月曜日, 11月 28, 2005

Macintosh伝説〜第十五章〜

1999年−iBook誕生


iBook誕生
人はそれをホタテ貝と呼ぶ。iMacを彷彿させるカラフルなノートブックiBook。ポリカーボネートとゴムによるコーティングはハードな使用にもびくともしないヘビーデューティーなマシンなのにそのデザインはまるで子供のおもちゃのよう。好き嫌いのはっきり分かれるそのデザインは斬新すぎたためにiMacほどの成功を収める事は出来なかった。このあとAppleは、贅肉をそぎ落とした研ぎすまされたデザインへと商品のコンセプトを移していくがiBookの盛り上がりがもう少し高ければ、逆にCubeはもっと成功していたかもしれない。それにしても、JobsはつくづくCubeには縁がないのだろうか。この時のMacEXPOでは、同時にG4が発表されている。これは次世代をリードするCPUであったが、Motorolaの開発力の衰えをまともに受けてしまい、以後の商品開発に遅れが出始めてしまう。ここにMotorolaとの蜜月に終わりが見え始めたと言える。

AirPort(Air Mac)登場
今では、すっかり当たり前になってしまったワイアレス・ネットワークがAppleから登場した。10Mと言う転送速度は当時一番標準的だった10BASE-Tとほぼ同等だった。ブロードバンドが、当たり前の今から考えれば物足りないかもしれないが、当時は家庭ではINSが一番速い通信速度といえたのだから過剰な仕様だったのである。ケーブルから解放されたiBookは意味もなくトイレやベランダへと持ち出される運命を辿ったのは間違いない。

Cubeには縁がない
初代Macintosh、NeXT Cube、G4 Cubeと、どういう訳かさすがのカリスマでも世の中に受け入れさせることが出来なかった商品群はすべてCube型であった。確かに世の中にCube型の物はあまり多くないのではないだろうか。よく考えたらばサイコロ以外の実用品を見た事がない気がする。世の中にあふれているCube型の物と言えば大抵が何かのパッケージであってその中身を出さずに使うような物は見当たらない。ここに敗因があるのか、それとも...
実はこれは非常に簡単な事が問題となっているのである。価格である。デザインコンセプトが画期的であるためについ高い価格を付けてしまい売れなかった。価格を改定しても、もう遅い。そう言う流れで失敗に終わったのである。捲土重来、価格構成も吟味した上で次のCubeを発表する時を待っているのは私だけだろうか。

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