木曜日, 12月 18, 2008

Netbookを出さない訳

 流石のAppleも11月の売上は前年対比で1%マイナスとなったようである(Appleからの発表ではない)。大きな要因はデスクトップ機の売上が奮わなかった事(日本では相変わらずiMacは売れている)なのだが、単純に総額の伸びからNetbookに市場を奪われているからなどと分析するとんでもないアナリストもいるが、実際にはAppleのモバイルは前年対比で35%も売上を伸ばしているので、Netbookが喰っているのはMacBookではなく、機能ゴテゴテのApple以外のノートPCなのである(共食いして生きていけるのだろうか?)。

 勿論、アメリカの経済状況は悪くなる一方なのでAppleだけがバラ色なんて言う事はないが、Appleは無駄な出費の削減(不要な展示会への参加)や新製品投入の先伸ばし、ソフトウェアビジネス(Snow LeopardやiWork 09)への注力で、しのぐ方針を立てたのかも知れない。無理をすれば出せる商品として、Mac touch(これがAppleのNetbookに当るのだろうがこれはMacというよりは大きなiPod touchになる筈だ)が考えられるが、コストを無視して発売するほど大きな市場があるとは考えていないに違いない。

 AppleがMac touchを出すにはApp Storeが、iTunes Storeの様にデファクトになる必要がある。恐らくMac touchは完全なクローズシステムで、Netbookが機能限定の廉価ノートPCなのに対して、機能拡張版のデラックスiPodという位置づけになるはずである。iPodと同じように外部ストレージなどを付けて使うものではないのだ。アプリケーションは、App Storeだけでダウンロードで購入するだけである。そこまでの準備をするには全く時間が足りないし、Snow LeopardをWindows PC用にパッケージして出す方が戦略としてはローコストだ。Microsoftの迷走は末期症状、XP搭載のWindows PCのサブOSとして僅か10%でもインストールされれば、それだけでVista以上の市場シェアを取る事が出来るのだ。

結論:
ソフトウェアだけで商品を化けさせる事を学んだAppleは、訳の分からない商品を闇雲に発表するようなバカな事はしないのである。ジョブズ以前に訳の分からない商品を闇雲に発売すると言うバカな事をやって十分に懲りているからでもあるのだが...

0 件のコメント: