水曜日, 3月 15, 2006

iPodの栄華

 現在しか知らない人から見たら信じられないことかもしれないが、iPodが発売開始された時には、SONYのWalkmanと同じように徒花になりかねない商品だったのである。当時既にMP3プレイヤーはSONYも含めた数社から発売されていた。但しそれらはメモリタイプでMDプレイヤーと変わらない曲数しか保存出来ないものばかりだった(当時はメモリが高くて大きなものを載せると高くなりすぎたのである)。つまりiPodが優れていたのは保存出来る曲数の多さだけだったのである(それでも1000曲はぶっちぎりではあったが)。

 では何故、当時他のMP3プレイヤーがMDに勝てなかったのかと言えばMD1枚分と同じくらいしか曲を保存出来ないので年中曲の入れ替えをしなければいけなかったことと、PCユーザーだけが使えるプレイヤーだったからだ。当然SONYは、メモリスティックだけに対応した。そしてiPodである。出た時の反応はこんなものは売れないであった。第一HDDを載せているとは言え当時の携帯プレイヤーでは考えられないくらい高価(¥47,800)だったため、Apple買い(SONY買いと一緒のバカ。儂のことだ)の連中以外には売れないとボロクソに言われたが、実際にそれに近い状態だった。

 では、どうして今の隆盛を迎えたのだろうか。それはiPodをMacの周辺機器とは捉えずに天敵であるはずのWindowsをサポートしたからである。それも最初はサードパーティーのソフトをバンドルしてお茶を濁していたが、正式にWindows版のiTunesを発表してMacユーザと同じ使いやすさをWindowsユーザにも提供したからである。つまり引きこもっていたって誰も心配して覗きになんか来てくれないと言うことだ。

結論:iPodが成功したのは、Appleの宣伝が上手かったわけではない。ユーザの声をどこよりも真摯に受け止めたからである。SONYがダメなのは未だにユーザーを蔑ろにしていることに尽きるのである。

0 件のコメント: