木曜日, 3月 23, 2006

ディズニーCGアニメ部門をリストラ

 Pixarを買収したディズニーは自社のアニメ部門を完全閉鎖して、リストラと配置転換を行うことを発表した。前にも予想したようにPixarがディズニーのアニメーションを乗っ取ったのだ。これは制作されたアニメーションの利益を考えれば致し方ないことではある(ライオンキング以降ディズニーには一本もモーム欄どころかヒットさえ無い)が、それにしても残酷な話である。アニメーションの制作から始まった会社が自社のアニメを見限ったのだ。これを技術的な敗北(3Dアニメの立ち後れ)と取る人もあるかも知れないが、実際にはアニメーションに対する愛情(企業としての)の差なのである。

 Pixarは、自社が製作するアニメーションを単なる商品とは捉えていない。彼ら(ラセターを始めとした製作者)は夢を実現する為に3Dアニメーションを利用しているだけなのである。そしてその愛情を真っ先に無くしてしまったのが、残念ながらディズニーだったのだ。彼らはアニメを作るのにAI(人工知能)を使って過去の作品から得られた法則性をもとにストーリーを制作した。そのどこにも、人間的なアプローチはなかった。つまり技術力(間違った)では、ディズニーの方がより最先端を行っていたのである。悲しいかなそれが敗因だったのだが。

 同じような話はMicrosoftにも見える。再び延期が決った為にVistaの開発責任者が更迭された。こんなに次期OSの開発が遅れた理由は、必要なものと不要なものの整理がつかないままに開発をしたことにあるのに、開発者のせいにして終わりにしようとしている。1月に出ると言われている(私は出せないと思う)Vistaは、XPから5年も経ちながらまだ完成していない。その大きな理由は出すべきでなかったXPを慌てて出してしまったからなのだ。さてどこがディズニーと同じなのだろう。OSから始まった企業なのにMicrosoftはOSよりも利益を産み出すOfficeに優秀な技術者を割り当てる戦略をとっている。つまりOSに愛情を持っていないのである。

結論:企業は自分の事業に自信を持つ前に愛情を持たなければいけない。それが無くなれば、どんなものでも何時かは枯れてしまう。SONYを見ろ。あの会社がWalkmanに愛情を込めているとは思えない(愛があるならあんな中途半端な商品は作れない)じゃないか。愛のない企業は衰退するのである。間違いない。

0 件のコメント: