頼みのHDDの供給の遅れで商品を十分に用意出来なかったことがJobsの逆鱗に触れ打ちきりになったが、NAND最大手のSamsungのメモリーを今から手に入れようとするメーカーが出てきても全生産量の40%はAppleに抑えられてしまっている以上、SONYが同様のプレイヤーを発売する頃にはAppleは遥か銀河の彼方に行ってしまっていることだろう。

 さて、iPod nanoであるが、これは絶対買いの商品だ。アメリカのアナリストの予想同様に年末の四半期には1000万台以上が売れていることだろう。それくらいに商品のデザインは秀逸である(もちろん好き嫌いはあるが今回発表されたWalkmanと比べてカッコ悪いと思う奴は少ないはずだ)。Moraもダメ、プレイヤーもダメなSONYは音楽業界から手を引いた方がいいのじゃないかと思わせる昨今であるが、Jobsの爪のアカでも煎じて飲みながらせめて成仏してくれることを祈る今日この頃である。

結論:再生時間以外に何も勝てるところの無い商品を発表するのだけは止めておこう。かえって印象を悪くしてしまうのだ。

月曜日, 9月 05, 2005

ソニーのスピード感と危機感は徳川幕府以下!

 ついにソニーもiTMSに楽曲を提供すると決断したようである。それにしてもなんとタイミングの悪い発表なのだろう。iTMSで現在どれくらいの曲が累計でダウンロード販売されたのかが明らかになっていないが、最初の4日で100万曲が売れたことから考えてそれで終わってしまったとは考えづらいだろう。現に一時的にせよシェア奪還で上位に食い込んでいたSONYのプレイヤーの売上は、iPod軍団に再逆転されてしまったようだ。

 ソニーが加わろうが加わらなかろうが(これが現状)成功しているiTMSに遅れて参加すると言うのは非常にイメージ戦略としては稚拙である。一般のユーザがそこまで気にしてはいない(どうだって良いと言うことだ)問題ではあるが、ソニーが加わらないことによってiTMSの成功に水を差そうとしたが結果的に”長いものに巻かれる決断をしました”という印象しか与えられなかったように思えて仕方がない。iTMSのスタート時に真っ先に楽曲を提供していればソニーの協力もあって成功したと言う印象を抱かせることが出来たのに全く逆の選択をしてしまったばかりに、Appleにすがりついたようにしか見えなくなってしまったのである。

 これらの動きの全ての原因は、丸山茂雄氏(EPICソニーを立ち上げてソニーを歌謡曲だけでないレコード会社にした)ような人が社内の上層部からいなくなり親会社のSONYの顔色を見て仕事をする会社になってしまったことに由来するのである。現場は音楽を聴く世界が広がることの重要性を十分に解っていたのだが、上が馬鹿だからこんなことになってしまった(自ら負け組になってしまった)ことに対して、はらわたの煮えくり返る思いであろう。一番売れているプレイヤー向けに楽曲を提供しないということは、ダウンロードビジネスには一切手を出さない別なビジネスモデルを構築しなければいけないと言うことが解っていなかったのだろう。

結論:邪魔をしたのに一番になれないくらい悪いイメージは無い。年内スタートなどと悠長なことを言っていないで、SONYだけで200万曲位一遍に今月中に(それも100円で)提供する位の意気込みが必要なのである。

金曜日, 9月 02, 2005

7日に発表されるのはiPodだけか?

 9月7日アメリカでの発表は、果たして噂通りにメモリタイプのiPod miniとMotorolaのiPod携帯だけなのであろうか。これだけでもそれなりに話題性はあるが日本でもビデオを使ってプレスだけの発表会を行うと言うことはそれ以上の隠し球があると踏んでも良いのではないだろうか。

 日本では8月4日にiTMSの開始のプレス発表にJobs自らが現われた。一番難問だった日本での音楽ダウンロードの開始だっただけに思わず大将がやって来たのであるが、iPod携帯が日本でも発表を行わなければいけない(まだシェアが低いからか?)程の商品とも思えない(日本で使える携帯ではない)。そうなると俄然、ミュージックビデオが見えるiPod位は出るのではないかと言う気になってくるのだが、Appleinsiderなどの情報では年末まで出そうにないと言うことだ。

 ここで、希望を一つ(前から言っていることか)。アップル純正のiPod携帯電話の発表をして欲しい。前からAppleはiPhoneという商標を抑えているし、携帯電話で使われているビデオの圧縮方式はQuickTimeである。実はこっそり日本のメーカにも作らせていて、いきなりDoCoMoから発表されたりしたならば、流石と拍手を送りたいものである。普通に考えてありえないと思えるような物をいきなり発表するのがAppleなのだ。ソニーエリクソンやパナソニックがOEMでAppleの携帯をひそかに作っていたとしても驚いてはいけないのである。

 話は変る。何故AppleはTVチューナ内蔵のMacを出さないかについてである。国によって放送方式の違うTV電波に対応するのはこのネットワーク時代に相応しい考えではない。データを全てQuickTimeに変換してしまえばユニバーサルなサービスを行うことが出来る。現在のQuickTimeはフルハイビジョン(1080p)に対応しているのでどんなでかいディスプレイで表示しても見劣りするようなことは無い(既にDVDのクオリティを越えている)。映像を配信するシステムではそこが肝腎なのだ。BD(ブルーレイ)を始めとする次世代DVDは、規格統一もならないうちにどうでも良い技術に成り下がってしまっていると言ったら言い過ぎだろうか。デジタル時代になりどんなコピープロテクトでさえ破ることが出来るのだから、そんなことを考えるよりもコピーされても利益が得られるビジネスモデルを構築しなければいけないのである。

結論:ビデオが見えるモバイルギアを作る時間があったら、その次の時代に合うデバイスを開発するべきである。

月曜日, 8月 29, 2005

ストリーミング音楽配信は見切り発車?

 iTMS以外の音楽サイトでは楽曲提供のサービスの方法として定額制(サブスクリプション)のストリーミング配信を行っている。
 アップルも将来にわたってサブスクリプションを行わないとは言えないが、ユーザに楽曲の所有権を与えない(金の切れ目が、視聴の切れ目)というのでは大きな問題である。それどころかサブスクリプションは音源提供先であるレコード会社の合意を得られていないサービスである。著作権に関してかなり緩い縛りしか存在しないアメリカでさえ契約に至っていないのに、日本でどうするつもりなのだろうと心配したくなるところだが、実は日本の場合はレーベルが自分の所の楽曲を提供する形が一般的なため(自社商品しか扱わない)にお金の問題は存在しないに等しいのである。でもCDに焼けない(焼くほどの価値もないと言うことだろうか)なら、金を取ると言うのは随分酷い話のように思える(サービスに対応しているプレイヤーの製造会社から金を貰うのが筋じゃないの)。

 まあ、何から何まで他所の国と事情が違う日本であるが、NapsterやRealNetworksのビジネスモデル(サブスクリプション)は日本でも無理であろう。そして、アメリカではもっと難しいはずだ。なぜならばレコード会社が要求する金額を払ったのでは商売をやっている意味がない(iPodのように他に利益を生み出すものがない)し、自分たちの希望額しか支払わないのであれば、楽曲の提供は無くなってしまう。今は立ち上げ時のどさくさに紛れて色々なサービスを打ち出そうとしているが、落ち着いて考えれば無理なビジネス・モデルなのだから早めに手を打つべきだろう。

 同じの土俵に上がってはいけないサービスを同列に扱うマスコミの見識の無さには、いつもがっくり来るばかりである。

金曜日, 8月 12, 2005

SONYは自爆したいのか?

 iTMSに参加していない最大手のSONYミュージックの佐野元春が個人としてiTMSに参加を表明した。それに対してソニーは「佐野元春はもうソニーのアーティストではない」と考えているようである。こんなことをやっていると実力と実績のあるアーティストは、個人の判断でiTMSと契約をしてしまうことが解らないのだろうか。楽曲の販売方法がレコード店しかなかった時代と現在との違いが全く理解されていない。今や曲を売る自信のあるアーティストにとって、大手のレコード会社は利益を中間搾取する存在でしかないということを理解していない。その最たるものがソニーだ。系列会社のWalkmanの最大のライバルであるiPodの利益になる契約には参加したくないと言うのが真の理由なのだろうが、そんな奴らは狭い村社会に引っ込んでいればいい。自分たちで立ち上げたレーベルゲートや”mora”ともバッティングするために参加できないと言うのならば、いっそのこと利益を生むことが見込めないレーベルゲートなどをやめることが正しい判断である。つまり、単なる意地で利益を生まない事業を抱えるほど世の中は甘くない。東芝EMIのようにBusinessとは冷静な判断を行なわなければいけないだろう。今のソニーグループは、戦前の軍部のように考えが硬直している。恐らく未だに自分たちが一番だと勘違いしているのだ。それに比べ、東芝EMIは未来に向けて柔軟な事業展開を考えている。日本でも一番多くの配信事業者に曲を提供している。これはどこが本当の一番になるかはフタを開けてみなければ解らないからであるが、もしこのままiTMSが一人勝ちを続けるようであれば真っ先にソニー系の配信サイトから曲を引き上げるだろう。ATRAC3などという互換性の低い(AACも互換性が低いがシェアがケタ違いである)フォーマットをサポートする意味は内からである。

 ソニーは、佐野元春だけがiTMSに鞍替えすると考えているのかも知れないが、ちゃんとした売れる曲を作っているベテラン・アーティストはダイレクトに利益を得られるiTMSに雪崩をうって移行しないとは言えない。そうならないためにも、ソニーは一日も早くiTMSに曲を提供しなければいけないのだ。自爆したいと言うのならば好きにすればいいが、それに巻き込まれるソニー好きの音楽好きのことを少しは考えて欲しいものである。

金曜日, 8月 05, 2005

新譜から旧譜・廃盤へ

 ついにiTMS-Jが正式にスタートした。これは音楽の聞き方、買い方を変える画期的な出来事なのである。以前から何度も書いてきていることなので私のBlogをのぞいている変わり者の方々はご存じだとは思うが、何故他のダウンロードサービスがダメなのかという根本の部分を解説したい。一言で言えばレコード会社主導だからダメなのである。それじゃ、あんまりなので少し詳しく説明したい。レコード会社主導だと何故いけないのか、それはオンラインでも新譜を売ろうとするからだ。実は新譜は売れていないし、売れる訳が無い。その理由は、新譜の購入対象者は音楽を買う世代ではないからだ。音源を購入するのが当たり前とすり込まれている世代は、実は80年代までに青春を迎えた連中なのである。何故ならばFMをエアチェックするかレコードを買う以外に曲を手に入れる手段がなかった経験を持っているのはその世代までだからだ。その後、レンタルレコード屋が出来、レンタルCD屋が認められるにつれ、レンタルしてきたものをMDにコピーして聞くのが(だからMDは著作権分価格に上乗せされるのだ)当たり前になってしまった。だからよっぽどのことが無ければCDを買わないのだ。

 それとHDDプレイヤーを同一のものだと考えているJASRACとレコード会社は、完全に状況を錯誤している。また、携帯の音楽ダウンロードの方が日本では有効だという意見もある。これは、半分は当たっているが、半分は間違っている。携帯でダウンロードされた音楽は愛着を持って聞かれるものではなく、聞き流されるものなのだ。つまり所有されるものではなく、消費されるものなのである。だから、携帯は定額でサービスする、新譜だけをサービスするが正しい。つまり、1曲ごとに売るならばPC(Macの方が良いとは思う)と連動させてCDに焼き付けることが可能でなければいけない。ここが解っていない人の発言は、全て的外れなのだ。

 さて、ここからが本題だ。今までの流れを見れば解るようにiTMSのメインターゲットは若者ではない(ここで断言する)。レトロ食玩に食い付くような年代(名古屋ではない万博を知っている)が、メインターゲットなのだ。この世代の音源はLPだった(本当に気に入ったアルバムは、すり減った時を考慮して複数枚購入した)。その後時代はCDに変ったがCDが売れていたのは彼らのLPからの買い替え需要があったからだ。CDへの買い替えを行わなかったアルバムは今では手に入れることが出来ない。何故なら新譜を売りたいレコード会社は、旧譜のためのスペースなど用意してくれないのだ。つまり、商品が無いから需要がないように見えるだけで実際は旧譜(ベスト版ではない完全オリジナル版)には、大きな需要が隠されている。iTMSに無ければいけない作品とは、70年代から活動していて現在も現役でやっているミュージシャンの旧譜や廃盤(CDにして再プレスするほどの需要が見込めないように思えるアルバム)のデジタル化なのである。

 じゃあ、何故これがiTMSじゃないとできないのかである。レコード会社は、新譜を出さないといけない体質になってしまっている。その一番の理由は新譜を作らないのなら、ディレクターもプロデューサも宣伝部員も要らない(つまり自分のクビが切られてしまう)というただそれだけ、要するに保身だ。だから出す必要があるか無いかは関係ない。取りあえず出せば仕事をしたことにはなる。どうせ買う奴なんかいないんだから、レンタルCD屋に押し込めるような歌手で出しちまえというのが現状だ。そんな考え方の人間は旧譜が金になるなどと解っていても(解っていない馬鹿の方が多いとは思う)口には出せないのである。しかし、レコード会社主導でないiTMSにとってそれらの作品は宝の山である。新譜だけで100万も200万も曲をそろえることなど出来ない(レコード会社系はだから10万曲程度)。iTMSにとって大事なのは曲の新鮮さではなくストックの量なのだ。1曲6M程度の音楽などが消費するディスク容量などコストのうちには入らない。もしiTMSが日本で成功しないのだとしたら、それは音楽を愛する人がいなかったということなのだ。そんな国でなければきっとiTMSは大成功するに違いない。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

