土曜日, 10月 29, 2011

人を突き動かすもの

 Android 4.0になって漸く気持ち良く使える事が重要だと気付いたようだが、今まで情ではなく理でAndroidを考えていたGoogle。盲目的にAndroidを信奉していたスペック系のオタク以外にはその操作体系が理解出来なかったのは気持ち良く使えるようにしようとしてはいなかったのだから当たり前の話である。今回は、Androidの話しは関係ないので批判はこのくらいに。
 
 私がマーケティングが大嫌いなのはBlogの読者ならばご存知なので解説の必要もないだろうが、統計などの数学的な手法で分かるのは過去からの傾向であって未来の予測ではないと言うのが私の基本的な考え。Steveの言う通り市場調査など何千回行ってもまだ見ぬ商品を製品化するなど不可能なのである。Androidが漸く気持ち良く使えるのが大事と気付いた今、Appleが目指しているのはその先にある使って気持ちが良くなる製品作り。SiriなんてGoogleのAIには敵わないからいずれ抜き去られるなんて言っている人は統計で人の気持ちが分かるとでも考えているのだろうが、それは大きな誤解、そんなもので人の気持ちがわかるのならApple以外のメーカーの商品が売れないはずはないのだ。
 
 さて、表題に戻ろう。ものを売ろうと考えたら一番大事なのは人を突き動かすものが何かを知る事。普通の頭しかない人はそこでマーケティングの出番だとなるのだが、そんなもので分かるのは流行廃りの傾向であって次に何が望まれるかではない。Appleがそんな事をして成功してきたわけではないのは皆さんもご存知だろう。
 
 そこで出て来る結果が、前にもblogで書いたようにAppleはイノベーターで革新的なものを出したからだと言う誤った認識だ。きちんとAppleの動きをトレースしていれば解るようにAppleはどこにもないものを作り出した事はないに等しい。逆にそんな事をしたものはAppleだってことごとく失敗しているのだ。世界で最初のPDAだったNewtonがどうなったかを考えてもらえれば分かるように、どこにもないものを作ろうと悪あがきをしていたのはSteveがいなかった最悪の時期のAppleなのだ。
 
 そのトラップにはまる事のなかった少し賢い人達が達する結論は、既に存在するのに大きく育つには何が足りない商品を誰もが欲しくなる製品としてAppleが完成させただけで、その胆はデザインだと言うのだ。だから、どこかの猿まね企業のようにパッケージまでパクると言うバカな事をしてしまうのだが、それも違うと分かるとSteveのプレゼンが上手いからなどと戯けた事を言う始末だ。
 
Appleが成功した理由ではないもの
その1:緻密な市場調査。一般人に今までにない商品を想像など出来ない
その2:どこにもないものを作る。そんなものが連続して出てくるわけがない
その3:デザインが良い。デザインだけで売れるのならばそれはアートだ
その4:Steveがプレゼンしたから。プレゼンで売れるなら世話はない

いつになく前振りが長くなってしまった(流石にくど過ぎる)。答えは既に書いてあるようなものなのだが、人を動かすのは快原則。食欲、性欲、達成欲も突き詰めてみればそれで得られる快感が動機付け。なぜAppleの製品をコリもせず買い続けるのかと問われれば使って気持ちが良いからだし、私が、WindowsやAndroidが嫌いなにはそれを一般の人が使って気持ち良くなるものとは到底思えないから。理屈で物を選ぶのは一部の頭でっかちだけなのである。

結論:漸く気持ち良く使えるところに辿り着こうとしているAndroidを尻目に、Appleは最初から使って気持ち良くなるを目指していた。一般のユーザが使って気持ち良くなる商品を作り続ければAppleのように成功するのである。何が気持ち良いのか分からないのならコンシューマ用の商品など出してはいけないのだ。

火曜日, 10月 25, 2011

黒船襲来に脅える日本のメーカー

 前にも書いた事だが、ハードウェアの面でしか捉えられない日本のメーカーが本格的に電子書籍に進出するために発売開始されたKindleに対して右往左往している。個人的には、Kindleが出て来てもいないのに息切れしたり自滅している状態の日本がKindleで騒ぐ気が知れないのだ(そもそも日本のメーカーにはビジネスモデルさえないじゃないか)。
 
