木曜日, 10月 13, 2011

本当の物づくりを忘れた日本

 Apple以外のメーカーは製品が売れる事が最終目的(Appleだって売れなくて良いなどとは考えていないのは当たり前)なのでどうにかして、他社よりも少しでも多く売れるようにと小手先の機能をてんこ盛りにした製品を作っている。技術者達は自分が開発に関わった機能をどうにかして製品にねじ込むためのお墨付が必要だが、そのための手段として市場調査という意味のない事に大枚をはたいている。
 
 そんな事をしても一般ユーザが、まだ見ぬ商品を思い描く事など出来るわけもないのは調べる前から分かり切っていることなので現状の延長線以上のものがそこから生み出される事など何かの間違い(Steve並の人間が束になって調査の対象者になりでもすれば別だ)でも起こらない限り望めない。
 
 対するAppleの掲げる最終的な目的は人々のライフスタイルをより良くする事。当然、目的を達成するために障害となるならそれが世の中で標準だと考えていようが過去の遺物を捨て去る事を厭わない。目的のために本質追求を捨てる事はないので小手先の技術革新では問題の解決にはならないと判断した場合には業界そのものを変える方向へとターゲットを絞る。今では世界最大のミュージックストアとなったiTunes Storeだって業界のトップを動かしたからなのだ。
 
 日本の家電メーカーをはじめとする多くのメーカーが、物理的なモノを売る事しか考えている限りAppleの物作りを超える事は到底無理。日本のメーカーも創業当時は世の中を変えるために物作りをしてきたからこそ世界に認められたのに、創業者から雇われ経営者に時代が移るにつれてその精神を置き去りにし、グローバルスタンダードなどと言う(守銭奴の)お題目を有り難がってアメリカ的などうでも良いクズ企業になり下がってしまった。
 
 Appleはアメリカを代表する企業だが、その魂は世界でも一番日本的。お客様の喜ぶ顔が見たいから製品作りに妥協をすることはなく、一生使い続けたいと思うような製品を常に出し続けようと努力している(つい、二昔前までは日本では当たり前だったのだ)。それを取り戻さない限りどんな技術力があろうとAppleのような物作りは出来ないのである。
 
 「使って気持ちが良くなるかどうか」。一言で言ってしまえば製品が売れる理由は、非常に単純なのだ。どうしてそんな簡単な事に気付かないのかが不思議でならないが、恐らく理系の考え方しかできない人達が物を作っているからだろう。ユーザの気持ちになれない連中に物作りをさせてはいけないのだ。

結論:Apple製品が売れるようになったのは使って一番気持ちが良くなれたからなのである。その辺りを近いうちに書いてみたいと思うのである。

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