月曜日, 8月 01, 2005

Macintosh伝説 〜番外編〜

Jobsの現実歪曲伝説


Intelの石はクズ:Intelの石は馬鹿みたいに熱くて使い物にならないと言ってみたり、PhotoshopのベンチマークではEXPOで毎回PowerPCが圧倒的に優れていることを示して来た。だから、Macユーザーの間ではIntelのチップなど比較の対象にもならないという考えが行き渡り誰もそんなものを使う時が来るなどとは考えてもいなかった。現にJobs以外の人間がそんなことを口走ろうものなら一斉に非難を浴びていた。ところが、PowerPCのクロックスピードがいつまでたっても速くならない(Jobsの約束を果たせない)状況に、Intelへのチップの移行が発表された。Intelのチップの方が消費電力当たりのパフォーマンスが優れている。そしてMacOSXのスタート時からIntel用のOSXを一緒に開発していたので、いつでも移行できると言うのである。Intelの石を批判したために友達を無くしたことがある人にとってはいかんともし難い状況である。

メモリタイプのプレイヤーはダメ:iPodが発表された当時世の中に多くでていたメモリタイプのデジタルプレイヤーは容量が少なく、アルバムを入れるのがやっとなので売れる訳が無いとJobsは言っていた。現実も全くその通りになりiPodだけが売れため、それまでメモリタイプしか作っていなかったメーカーはHDDタイプのプレイヤーに軸足を移さざるおえなくなってしまった。HDDの容量もどんどん大きくなる方向に進むと、今度はいきなりiPod miniを発表し容量だけじゃダメだと世の中に訴え(HDD単体の方がiPod miniよりも高く売れた)、それにメーカーが追随してくると大容量で低価格のメモリタイプをshuffleとして発表し、ディスプレイがないからこそ新しい音楽の聞き方が出来ると宣った。確かにshuffleの聞き方はアルバム単位ではなくランダムに楽しむというものであるが、それにしても、こんなことをして誰からも非難されない(MP3プレイヤーのメーカーはボロクソにこき下ろしていたが消費者はAppleを指示した)のは世界広しと言えどJobs以外にはありえない。

ムービーは携帯プレイヤーで見るものではない:映画はあんな小さなディスプレイで見るものではない。映画は何度も見るものではないと言い続け、実際にムービーを再生するiPodはまだ発売されていない。しかしiTMSではすでにミュージック・ビデオ(プロモーション・ビデオ)をオマケとしてダウロードできるだけでなく近々販売を開始する。これは、DVDをiPodに取り込んで見るような物ではないためJobsの発言が全て否定される訳ではないし、これからもそうだとは思うが、ある日突然ビデオを見るための本当の携帯端末が出来たと発表するかも知れない。日本の関連業界の方々はくれぐれもJobsの真意をくみ取った戦略を立てることをお忘れなきように。

金曜日, 7月 29, 2005

iPodに課金なんて、まだ言ってるの?

iPodに課金などと、未だに時代錯誤のことを言っている馬鹿な奴らがいる。iPodなどを著作権を侵すデバイスだと考えているのだ。日本では未だに音楽のダウンロード販売が始まっていない(やっているところはあるがあれは事業ではない)が、来週開始されるiTMSジャパン(iTunes Music Store)がスタートすれば権利が侵されるどころか、新たな著作権料を得るチャンスがやって来るのである。課金の理由が、MDに課金しておいて携帯プレイヤーに課金しないのは不公平だと言う論点なのだから呆れてものが言えない。もしその理屈が成り立つなら昨今のポータブルゲーム機や携帯電話は全て課金対象にしなければいけなくなる。CDのコピーが前提のMDとダウンロードデータを聴くことが目的の携帯ミュージックプレイヤーを一緒くたに括る(音楽を聴くという関連性)思考は前時代の遺物だと言っても過言ではない。英国ではiPodに対抗してVirgin Musicストアで対抗しようとしていたが失敗したVirginは最初のiPod携帯電話のキャリアのなろうとしている。世の中はそれくらいに大きく変わろうとしているのである。Appleに意地悪をしている時間があったら、いっそのことAppleにフリーハンドを与え、レコード会社にiTMSに参加するようにハッパを掛けて新たな飯の種を見つけ出す頭の柔らかさが必要なのである。それが出来ない組織ならば無くなってしまった方が良い。

金曜日, 7月 22, 2005

AppleはJavaに見切りを付けたのか

 あまり大きなネタではないのだが、長らく選択肢の一つとして存在していたCocoa-Javaはアプリケーションの開発環境として非推薦になった。もちろんWeb-Objectsの世界ではJavaはデフォルト(Cocoaでは作れない)であるが、万能の開発環境としてはObjective-Cしかないと言う状態になった。これは、Carbonに対しても言えることなのであるが、CarbonにせよCocoa-JavaにせよCocoa用のライブラリーが完成するまでのつなぎだったのである。

 結局Jobsがどう言おうが、Intelチップに変更した理由もCocoaだけでMacのアプリが作れる体制になることが前提だったのだ。QuickTime(Carbonのライブラリーしかなかった)のように過去の遺産の方が大きいライブラリーを置き換えるのに時間が必要だったのだ。といわけでJavaだってつなぎだったのかも知れない。WebアプリではJavaは有効であるがグラフィックを多用するアプリケーションの作成環境としては端から無理がある。そもそもAppleが考える世界のMainストリームを歩むような技術では無いと言うことなのだろう。

 というわけで、Mac(PowerPCでもIntelでも)で開発をする限りはレガシーなライブラリー(Objective-Cが一番歴史があったりするが)のことは忘れてハードの能力を最大限発揮させたいならCocoaを使えと言うのがアップルのご託宣なのである。

結論:JavaはMacでも動く存在であって、無くてもかまわない物だということだ。Javaをマスターする時間があったらObjective-Cをマスターした方がいいぞと言っているのである。

水曜日, 7月 20, 2005

iTunesはどこへ向かうのか

 長らく待たされていたiTunes Music Storeジャパンが正式に開始される見通しがたった。今のところエイベックスだけが正式に名乗りを上げているだけであるが、恐らく国内のほとんどが参加することになるであろう。価格などは発表されていないが150円を上限になるのではないだろうか。本家のiTMSは、私の予想通りミュージック・ビデオの発売を開始する。合わせてテレビ局各社との交渉も始まっている。これはパッケージとして販売コンテンツ(映画など)以外をiTMSに載せてくることを示唆している。つまりmovieではなくTVなのである。その辺りの違いを理解できない人々が世の中に多くいるがコレクションするための映像は世の中にいくらでもある(レンタルビデオがあるし、パッケージを買えば済む)。それをあえてネット上に載せてくる意味合いはほとんどない。

 オンデマンドが必要なコンテンツはTVのように使い捨てになってしまうメディアなのだ。それをデジタル化する作業はまさに作業でしかない。世の中のIT企業の経営者でそれを理解しているのは他でも無いJobsだけである。テレビ番組ををPC用映像にして配信しているポータルはたくさんあるが、iPodで見られるような形でサービスできるのはAppleを置いて他には無い。

 と言う訳でiPod Photoの次の機種はiPod TVとApple Media Centerになるのではないだろうか。Apple Media Centerは、MacがなくてもiPod TVにテレビ映像を送り込むことが出来るiTunesとQuickTimeをベースにしたマシーンである。DVDなどに焼くことが出来ない(テレビに映すかiPodに送る機能に特化した)コンパクトなマシーンで価格は500ドル以下といったところでどうだろう。

 今のところ噂さえ出ていないようだが、発表されると面白そうである。
iTunes Music Storeが遅れていたが日本だがテレビ局各社がテレビのコンテンツをオンライン配信しようとしている。ここは一挙にTVの配信サービスを開始してしまう党のはどうだろう。

金曜日, 7月 15, 2005

Macintosh伝説〜第九章〜

1993年−Sculley解任



Appleの混迷
血迷ったかと思えるほど、というよりも気違いじみている程のマシーンが販売された。Appleのショップの人間でさえ何がどう違うのかが解らないほどのMacが発表された。こんなことをしていて在庫が増えないはずはないのに、何の策もないままに違いの解らないマシーンを送り出してきた。こんな状態が1997年まで続いたのに潰れなかった所を見るとMacユーザは馬鹿なのかも知れないと思ってしまう。夢に掛けたMacユーザーに対するAppleの仕打ちは、正に恩を仇で返すと言えるものであった。当時のユーザーの口癖は、"Appleは嫌いだがMacintoshは好き"であったのは仕方のないことであった。

Newton登場!!
言ったは良いがいつまでも出なかったために妄想ばかりが頭の中で渦を巻いて過大な期待を抱いてしまったNewtonがついに登場した。約束されていた手書き文字認識(Rosettaというコード名であった)がいつまでたっても使い物にならなかったために、ロシア人の持ち込んだアプリケーションを利用して誤魔化さざるおえなかったのが、その後のアップルの迷走を示唆していたかも知れない。実際Newtonが出たは良いが、Macユーザーが望んだレベルには達していなかったためおもちゃでしかなかったのだ。出来ることが半分にも満たなかったPalmの方がバランスがとれていたのでPDAのトップの座をすぐに奪われてしまった。悲しいかなJobsによって引導を渡された最後のマシーンは完成度では文句無しであったが時代はPDAをもう必要とはしていないとJobsに判断された(そしてこれは正しい選択であった)。

Sculley解任
鳴り物入りでデビューしたNewtonは、先物買いの物好きが買った後にパタリとその売上を停止してしまった。開発に掛けた費用を回収することはどう見ても不可能であったため、人身御供が必要とされた。まさにいつか見た光景である。結局創立者であるJobsを追放したScullyにその白羽の矢が立った。その前にJobs追放に手を貸したジャン・ルイ・ガゼーも既にAppleにはいなかった。こうしてAppleの顔と呼べる人々がAppleを追い出され、ついに最悪の人選(マイケル・スピンドラーの会長兼CEO)という暴挙を行ってしまうのである。マイケル・スピンドラーはそれまでにアップルヨーロッパのマーケティングで成功を収めたと言う実績を持っていたが、ただのセールスマンであったため技術開発が主導であったAppleのような会社のトップになってはいけなかった人間だったのである。

Macユーザーは馬鹿
悲しいかな初代Macintoshに魅せられてしまった人々はその悪魔の囁きを忘れることが出来なかった。Macintoshとは仕事をこなすために使わなければいけないマシーンではなく、自分の感性を満足させるために選ぶ商品である。近所の買い物にしか使うことが無いので論理的に考えればアルトを買えば済むのに、どうしてもBMWが欲しいと考える人を馬鹿と呼ぶのならばMacユーザーはまさに馬鹿の見本である。しかしそこにあるテイストの違いが大事だと考える人にとってみれば、アルトで良いと考える人こそ何もわかっていない馬鹿だとMacユーザーは言うのである。これがWindowsユーザーとMacユーザーが歩み寄ることが出来ない壁の本質なのだ。ただもうひとつWindowsユーザーには変な連中がいる。アルトにFerrariのエンジンを積んで悦に入っているような奴らだ。本当に凄いマシーンが欲しいのならボアアップしたりする前にFerrariを買うことを考えたら如何なものだろう。

Rosetta
Appleの手書き認識ソフトに付けられていた開発コード名である。エジプトの象形文字の解読に役立った"Rosetta stone"にあやかって付けられたコード名であったが、名前負けしてしまったのか完成されることは無かった。良く考えてみれば手書き文字の認識と"Rosetta stone"には関連性が無いことに気付く(Rosetta stoneが貢献したのはローマ字とエジプト文字の対応関係による解読であって文字認識ではない)が、当時はそれに気付かなかった。そして2005年のWWDCで再びこの"rosetta"というコード名が復活した。PowerPC用にコンパイルしたバイナリーをリコンパイルすることなくIntelのCPUで走らせるためのエミュレーション技術である。もともと他所の会社で作られていたものであるが、その技術をAppleは正式に買い取ったようである。この辺りの目のつけ所の良さと柔軟性が今のAppleのスピードを生み出しているのである。

Palm
その前身は一般的には知られていないがNewtonである。NewtonにはAppleから商品化されたタイプ(Newton Mini)と、Big Newtonと呼ばれていたタブレットPC状のMac同様にフル機能を持ったNewton、そしてPocket Newtonと呼ばれた電子手帳タイプの3種類が開発されていた。機能の一番少なかったポケット・タイプは一番早く開発されたが、Appleが出すに相応しい物ではないとの取締役会の判断で開発チームは解散させられてしまった。そのため当時開発を主導していた技術者達がスピンアウトして作られた会社がPalmであった。

Macintosh伝説〜第八章〜

1992年−アップルの迷走



Windows3.1発売開始
MS-DOSにGUIアプリケーションを載せただけの代物に過ぎなかったとは言え、曲がりなりにも3.1上で動くアプリケーションがいくつか登場し、3.0と比べたら比較にならないほど安定度がましたOSの登場にPCユーザは飛びついた。見た目はかなりMacOSに近づいた(AppleはLook&Feelを侵害しているとしてMicrosoftやHPを訴えたが後に完全に敗訴してしまう)ため、中身も恐らく同じように動いていると誤解するPCユーザの馬鹿さ加減を許せなかったMacユーザが多かったが、不安定さではSystem7以下であることがせめてもの救いであった。

合併は画餅に帰す
1992年は最悪の時期ではなかったが、先行きに不安を感じていたアップルの首脳陣は合併を含めた提携先を探し求めていた。その相手として白羽の矢が立った企業には、IBM、AT&T、SUN、HPとなどがあったが、当時CEOのScullyやCOOのスピンドラーの合併後の自分たちの地位がどうなるかという思惑で結果的に全てご破算になってしまった。自分たちと会社を少しでも高く買わせたいという気持ちが強過ぎたのが全ての原因だったのだ。世の中そんなに欲張ってはいけないのである。

スタートレック
2005年のWWDCで次期システムはIntelのCPUに移行すると言う発表がなされた後では違和感が少ないかも知れないが、かつてスタートレックと言う開発コードでIntel版のMacOS(OSXではない)の開発プロジェクトがこっそりと行われていた。Finderなどの基本的な部分は完成しPC上で動作する段階まで進んだが、PowerPCの開発の目処が立った段階で開発は中止されてしまった。PowerPCがとん挫していたならば10年前にIntel版のMacが登場していたかも知れなかったのだ。

水曜日, 7月 13, 2005

Macintosh伝説〜第七章〜

1991年−Powerbook誕生!!



