金曜日, 2月 03, 2006

DisneyのCEO

 JobsがいずれDisneyのCEOになるのではないかと言う意見が出始めている。確かにAppleではそうであったので、Jobsならばやりそうだと言えばその通りなのだが大事なのはJobsはDisneyに対してそこまでの思い入れがないと言うことだ。上手く行っているPixarだけでなくAppleの経営にも手を貸したのは、もう一度自分の会社にしたいと言う気持ちもあっただろうが、それ以上にAppleと言う会社を理解している経営者が一人もいない事がわかったからだったのだ。つまりJobsが思い描いているAppleの理想形(Jobsにとってのという意味だ)を具体化出来る人間が、Appleに一人でもいたならば表に出てくる必要などなかったということだ。現に自分の物にしようとしている人間が半年後に全ての株を売却などしないはずだ(株を持ってもいないのに真剣に建て直し戦略を立てると言うのも良く解らないが)。

 Jobsは完全に掌握しているが世間で考えられている程にAppleの株を持っているわけではない。与えられたストックオプションの権利の多くは放棄されているためストックオプションで私腹を肥やしたわけでもない。世間では金の亡者みたいに思われている(そんな時もあったが)が、彼は自分の資産を増やすためと言うよりはゲームの勝者としての立場を得るためにAppleで頑張っていると考えた方が良いだろう。

 さて、それではDisneyはどうなのか。JobsはPixarを作る時に第二のDisneyになろうとしているわけではなく新しいDisneyになるのだと言っている。そうまさにDisneyに替わる物になろうとしてきたわけだ。これはDisneyグループッ全体ではなく新しいアニメのスタンダードになると言う決意を示したわけだが、完全にそれは実現された。Jobsは少なくともアニメに対する思い入れはあるが、他のメディアに対してそれがあるかといえばないように思える。つまりJobsがDisneyのCEOになったとしてもアニメ以外に明確なビジョンは今の所持っていないということだ。

 重ねてAppleとDisneyの経営者が同一になってプラスになる事は何一つない(Jobsがマードックになりたいのならば別だが)。もう巨大になればいいなどという時代ではないのだ。恐竜を食わせるほど無尽蔵に餌が出てくる(経済の右肩上がり)と思うのはおめでたい奴だけである。

結論:Jobsがどうするかは神(Jobsは神かもしれないが)のみぞ知るである。彼がもし引き受けるならば、それはメディア業界を一変させることになるだろう。一つの会社の盛衰ではすまない力を彼は持っているに違いない。

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