日曜日, 2月 15, 2009

餅は餅屋

 昔から「餅は餅屋」という諺があるが、この渾沌とした時代にそんな事を言っていたのではジリ貧になってしまうのではないだろうか。ゲーム機で他を圧倒している任天堂はもともとおもちゃ屋ではない。まだ誕生したばかりだが、DSiやPSPと同様に騙れるようになったiPodやiPhoneをゲーム機として捉えれば間も無く任天堂やSONYの携帯ゲーム機を凌駕しようとしているが、Appleはゲーム機では一度完全に敗北している。だからこそ、AppleはiPod touchをゲーム機として販売などしなかったのだ。ゲーム機能は、iPodやiPhoneの”Some of Them"に過ぎず、ゲームソフトを入れるかどうかだけの話なのだ。

 AppleがiPodやiPhoneに組み込んだハードウェアは、別にゲーム機として必要な物ではない。SONYがPS3に無理やりBlu-rayを突っ込んだり、cellチップを入れたのとは分けが違うのだ。Appleは唯我独尊で自社の技術でマーケットを組み立てていると良く誤解される事なのだが、Appleは常に顧客のニーズを後追いしている。iTunesの動画配信だってどこよりも遅かったし、iPodをゲーム機として捉えれば最後発だ。普通に考えれば今更遅いと言われても仕方がないだろう。

 しかし、そう指摘する人は「餅は餅屋」のジレンマに囚われているのだ。Appleは、既存のジャンルに入る商品を作ってはいないのに「餅屋」の人は自分の範疇に置き換えてiPodを評価しようとしてしまう。そして、そんなことをした為にAppleに敗れる事になってしまうのだ。

 「餅は餅屋」と考える人はAppleが作っているのはモチではないと批判するがAppleは、そもそもモチだとは考えていない。何を言っているか判らないかも知れないが、モチを音楽プレイヤーやゲーム機と置き換えてもらえれば判るだろう。iPodやiPhoneはパッケージ・コンテンツをこの世から消滅させるネットワーク・デバイスなのだが、餅屋は未だにモチに拘っているのである。

結論:次に来るのは間違いなくテレビである。勿論、地デジのような遅れた(ローカライズされた)技術の話ではないのだ。

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