初代Powerbook登場
今でこそノートブックが当たり前の世の中であるが、ダイナブックの発案者であるアラン・ケイをアップル・フェローとして迎えていたアップルもただ手を拱いていたわけではなかったのだが、真のノートブックと呼べるパソコンを発売したのは東芝が最初だった(ダイナブックの名前さえ横取りされてしまったが、せめてもの救いはアラン・ケイがあれは自分の考えたダイナブックではないと言ってくれたことだけだろう)。Macintosh Portableという実験機(通常のMacよりも重かったのだから決して実用機ではない)は成功とは呼べなかったが、Powerbookはノートブックパソコンに一つの方向性を与えた点(トラックボールの採用とキーボード手前がパームレストになっていると言う現在のノートパソコンのスタンダードを作った)で画期的であった。これも当時Appleに認知心理学者のノーマンがアップル・フェローとして在籍していたからである。一気に3種類のマシーンをデビューさせAppleとしても久々のクリーンヒットを飛ばすことが出来た。

IBMとの提携
強気の発言を続けていたが次期OSの開発の目処が一向につかないAppleとMicrosoftに裏切られて(OS/2を共同開発していたのにいきなり、Windowsを出されてしまった)傷心のIBMがともに魅かれ合うなどと、どこの誰が想像していただろう。当時AppleではBlueと呼ばれるOS(後のSystem7.5と言われるSystem7の改良版)と、Pinkと呼ばれるOS(構想が余りにも大きくなり過ぎていつ完成するかが全く解らないSystem8)が同時に開発されていた。結果的にPinkはSystem8になることも出来ずにIBMと共同で立ち上げたタリジェントという会社に移行されたが、ここでも完成することが無かった。具体的なIBMとの提携は、PowerPCと呼ばれる新しいCPUの共同開発(Motorolaも加わる)と前述のPinkの開発、そしてマルチメデイア言語であったScript/Xの開発であった。結果的にはこの中で実際に物が出せたのはPowerPCだけだったのが、当時のAppleの暴走ぶりを如実に示していたのである。後にPinkを諦めCopelandという名前のOSを開発していたがこれさえも完成出来なかった。

Pink
開発ツールの世界ではオブジェクト指向は当たり前(OOPSと言う)であるが、OSその物がオブジェクト指向をいうのはあまりにも大胆である。どういうことかと言えば他のアプリケーションの機能をOSレベルで切り張りしてユーザ独自に使うことが出来るようになってしまうと言うのである。どのアプリケーションからでも印刷する時は同じドライバーを使うことが出来るのと同じようにしようとした訳である。これができれば、夢のようだが出来なかったので結果的にまさしく夢のようだった。この開発のために何人の人間が廃人になったのだろう。

金曜日, 7月 08, 2005

Macintosh伝説〜第六章〜

1990年−迫り来るWindows


Windows 3.0 発売開始
ご多分に漏れず、Windows3.0の出来は、大したことがなかった。比較すれば、その機能はSystem6.0と同等か、それ以下であったがそんなことはPCユーザーには解らない。PCのクローンで動くと言うその点が重要だったのである。少なくともDOSのコマンドを打たなくてもアプリが起動出来るということは画期的なことだったのである。 ここで、Appleが性根を入れてMacOSに力を注いでいれば、Windows95で逆襲されるようなことはなかったのだ。 SculleyがNewtonに注ぐ情熱の半分でも、Macを良くするために使ってもらえればこんなことにはならなかったはずである。

Macintosh Classic登場
Apple始まって依頼初めての1000ドルを切るマシーンの登場である。合わせてLC(ローコスト・カラー)も発表され、Appleの将来は順風満帆に見えた。1万ドルを越えるIIfxを出す余裕さえあったのだ。結果論になってしまうが、この時にClassicが全然売れなければ、Appleはもっと冷静に自分たちのポジションを確かめることが出来たのではないだろうか。何故ならClassicは機能的にみてもMacintosh Plus(3年前のマシーン)となんら変わりがなかった。まさに生産終了したPlusの筐体だけを変えたマシーンだったのだ。それでも価格が安かったので嘘のように売れたのである。

PCユーザーには解らない
Windowsユーザーから見ればGUIを使うシステムは子供だまし(コマンドが使えない馬鹿が使うもの)にしか見えなかったのは事実である。そもそもIntelのCPUのメモリ管理の制限でグラフィックスでOSをコントロ−ルするなど考えられなかったのだから仕方がない。せっかく覚えたおまじないが意味を無くしてしまうなど考えてはいけなかったのだ。

水曜日, 6月 29, 2005

Microsoftの不幸

 携帯電話の音楽プレーヤーがiPodの売上に影響を与えると言う記事も出てきて流石のAppleも一人勝ちは難しいかという昨今である。日本での携帯音楽プレーヤーの売上はAppleとSONYの2強が明らかになった(とは言ってもSONYのシェアは10%ちょっとのようだ)。AppleはiTunes4.9の公開とiPodの絞り込み(モノクロモデルはこれで終了)を矢継ぎ早に仕掛け、Motorolaの音楽携帯を大々的に発表するだろう(来月初めの発表会はそれ以上の何かがあるかも知れない)。といろいろあるが概ね順調である(まだまだ期待が持てる)。

 さてここに今迷走中の大企業がある(今回はSONYのことではない)。まるで10年前のAppleのようにやることなすこと裏目に出ているのだ。大々的に発表した次期OSの目玉商品が時を経るに従って減り続け増えているのはリリースまでの時間だけである(確か最初の発表を守ならば2年位前に出ていたはずだ)。未だに本当に出るか怪しいベーパウェアと化したLonghorn。このまま約束されていた機能が減り続ければXPよりも機能の少ないOSになってしまうかも知れない。それもこれもビジョンの無い経営者を頂いていることが原因なのだ。バルマーはただのセールスマンだしゲイツには先見の明が無い。何しろ未だに必ずTablet PCが主流になると馬鹿なことを言っている。開いた口が塞がらないとはこういう状態を言うのだ。次世代のDVDのコントロールをしようとし過ぎたためにBD陣営から袖にされて東芝と組む(噂ではMicrosoftに取り込まれた東芝と組むことのマイナスが原因で規格統一が見送られたらしい)という消極的な提携を発表するなど、傍から見ていてババばかりを掴んでいるように思えるのは私だけなのだろうか。

 秘密主義で開発者が右往左往とする(それが無上の楽しみである人達も多い)Appleには次に何が出るかわからない喜びがあるが、言ったことが何も実現されないMicrosoftには絶望しかない。DOSからWindowsへの道は真似が出来るだけで良かった(だからゲイツでもやれた)が、先頭に立ってしまった今。ゲイツのビジョンでは笑われるだけなのである。Microsoftの不幸は、そんなレベルのゲイツが社内では一番のビジョンを持っていると言うことに尽きるのだ。

月曜日, 6月 27, 2005

Macの開発環境の変遷

 今でこそMacの開発環境と言えばCをベースとしたものが当たり前であるが、かつてはPascalが基本であった(大分大昔のことではあるが)。Apple純正の開発環境はMPWという統合環境が用意されていたがPowerPC以前は、Lightspeed PascalやLightspeed C(後にSymantecに買い取られてThink'sという名前に変更)で開発されることが普通で、PowerPC以降はCodeWarriorに一気にその座を奪われてしまった。何と言ってもコンパイルのスピードが段違いだったのと、いつまでたってまともなものを出せなかったのでMacのプログラムツールの開発から手を引いてしまった。やがて時代はOSXとなる。過去の資産との互換性を維持したCarbonの開発にはCodeWarriorに一日の長があったが、Cocoaが当たり前となればXcode(当初はOpenSTEP時代のままにProjectBuilderと呼ばれていた)以外に出る幕はない。実質的に無料(OSに標準で付いてくる)ながらそのツールの価値は数十万円に値するだろう。Carbon、Cocoa、Java、Applescript、gcc(Unix)、WebObjects(4年前までは一本600万円の開発ツールだった)のを開発できるツールが無料と言うのはシェアが低くなかったら絶対あり得ないことである(世が世なら都合六百数十万円のツール)。

 そしてついに、MacはIntelのCPUに移行するために新しいXcodeでは、一つのソースからPowerPCとIntelチップ用のバイナリーを同時に作れるようになった。今迄こつこつとCocoaを作り続けていた人にとってこれは大きな武器になる。普通のPCでMacOSXが動くようになるかどうかはわからないがもしそうなった場合には全てのCPUで動くアプリケーションを作ることが可能になる(噂ではOpenStepの時代と同様に他のチップにも対応可能なようである)。

 マシーンの命はハードではなくソフトであることをAppleが宣言した今、時代はまた動こうとしている。

月曜日, 6月 13, 2005

XcodeがAppleを救う!!

 今回のWWDCは、MacがIntel版に移行すると言う発表ばかりが目立ってしまったが、実際にはXcodeがクロスコンパイラーとしての実力を発揮し始めたことの方が大きいという意見も出てきた。確かにその通りかも知れない。JobsがIBMに最後通牒を突き付けたのは2日前だと言うし、今回の決定は本当にギリギリまで決まっていなかったことがわかる。SONYとも話し合いが行われていたが、CellはPowerPC以上に1ワット当たりの性能が低かったために失望して(要するにPowerbookで使えないCPUなんて要らないということ)、やめたらしい。いくら電機を喰ってもいいのならばPowerPCで良かったと言うことらしい。

 というわけで、話がそれてしまったがXcodeで開発する限り将来別なCPUが選択肢として上がってきても移行できるような開発環境としてXcodeが用意されているよいうことになる。アーキテクチューの違うCPUの垣根を開発環境で吸収できるならば開発者はCPUのことを考えずにアプリの開発を行うことが出来る。新しい開発ツールが発表されるたびに互換性の問題が立ち上がるMicrosoftもここら辺りを良く考えないと、いつかしっぺ返しを食うのでは無いかと心配するのは考えすぎだろうか。

結論:今回のWWDCはチップの移行よりも、Designerがプログラミングできるツール(QuartzComposer)や、CoreImageとCoreVideo(CPUの処理を減らした)ことがより重要だったのである。そしてJobsがMacをMacたらしめているのはハードではなくソフトだと言い切ったところに意味があったのである。

火曜日, 6月 07, 2005

Intel版OSX正式発表

 ついにIntel版のMacOSXが正式に発表された。製品として出てくるのは来年からだが、2007年には全ての移行が終わると言うのだから今回の計画は用意周到だったということだろう。現在のOSXのベースとなっているのはIntel版のOpenStepだったのだから、あり得ない話で無かった訳ではないが、ずっとPowerPCと並行して開発を続けていたと言うのは恐ろしい執念(用心深いと言うべきか)を持っていたと言うことである。2007年と言えばベーパウェアと呼ばれて久しいLonghornが発売される予定であるが、もしも全く同じCPUで動くとなった場合にはどちらの技術が優れているかが白日の下にさらされることになる。Microsoftは今のうちにゲーム屋さんへの脱皮を急いだ方が良いだろう。

 それと、日経新聞がまたまたiTMSが8月に始まると記事にしていた。これで3回目である。またいつもの飛ばし記事だろうか。日経の所為でWSJのIntel版MacOSXでさえ疑ってしまった位である。流石は世界のWSJは嘘をつかない。それに比べ日経は相変わらずデマばかりで...

