火曜日, 3月 01, 2005

iPodはベースアイテムだ

iPodは単体でも十分魅力的なツールだが、その機能は非常にベーシックなものに限定されている。録音が出来ないし、ラジオも聴けず、動画を見ることが出来ないし、ケースもオプションである。それに比べ、韓国製の商品は至れり尽くせりだ。FMは聴けるし、録音も出来るのだ。しかし、それがいけないのだ。その戦略は、自社だけで閉じてしまう囲い込みである。それに比べ、Appleは非常にオープンに見える。最初のiPodが売り出された時に、iPodにない機能を追加するモジュールがサードパーティーから同時に発売された。これは、明らかにAppleらしからぬ戦略であった。こうして、iPodの周辺機器と言う新しいマーケットを同時に創り出すことに成功した。

それだけではなく、iPodが売れたことによってヘッドフォンが爆発的に売れている。iPodを使い始めると付属するイヤーフォンがどうしようもないと言う訳ではない(最高とは言えないが)のにその音に飽き足らず、もっと良いヘッドフォンが欲しくなるのだ。BOSEやSHUREといった往年のオーディオファンが垂涎のメーカーのヘッドフォンが異常な勢いで売れているのもiPodの影響である。物によってはiPodよりも高い商品なのに、それが売れると言うのは本来はありえない現象である。これは、iPodが単なる流行りではなく一つの新しいメディアとして地位を得たと言うことだろう。

結論:iPodが売れたのは、それ自体が閉じた商品ではなかく(周辺アクセサリーは信じられない位多くなっている)、一人一人が自分だけのiPodにする道を残したことによるだろう。内部のソフトウェアはクローズなのに、オープンに見える。これが、Appleの新しい戦略なのである。

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