金曜日, 4月 14, 2006

Boot CampはWindowsを普及させるためのツールではない

 NECの方が、”Appleのサポートが期待出来ないBoot Campはあまり普及しないのではないか”と発言されていたようである。そりゃそうだ、そもそもBoot CampはWindowsを普及させるためのツールじゃない。Windowsを使って欲しいなどと端から考えてはいないわけである。その目的はWindowsしか知らない連中にOSXを知らせることだけだ。β版の状態で殆ど問題なく使えると言う事はLeopard版は恐らくもっと最適化が進んでいるはずなので、下手なPCよりは立派なWindowsマシーンになる事は明らかだが、現行のXPがOSXよりも速く動く事でWindowsの方が速いなどと考えてもらっては困る。

 OSXとXPのグラフィックエンジンの原理は全く違う。XPは未だにビットマップ処理を行っているが、OSXは既にディスプレイ・ポストスクリプトの発展形であるベクター処理でレンダリング描画を行っている。これは未だ完成していないVistaでも取り入れられている技術だが、これを行うとVistaはとんでもなく遅いシステムになってしまう。以前はPowerPCのAltivecをこのレンダリングに使っていたがCoreImageのAPIによって全てをGPUに任せる仕様に変更した。そのおかげで重いはずの画像処理が速くなったのである。

 さて、Vistaが登場する時(出ればの話だ)、OSXとWindowsの本当の勝負が開始される。私の予想では同じクロックのPCで比較したらMacならば全ての処理が少ないメモリでも速く行えるようになるだろう。最低1Gのメモリが必要になる(グラフィックの全機能を使うためには最低でも1Gは必要)Vistaにどれだけの魅力があるかはバカに聞いてみなければ解らないが、そんなものの普及のためにMacがあるわけじゃない事は確かである。

結論:NECの本部長はもしAppleがXPのサポートをしても「競合が一社増えるだけだ」と締めくくりに発言していたようだが、それは認識が甘いだろう。Leopardが登場すれば、相手先ブランド(Apple)でPCを製造せざるおえなくなるPCメーカーの数が増える事を意味するのである。

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