 相手がAppleなのだから、日経の記事何ぞ気にせず良い子はAppleからの正式発表を待ちましょう。

月曜日, 6月 06, 2005

Inrel版Mac〜その後

 Intel版の噂が本格的になってきたが、ユーザの心理としては非常に微妙である。PowerPC版のサポートが今後も続くのであれば、個人的には問題ないが、もし5年位で打ちきりになるのだとすればとんでもないことになりそうである。それと、PowerPCと比べてIntel版が本当に速いのかと言うことも気にかかる。Tigerでは、グラフィックはGPUに任せる仕様に変更されているのであとは、純粋にコプロ計算が速いかどうかに掛かってくるが、これはCPUのクロックスピードよりもCPUの設計に負うところが大きい。この点は、PowerPCの方が優れていると言うのが、今までのAppleの立場であった。

 そんなことを無視してまで、出さなければいけないほど今のAppleは追いつめられているとは思えないことから、私はメディア・センターとしての新たなデバイスでならばIntelの石もありだと考えてきた。そこでサポートしなければいけないデバイスの数は圧倒的に少ない。これならば、すぐにでも出せるというのが私の読みである。Intel版にフル機能MacOSを用意するくらいならば、Cell用のMacOSを出す方が理にかなっていると思う。

 いずれにしろ、今夜の未明には答えが出る訳であるが、Mac専用のカスタム・チップを出せない限り、Intelの提案が魅力的に見えないのは私だけではないだろう。

水曜日, 6月 01, 2005

WWDC2005で発表されるもの

 前回、Appleがメディアセンターを発表するのではないかと触れたが、同じようなこと予想している人が他にもいるようである。WWDCはソフトウェア開発者の国際会議であるがここ最近常にハードウェアも発表されている。Tiger発表に合わせてQuickTimeも一新されたこの時期にメディアセンターが発表されるのはあまりに出来すぎだろうか。

 今迄に発表されているメディアセンター(Windowsベース)は、どう欲目に見ても出来損ないのPCだった。Appleが手を出す限りはそんな惨めな物ではないはずだ(まだ出すとも決まっていないぞ)。恐らくMacとの連携もとれる形になるのだろうが、単独(ディスプレイを持つと言う意味だ)でもVideoを見ることが出来るデバイスになるはずだ(iPod Movieじゃないぞ)。データフォーマットはQuickTimeをベースにし、ディスプレイサイズは15インチ以上、HDDは80G以下、DVD-RWなどは搭載しない。基本は外部のディスプレイとスピーカシステムを利用してシアターモードで見ると言う代物だ。

 同時に発表になるのがiTune Movie Storeだ。こちらは基本は月額制で垂れ流し方式。保存してDVDに焼く場合には1本15ドルというのが無難なところだろう。さて実際に何が発表されるかは神のみぞ知るであるが、非常に楽しみである。

水曜日, 5月 25, 2005

iPodの時代はほぼ終わった!!

 「iPodの時代はほぼ終わった」こんなことを言っているIT企業の有名人がいる(私は余り知らない人物だがMicrosoftとか言うインチキ会社を作った男らしい)。彼はどうやらiPodの機能なら携帯電話で十分と考えているようだが、その考え正しくない。”iPodで携帯プレイヤーの乱立時代はほぼ終わった”が正しい解釈である。

 時代はもう次に進んでいるのに、未だに携帯プレイヤーの問題を口にしているバカがまだまだいるようだ。確かに通信機能を標準で持っている携帯電話は情報コミュニケーションツールとして非常に優れている。10年近くも前にJobsはそれを予見していて”PDAは死んだ”と宣告しているのだ(自社のNewtonを潰した)。それなのにMicrosoftと言う名の会社は、まだPDA用のOSを作っている。やっぱりバカのやることは一味違う(理解に苦しむと言う意味だ)。

 携帯でiPodを打ち負かそうと考えるならばiPod以上に簡単に音楽を聴けなければいけない。モバイル機器で簡単に出来る操作は限られる。だからこそ、面倒な部分を全てPC側で済ませるようにiTunesというソフトウェアをiPodよりも先に開発したのだ。そして曲の所有権をユーザに完全な形で与えたことも大きい。月定額制で自由にお聞き下さいというビジネスモデルには所有権はない。契約が切れれば聞くことが出来なくなってしまうのだ。携帯が取ろうとしているビジネスモデルは正にこの方法であり、これでは成功する訳がない。

 というわけで、Appleはもうすでに次に進もうとしている。もちろんビデオの見られるiPodなどではない。QuickTime7は既にHD+Dolbyサラウンド24チャンネル対応になっている。問題はそれをフル機能で表示し鳴らすことの出来るツールが世の中にはないことだ。BDやHD-DVDが標準になるにはもう少し掛かるだろう。そんな現状を考えると、Appleのメディアセンターの意味が出てくる。純粋にメディアセンター機能だけが動けばいいので、QuickTimeの機能が動けばいいマシーンだ(CPUはXscaleだろう)。映像はテレビでもHDディスプレイでも構わないから、家にあるものに繋げばいいし、スピーカーも取りあえずあるものを繋げばいい。QuickTimeビデオプレイヤーと呼べるような物になるだろう。Appleにはそのマシーンに動画を映すためのストリーミングサーバが既にある。

 世の中の先を見通したいならば、Jobsの発言を素直に聞かなければいけないのだ。ビデオはモバイルで移動しながら見るものではなく自宅でゆっくりと見るものであり、音楽のように何百回も見るものではないと言っている。つまり次のギアは、テレビの脇に置くことが出来、リモコンで操作できて、バッファー出来るくらいのHDDが載ったビデオプレイヤー(決してPCではない)なのである。

 もちろんAppleは携帯電話(これからはPDAではなく携帯だと言っているのだから)の開発も大分前から進めている。
もしも各社が音楽携帯電話を売り出した時にはこれこそミュージック携帯電話だと言えるものをぶつけてくることは間違いない。そのためにBluetooth2.0を標準搭載(iTunesとはワイヤレスで同期)に換えてきているのだ。

結論:iPodの時代が終わるのではなく、流行りとしての携帯プレイヤーの時代を終わらせるのは間違いなくAppleだ。今更そんなところで起死回生を狙っているSONYやMicrosoftの時代はほぼ終わったのである。

火曜日, 5月 24, 2005

Intel版OSX

 出るかも知れないし、出ないかも知れない。そんなIntel版のOSXの噂がウォールストリートジャーナルからリークされた。現在のPowerPCと全く同じように動くシステムを出すには多少時間がかかるかも知れない(既にあるかも知れない)が、戦略としてどう位置づけるかが一番の問題だろう。Mac本体がIntel版に完全に移行するのであれば問題はないが、プロフェッショナル用はPowerPC、コンシューマー用はIntelと分けるのであれば大いに問題になる。Intel版はパーッケージだけにしてしまいAppleは一切ハードを作らないという方法も考えられる。

 iPodでそうであったようにHPにライセンスして作らせるとか、Cellと交換にSONYにIntel版のMacを売らせると言う条件である。SONYがWindowsに嫌気がさしていることは大分前から指摘されていることだが(本当か?)CellをMacのメインチップとして使うと言うのは非常に面白いと思う。

 ディフュージョン版はIntelチップでPCメーカーに作らせ、PowerPC版はAppleから出すと言うのが一番スマートな気がする。その場合には間違いなくパッケージが売れるようにAppleのロムチップ付きでないと動かないOSになっていることだろう。

金曜日, 5月 20, 2005

E3とゲーム機

 実は全く同じお題でもうひとつのblogにも書いたことなのだが、こちらならではの妄想でお話を一つしてみたい。次に出るゲーム機はどれもこれもIBMのCPUを積んでいる。SONYはCellというCPU(SONYも開発者である)をMacのために用意してくれているではないか。Microsoftに至ってはXbox360のデモはPowerMac G5で動いている状態だ(OSはOSXではないと言っているが知れたものではない)。一人黙っている任天堂も何も言わないところが怪しい。

 では何が怪しいというのだろう。本当にゲームだけが動くのだろうかということだ。Tigerが動いてもおかしくないぞと踏んでいる。PowerPCにATIのグラフィックカードが載っていればその上にOSXを持ってくればMacである。現在MicrosoftはPowerPC用のWindowsは作っていない。一番至近距離にいるのはOSXやLinuxなのだ。

 というわけで、OSXのサブセット(CoreImage、Corevideo、QuickTime)が載った任天堂のRevolutionが出ても私は驚かないのである。

月曜日, 5月 16, 2005

PS3にiPod?

 PS3にiPodやiTunesの機能がつくと言う噂が一部に出ているようだが、どうなんだろう。個人的にはそうなっても構わないが、それがPS3の魅力を増すことにはならない気がする。そもそもDVDの録画機能を付けたPSXは大失敗だったし、音楽を聴くことが出来るPSPは言われているように売れてはいない。出荷台数の半数以上が市場在庫では成功とは言えないだろう。

 ネットワークWalkmanも私の予想通りSONY買いの人が食付いた第一週だけで終わってしまったようだ。まさに三日殿下そのものである。確かにVAIO Pocketが出た時も一時的に売れたし、初代のHDD Walkmanもその週だけは取りあえず売れた。でもそれだけなのだ。それが、今のSONYの商品力のなさの全てである。

 βの時のように意地になって出し続けることが本当にいいのだろうか。もうMDの時代じゃないと私は言っていたが、意地になってAppleに勝負を挑むくらいならMDを出し続ける方が良いんじゃないだろうか。だって、SonicstageはMD用には最適だがHDDプレイヤーで到底使い物になる代物じゃ無いじゃないか。いい加減諦めなさい。往生際が悪過ぎると思う。

 それよりも、WindowsをやめてMacでも売ったらいいんじゃないだろうか。Appleの一時卸をやれば良いと思うけどな。

火曜日, 5月 10, 2005

iTunes4.8登場

 QuickTime7の発表と時を同じくしてiTunesも4.8が発表された。見た目は変らないが、アルバム販売とミュージッククリップやブックレットのダウンロードサービスが一つになった新しいサービスが同時に提供されるようになった。これは、ミュージック・クリップや歌詞カードを一緒に楽しむことが出来る新しいiPodの登場が間近に迫っていると言うことであろう。現行のiPod photoでもソフトウェアのアップデートだけで楽しめるのかもしれない(iPod photoを持っていないので確かめることが出来ない)が、それ専用のものが出てこないと言う訳ではないだろう。

 ポータブルでmovieを再生するデバイスを出すことはないと前々からJobsは言い続けているが、ミュージック・クリップを表示出来るマシーンはそれとは全くコンセプトが違う存在である。アルバム単位で購入した時にだけクリップがダウンロード出来るようになっているためアルバム単位での購入の動機づけの一つになるだろう。新作をアルバムで、懐メロを単体でという購入スタイルが、iTMSの正しい使い方になるのかも知れない。ダウンロード総数も4億曲を越えたようだし、アメリカでのダウンロード市のシェア70%、HDDプレイヤーのシェア90%、メモリタイプのシェア58%と他に付け入る好きを与えないAppleの問題点は独占禁止法抵触くらいになるのだろう。

 そういえばiPodを破ったと大騒ぎだったWalkmanはたった一週だけでベストファイブから全て消えてしまった。だから言ったでしょ。単純にSONY買いの人が食い付いただけだって。

日曜日, 5月 08, 2005

Tigerの胆はCoreImageとCoreVideoにあり

 約1週間程、Tigerをいじり倒していたがちょっと見Pantherと変わらないように見えるが一見したところ気がつかない部分でとんでもないことになっていることが判った。ついついDashboardやSpotlight(インストール後にインデックスの作成が始まるので嫌でもその存在が判る)に目が行ってしまうが、Quartz Composerというアプリを動かしてCore ImageやCore Videoの片りんを知っただけでその可能性の大きさに驚いてしまった。それにプラスしてQuickTime7があれば向かうところ敵無しなのである。

 悪いことは言わないTigerを手に入れたのならば、プログラムはやらないからなどと言わずプログラム開発環境を必ずインストールしよう。東大のさる先生がこの開発環境だけで100万以上の価値があると言う開発環境であなたの人生がかわることだろう。ちなみにQuartz Composerで一文字もコーディングしないでOpenGLをフルに使ったscreen saverを簡単に作ることが出来る。こんなツールがタダで手に入るOSを使えないWindowsユーザーは本当に可愛そうである。

金曜日, 4月 29, 2005

iPodからも金を取れ

 Macがらみのネタではないのだが、見出しがiPodなので取り上げることにした。

 文化庁とか言う某国の官庁の著作権分科会で、HDDプレイヤーや、PCのHDDから金を取れるようにして欲しいと言う意見を、日本音楽著作権協会、日本芸能実演家団体協議会、日本レコード協会、日本音楽事業者協会、音楽出版社協会、音楽製作者連盟、音楽作家団体協議会といった相も変わらずバカが顔をそろえた談合集団が出したらしい。時代錯誤も甚だしい意見であることは間違いないが、そういった硬直した組織は官庁の御用協会に加盟しているから始末が悪い。そして自分たちの延命ばかりを考えている。

 彼らは何が問題の本質かを判っていない。デジタルで情報を送ることが出来るようなってしまった時代に自分たちもデジタルで商品を提供していながらコピーをさせないと言う考えが通ると思っているのだから間違いない。そして、今迄そうやって得た上納金でオマンマを食べてきたために他の方法で自分たちの食い扶持を得ることを考えようとしていない。そして、手っ取り早く法律で規制してもらえばいいと考えているのだろう。本当にデジタルコピーをされたくないのならば、アナログデータ以外は作らないことである。それが不可能ならば文句は言わないことである。

偉そうに金を要求するが、10年やそこいらでめげるようなメディア(初期のCDはもう腐っているはずである)じゃ仕方ないだろう。初期のCDで廃盤になっている曲はもし持っているCDが腐ってしまったら(酸化する)聴きたくても聴けなくなるんだぞ。そうなった時にお前らはちゃんと金を払ったユーザーのために再プレスして届けてくれるのか、そこまでするというならば金を払おうじゃないか。権利ばかり主張して義務を負わないのはまず、既得権者から止めにしてもらいたいものだ。

火曜日, 4月 26, 2005

iPod破れる

 4月の第一週、ついにSONYのプレイヤーがiPodを追い落とした。やっと歯車がかみ合い出したのであろうか。Appleは1G以下のシリコンプレイヤーのシェアでトップの座をSONYに譲った形になった。デザイン的には今迄のモデルよりも好ましくなったし(個人的にはパナソニックの方がオシャレだと思う)、MP3も標準で読み込めるようになったのが良かったのだろう。問題は、Sonicstageがどこまで使い易くなるかにかかっている。それが、なければ単にSONY買いの人々が買っただけに終わり、来週からの売れ行きが落ちてしまうだろう。そしてそうなった場合、今迄のプレイヤーはSONY買いの人達でさえ買わない代物だったと言うことになってしまう。

 迎え撃つAppleは、間も無くshuffleも含んだモデルチェンジが行われるだろう。絶対的な強さを持つアメリカで、もしSONYに破れるようなことがあったら恐らく誰かの首が飛ぶことになる。これからのSONYの売れ行きを見るばかりではなく、次なる商品の発表がAppleの力を保つための手段になるはずである。Tigerの発表に合わせてPowerMacとiMacの新製品の発表があるが、その次の週当たりに何かが出てくる可能性もなくはない。それが出た後で、SONYとの本当の勝負が始まるのではないだろうか。

結論:AppleはMacとiPodだけの会社ではないと考える方がいいだろう。

金曜日, 4月 22, 2005

LonghornはOSXの真似か?

