水曜日, 5月 16, 2007

iTunes Store型のビデオサービスには未来はない?

 Forresterと言うなのリサーチ会社の予測が発表された。曰く、”iTunes Store型”のビデオサービスには未来はないというのだ。まあ、半分は正しいが半分は大間違いだと言うのが私の意見だ。大体、ここ10年位のスパンで見てみると世の中の大方の意見は間違いだった。iMacの登場でレガシー(時代遅れと言う意味だ)なシステムを外すのは間違っていると言われ、機能の少ないiPodが売れる訳がないと言われ、売れれば売れたですぐにシェアは落ちると言われた。Appleに対する予測のどれもが間違っていた訳だが、Apple以外のメーカーに対してと置き換えると全て当っているのである。

 現状のiTunes Storeはビデオを売ってはいるが、ベースは音楽配信である。そしてこのままの形(現在のビデオフォーマットをダウンロード販売するという意味)で留まるのであれば、お先は明るくはない(音楽ではこのまま利益を上げ続けるので営業的には問題ない)と言える。しかし、音楽の方では既にEMIの楽曲をDRM無しの2倍のレートで販売することが明らかになっているが、これが音楽だけだと考えるのならば既に頭がいかれていると言っておこう。

 Appleは今年のNABで、フルハイビジョン映像をSDレベルのサイズに圧縮するフォーマットを発表した。あまり大騒ぎにはっていないが、このフォーマットをiTunes Storeのビデオフォーマットとして使うことになれば、現在のビデオの数倍のサイズでフルハイビジョン映像を配信することが出来るようになるのだ。その時にAppleTVの本当の恐ろしさが明らかになる。BDやHD DVDといった新しいメディアを必要とせずに各家庭にフルハイビジョンが入ってくるとなれば、これをダウンロードで買う価値が出てくるだろう。つまり、サブスクリプショションでは今迄のフォーマットだが、ダウンロードではフルハイビジョンが手に入るというオプションの設定だ。あるいは無料でダイジェストのストリーミングというのもあるだろう。それ位のことを考えずにビデオを販売するなど今のAppleにはあり得ないのだ。

結論:現在のiTunes Storeの模倣には未来がない。そして、Appleは既に次の準備を整え終わっているのである。

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