金曜日, 4月 29, 2005

iPodからも金を取れ

 Macがらみのネタではないのだが、見出しがiPodなので取り上げることにした。

 文化庁とか言う某国の官庁の著作権分科会で、HDDプレイヤーや、PCのHDDから金を取れるようにして欲しいと言う意見を、日本音楽著作権協会、日本芸能実演家団体協議会、日本レコード協会、日本音楽事業者協会、音楽出版社協会、音楽製作者連盟、音楽作家団体協議会といった相も変わらずバカが顔をそろえた談合集団が出したらしい。時代錯誤も甚だしい意見であることは間違いないが、そういった硬直した組織は官庁の御用協会に加盟しているから始末が悪い。そして自分たちの延命ばかりを考えている。

 彼らは何が問題の本質かを判っていない。デジタルで情報を送ることが出来るようなってしまった時代に自分たちもデジタルで商品を提供していながらコピーをさせないと言う考えが通ると思っているのだから間違いない。そして、今迄そうやって得た上納金でオマンマを食べてきたために他の方法で自分たちの食い扶持を得ることを考えようとしていない。そして、手っ取り早く法律で規制してもらえばいいと考えているのだろう。本当にデジタルコピーをされたくないのならば、アナログデータ以外は作らないことである。それが不可能ならば文句は言わないことである。

偉そうに金を要求するが、10年やそこいらでめげるようなメディア(初期のCDはもう腐っているはずである)じゃ仕方ないだろう。初期のCDで廃盤になっている曲はもし持っているCDが腐ってしまったら(酸化する)聴きたくても聴けなくなるんだぞ。そうなった時にお前らはちゃんと金を払ったユーザーのために再プレスして届けてくれるのか、そこまでするというならば金を払おうじゃないか。権利ばかり主張して義務を負わないのはまず、既得権者から止めにしてもらいたいものだ。

火曜日, 4月 26, 2005

iPod破れる

 4月の第一週、ついにSONYのプレイヤーがiPodを追い落とした。やっと歯車がかみ合い出したのであろうか。Appleは1G以下のシリコンプレイヤーのシェアでトップの座をSONYに譲った形になった。デザイン的には今迄のモデルよりも好ましくなったし(個人的にはパナソニックの方がオシャレだと思う)、MP3も標準で読み込めるようになったのが良かったのだろう。問題は、Sonicstageがどこまで使い易くなるかにかかっている。それが、なければ単にSONY買いの人々が買っただけに終わり、来週からの売れ行きが落ちてしまうだろう。そしてそうなった場合、今迄のプレイヤーはSONY買いの人達でさえ買わない代物だったと言うことになってしまう。

 迎え撃つAppleは、間も無くshuffleも含んだモデルチェンジが行われるだろう。絶対的な強さを持つアメリカで、もしSONYに破れるようなことがあったら恐らく誰かの首が飛ぶことになる。これからのSONYの売れ行きを見るばかりではなく、次なる商品の発表がAppleの力を保つための手段になるはずである。Tigerの発表に合わせてPowerMacとiMacの新製品の発表があるが、その次の週当たりに何かが出てくる可能性もなくはない。それが出た後で、SONYとの本当の勝負が始まるのではないだろうか。

結論:AppleはMacとiPodだけの会社ではないと考える方がいいだろう。

金曜日, 4月 22, 2005

LonghornはOSXの真似か?

 今年のAppleの株主総会の目玉は環境保護団体とのやりとりであったようだが、その話題はMicrosoftのLonghornにまで及んだようである。TigerとLonghornは似ていると言われているが、どちらが真似かは、もうすぐ出るTigerといつ出るか判らないLonghornでは答えは明らかである。思い返せばこれは、XPの発売まで遡る。良くXPとOSXは似ていると言われるが、OSXは2000年に発売され、XPは2001年の発売だった。どちらが真似をしたかは明らかだ。MicrosoftはMac用のOfficeを開発している関係でAppleのOSの情報を常にユーザよりも先に得ることが出来る。そして、それは自社のOSに反映可能な情報になる。XPが比較的すぐに出せた理由は、派手なユーザインターフェイスを持ったNTに過ぎなかったからだ。