 今年のAppleの株主総会の目玉は環境保護団体とのやりとりであったようだが、その話題はMicrosoftのLonghornにまで及んだようである。TigerとLonghornは似ていると言われているが、どちらが真似かは、もうすぐ出るTigerといつ出るか判らないLonghornでは答えは明らかである。思い返せばこれは、XPの発売まで遡る。良くXPとOSXは似ていると言われるが、OSXは2000年に発売され、XPは2001年の発売だった。どちらが真似をしたかは明らかだ。MicrosoftはMac用のOfficeを開発している関係でAppleのOSの情報を常にユーザよりも先に得ることが出来る。そして、それは自社のOSに反映可能な情報になる。XPが比較的すぐに出せた理由は、派手なユーザインターフェイスを持ったNTに過ぎなかったからだ。

 Microsoftがこの4年間立ち止まっている間(後退していると言う方が正しいかも知れない)にOSXは、完全にブラッシュアップされてしまった。正式な発売が未定にも関わらず、Longhornに関する発表があるたびに予定していた機能の搭載が削られている。OSXの上を目指さなければいけないのに、どんどんXPと違いのないOSへと退化を続けている。全く持って立派である。JobsはMicrosoftは「すぐに真似することが出来ない」のだと株主総会で語ったが、すぐどころか永遠に真似られないくらいに混とんとしている。もう、XPを安心して使えるようにすることに専念して新しいOSの開発をやめたらばどうだろう。Microsoftの新しいことは世の中に迷惑をかけるばかりなのだから。

結論:Microsoftは真似を出来ないくらいに酷い状態になってしまったのである。

木曜日, 4月 21, 2005

Tiger発売

 個人的には、大歓迎のTigerの発表を喜ぶことが出来ないのは非常に残念である。間違いなくMicrosoftのOSを、5年は引き離すOSの登場である。あれだけ鳴り物入りのはずのLonghornは、いつまでたってもβ版のまま(本当はαにも至っていないのじゃないか)のため、何をトチ狂ったのかXPの大キャンペーンに金を使うらしいから、Longhornがすぐに(2年以内)出ることは無いと言うことだろう。ご愁傷様である。その頃にはOSXは次のバージョンが出ているに違いないので10年位遅れてしまうかも知れない。まあ、実際Windowsユーザは、XP以上のOSを望んでいないようなので、XPに再度力を入れるのは正解なのだろうか。

 さて、本題のTigerだが、Xgridを標準で持っているため遊んでいるCPUでこっそり力仕事をさせたり出来るところが地味ながら素晴らしい(まるでUnixのマシーンみたいって、今のMacはUnixだ)。シェルを使う人を悔しがらせられるAutometerも気に入った。しかし今開発しているシステムはPantherベースで開発しているので、出来ればもう少し発売が遅れて欲しかった。

 間も無くG5やiMacのニューモデルも出るし(今月末には発表でしょう)、売上の落ちているデスクトップに力点が移るのは間違いない。個人的にはうれしいんだけど、単純に喜べない。趣味の世界に過ぎなかったMacが我が社ではメインストリームに躍り出ようとは夢にも考えていなかったのである。

月曜日, 4月 11, 2005

Macintosh伝説〜第五章〜

1989年−あの日に帰りたい


Jobsの逆襲
 業績不振の責任をとらされてAppleを追われたJobsが、業界に再び名乗りを上げた。Next ComputerのNext Cubeの発表である。AppleのMacintosh IIXよりも、高速なCPUを載せたそのマシーンはデザインでもMacintoshを超えていた。ブラック・マグネシウムのその筐体とディスプレイは1本のケーブルで接続されケーブルさえミニマムを目指すJobsの思想を体現する物であった。PowerbookやG5も美しいマシーンであるが、恐らくNext Cubeのデザインを超えるマシーンは今後も出てこないのではないだろうか。それくらいほれぼれするマシーンであった。Apple以外のPCでそんな気持ちになるマシーンはNext Cubeだけなのである。それなのに、悲しいかなどういう訳かちっとも売れなかった。理由はいくつか考えられる。値段が高かった。高いたって、Sunのマシーンが5台しか替えないのに...。時代は既にカラーだったのに、最初のマシーンはグレースケールモデルだった。PCのソフトもMacのソフトも動かない。開発環境であるObjective-Cは、先を行き過ぎていた。たったこれだけの理由で底なし沼にはまってしまうなんて、世の中の人達は、当時も今も見る目が無かったのである。まあ、本当の所はJobsに世の中(下々の人)に合わせる力量がなかったのが一番の敗因だったのは間違いない。

Macintosh Portable発売
 Macintosh初のPortableがついに登場する。1回の充電で12時間駆動、Plusよりも、高速なCPUを載せたアクティブマトリックス液晶ディスプレイのマシーン。これで、ノートブックであったならば今ごろ世の中にPCなんて無かったかもしれない。このマシーンの難点はめちゃくちゃ値段が高かったこととめちゃくちゃ重かったことである。電源の無い所で使えると言うのは素晴らしい事だったが、ブラウン管を使っているデスクトップ一体型のMacintoshよりも重かったのは信じられないことであった。別名”ニー・クラッシャー”。ひざの上で使ったら、ひざが壊れると噂されたとてつもないマシーンだったのである。

Macintosh SE30発売
 恐らく今でも一番愛されているMacintoshはSE30だろう。オリジナルのMacintoshと同じ大きさの一体型のボディにMacintosh IIXと同じCPUを載せ、拡張スロットにビデオカードを装着することによってカラー環境も手に入れることが出来たのである。同じ年にはIIxの拡張スロットを減らしたIIcxやIIciも発売された。大きさが小さくなった分価格もIIxよりも格段にお手ごろになり、どれもがヒット商品となった。しかし、それで味を占めてしまったのか、その後のAppleは、訳が解らないくらいにモデル数を増やし過去のマシーンよりもスペックを落としたマシーンを新製品(廉価版として)として発表するなどの暴走を開始する。結局、Sculleyの栄光の日々もこの暴走で終わりを告げるのである。

土曜日, 4月 09, 2005

Macintosh伝説〜第四章〜

1988年−Macintoshが輝いていたあの日


DTPの始まり
本 体よりも高いレーザプリンタが許されたあの時、DTPの時代が始まった。PostscriptなんてMac以外のパソコンで語られることはなかった。そ りゃそうだ、PCはプリンタにフォントが内蔵されていたんだから。みたまんまが印刷される。それがどんなに素晴らしかったことかは語る必要も無いことで あった。ところが、見たもの以上にきれいに印刷されるプリンタが誕生したのだから、文字数の少ない欧米では、そのまま印刷原稿ができてしまうという状況に なってしまった。それもこれも、Adobeとの蜜月のおかげだったのである。この関係が後に、PhotoshopやIllustratorへと繋がっていったのである。

Macintosh IIx発売
68030 を載せたMacintosh IIxが発売されたのもこの年。1台なんと150万円。このマシーン繋げるのならば、レーザプリンタも安く思えてくるから不思議であった。国産のPCや IBMの互換機ならば果たして何台くらい買えたのであろうか。こんな殿様商売だったのに、今から考えたらば飛ぶように売れたのだから信じられない時代だっ た。こんなに高価でも、マルチファインダーもマルチタスクも不可能なOSだったため一度に一つのことしか出来なかったのだから情けない限りである。CPU は、68000の時からマルチタスクが可能であったが、Macのシステムは、System7になるまで、マルチタスクではなかった。Macintosh以 前に開発されたLisaが、マルチタスクであっただけに何故そんな仕様にしたのかが謎であるが、恐らく、もともと128kしか無かったメモリで動かそうと したことが一番の理由だったのだろう。当時は目の玉が飛び出るくらいにメモリが高かったのだ。87年当時1Mのメモリは4万円、暫くして1Mで1万円位に なったが今ならば1Gでも4万はしないはずである。

PhotoshopやIllustrator
Macが起源のアプリケーションの中には、PhotoshopやIllustratorのようにいかにもMacが最初だろうなと思える物も沢山あるが、 Windowsユーザが聞いたら絶対にそんなことがある訳が無いと言い張るに決まっているソウフトウェアもMac用が始めだったりする。EXCELがそう であることは、比較的知られていることだが、あのMSワードも、Mac用からスタートしたのである。ソフトウェアで日本語を載せた(日本のPCは漢字 ROMを使っていた)のもMacが最初だった。QuarkExpress、PageMaker、Director、FreeHandなど、高価だけれども 高性能なアプリケーションは、みなMacがオリジンだったのである。それもこれも、PCがGUIを持てないほど非力なCPUとOSが原因だったのである。

木曜日, 3月 31, 2005

Macは高い?

 以前と比べるとMacの価格は夢のように安くなったが、それでもPCのデスクトップと比べるとまだまだ高いと言う印象を持つのも確かである。しかしこれは本当に印象の問題であって事実ではないのではないかと最近感じることがあった。

 それは、社内でファイルサーバとして現在使っているマシーンでは力不足のため新しいサーバを購入するために見積りを取ってもらいたいとの連絡を受けたことに始まった。さっそくXserveの見積りをApplestoreで確認してみた。シングルCPUでHDDは1.2T、ハードウェアRAIDを使うと言う構成でたったの60万円台だった。これって安くないだろうか。Dellで同じような構成のLinuxのサーバを購入しようとしたらそんな容量のラックマウントサーバは無かった。今回の構成で考えているのはHDD3基で2基はあくまでもバックアップ用である。この容量になってしまったらHDDでミラーリングする方が合理的だ。

 それ以外にもある。実験のためにXEONがデュアルで載っているマシーンが手元に届いたが50万円以上らしい。この金額ならばPowerMac G5の最上位機種を買って、iBookをおまけに付けることが出来る。それにファンの音は比較にならないくらい静になる。もちろんWindows対応のアプリを実験するためなのでMacを代替えに使うことは出来ない訳だが、Windowsの方が安いと言うのはここでも崩れてしまう。PowerMacはあくまでもプロ用のマシーンのため比較対照はあくまでもフル機能のPCである。そうなるとMacの方がずっと安いのだ。

 コンシューマ用のマシンでも考えてみたが、iMacの比較対照になるPCは無い。何故ならG5に対応するCPUはXEONクラスだからである。Pentium4と比較するのはG4なのだ。仕方がないのでディスプレイサイズで比較しようとするとiMacよりも高い商品ばかりである。テレビチューナが付いていると言うかも知れないが、皆が必要な機能とは思えない。

結論:冷静に考えるとMacは全然高くないのである。安普請のPCと比較すること自体が間違いなのだ。

水曜日, 3月 30, 2005

Appleの失敗

 iPod景気に沸くAppleであるが、かつてはいつ死んでも仕方ない状態を続けていた。丁度10年ほど前Appleは正に瀕死の状態であり、CEOの交代は延命処理に過ぎなかった。何度も書いてきたことなのでちょっとくどくなるかも知れないが、そのあたりをもう一度考えてみたい。

 そもそものきっかけは20年前のMacintoshの発表にさかのぼる。社内の小さなプロジェクトに過ぎなかったMacintoshが、日の目を見たのはJobsがLisaグループのリーダーの地位を外されたことだった。GUIを持ち、マルチタスクが可能なLisaは非常にエレガントなマシーンであったが、高価格だったために普及することはなかった。その失敗の原因はJobsにあると判断した取締役会はJobsをLisaチームから切り離す決定を下した。ここで、重要な点は当時のAppleにおいて主力商品であったApple IIのアーキテクチャーを完全に否定したマシーンをJobsが作ったことだったのである。Jobsは常に前進することを求め自社の商品を平気で否定出来るビジョンを持っていたのだ。Lisaチームを外されたJobsは、今度は打倒Lisaを旗印にMacintoshグループを新マシーン開発のために組み直してしまう。Lisaよりもコンパクトで使い易く価格も安いマシーンを目指したのだ。1,500ドル位で売れるマシーンが目標であったが、スカーリーが販促に1億ドルも掛けることが分かり結局非常に高価なマシーンになってしまった。案の定すぐに売れ出すことはなかった。ここで取締役会は、Jobsから商品開発の権限を奪うと言う措置に出た。その結果JobsはAppleを去り、Appleが新しい商品を作り出す機会を失ってしまったのである。恐らく、JobsがAppleに留まっていればNeXTはAppleからデビューしていただろう。そう考えるとWindows95が発表された当時には、現在のMac OSXと同等の先進のOSを持ったマシーンを発表出来ていたのだ。取締役会の判断ミスのためにAppleは10年近く遠回りをしてしまったのである。

