月曜日, 6月 27, 2005

Macの開発環境の変遷

 今でこそMacの開発環境と言えばCをベースとしたものが当たり前であるが、かつてはPascalが基本であった(大分大昔のことではあるが)。Apple純正の開発環境はMPWという統合環境が用意されていたがPowerPC以前は、Lightspeed PascalやLightspeed C(後にSymantecに買い取られてThink'sという名前に変更)で開発されることが普通で、PowerPC以降はCodeWarriorに一気にその座を奪われてしまった。何と言ってもコンパイルのスピードが段違いだったのと、いつまでたってまともなものを出せなかったのでMacのプログラムツールの開発から手を引いてしまった。やがて時代はOSXとなる。過去の資産との互換性を維持したCarbonの開発にはCodeWarriorに一日の長があったが、Cocoaが当たり前となればXcode(当初はOpenSTEP時代のままにProjectBuilderと呼ばれていた)以外に出る幕はない。実質的に無料(OSに標準で付いてくる)ながらそのツールの価値は数十万円に値するだろう。Carbon、Cocoa、Java、Applescript、gcc(Unix)、WebObjects(4年前までは一本600万円の開発ツールだった)のを開発できるツールが無料と言うのはシェアが低くなかったら絶対あり得ないことである(世が世なら都合六百数十万円のツール)。

 そしてついに、MacはIntelのCPUに移行するために新しいXcodeでは、一つのソースからPowerPCとIntelチップ用のバイナリーを同時に作れるようになった。今迄こつこつとCocoaを作り続けていた人にとってこれは大きな武器になる。普通のPCでMacOSXが動くようになるかどうかはわからないがもしそうなった場合には全てのCPUで動くアプリケーションを作ることが可能になる(噂ではOpenStepの時代と同様に他のチップにも対応可能なようである)。

 マシーンの命はハードではなくソフトであることをAppleが宣言した今、時代はまた動こうとしている。

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