土曜日, 12月 31, 2005

Macintosh伝説〜第十六章〜

2000年−Mac OSXの時代



Mac OSX 発売開始
ベータ版ではどうなるかと心配されたMac OSXが正式に発売される。従来のOS9.0をclassicモードで起動できるためOSXネイティブでないアプリケーションもそのまま使うことが出来るため、未だにclassicモードだけで使っている人さえいるようである。何故過去に縛られるのか私には理解できません。
最初のバージョンは、旧来のMacOSの皮を被ったOPEN STEPと言う感じが強かったが、良くフリーズするOS(実は誤解)というMacOSの負の遺産を消し去ることが出来たのは、BSDベースのMachカーネルの賜物だろう。一言で言えばMac OSXとは、実績のあるUnixとMacの使い易さの融合の実験であり、それはおおむね成功したと言えるだろう。懸案であったJavaも、ほぼ完全な形で実装されどこへ出しても恥ずかしくないOSにようやくなったのである。

PowerMac G4発表
夏のMacEXPOでついに、PowerPC G4を搭載したQuick Silverが発表された。標準で、Gigabit Ethernetを装備したそのマシーンは、CPUの処理能力で初めてスーパーコンピュータと分類されるパーソナルコンピュータとなったとAppleはのたまった。国防総省では武器となる可能性を持っているためにPowerMac G4を輸出規制の対象にしたほどだった。だが、その声はPCユーザーには届かなかった。当時はIntelの石を積んでいるマシーンの世界では、クロック数だけが全てである。これは、取りあえずでかいエンジンが一番だと考えるアメリカ人の脳みそに最も訴えかけやすいテーゼである。残念ながら、アメリカ人ほどバカでないはずの日本人さえ、未だにクロック神話に目をくらまされ続けているようである。PCとMacでは、使われているMPUの基本設計が違うのに、単純にクロック数を基準にして遅いと勝手に思い込んでいていいのだろうか。

PowerMac G4 Cube発表
好きな人達にとっては、それは特別な存在であった。かく言う私も発表をブロードキャストで生で見ていたのだが、そのデザインの斬新さにしびれを感じた。世に四角いPCは数あれど、G4 Cubeのように逆さにして取っ手を立てるとCubeの中にアクセス出来るなどと言う設計は見たことも聞いたことも無かった。おまけに、スイッチはタッチセンサーになっていて、専用ディスプレイからもプッシュ式のボタンが消えた。何もかもがSF的なそのデザインのマシーンは、冷却ファンがないために熱暴走をする(特にエアコンの無い部屋では)、タッチセンサーに初期不良があって勝手に起動するという、どうでも良いような小さな欠点のために短命に終わってしまった。地味ではあるが、同時に光学式のマウスも発表された。

良くフリーズするOS
確かにSystem7の時代までは間違いではなかったが、OS8以降はよっぽどのことが無い限り落ちるものではなかった。それなのに、Macはシステムが簡単にクラッシュするといつまでも信じられていた。酷いのになるとWindowsのDOSのようなモードを持っていないためクラッシュしたらば修理に出さなくては行けないといった根も葉もない嘘まであったのである。致命的なシステムファイルの破損と、システムのコンフリクトを同一視するという過ちや、ブラックボックスのように見えるシステムが何をやっているかが解らないという不安がDOS系の人達の理解を超えていただけなのである。実際に、Windowsのようにひどい目に遭った人はそう多くは無いはずなのに何故そのように言われたのかは謎のままである。そもそもMacOSは、Windowsのように手を加えなければ使えないようなものではないのである。恐らくWindowsユーザーの体験から、Macはもっと酷いに違いないと言う妄想が生まれ、こういった噂をまことしやかに広めさせたのであろう。DOS vs Macの時代のシステムの安定性の差が、Windowsでも引き継がれていると考えるなんて、バカも休み休み言ってもらいたいものである。

当時は
実は、当時だけなく今でも誤解している人達が多い。いや、多いのではなくほとんどの人がそう思っているらしい。単純化すると誤解されるかもしれないが、PowerPCのクロック数を1.5倍から1.8倍したものがIntel系のクロックに対応すると考えて頂ければ速度を実感してもらえるだろう。それにしても、Motorolaのもたつきが原因で思うように速いチップがなかなか出てこなかったのは間違いのない事実である。ここに来てIBMの踏ん張りでチップの開発ペースも上がってきている。後3年もすれば文字通りクロック数でもIntelの石を凌駕するチップ(15GHz超)が出てきそうである。ゲーム機のチップも、ほぼPowerPCで決まっている(GameCube、PS3、Xbox2のメインCPUは全てPowerPC)し、Xbox2の開発マシーンが、PowerMac G5などという、とんでも無い話になってきている。今後は、大いに期待できそうである。

デザインの斬新さ
悪いけれども、未だにNeXT CubeとG4 Cubeのデザインを超えたマシーンは世の中に出たことが無いと言い切らせて頂きます。もちろん、これは私の感性での話であって世の中の全ての人が同意できるものではないことは百も承知の上での断言である。違いが解るようになってから批判してねとだけ言っておこう。

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