結論:破壊者を社内に飼うことが出来なかったことが、Appleの失敗の根本的な原因だったのである。これ、どこかの日本の家電メーカーにも当てはまるような気がするんだけどな。

木曜日, 3月 24, 2005

Macintosh伝説〜番外編〜

iPod人気によってAppleに対する認知はかつてないほど大きくなっているにも関わらず、現在Macintosh専門の雑誌は多くない。思い返してみればユーザの数からは信じられないくらいに多くの雑誌が発行されていた時代がかつてあったのである。その当時はNetで十分な情報を得られるような状態でなかったために、一月以上遅れた情報でも価値があったと言うことである。それと、現在はAppleが何ヶ月も前に情報をおおっぴらにするような体制にないため、記事の書きようがないと言うのも雑誌が少ない本当の原因なのかも知れない。さて今回はかつて出ていた雑誌についての思い出を語りたい。

《MacLife》御用系雑誌
Macの雑誌としては一番古くからあり、その厚みも最大であった。ページが少ない分、紙の厚みが厚く、なおかつ広告が一番多い雑誌だった(半分は広告ページだった)。それゆえの御用雑誌である。提灯記事をなくしてしまうと誌面が成り立たないのじゃないかと危惧したほどである。清く正しいMacユーザが読むべき雑誌だった。

《Mac Japan》 反体制雑誌
Macの雑誌であったにも関わらずAppleを批判する記事を載せることに躊躇しないところはさすが技評(技術評論社)出身と言える雑誌だった。Macの日本の価格から新製品やOSの罵詈雑言まで分け隔てなく載せたためアップル(当時はアップルジャパン)の逆鱗に触れスポンサーが全て降りる(当然アップルの圧力)と言う仕打ちまで受けてしまった。記事の内容はどこまでも濃く担当者のカラーが思いっきり出ていた個性的な雑誌であった。

《Mac World Japan》 老舗雑誌
日本での発行はかなり後半で、なおかつ長続きしなかったが本家アメリカの記事が翻訳されていたため海外でのMacの情報が掴めると言う良さがあった。正統派であったために面白おかしい(ふざけたと言う意味)が少なかったため読者の数は最後まで増えなかったようである。そのため正統派の雑誌ながら最後まで広告で半分と言うような状態にはなれなかった。

《日経MAC》 ビジネス系雑誌
言わずとしれた日経BP発行の雑誌。一部ユーザの間では日経が出したくらいだからMacの未来はバラ色だという雰囲気をかもし出してくれたが、実際にはAppleが坂道を下り降りている時期と重なったためわずか7年ほどで消え去ってしまった。記事の内容はbyteのMacに関係している部分が主体であったが、当時日本のユーザはMacをビジネスで使うことを端から諦めているような連中だったため、Appleの最悪期との相乗効果で短命に終わった。世間では日経Macが無くなった時にMacが無くなったと誤解されたほどであった。

《Mac User》 骨太系雑誌
Macの雑誌の中では、Mac Japanの次に硬派の雑誌であった。アップルにたて突く訳ではないが、内容の濃い記事を主力とした正統派であったが、内容が専門的過ぎたため一番短命だったかも知れない。Macを良く理解していない人間でないと内容を把握しきれない物だったためライトユーザーがおいそれと手を出せるものではなかった。

《MAC Fan》 一般系雑誌
Mac専用なのに一般系とは失礼かも知れないが、日本語文献も皆無の時期からどっぷりとMacに浸かっていた確信犯的Macユーザにとっては得るべき情報のない雑誌だったのは間違いない。創刊号から暫くはお付き合いさせて頂いたが真っ先に購読をやめてしまった。毒にも薬にもなら無い雑誌だったのである。

《Mac People》 素人系雑誌
何か大志を抱いてMacを買ったような人が読む雑誌ではなかった。原理主義者からみたら、お題目や念仏を唱えただけで幸せになると考えている奴らが見るような雑誌にしか見えなかったのだ。買う気も起きなかった。

このほかにも数多のMacの雑誌が創刊され無くなっていったが、現在残っているMac FanやMac Peopleは良い意味で普通の人を相手にしていた。こういう雑誌が生き延びたと言うことはある意味良かったのだと思う。Mac Japanだけが生き残っているようだったら、我々はオウムののように犯罪者になっていたかも知れない。

月曜日, 3月 21, 2005

Macintosh伝説〜第三章〜

1987年−Macintosh II誕生


Macintoch II 発売
メモリー8M、拡張スロット標準装備。68020プロセッサを搭載した初めてのパソコンがここに誕生。グラフィックカードを拡張スロット(NUBUS)にさして使うため、マルチディスプレイが可能になる。同時に拡張スロットを持ったMacintosh SE も発表される。これによって、Jobs の哲学が否定され、代わりにサードパーティも参加できる拡張性を手に入れる事が出来た。

HyperCard 登場
HyperCard が使いたいばかりに、Macintosh に手を出してしまい道を誤った人が多かったはずである。その根本に流れるハイパーテキストとハイパーリンクの考えは、ウェッブの標準言語となっているhtml の形で今も残っている。開発者であったビル・アトキンソンはHyperCard をMacintosh にバンドルしないのならばApple 辞めると迫ってバンドルさせたといういわく付きの開発環境だった。電子工学を勉強した事がない人でもプログラムが作れると言う画期的なものであった。ちなみに、アトキンソンはMacintosh のグラフィックの要であるQuickDraw を開発したプログラマーである。

道を誤った人
私がMacintosh ユーザーになった頃、日本語が通るアプリケーションは、EGWordとEXCELしか無かった。それ以外は日本語版のまともなソフトなんてどこにも存在しなかったのだ。初めて手に入れたハイパーカードは英語版。日本語の解説書も何も世の中に無いのだからこの世の春を謳歌していたPC98ユーザーや一太郎に対する憎しみが深くなってしまったのも仕方がなかったと言えるかもしれない。虐げられたその結果Macintoshユーザーは選民思想を持ってしまったのである。私がユーザーになった頃はまだユーザー数が1万にも満たなかったことを今でも忘れはしない。ちなみに、日本のMacユーザーが10万人に達したのはMacintosh Classicが発表されてからだった。それは1990年の事である。私はClassic以降のユーザを決して伝道師とは認めたくない。こんなことを言うとMacはやっぱりカルト集団だと考える人が多いだろうが、金も命も取らないのだから許して欲しいと思う。

金曜日, 3月 18, 2005

Macintosh伝説〜第二章〜

1986年−Macintosh Plus誕生


Macintosh Plus発売
メモリーがSIMになる。SCSIも標準となりハードディスクの増設も楽になる。しかし、この当時20Mのハードディスクを付け、メモリーを4Mにすることが、いかに大変であったかは、買った本人以外には解らないであろう。下取りが可能な、小型車の方が安かったことは間違いない。漢字Talk搭載、これで単漢字変換ながら日本語が使えるようになる。Macintoshの開発環境は、やっとMacintoshになる。

Windows発売
発表から3年の歳月をかけて発売されたWindowsは、とんでもない しろものだった。EXCELの作成を人質*1にMacのGUIのコードを全てライセンスされていたのに出来たものが、すごかったので バージョン2になるまでWindowsには対応アプリさえなかった。

人質*1
当時、対応アプリの少なかったMacintoshは、強力なアプリとなるEXCELは絶対に必要という弱味を持っていた。そこにつけこんで、どうしても良いウィンドウシステムを作り出せなかったマイクロソフトは、EXCELを作ることを条件にMacintoshのルック&フィールにからむ全てのソースコードを提供させたのだ。この時の絡みで、未だにマイクロソフトは、Appleにルック&フィールに対するライセンス料を払っている。
また、逆にAppleはソースを提供する交換条件として、Windows版のEXCELを2年間作らないという約束を取り付けた。そのためWindows3.1が出るまで常にMacintosh版のEXCELの方がバージョンが進んでいたのだ。
もっとも、当時のWindowsには、EXCELを動かすような力はなかった。いかんせん、セグメントが64KのIntelの石*2では出来ない芸当だったのだ。内部32ビットの68000をAppleが選択した一番の理由が正にそれだったのである。

Intelの石*2
所詮は電卓用に開発された4004のアーキテクチュアーを引きずった石。80486が出るまで、メモリーをダイレクトにアドレスすることさえ出来なかった。

木曜日, 3月 17, 2005

Macintosh伝説〜第一章〜

1983年−Lisa誕生


Lisa 発売
メモリー1M、ハードディスク標準装備。
パソコンとして初めて高級言語PASCALを使用する。
9,950ドルという価格が無かったらもっと売れたのに。
日本ではその倍はしてたので、買えるわけが無い。

Windows発表
発表はされたが、ものは出る見込みは全く無かった。

1984年−Macintosh誕生



Macintosh 128K発売
Macintoshにはメモリーも、SCSIも、開発環境もありませんでした。
いかんせん、メモリーが少なすぎ。このメモリーで動くアプリを作れる天才はさすがのアメリカでも少なかった。
開発ツールもMacintoshには無かった。もしLisaが無かったら、何も出来なかったのである。

Macintosh 512K発売
Macintoshのメモリーはマザーボードに直付け。増設は出来ませんでした。
Lisaがフロッピーを3.5インチに変えて、Macintosh XLとなる。

1985年−Macintosh迷走


DynaMac発売
Macintoshのマザーボードに漢字ROMをハンダ付け。徒花のような
トンでもないマシーンが誕生。さすが、キヤノンと褒めていいのやら、けなしていいのやら。先見の明のないキヤノン。
Appleの戦略変更であっと言う間に消えてなくなってしまった。

1995年がターニング・ポイントだった

 1995年は、世の中にとって大きなターニング・ポイントであったことに気付いた。Microsoftにとっては始めての本当の意味でのWindowsが発表された年であり、アップルの地獄がここからスタートした。映画の世界ではPixarのトイストーリーがハローウィンの時期に公開されアニメの世界を変えた。SONYは出井氏が社長となり普通の会社へと進路を変更して行った。

 Microsoftにとって1995年は歴史的に最良の年だった。たとえ、社員を導入してカウントダウンを盛り上げたとしても世の中を変えたことは間違いない。完全に手詰まり状態(支離滅裂だっただけか)のAppleに死刑宣告を言い渡したことは間違いない。

 Appleにとって1995年は歴史的に最悪の年だった。あれだけ馬鹿にしていたWindowsがSystem87と呼べるレベルで商品化されたのだ。MacユーザはWindows 95はMacの猿真似に過ぎないと言ってくれたが、System 8の開発は空中分解していて画期的なOSが出てくる可能性は全くなかった。この時にAppleは一度脳死したのである。

 Pixarにとって1995年は最良の年のスタートであった。それまで金食い虫(何も利益を生み出さない会社に10年間の間に5000万ドル以上をつぎ込んだ)でJobsを悩ませていた会社が映画業界をあっと言わせたのだ。アイズナーなどは一本の成功など何の実績にもならないと宣っていたが、その後の作品は全て前作を上回り(インクレディブルは違う)、アカデミーの長編アニメ作品賞を2度も受賞した(6作品で2度はとんでもない打率である)。株式も公開され個人オーナーであったJobsはまた大富豪に返り咲くことが出来た(Pixarの株だけで25億ドル位になるかも知れない)。

 SONYにとって1995年は変革の年であった。創業者がSONYから去り、物作りから物売りへと路線を変えていった。ゲーム機以外にヒット商品がなくなり、金融や保険が収益を上げる組織へと官僚化が進んで行った。それまで自社開発していたNEWSやHitBitという失敗からPCから手を引いていたが、Windows路線でのPC復活と言う方針が決められたのもWindows95の成功が原因だったのである。

 死んだはずのAppleは最新の遺伝子工学によって完全に別物になって復活し、Pixarは映画業界にとってなくてはならない存在(まさに21世紀のディズニーである)となった。SONYはダメ会社のらく印を押され、大きくなり過ぎたMicrosoftはまともなOSを出すことさえ出来なくなりまるで10年前のApple同然である。Appleが完全に死んだ時に馬鹿なユーザはその死を認めず、それが復活へと繋がったが、果たしてWindowsにそれだけ信仰を持っているユーザがいるのだろうか。

