木曜日, 10月 23, 2008

MacBookとMacBook Pro

 筐体のデザインは一新されたけど、大して性能が上がっていないからとAppleの新製品の意味を理解していない人がほとんどかも知れない。そう言う人の目から見ればCPUがべらぼうに速いとか、分かりやすい性能アップ(実際は大してアップしない)が重要なのかも知れないが、AppleがIntelのチップセットを見限った理由がそんな所にないことに気付いた人にとって今回のノートブック(13インチと15インチ)は、画期的な商品なのである。

 ムーアの法則ではないが、過去のPCの性能アップはCPUの速度アップと容量アップに掛かっているのが常識(当然コアの数量アップも同じ)だったが、画像処理などの数値計算(昔は、浮動小数点計算のコプロセッサーが別だったりした)を専門に行うGPUの処理能力がある意味でCPUを凌駕する部分が多くなってきたので、単純な力仕事はGPUに任せて処理速度を上げることが可能になってきた。勿論この考え方は今に始った事ではなく熱烈なファンのいたAmigaなどは、貧弱なCPUしか積まなくても画像、音声専用のDSPに処理を振り分ける事で信じられないくらいに処理を軽く行うというマシーンだった。

 AppleがチップセットをnVidiaに切り替えた最大の理由は、現在のIntelのチップセットで用意されるGPUではAppleのやりたい事が出来ないからである。だからこそ、やらせたい仕事が重いMacBook Proではグラフィックカードを別に載せていたのだ。新しいMacBook Proには二つのGPUを載せて、省エネモードとパフォーマンスモードでチップの使い分けを行っている。流石にOSの微調整では”Hybrid SLI"までは無理だったようだが、新しいマシーン(今後発表のマシーンは全てそうなると言う事)ではGPUを使ったハードウェア・デコーディングを使用する事によって今迄一番負荷の高かったムービーの変換などをいとも簡単に行えるように出来るのだ(少し手を入れただけの今回の専用OSでCPU使用率100%が当たり前だったh.264変換が新しいMacBookでは30%位に激減したそうだ)。

 次に来るSnow Leopardは、全てがCocoaで作られるが、今回のノート版のように付け足しではなくOSレベルで処理そのものをCPUとGPUに振り分ける事によって作業速度を劇的に向上させる事が出来る。それに対応した最初のモデルが今回のMacBookとMacBook Proなのである。どこぞの出来損ないのOSでは常識の新しいOSにすると劇的に速度が遅くなるという法則が、Appleに関しては該当しないことを示せるのはSnow Leopardが発売されてからなのだが、恐らくGPU性能の高い古いマシーンが劇的に速くなるに違いないだろう。

結論:Snow Leopardがでるまでにはマイナーチェンジがあるかも知れないが、今回のマシーンを購入して後悔する事はないだろう。デスクトップ購入を考えている人は後1ヶ月我慢すれば同じ喜びを得られるだろう。見かけは変わらなかったとしても次のiMacはきっと凄いのだ。

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