土曜日, 1月 15, 2005

iPodは、何故売れるの?

 iPod shuffleが、すぐに手に入らないくらい売れている。アップルストアの覗いてみて驚くことは客層の広さである。アップルの商品は既に、パソコン文化の範囲を飛び出しライフスタイルの世界に溶け込もうとしている。ここが、大事な点なのだがiPodをコアにして新たな文化ができ上がり始めている。仕掛けたのはAppleなのだが、周りがそれを自分たちのやり方でどんどん広げているのだ。Louis VuittonやHermes、Gucci、Pradaといった名だたるブランドさえiPod専用のケースを勝手に作っている(Appleマークがついていないので作るのは自由)。なるべく余計なものを付けずに、周辺装置やアクセサリを自由に作れる仕様にした。そのため、数多くの周辺装置やアクセサリ類が数千種類発売されている。iPodを使ったリモコン(電化製品を動かす)、レーザーポインタは言うに及ばず、Mercedesやニッサン、FerrariまでがカーオーディオにiPodを標準で組み込めるようにしようとしている。

 iPodは限りなくイマジネーションを刺激し、同時にそれ自身で閉じた製品(何から何まで標準で装備している)でないことが、多くの周辺商品を生み出すことになった。そして、それを手にしたユーザ達が新しい文化を築き始めたのだ。これは、他のIT企業では絶対あり得ない。あの、SONYでさえ文化を作ったのはWalkmanだけである。それもここまでの広がりはなかった。言ってみればWalkmanは、カップヌードルと同程度の影響力だったのだ。それに引き換え、iPodは自分のスタイルの中にどのように組み込もうかと考えさせられるアイテムだ。文化に影響を与えるクリエイター達が、まずその魅力に取り込まれてしまう。周辺商品はクリエイター達のイマジネーションがインスパイヤーされたものなのだ。自分が欲しいものを作ったものが、商品になってしまったのだ。

 自分でアレンジできる要素を残しておくこ、そういった物作りをしている商品が少なすぎるのだ。ようするに、そういう商品だから売れるのだ。非常に簡単で非常に難しいなことなのだ。

 追伸:15日が販売初日だったんだけれども、2万台が予約で全て売れきれてしまった。次はいつになるのかわからないようだ。これが単なる物好きだけが買った数字でないことは確かだろう。他のメーカーが何を言っても負け惜しみに過ぎないのは明らかだ。

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