結論:10年と言う年月は短いようで長いものである。

金曜日, 3月 11, 2005

BDとApple

 BD(ブルーレイディスク)陣営にAppleが加わったことで各メディアは追い風になると発言しているが、それはちょっと違うような気がする。Appleは次期PowerMacでHDをサポートしたDVDを搭載してくる可能性があるが、それがそのままBDに勢いを付けるとは限らない。そんなに買いかぶってはいけないのだ。所詮Appleは小さなパソコン会社に過ぎない(本当にそう思っているかはご想像にお任せする)。より重要なのは松下がどこと組んだかなのである。松下は今回はBD陣営に最初から参加しているので、ここでAppleが加わるかどうかは大した問題ではない。もちろん、松下が主導してもパソコンの世界に影響を与えられないことはDVD-RAMが広がらなかったことで実証済みだが、今回の媒体はパソコン用ではない。つまり、SONYが開発したことよりも、松下が参加したことに意味があるのだ。今年のMacEXPOでSONYのBDが大きく取り上げられたが、昨年の夏には松下のHD VideoとFinal Cut Pro HDが大きく取り上げられていた。当時、SONYからはHDをフルサポートするビデオが出ていなかったことが原因(BDに焼くべきデータを作るビデオがSONYになかった)だった。だから、別にSONYに肩入れした訳ではないのだ。出井さんが辞めるから、参加を正式に表明したって...
それは、あるかもしれないな。

木曜日, 3月 10, 2005

Macにまつわる色々な話

 アメリカでは、Macの噂サイトがAppleに訴えられたり大騒ぎであるが、その中の一つから「mini」ノートを開発していると言うものである。これは、予てから噂されていた物であるが、もともとはPowerbookが今以上に薄型・軽量化されるといった物であったが、G5の発熱を考えると矛盾していた。つまりは、G4版のスリムノートをAppleが出そうとしているということだ。手書き認識の噂もあるので、薄いタブレットタイプ(HDDはiPodで使わなくなった40Gが怪しい)で厚みは1.5センチ、大きさは12インチワイドだと非常に面白いと思う。

 もう一つは、Linuxの立役者L・トーバルズは現在PowerMac G5でLinuxの開発を行っていると言うものである。流石にMac OSXを使っている訳ではないとのことであるが、さぞかしIntelが入っていないマシーンは快適なことだろう。ビル・ゲイツはiPodを使っていないとインタビューに答えているがMacユーザであることは有名なのでiPodも使っていると睨んでいる。

 それと、VirginがiPod対抗で開発していたデジタルプレイヤーから脱落したと言うこと。いつも言っていることに重なるが、まもなくVIAIO Pocketは生産終了するだろうし、他のメーカー(東芝など)も遅かれ早かれそうせざるおえない。東芝などはHDDを黙って売っていれば良かったのにGIGA BEATを出したりするからiPod miniのHDDはSeagateやIBMに変わってしまった。配給元であるディズニーのCEOを罵倒出来る人がCEOをやっているAppleには決して刃向かってはいけないのだ。

水曜日, 3月 09, 2005

Jobsの現実歪曲フィールド

 Steve Jobs の現実歪曲フィールドに関する話がWebに載っていたので今日はその当たりのいくつかを紹介したいと思う。

 1997年、暫定CEOだったJobsがMicrosoftのビルゲイツとの提携の交渉にあたっていた。結果的に1億5000万ドルの議決権を持たない株の購入とOfficeアプリケーションの開発継続を取り付けることが出来たのであるが、その時のJobsの口説き文句が「二人が手を結べばPCの100パーセントを手に入れられる」だった。確かに事実はそうなのであるが、まるで自分たちが95%のシェアを持っているようにさえ聞こえる。これが、Jobs流の現実歪曲なのである。結局、Jobsに見詰められたゲイツはJobsの現実を受け入れたのである。

 1980年、ビジネスとしてAppleが成功するには優秀な経営者を必要としていた。Jobsは、当時ペプシコーラのCEOだったジョン・スカーリーを「砂糖水を売って一生を終わるのか」と口説いた。確かにコーラは砂糖水の一種かも知れないが、当時アメリカではペプシがコカコーラをシェアで破り、その立役者がスカーリーだったのだ。片やAppleはまだ株式を公開してもいないへぼな会社。他の人であったらば絶対ほざけない類いの言葉であったのだ。結局、Jobsに見詰められたスカーリーはJobsの現実を受け入れたのである。

 1985年、海のものとも山のものとも知れないNeXTコンピュータに続々と資金が集まった。確かにAppleの中でもとびきり優秀な連中を集めていたので何かを起こす可能性はあったが、まだ何も商品を開発していない会社(1988年にマシーンが発表されたが、まともに動くようになるまでそれから何年も掛かったのである)の月産10万台の生産が可能な製造工場を見せて(製造中止までに総数10万台を販売さえしていない)、ロス・ペローから総額1億ドル、キヤノンから2億ドルの金を巻き上げたのである。Jobsにかかればフル稼働している姿が目の前に現れてしまうのだ。結局、Jobsに見詰められたロス・ペローはJobsの現実を受け入れたのである。

 1997年、いつ潰れてもおかしくない(あることさえ忘れられていた)NeXTが4億ドルでAppleに買収された。新しいOSを必要としていたAppleは、交渉相手としてMicrosoftやBeなどが上がっていたがJobsにあったアメリオは迷うことなくNeXTをパートナーに選んだのである。結果的にはこれが正解であったことは確かであるがその時には誰もそう思わなかったのだ。恐らくAppleのハードとNeXTのOSが揃えば向かうところ敵無しだと囁かれたのだろう。結局、Jobsに見詰められたアメリオはJobsの現実を受け入れたのである。

火曜日, 3月 08, 2005

出井さんが辞めた本当の理由

 これは、非常に穿った見方であるが出井さんがSONYを辞めざるおえなくなったのはAppleとの提携を蹴ったことことが原因ではないだろうか。昨年、アメリカにおいてSteve Jobsとのトップ会談が行われたが最終的に前向きな話はなく終わってしまった。恐らく、出井さんはAppleを売らないかと言うような馬鹿な話をしたのだろう。SONYにはAppleを自分たちよりも下だと思うような傲慢さがある(それが原因でやることなすこと失敗していたのに)。確かに企業規模としてはそうかも知れないが、メディア界に与える影響はJobsと出井さんでは比較にならない。あの、ディズニーのマイケル・アイズナーに対して”映画を知らない奴だ”と平気で言えるJobsをコントロールしようなんて百年早いのである。

 さて、出井さんがいなくなることが決まったSONYは矢継ぎ早に色々なことを始めようとしている。個人的意見としてPSPとiTunesの連携をしなければいけないとか、VAIO PocktやネットワークWalkmanはやめてPSP一本に絞った方が良いと発言してきたが強ちありえない状況でなくなってきた。というわけで、来年辺りには出井さんがCEOを追われたのはAppleと喧嘩すると言う戦略の失敗が原因だったなどと言われているかも知れない。

結論:マイケル・アイズナーは今期は首が繋がったが、今期ポカをやれば出井さんのように途中退場になるだろう。要するにJobsと喧嘩したらダメだと言うことである。

SONYは変われるか

 昨日はSONYが変ると書いたが、久多良木を外したところを見るとまだ出井氏が院政を敷こうとしているような気がしないでもない。実績を上げられなかったのだから、きれいに身を引いてもらいたいものだ。取締役を外れるとはいえ久多良木はグループ役員としてゲーム部門を統括するのでいずれ復活してくるのだろうが、「新陣営は私と安藤さんで考えた」という出井の最後っ屁が今回の人事なのであろう。この辺は、純粋なアメリカの会社との違いなのだろう。Appleでクーデターが起きた時には、アメリオだけでなくそれまで裏で操っていたマークーラなどの取締役さえ一斉に解任されボードメンバーが一気に入れ替わってしまった。それを、日本の企業であるSONYに望むことはやはり無理だったのだろう。個人的な意見だけれども中谷巌は、社外取締役から外したらどうだろう。あいつは出井以下だと思うんだけど。

結論:詰め腹は切ったけれども久多良木を巻き添えにしたところをみると、SONYも本質は日本の企業なのだと実感した。

月曜日, 3月 07, 2005

SONYは本気である

 前回のSONYネタで、SONYは方向転換に真剣に取り組み始めたとコメントさせて頂いたがその通りになるようである。私に一方的に諸悪の根源と罵倒され続けた出井氏がついに退任することになった。同時にネットワークウォークマン発表の時に、上下逆さに持って登場したお茶目な安藤国威さんの退任も決まった。これで、少なくともハードウェアに理解のない人達(新製品の上下が判らないなんて、発表までウォークマンに触ってなかったのが何よりの証拠である)がお辞めになって技術者にとって良い会社に一歩近づくことだろう。

 PS2が上手く行ったためにSONYは全てを誤ってしまった(PS2は出井さん達の手柄では無かったんだから)。ここに来て本当に膿を出し切れるならばSONYは良くなって行く。Jobsが戻った後のAppleのように。

結論:今後はAppleとSONYの提携など、面白い話が出てくる可能性が非常に高くなってきた。大いに期待である。久多良木さんまで退陣と言うことは、完全なニッポン外しかな。

火曜日, 3月 01, 2005

iPodはベースアイテムだ

iPodは単体でも十分魅力的なツールだが、その機能は非常にベーシックなものに限定されている。録音が出来ないし、ラジオも聴けず、動画を見ることが出来ないし、ケースもオプションである。それに比べ、韓国製の商品は至れり尽くせりだ。FMは聴けるし、録音も出来るのだ。しかし、それがいけないのだ。その戦略は、自社だけで閉じてしまう囲い込みである。それに比べ、Appleは非常にオープンに見える。最初のiPodが売り出された時に、iPodにない機能を追加するモジュールがサードパーティーから同時に発売された。これは、明らかにAppleらしからぬ戦略であった。こうして、iPodの周辺機器と言う新しいマーケットを同時に創り出すことに成功した。

それだけではなく、iPodが売れたことによってヘッドフォンが爆発的に売れている。iPodを使い始めると付属するイヤーフォンがどうしようもないと言う訳ではない(最高とは言えないが)のにその音に飽き足らず、もっと良いヘッドフォンが欲しくなるのだ。BOSEやSHUREといった往年のオーディオファンが垂涎のメーカーのヘッドフォンが異常な勢いで売れているのもiPodの影響である。物によってはiPodよりも高い商品なのに、それが売れると言うのは本来はありえない現象である。これは、iPodが単なる流行りではなく一つの新しいメディアとして地位を得たと言うことだろう。

結論:iPodが売れたのは、それ自体が閉じた商品ではなかく(周辺アクセサリーは信じられない位多くなっている)、一人一人が自分だけのiPodにする道を残したことによるだろう。内部のソフトウェアはクローズなのに、オープンに見える。これが、Appleの新しい戦略なのである。

Clieの終焉が意味するもの

つくづく先見の明がないと私に罵倒され続けたSONYがここに来て、方向転換を開始した。1998年の段階で未来は無いとJobsに引導を渡されたPDA(Newton)に2000年になってClieで参画したSONYがついに撤退を決めた。Jobsいわく「PDAに投資するくらいならば携帯電話に投資する方が良い。今迄に一度も主力になったことは無いし、これからもそうなることは絶対に無い」であった。まさにその通りの結果としか言えないだろう。確かに当時のNewtonは、PDAの中では負け組だったかもしれない(機能は高いが価格も高かった)。しかし、Newtonをやめた本当の理由はそんなところには無かった。何故ならば、当時他のPDAでは真似の出来ないレベルのNewtonが発表され、実際に今まで以上に売れ始めたため分社化しようと言うのがAppleの経営陣の判断だった。Jobsが暫定CEOになっていなければNewtonを辞めることは無かっただろうし、PalmやPocketPCと互角に闘うことが出来たであろう。しかし、今の状況を見れば、Jobsの判断は正しかった。資源を割くほどの余裕がなかったのが本当のところかも知れないがあの時の決断は、iPodを開発させたことと同じ重さを持っていたのである。SONYはClieについで、PSXの製造も中止した。恐らくVAIO Pocketも秋までには無くなるだろうし、そうしなければいけない。ここに来て、SONYは本来の力を出すための方向転換に真剣に取り組み出したようである。

結論:SONYは、Appleよりも10年位遅れたビジョンを持った経営者によって運営されてきたために迷走を続けてきたが、ここに来て一気に膿を出し始めた。世界のSONYの復活は以外に早いかも知れない。こうなると、Appleもうかうかしていられない。

木曜日, 2月 24, 2005

AppleとMicrosoft

 AppleとMicrosoft。どちらもIT業界における巨人であるが、その性格はまるで反対である。MicrosoftはIT業界や周辺の家電業界などの動きをもとに開発を行う生産者サイドの立場に立ち、Appleはコンシューマのニーズに答え、ニーズを作り出すことを中心に据えて開発を行う消費者サイドの立場に立つ。IT産業や家電業界は新しいハードウェアを売りたいために、新しい技術が見つかるとそれを使った商品を開発しようとする。Microsoftは、そういった会社が何社か出てくるとやにわにMicrosoft印の商品を開発するか、その会社を買い取る方法を駆使して大きくなってきた。
 この方法は20世紀までは非常に有効だった。その証拠になんら飛び抜けた技術を持っていないMicrosoftがここまで巨大に成長することが出来たのだ。しかし、時代はそういった20世紀型の企業に別れを告げようとしている。MicrosoftやSONYの音楽配信技術は音楽業界にとってはありがたいがユーザにとってはうれしくない技術を駆使して作られている。そのため、音楽業界(特に日本の)がいくら声を大きくしても消費者達はそれに躍らされることなく自分たちの欲しいデータを正しいサイト(iTMS)からダウンロードしている。これは、音楽だけではなく全ての業界がメーカー主導ではなくユーザー主導で動かされる時代になったことの証なのである。