 Microsoftがこの4年間立ち止まっている間(後退していると言う方が正しいかも知れない)にOSXは、完全にブラッシュアップされてしまった。正式な発売が未定にも関わらず、Longhornに関する発表があるたびに予定していた機能の搭載が削られている。OSXの上を目指さなければいけないのに、どんどんXPと違いのないOSへと退化を続けている。全く持って立派である。JobsはMicrosoftは「すぐに真似することが出来ない」のだと株主総会で語ったが、すぐどころか永遠に真似られないくらいに混とんとしている。もう、XPを安心して使えるようにすることに専念して新しいOSの開発をやめたらばどうだろう。Microsoftの新しいことは世の中に迷惑をかけるばかりなのだから。

結論:Microsoftは真似を出来ないくらいに酷い状態になってしまったのである。

木曜日, 4月 21, 2005

Tiger発売

 個人的には、大歓迎のTigerの発表を喜ぶことが出来ないのは非常に残念である。間違いなくMicrosoftのOSを、5年は引き離すOSの登場である。あれだけ鳴り物入りのはずのLonghornは、いつまでたってもβ版のまま(本当はαにも至っていないのじゃないか)のため、何をトチ狂ったのかXPの大キャンペーンに金を使うらしいから、Longhornがすぐに(2年以内)出ることは無いと言うことだろう。ご愁傷様である。その頃にはOSXは次のバージョンが出ているに違いないので10年位遅れてしまうかも知れない。まあ、実際Windowsユーザは、XP以上のOSを望んでいないようなので、XPに再度力を入れるのは正解なのだろうか。

 さて、本題のTigerだが、Xgridを標準で持っているため遊んでいるCPUでこっそり力仕事をさせたり出来るところが地味ながら素晴らしい(まるでUnixのマシーンみたいって、今のMacはUnixだ)。シェルを使う人を悔しがらせられるAutometerも気に入った。しかし今開発しているシステムはPantherベースで開発しているので、出来ればもう少し発売が遅れて欲しかった。

 間も無くG5やiMacのニューモデルも出るし(今月末には発表でしょう)、売上の落ちているデスクトップに力点が移るのは間違いない。個人的にはうれしいんだけど、単純に喜べない。趣味の世界に過ぎなかったMacが我が社ではメインストリームに躍り出ようとは夢にも考えていなかったのである。

月曜日, 4月 11, 2005

Macintosh伝説〜第五章〜

1989年−あの日に帰りたい


Jobsの逆襲
 業績不振の責任をとらされてAppleを追われたJobsが、業界に再び名乗りを上げた。Next ComputerのNext Cubeの発表である。AppleのMacintosh IIXよりも、高速なCPUを載せたそのマシーンはデザインでもMacintoshを超えていた。ブラック・マグネシウムのその筐体とディスプレイは1本のケーブルで接続されケーブルさえミニマムを目指すJobsの思想を体現する物であった。PowerbookやG5も美しいマシーンであるが、恐らくNext Cubeのデザインを超えるマシーンは今後も出てこないのではないだろうか。それくらいほれぼれするマシーンであった。Apple以外のPCでそんな気持ちになるマシーンはNext Cubeだけなのである。それなのに、悲しいかなどういう訳かちっとも売れなかった。理由はいくつか考えられる。値段が高かった。高いたって、Sunのマシーンが5台しか替えないのに...。時代は既にカラーだったのに、最初のマシーンはグレースケールモデルだった。PCのソフトもMacのソフトも動かない。開発環境であるObjective-Cは、先を行き過ぎていた。たったこれだけの理由で底なし沼にはまってしまうなんて、世の中の人達は、当時も今も見る目が無かったのである。まあ、本当の所はJobsに世の中(下々の人)に合わせる力量がなかったのが一番の敗因だったのは間違いない。

