土曜日, 11月 12, 2005

iTunesの名前が意味するもの

 iTunesが初めて登場した時、それはCDをリッピングするためのソフトウェアの様にしか思えなかったのに名前はiTunesだった。そのためこの時点で、このネーミングに重要な意味が込められていることに気付いたものは多くなかっただろう。初代のiTunesの時からインターネットラジオ局の提供する放送を24時間自由にストリーミングで聞くことが出来たが、そのためにチューナーをイメージさせるTuneという言葉を使った訳ではなかったのである。

 既にバージョンも6になり、念願であったビデオクリップも手に入れられるようなったが、今Jobsが交渉しているテレビ局との番組提供の契約が上手く行った場合には、ストリーミングメディアの一つとして、テレビと言う項目が増えることだろう。そこでは保存出来ない生の情報が提供される。そしてサーバのログを分析することによって今までの視聴率を超える精度で番組の視聴記録を得ることが出来るようになる。放送局はそのデータを元にしてCMを抜いたバージョンを有料ビデオとして販売することが出来るようになる。これは画期的なことだ。つまりAppleは既にテレビを越えるメディアを手中に収める最後の段階にかかろうとしている。それは音楽データの配信の実績を見れば明らかである(有料で成功していることが重要だ)。

結論:JobsがiTunesと言う名前のソフトを出した段階で、今までのチューナー(ラジオやテレビ)を不要にするサービスを視野に入れていたことは明らかである。その中心にある技術はQuickTime(携帯からフルハイビジョンまでカバーしたものは他にはない)である。iTunesとはデジタル時代のチューナーだ。それなのに他のメーカーは未だにアナログチューナーをPCに内蔵した商品を売ろうなどと考えている。馬鹿には未来は見えてこないということである。

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