木曜日, 3月 24, 2005

Macintosh伝説〜番外編〜

iPod人気によってAppleに対する認知はかつてないほど大きくなっているにも関わらず、現在Macintosh専門の雑誌は多くない。思い返してみればユーザの数からは信じられないくらいに多くの雑誌が発行されていた時代がかつてあったのである。その当時はNetで十分な情報を得られるような状態でなかったために、一月以上遅れた情報でも価値があったと言うことである。それと、現在はAppleが何ヶ月も前に情報をおおっぴらにするような体制にないため、記事の書きようがないと言うのも雑誌が少ない本当の原因なのかも知れない。さて今回はかつて出ていた雑誌についての思い出を語りたい。

《MacLife》御用系雑誌
Macの雑誌としては一番古くからあり、その厚みも最大であった。ページが少ない分、紙の厚みが厚く、なおかつ広告が一番多い雑誌だった(半分は広告ページだった)。それゆえの御用雑誌である。提灯記事をなくしてしまうと誌面が成り立たないのじゃないかと危惧したほどである。清く正しいMacユーザが読むべき雑誌だった。

《Mac Japan》 反体制雑誌
Macの雑誌であったにも関わらずAppleを批判する記事を載せることに躊躇しないところはさすが技評(技術評論社)出身と言える雑誌だった。Macの日本の価格から新製品やOSの罵詈雑言まで分け隔てなく載せたためアップル(当時はアップルジャパン)の逆鱗に触れスポンサーが全て降りる(当然アップルの圧力)と言う仕打ちまで受けてしまった。記事の内容はどこまでも濃く担当者のカラーが思いっきり出ていた個性的な雑誌であった。

《Mac World Japan》 老舗雑誌
日本での発行はかなり後半で、なおかつ長続きしなかったが本家アメリカの記事が翻訳されていたため海外でのMacの情報が掴めると言う良さがあった。正統派であったために面白おかしい(ふざけたと言う意味)が少なかったため読者の数は最後まで増えなかったようである。そのため正統派の雑誌ながら最後まで広告で半分と言うような状態にはなれなかった。

《日経MAC》 ビジネス系雑誌
言わずとしれた日経BP発行の雑誌。一部ユーザの間では日経が出したくらいだからMacの未来はバラ色だという雰囲気をかもし出してくれたが、実際にはAppleが坂道を下り降りている時期と重なったためわずか7年ほどで消え去ってしまった。記事の内容はbyteのMacに関係している部分が主体であったが、当時日本のユーザはMacをビジネスで使うことを端から諦めているような連中だったため、Appleの最悪期との相乗効果で短命に終わった。世間では日経Macが無くなった時にMacが無くなったと誤解されたほどであった。

《Mac User》 骨太系雑誌
Macの雑誌の中では、Mac Japanの次に硬派の雑誌であった。アップルにたて突く訳ではないが、内容の濃い記事を主力とした正統派であったが、内容が専門的過ぎたため一番短命だったかも知れない。Macを良く理解していない人間でないと内容を把握しきれない物だったためライトユーザーがおいそれと手を出せるものではなかった。

《MAC Fan》 一般系雑誌
Mac専用なのに一般系とは失礼かも知れないが、日本語文献も皆無の時期からどっぷりとMacに浸かっていた確信犯的Macユーザにとっては得るべき情報のない雑誌だったのは間違いない。創刊号から暫くはお付き合いさせて頂いたが真っ先に購読をやめてしまった。毒にも薬にもなら無い雑誌だったのである。

《Mac People》 素人系雑誌
何か大志を抱いてMacを買ったような人が読む雑誌ではなかった。原理主義者からみたら、お題目や念仏を唱えただけで幸せになると考えている奴らが見るような雑誌にしか見えなかったのだ。買う気も起きなかった。

このほかにも数多のMacの雑誌が創刊され無くなっていったが、現在残っているMac FanやMac Peopleは良い意味で普通の人を相手にしていた。こういう雑誌が生き延びたと言うことはある意味良かったのだと思う。Mac Japanだけが生き残っているようだったら、我々はオウムののように犯罪者になっていたかも知れない。

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