水曜日, 12月 07, 2005

10年一昔

 95年と言えばMacユーザにとっては悪夢の始まりであった。まだまだMacの域には達していないと自分にいくら言い聞かせても、物事の良し悪しを判断出来ない人達(要するに馬鹿)が雪崩をうってWindowsに流れてゆくのを阻止出来なかった嫌な年だった。唯一の慰めはAppleを追い出されたとは言え創始者であったJobsのPIXARが映画をヒットさせたことだけだった。当時偶然レドモンド(Microsoftのおひざ元)に出張中だった私は95日本語版の最後の追い込みにやって来ている日本人の姿(一般にはNECの社員と言う)を多く見かけた。

 10年経った現在、当時のAppleとは縁もゆかりもなかったJobsがAppleの経営者として君臨し、全く違う会社へと生まれ変わっているのに対し、Microsoftは大いなる迷走を繰り返している(利益を上げたとしてももう先は見えている)。MicrosoftのOSやアプリケーションには既にヒット商品が見られない(バンドルされているだけで人気がある訳ではない)。出てくる話題はセキュリティーの問題と、OSの発売時期が遅れると言うことばかりである。そして、問題はユーザーが新OSが遅れることに対して何も感じはしないことだ(もう新しいWindowsを必要としていないことの現われだ)。もう一つの会社PIXARは、10年経っても色あせないどころか今ではアニメ界をリードする企業になっている。

結論:Appleにとってのこの10年はまさにRenaissanceであったが、Microsoftにとっての10年は何だったのだろう。次の10年をリードするのがMicrosoftでないことだけは確かなようだ。

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