金曜日, 2月 04, 2005

「復活アップルの逆襲」

 昨日のワールドビジネスサテライトで、「復活アップルの逆襲」と題して特集を放送していた。放送そのものの内容は特に問題がなかったが、今週の解説者の中谷巌の相変わらず(元一橋の教授だが、かなり酷い経済音痴の経済学者である。まあいわゆる馬鹿と言う奴だ)の的外れな言葉にとプチンと切れた。小谷実可子のSONYに対するコメントに対して、「2,3年もすればSONYがやり返すだろう」と切り返したのだ。馬鹿も休み休み言って欲しい。SONYという企業はあとから追いかけて抜き去るような力を持った企業ではない。先行逃げ切り専門なのだ。後追いで先行企業を叩く力を持った企業は日本には、松下電器しかない。つまり、SONYがAppleを破るには誰も思いつきもしない新しい形のデバイスを作るしかないのだ。それは、決してiPodをライバルと意識して作られるような物ではない。

 Appleと言う会社は独自技術で先行する企業のように思われているが、実はその考え方は本質を完全に見誤っている。そう思い込んでいる人達は、Jobsの術にはまっているのだ。確かにAppleが全く新しい商品を開発したことがなくはないが、デジカメ(最初にデジカメを作ったのがAppleだと知る人は少ない)にしろPDA(最初のPDAであるNewtonのプロダクトラインの一つがPalmになったことも知られていない)にしろ敗者になっている。この二つはJobsのいなかった頃のAppleによって開発されたもので、Quicktimeも同じ頃に開発されている。Jobsのいなかった頃の方が先進的な研究をしていたと言えるかも知れない。

 先行型ではない例をあげよう、パーソナルコンピュータはApple IIが最初ではなく、最初に使えるものにしただけである。GUIはMacが最初ではなく、最初に使えるものにしただけである。HDDプレイヤーはiPodが最初ではなく、最初に使えるものにしただけなのだ。キーワードは、『使える』だ。つまり、他のメーカが太刀打ち出来ない点は、Jobsによるパケージ力(プロデュース力)なのである。どんな技術でもそのままでは使い物にならない。使い易い道具にするためには何が必要で何が要らないかを見極める目が必要だが、技術者にはその力がない。それに気付かない代表企業がSONYであり、ここが一番得意な企業が松下電器なのだ。もしも日本企業がAppleを倒すと言うのならば、松下電器が出てこなければいけないのだ。

 結論:SONYがAppleを破ることが出来ると考えるような中谷巌は間抜けである。但し、SCEが関連レコード会社を無視して商品を開発するようなことをすれば勝てるかも知れない。VAIOとの関係を断ってPSPだけでiTunesと連携出来るような方法をとれば、爆発的に売れるかも知れない。これ以外にSONY(実態はSCE)が勝つ方法はない。

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