Microsoftの商品:Xbox、Media Center、TabletPC、いつまでも出ないLonghorn
Appleの商品:iPod、Mac mini、iMac、確実に進化しているMacOSX
これらを比べればAppleとMicrosoftのどちらが魅力のある商品を作り出しているかが明らかである

結論:これからのビジネスは供給サイドの思惑を一番無視できる企業によって淘汰されて行くだろう。それが出来ないMicrosoftは決してAppleを葬り去るような力を持つことはないだろう。

月曜日, 2月 21, 2005

Mac miniを使おう

 ちゃんとしたOS(何故かWindowsやLinuxがちゃんとしていると考えている人が世の中に多いらしい)とアプリケーションが付いてあの価格で買えるPCはMac miniの他にはない。ちょっと言い過ぎかも知れないが、OfficeがバンドルされていないPCに何が出来ると言いたい。3ヶ月やそこらで切れてしまうウイルスチェックソフトなどは邪魔なだけだ。MacはiLifeを使いこなすだけで十分以上に元が取れる。これは、iPodとiTunesの組み合わせだけを考えても十分に納得いくことだろう。PCの買い替えを考えている人はWindows用のアプリケーションのことは一切考えずにMacに乗り換えよう。きっと人生が変わる。

 Officeを使っていた人はMac版のOfficeの機能に驚くはずだ。Wordがデジタルボイスレコーダになるのだ。文章と結びつけて音声を残すことが出来るのは、Macにマイクが標準装備されているからだ。要点だけをメモするだけでレポートをとることが出来るので、夢中になってキーを叩く必要が無い。その分真剣に話を聞けばいいのだ。そこまで、お金を使わなくてもiWorkだけでWordやPowerPointの呪縛から解放される。要はソフトに縛られることなくやりたいことをするための道具であればいいのだ。同じ縛られるならばより快適な環境に縛られようじゃないか。

 世間ではMacユーザはMacを偏愛して名前さえ付けているという誠しやかな噂(都市伝説)が独り歩きしているが、そんな気持ち悪いことをする奴は紙袋を下げてアキバをほっつき歩いているPCユーザより少ないことは間違いない。Macオタクは、PCオタクのように不気味じゃないぞ。Macをつかう人間は17位で人を殺したりはしない。

結論:Macを使う人間に悪い奴はいない...変わり者は多いけど

金曜日, 2月 18, 2005

来週発表されるもの

 噂サイトでは、来週Appleで大きな発表があると言うことである。恐らくiPod miniとiMac G5が発表されるのだろう。iPod miniは5GのHDDが搭載され、iMacはクロックアップ(2〜2.25G)とAirMacの標準搭載、そして標準メモリが512Mになるのだろう。価格は改定されたばかりなので据置で機能アップと言うのが一番ありえる話だ。そうじゃなければ、Quicktime7の発表とそれに合わせた画期的なデバイスの発表(画期的なので私には想像出来ません)。どちらにしろ、何もないと言うことはなさそうだ。SONYとの関係の変化と言うのもありえるが、物が絡まないとJobsは余り動かないから、SONYがらみなら次期CPUはCellを使うことになったぞなんて言う奴だろうか。どちらにしろ、来週の発表が楽しみである。

iPod shuffleとその後

 来週辺りにiPod miniの新製品が登場するのではないかと言う噂もちらほら出始めているが、台湾ではセブンイレブンがshuffleを売り始めたようだ。日本電産などもiPod景気に沸いているようで、iPod様々かも知れない。一方の勇SONYも黙って見ている訳ではない、本当に本気になってAppleを打ち下す時はもう来ている。Appleを買収しないのかという質問に今のAppleは高すぎると答えているが、逆にSONYのPC部門をMacの製造会社にしてしまった方が良いのではないだろうか。もうPCを作っても儲からないのは明らかだ。

 結論:Sonicstageは今迄にSONYが提案してきたオーディオフォーマットを全て完全な形でサポートした上でMP3とAACを扱えるようにする。ネットワークウォークマンにはSonicstageだけでなくiTunesも添付しユーザーに選択させる。iTunesとpluginによって連携をとれるように、Appleとのライセンス契約を行う。VAIOはNEWSの時と同じように撤退し、PSのように他社に真似出来ない製品に注力することである。

 MDから始まったAtracはMD用の仕様であったのだから、HDDやメモリを使ったプレイヤーに無理やり持ち込むことが間違いだったことは明らかだ。もうアルバム単位で音楽を聴く文化は衰退してしまった。音楽の主体は売る側からユーザー側に移ったのである。

水曜日, 2月 16, 2005

携帯電話がiPodになる日

 3G携帯では、ソニーがウォークマン携帯でAACをサポートしたりMotorolaが、iTunes搭載端末を出したりNokiaとの提携でMicrosoftがAACのpluginを提供するなど、大胆なアプローチがめじろ押しになり始めている。3G携帯では、AACは外すことのできないフォーマットだと言うことなのだろう。意外なところで、Appleに追い風が吹いていたのである。iTMSから直接、携帯に入れることはすぐに出来ないかも知れないがMotorolaの動き次第では以外に早くそうなるかも知れない。

 Quicktimeを視野に入れたアプローチを電気屋さんは真剣に考えた方がいいだろう。それにしても、天下のSONYさえAACをサポートするとは...。もしかしたら、半年後には巻き返すと言うのはiPod互換で行くと言うことなのだろうか?

火曜日, 2月 15, 2005

Windowsは安全?

 「パッチの数はWindowsよりLinuxが多い」からWindowsの方が安全であると言う良く判らない理由でWindowsの優位性を主張している。この主張にはWndowsが安全だと言う根拠が全くないが、Linuxのディストリビュータ版には問題があると言う主張は多少うなずけるかも知れない。安全性の点はともかくとして、Linuxの世界ではスタンダードのバージョンがないためディストリビュータによって似て非なるOSに成り果てている。これでは、ディストリビュータが変わった場合に一からシステムを再構築しなければいけないためコンシューマ用のデスクトップOSとしては失格なのだ。というわけで、Linuxユーザは早くMacOSXにくら替えをした方がいいだろう。

 結論:Widowsのパッチが少ないのは、パッチが作れないからである。だから、Windowsが安全だという主張には根拠がない。こンな主張が通るならば、何の薬も飲まない病人は薬を飲んでいる病人よりも健康だと言うことになってしまう。

日曜日, 2月 13, 2005

Appleは儲かっている

 Appleが、株価の高騰を受けて1対2の株式分割を行うことになった。誠におめでとうと言いたい処だが、手放しで喜ぶことが出来ない。日本では、過去にMacintoshを一番よく売ったショップは潰れてしまうという都市伝説があった。こうして、パスカルやSTEPなどMacを一番売った(要するに他よりも安かった)ショップは消えていった。これは、Appleのマージンがあまりに低かったことが原因だったのであるが、今はアップルストアとの戦いが原因で特徴の無いショップが潰れていっている。アップルストアを相手にしている限り原則として価格競争をする必要はないが、アップルストアはアメリカ直轄のため小売店よりも恵まれた条件で商品の入荷がある。日本国内では、まだこれが原因で潰れたショップは無いかも知れないが、アメリカでは昔からある小さなMac専門のショップがどんどん潰れている。現在発売されている商品に人気があるだけでなく、マージンの必要なショップがどんどん消えていくのである。

 結論:Appleが儲かってそして誰もいなくなったと言う日が来るかもしれない

金曜日, 2月 11, 2005

MicrosoftにiPodが浸透

 前々回、Microsoftの社員にもiPodが人気だというリンクを載せたが社員だけでなく、Microsoftのデベロッパーの間でも浸透しているらしい。これは、一つには今のMicrosoftにはiPodのような人を惹きつける新しいものが何もないからだろう。メディア・センターにも何ら新鮮味がないため、”Microsoftのデベロッパカンファレンスでは、複数の出展社がブースに人を呼び込むために「iPod」が当たるキャンペーンを実施する”くらいしか方法がないのだろう。一つびっくりするのは、これがコンシューマ用のイベントではなくデベロッパー用のカンファレンスだと言うことだ。自分のブースには人を惹きつけるような魅力がないからiPodを使うなんて、デベロッパーとして最低である。そんな状態ならブースなど出さなければいいのに....
 
まあそれくらい今のWindows陣営には活気がないのということなのだろう。

 少なくともAppleのWWDCの目玉にこれと同じことをするデベロッパーなど絶対に出て来ないだろう。Microsoftの方が自由なのだと言えるかも知れないが、デベロッパーの忠誠度の低さが見えて非常に面白い気がする。WWDCで、こんなことをするデベロッパーは絶対出てこないだろう、何故ならそんなことをしたら間違いなく他のデベロッパーが相手にしなくなってしまうからだ。

 結論:Macはやはり宗教なのである。

火曜日, 2月 08, 2005

Appleとその周辺

 iPod shuffleを発売以降、iPodのシェアにネジレ減少が起きているとの指摘がある。確かに現象としては、そうなのかも知れない。iRiverなど他社のメモリタイプのシェアが上がっているようには思えないが、iPodの売上に対するiPod shuffleの影響は大きいのだろう。特に発売が噂された12月以降買い控えによる売上減と、供給不足をどうすることも出来なかったことの影響で全体のシェアを減らしたのだろう。ただ、これは他社の数が増えた訳ではなくて全体に占めるAppleの玉が少なくなったことが原因だろう。2月に入ってiPod shuffleの供給は改善されつつある。このままのペースがいつまで続くか判らないが供給が減ることは考えないで大丈夫だろう。

 さて追う側のSONYがどう考えているかはこのリンクを見てもらえば明らかだが、半年後には巻き返したいと相変わらず馬鹿なことを言っている。なぜ馬鹿かは、”ハードウェアをより快適に操作するためのソフトウェアとしてのSonicStage”という発言で全て明らかだ。現行のバージョンのことを言っている訳ではないのだろうがSonicStageほど評判の悪いソフトはない。あれを使い易いソフトにする位ならば、ネットワークWalkman対応のiTunesでも作ってもらった方がよっぽど速い。無駄な努力をするのは止めてOEMでiPodやMacを作ればいいのだ。売れたってちっとも儲からなかったDVDレコーダでひどい目に遭ったのは前四半期だったじゃないか。

 しかし、そんな体たらくのSONYには、Cellと呼ばれる極めて凄い隠し球がある。これは、これからのPC業界を変えるかも知れないキーデバイスになりうる。それを交渉のキーにしてAppleと連携をとる位の戦略性が今要求されているのだ。昨年、Jobsと出井の間で会合が持たれたがその時に、出井は大失敗をした。あの時に出井がJobsを侮らなければ、今のような苦境を招くことはなかっただろう。先見の明のない出井さん潔く辞めなさい。

土曜日, 2月 05, 2005

iPodがお気に入り

 iPodはMicrosoftの社員さえ虜にしているようだ。自社が開発したシステムを使っているプレイヤーは使いづらいのでiPodに買い替えた人も多いという。詳細はHot Wiredを見ていただければと思うが、ここで面白いのはMicrosoft内でのiPodのシェアが世の中よりも高い80%もあり、世間の人よりもiPodに取りつかれているということだろう。MWAを使っているプレイヤーよりも出来が良いことはMicrosoft社員自身が一番よく知っているのだ。この様子ではクパチーノにあるMacBU(Macintosh・ビジネス・ユニット:Mac用のアプリケーションを独自に開発するMicrosoftのエリート集団)でのシェアは恐らく100%だろう。ちなみに、Microsoft内のヒエラルキーでは、一番上がMacBU、次がofficeチーム、次がサーバチーム、最後がWindowsチームらしい、バグが無くならないのは仕方ないのかもしれない。

 というわけで、Microsoftの社員でさえ認める使いやすさとかっこよさのiPodを買いましょう。そして、落ちこぼれチームが作っているOSを使うのは止めましょう。

金曜日, 2月 04, 2005

真の革新〜それはQuicktime〜

 iPod shuffleMac miniなどの話題に振り回され、Appleをオーディオだけのデバイスで頑張っている企業だと見誤っていないだろうか。実は、一部の人しか気にかけていないのに世の中を革新してしまう根本的な技術をAppleはブラッシュアップし続けている。それは、Quicktimeだ。認識の薄い人から見ればQuicktimeは、Web用のビデオフォーマットのことだと思われている。だから、Windows Media Playerとの比較で語られてしまうが、そんな薄っぺらな技術ではないのだ。その範囲は、携帯電話用のムービーの圧縮からプロ用のHDまでを網羅し、ストリーミングサーバもその中に含まれる。今回発表された"iLife 05"で、HDフォーマットがサポートされたことが大きな話題になったとは聞かないが、この辺りを拾えないIT絡みのメディアは目が節穴と言えるだろう。現在は、アプリケーションレベルでサポートしているだけのように見えるが、今春発売されるMacOSX Tigerにはシステムレベルで扱うためのQuicktime7.0が搭載されるのである。

 予てからの、Jobsの発言をトレースすると、携帯ビデオプレイヤーはやらないと言っているが、Macでビデオを扱わないとは言っていない。iTunesでは既にオーディオストリーミングを家庭内で行えるようにしている。そのためのオーディオポートとUSBポートを備えた無線LAN装置を既に発売している。Mac miniは、メディアセンターとしての機能を装備している。次は、Quicktimeをベースにしたビデオストリーミングだ。それに必要なものは、Quicktimeストリーミングサーバのディフュージョン版とビデオのデジアナ変換チップだけである。そういったツールが出るかも知れないと思ってAppleに注目しておく方がよさそうである。