火曜日, 12月 13, 2005

PC業界の2005年

 Appleにとって2005年は大きなターニングポイントであった。商品が出荷された訳ではないが、心臓部であるCPUをPowerPCからIntelに変更すると言う大きな決断を行った。この決断が吉と出るか凶と出るかは実際に製品が発売される来年以降になるが、IntelのCPUにWindowsをバンドルして販売しているメーカーにとっては、少なからず驚異になるだろう。同じCPU、グラフィックチップ、ドライブを使用していながら、PCメーカーは価格競争をしなければいけないのに一人Appleだけは蚊帳の外にいられるのである。今までのAppleの戦略から考えられることは価格を統一してディスカウントと言う手段は講じてこない。

 しかし、他のメーカーが価格差でAppleを牽制した場合に、Appleは他メーカーよりも安い価格でMacを売ることが可能だ。これはOSを自社開発していないPCメーカーには絶対出来ない芸当なのだ。それを可能にするためにはWindowsが無料にならなければいけないが、あそこまで大きくなってしまったソフト会社を支えるにはそれ相応の実入りが必要なのでタダになることは考えづらいだろう。対するAppleはiPodというヒット商品を抱え、新たな収入源を既に確保している。Appleの価格競争力に対抗出来る企業はDell位かもしれない(但しDellでさえ長期間持ちこたえることは出来ないだろう)。

結論:PCメーカーはAppleを対象した戦略を作ってはいけない。PCメーカーはレッドオーシャンの中でしか勝負が出来ないのだ。世の中のPCメーカーの中で唯一Microsoftの顔色を気にする必要のないメーカーがAppleだ。既にWindowsよりも高性能なOSを持っている。Intelのチップに乗り換えたと言うことはOfficeを必要としない体制を整え終わったと言うことなのである。

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