金曜日, 1月 06, 2006

DisneyがPixarを買収

 Pixar以外のアニメが今一つでここのところ散々(というかライオンキング以降全くヒット無し)のDisneyがPixarアニメの配給契約交渉がとん挫している状態を打開するために買収交渉を始めたと米紙で噂されているようである。条件としてJobsを会長として迎えるというのであるが、Pixarにとって何らメリットの無い取引だろう。Disneyはアイズナーの時代にABCなどのメディアを傘下にし巨大メディア企業となったが、利益は出ていないどころかWarnerのように身動きが取れなくなっているのが現状だ。Disneyは会社の建て直しのために、PixarのアニメとJobsのマネジメント力を必要としているが、現在のPixarはDisneyを必要とはしていない。

 単純にJobsを引き込みたい(会社の建て直しだ)Disneyが騒いでいるのだろうが、Jobsが乗ってくるとは到底思えない。それくらい今のDisneyには魅力がないのである。日本のIT社長ならばのどから手が出る案件かもしれないが、Jobsのビジョンの中に入ってくるには役不足であることが明らかである。ありえるシナリオとしては、Pixar全体ではなくPixarのソフトウェア部門を買い取らせて会長に納まるという筋書きだろうか。現在のPixarしか知らない人間にとってPixarはアニメーションスタジオであるが、そのルーツは3Dアニメーションを作るためのコンピュータとソフトウェアを開発する会社だった。実際に現在もリリースされているRenderManは、3Dソフト(レンダリングソフト)の最高峰である。この部署をDisneyに買収させてDisneyの会長に収まるというのだ。もう一つのシナリオは、Disneyのアニメーション部門を独立させてPixarを買収させ、なおかつドリームワークスのアニメーション部門を買い取り、名前はPixarにするという筋書きだ。これくらいの条件であれば、JobsがDisneyと一緒になるという話が本当にありえるかもしれない(Jobsとはそれくらいのネゴシエーターだ)。

結論:単純にPixarがDisneyの軍門に降ることはありえない。世界中のアニメーション企業を吸収したアニメーション会社の経営者にならばなるかもしれない。例えて言えばMicrosoftがAppleを買収して名前をAppleに変更し、会長はJobsになりWindowsを廃止してOSXに統一するならば合併しても良いよとJobsならば言いかねない男なのである。

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