 そんな薄らバカばかりの日本メーカーが浅知恵でどんなハードを出してこようがAmazonに勝つ事などある筈がない。Amazonにはハード本体で儲ける気持ちなどこれぽっちもないのだから、ハードで儲けなくてはいけない日本のメーカーが太刀打ちしようと考える事自体がナンセンスなのだ。対抗しようと思えばKindle以上に安価で販売するかどうでも良い機能で厚化粧をしてカタログスペックで目を眩ませるしかない。
 
 もう一方のAppleは言い値のままディスカウントをする必要もなく売り切る事が出来る(だから粗利がとてつもない)からハードウェアで利益を上げ、コンテンツの売上を期待する必要のないビジネスモデル(iTunesはそれでも大きな利益を上げているが)を取っているが、こちらに対抗しようとすればApple以上に魅力的なエコシステムを用意するしか方法がないが、自社だけでそんなものを作る事など出来るわけもないので提携でどうにかしようと言う話しになるが、そうなればコンテンツからの利益が還元されなければハードで利益を上げなければいけないが、それが出来るならiPadといい勝負をしている筈なのだ。
 
 Appleの製品が売れているのは別にデザインが良いからではない(他と比べたら雲泥の差はあるが)。Steveが命を縮めてまで取り組んでいたのはカッコいいデバイスを作る事以上に、音楽や映画、出版業界の旧弊を取り去る事だったが、それが出来たからこそApple主導でコンテンツを含めたエコシステムを構築出来たのだが、それを全く理解出来ていないのが日本のメーカーも含めた他のメーカー(特に日本は酷い)。業界の顔色の方が顧客の顔色よりも大事な状態で自己満足と言い訳だけの製品が売れたらその方がおかしいのである。
 
結論:黒船を恐れているような振りをしながら、黒船が自分たちに出来ない事をやってもらいたいと考えているのが日本のメーカー。そんな事でAppleやAmazonと勝負などできる筈はないのである。

木曜日, 10月 13, 2011

本当の物づくりを忘れた日本

 Apple以外のメーカーは製品が売れる事が最終目的(Appleだって売れなくて良いなどとは考えていないのは当たり前)なのでどうにかして、他社よりも少しでも多く売れるようにと小手先の機能をてんこ盛りにした製品を作っている。技術者達は自分が開発に関わった機能をどうにかして製品にねじ込むためのお墨付が必要だが、そのための手段として市場調査という意味のない事に大枚をはたいている。
 
 そんな事をしても一般ユーザが、まだ見ぬ商品を思い描く事など出来るわけもないのは調べる前から分かり切っていることなので現状の延長線以上のものがそこから生み出される事など何かの間違い(Steve並の人間が束になって調査の対象者になりでもすれば別だ)でも起こらない限り望めない。
 
 対するAppleの掲げる最終的な目的は人々のライフスタイルをより良くする事。当然、目的を達成するために障害となるならそれが世の中で標準だと考えていようが過去の遺物を捨て去る事を厭わない。目的のために本質追求を捨てる事はないので小手先の技術革新では問題の解決にはならないと判断した場合には業界そのものを変える方向へとターゲットを絞る。今では世界最大のミュージックストアとなったiTunes Storeだって業界のトップを動かしたからなのだ。
 
 日本の家電メーカーをはじめとする多くのメーカーが、物理的なモノを売る事しか考えている限りAppleの物作りを超える事は到底無理。日本のメーカーも創業当時は世の中を変えるために物作りをしてきたからこそ世界に認められたのに、創業者から雇われ経営者に時代が移るにつれてその精神を置き去りにし、グローバルスタンダードなどと言う(守銭奴の)お題目を有り難がってアメリカ的などうでも良いクズ企業になり下がってしまった。
 
 Appleはアメリカを代表する企業だが、その魂は世界でも一番日本的。お客様の喜ぶ顔が見たいから製品作りに妥協をすることはなく、一生使い続けたいと思うような製品を常に出し続けようと努力している(つい、二昔前までは日本では当たり前だったのだ)。それを取り戻さない限りどんな技術力があろうとAppleのような物作りは出来ないのである。
 
 「使って気持ちが良くなるかどうか」。一言で言ってしまえば製品が売れる理由は、非常に単純なのだ。どうしてそんな簡単な事に気付かないのかが不思議でならないが、恐らく理系の考え方しかできない人達が物を作っているからだろう。ユーザの気持ちになれない連中に物作りをさせてはいけないのだ。

結論:Apple製品が売れるようになったのは使って一番気持ちが良くなれたからなのである。その辺りを近いうちに書いてみたいと思うのである。