Macintosh Portable発売
 Macintosh初のPortableがついに登場する。1回の充電で12時間駆動、Plusよりも、高速なCPUを載せたアクティブマトリックス液晶ディスプレイのマシーン。これで、ノートブックであったならば今ごろ世の中にPCなんて無かったかもしれない。このマシーンの難点はめちゃくちゃ値段が高かったこととめちゃくちゃ重かったことである。電源の無い所で使えると言うのは素晴らしい事だったが、ブラウン管を使っているデスクトップ一体型のMacintoshよりも重かったのは信じられないことであった。別名”ニー・クラッシャー”。ひざの上で使ったら、ひざが壊れると噂されたとてつもないマシーンだったのである。

Macintosh SE30発売
 恐らく今でも一番愛されているMacintoshはSE30だろう。オリジナルのMacintoshと同じ大きさの一体型のボディにMacintosh IIXと同じCPUを載せ、拡張スロットにビデオカードを装着することによってカラー環境も手に入れることが出来たのである。同じ年にはIIxの拡張スロットを減らしたIIcxやIIciも発売された。大きさが小さくなった分価格もIIxよりも格段にお手ごろになり、どれもがヒット商品となった。しかし、それで味を占めてしまったのか、その後のAppleは、訳が解らないくらいにモデル数を増やし過去のマシーンよりもスペックを落としたマシーンを新製品(廉価版として)として発表するなどの暴走を開始する。結局、Sculleyの栄光の日々もこの暴走で終わりを告げるのである。

土曜日, 4月 09, 2005

Macintosh伝説〜第四章〜

1988年−Macintoshが輝いていたあの日


DTPの始まり
本 体よりも高いレーザプリンタが許されたあの時、DTPの時代が始まった。PostscriptなんてMac以外のパソコンで語られることはなかった。そ りゃそうだ、PCはプリンタにフォントが内蔵されていたんだから。みたまんまが印刷される。それがどんなに素晴らしかったことかは語る必要も無いことで あった。ところが、見たもの以上にきれいに印刷されるプリンタが誕生したのだから、文字数の少ない欧米では、そのまま印刷原稿ができてしまうという状況に なってしまった。それもこれも、Adobeとの蜜月のおかげだったのである。この関係が後に、PhotoshopやIllustratorへと繋がっていったのである。

Macintosh IIx発売
68030 を載せたMacintosh IIxが発売されたのもこの年。1台なんと150万円。このマシーン繋げるのならば、レーザプリンタも安く思えてくるから不思議であった。国産のPCや IBMの互換機ならば果たして何台くらい買えたのであろうか。こんな殿様商売だったのに、今から考えたらば飛ぶように売れたのだから信じられない時代だっ た。こんなに高価でも、マルチファインダーもマルチタスクも不可能なOSだったため一度に一つのことしか出来なかったのだから情けない限りである。CPU は、68000の時からマルチタスクが可能であったが、Macのシステムは、System7になるまで、マルチタスクではなかった。Macintosh以 前に開発されたLisaが、マルチタスクであっただけに何故そんな仕様にしたのかが謎であるが、恐らく、もともと128kしか無かったメモリで動かそうと したことが一番の理由だったのだろう。当時は目の玉が飛び出るくらいにメモリが高かったのだ。87年当時1Mのメモリは4万円、暫くして1Mで1万円位に なったが今ならば1Gでも4万はしないはずである。

PhotoshopやIllustrator
Macが起源のアプリケーションの中には、PhotoshopやIllustratorのようにいかにもMacが最初だろうなと思える物も沢山あるが、 Windowsユーザが聞いたら絶対にそんなことがある訳が無いと言い張るに決まっているソウフトウェアもMac用が始めだったりする。EXCELがそう であることは、比較的知られていることだが、あのMSワードも、Mac用からスタートしたのである。ソフトウェアで日本語を載せた(日本のPCは漢字 ROMを使っていた)のもMacが最初だった。QuarkExpress、PageMaker、Director、FreeHandなど、高価だけれども 高性能なアプリケーションは、みなMacがオリジンだったのである。それもこれも、PCがGUIを持てないほど非力なCPUとOSが原因だったのである。