土曜日, 4月 07, 2012

Lisaが失敗に終ってMacが生き残った訳

ジェフ・ラスキンに誘われてPARCを訪れたビル・アトキンソンにに連れられてPARCでSteveが目にしたのはSmalltalkで動くAlto。GUIで動くその姿は未来のコンピュータそのものだったが、Xeroxはそれを商品する予定はなかった為、Appleが独自にLisaとして開発することになったのである。Altoのオモチャ版だと言う人が世の中にはいるが、後にXerox Starとして販売したが結局失敗に終わったのだから、PARCには売り物になるオモチャを作る技術はなかったのだ。 さて、ここで問題になってくるのがPARCを訪れSteveが作ろうとしたのはMacではなくLisaであった事実。元々PARC訪問を勧めたのがMac(初期コンセプトが正しい)の生みの親であるラスキンだったためAltoからMacを発想したと勘違いする人もいるかも知れないが(伝記本が山ほど出ているのでもう少ないか)、SteveはAltoで実現されていたGUIを使ったパーソナルコンピュータとしてLisaの開発を思い立った。それまで、世の中にそんなものは存在しなかったのだからStveらしくAppleの中でもピカイチの連中を集めて一代プロジェクトに… しかし、プロジェクトはいつの間にやら100人を超す大所帯となり取捨選択もコントロールされずに夢ばかりが膨らんでしまった。業を煮やした経営陣は諸悪の根源は理想主義に走り過ぎるSteveにあると判断しLisaチームから引き離したのである。問題の本質がそこになかったことは、大きなメモリを持ちマルチタスクも可能だった高価なLisaが消え去りMacが残ったことで明らかだろう。もちろん、Lisaチームの中でSteveのビジョンを理解していたメンバー(要はピカイチ)が脱けてしまったこともあるだろうが、それを束ねていたのはSteveだったのだ。 Steveが脱けた後のLisaチームに残ったのはHP出身の優秀なエンジニア達。常識で考えればこちらが勝つと思われるだろうが… 結論:SteveがLisaチームを追い出されていなかったらLisaがMacになっていたのである。

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